JPH04357039A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フレミングの左手の法
則による電磁力及び合成磁界による斥力を利用してイン
クを吐出させる新規なインクジェットプリントヘッドに
関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリントヘッドの一つに
、電歪素子を使用したものがある。このプリントヘッド
は、一般には共通インク流路から分岐する個別インク流
路の一部に電歪素子を貼り付け、電歪素子に電界を加え
て電歪素子を変位させることにより、個別インク流路内
のインクを個別インク流路の先端口から押し出すもので
ある。

【０００３】又、印字品質を高めるべく高精細度化する
ために、ヘッドをヘッドの走査方向に対して傾斜させて
、印字ドットを高密度化することも行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなプリントヘッドを含めて一般のインクジェットプ
リントヘッドに採用する印字機構では、これまで以上に
印字ドットを高密度化すると共に印字品質を高めるのは
構造的に至難である。例えば、カイザー方式では、これ
以上印字密度を高めることは難しく、バブルジェット方
式では、熱によるバブルを利用しているため、バブルの
発生条件や焦げ付きを考慮するとインクの選択自由度が
低く、印字品質に限界がある。

【０００５】従って、本発明の目的は、印字の高密度化
且つ高品質化を実現するインクジェットプリントヘッド
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のインクジェットプリントヘッドは、基台に
一端から他端に延びる複数の長尺溝を一定間隔を置いて
形成し、長尺溝と長尺溝の間に形成された１つの一条凸
部からこの一条凸部に長尺溝を挟んで隣接する別の一条
凸部まで連続する導体を凸部上に設け、導体に垂直の磁
界を与える磁界発生手段を基台に配置したことを特徴と
する。

【０００７】本発明のプリントヘッドは、全く新しい印
字機構を取り入れたものであり、原理的にはフレミング
の左手の法則による電磁力及び合成磁界による斥力を利
用してインクを吐出させるものである。フレミングの左
手の法則は周知のように、電流の流れる導線の微小部分
が磁界から受ける力（電磁力）が、左手の中指を電流の
方向、中指に直交する人差し指を磁界の方向に向けた場
合に、中指と人差し指に垂直に向けた親指の方向を向く
という法則である。

【０００８】この法則は電動機等に幅広く応用されてお
り、本発明のプリントヘッドでは、基台に形成した長尺
溝と長尺溝の間に位置する複数の一条凸部において、１
つの凸部からこの凸部に長尺溝を挟んで隣接する別の凸
部まで（以下では便宜上、これらの一条凸部を一対の一
条凸部という）連続する導体を流れる電流が基台の一端
から他端及び他端から一端に向かって流れ、基台に配置
した磁界発生手段による磁界が導体に垂直方向に加わる
。従って、電流の方向と磁界の方向が直交しているので
、任意の導体に電流を流すと、この連続導体を設けてあ
る一対の一条凸部が電流の方向と磁界の方向に垂直な方
向の電磁力を受ける。この時、一方の一条凸部と他方の
一条凸部には、各凸部上の導体を流れる電流の方向が逆
であるため、それぞれ反対方向の電磁力が作用する。 又、一条凸部上の実質的に細長い導体に電流が流れると
、その導体周りに磁界が発生するが、一方の凸部と他方
の凸部上の導体に流れる電流の方向が逆であるため、両
方の導体からの合成磁界によると各導体は斥力を受ける
ことになる。

【０００９】このように、双方の一条凸部に電磁力と斥
力が作用する結果、これらの凸部は互いに離れる方向に
大きく傾く。この凸部の傾斜により、双方の凸部間に位
置する長尺溝の幅が広くなり、広幅の溝にインクが十分
に充填される。次に、電流を遮断するか、若しくは電流
の極性を反転すれば、相互に反対方向に傾斜していた一
条凸部が、電流遮断の場合には元の状態に戻り、電流極
性反転の場合には互いに接近する方向に傾く。これによ
り、長尺溝に供給してあるインクが長尺溝の先端口から
押し出される。

【００１０】本発明のプリントヘッドに用いる基台は、
個別インク流路となる長尺溝によって形成される一条凸
部が上記のような電磁力と斥力を受けて素早く傾き、一
対の一条凸部間にある長尺溝内のインクを一気に押し出
す限り、素材に限定はない。しかし、実際には長尺溝の
形成し易さ、一条凸部の傾斜容易性等から、基台として
は感光性ガラス等からなる基板が最良である。又、基台
に配置する磁界発生手段は、一条凸部上の導体に垂直な
磁界を与えるためのもので、磁石、強磁性体が例示され
る。磁界発生手段は、導体に垂直な磁界が加わる限り基
台のどの位置に設けてもよい。例えば、基台の上下に磁
石を配置してもよいし、磁石と強磁性体の組合せでも構
わず、或いは上下のどちらか一方のみに磁石を配置して
も差し支えない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明のインクジェットプリントヘッ
ドを実施例に基づいて説明する。図１は基台としての基
板１の平面を、図２は図１の線Ａ−Ａにおける基板１の
断面を示す。基板１には、基板１の一端（以下、便宜上
後端という）から他端（以下、便宜上前端という）に延
びる複数（本実施例では５つ）の長尺溝２と、長尺溝よ
りも短い複数（本実施例では６つ）の短尺溝３とを一定
間隔を置いて交互に形成してある。長尺溝２と短尺溝３
は共に断面が長方形を呈し、長尺溝２は基板１の前端付
近で基板１の内部を通過する細孔（図示せず）になる。 各細孔は基板１の前端面に付設するオリフィスプレート
６の各オリフィス６１に連通する（図５参照）。

【００１２】各長尺溝２は個別インク流路となり、基板
１上に被せる蓋７（図４と図５参照）において図１の点
線内に相当する部分に設けた共通インク流路（図示せず
）を通じて、インクが各長尺溝２に送られる。なお、短
尺溝３は単に基板１に存在するだけで、個別インク流路
とはならない。各長尺溝２と短尺溝３の間には１０個の
一条凸部４が形成される。これらの一条凸部４のうち、
１つの凸部４からこの凸部に長尺溝２を挟んで隣接する
別の凸部４まで連続する細長い導体５を凸部４上に設け
る。図１から分かるように、この導体５は、各長尺溝２
を包囲するように基板１の後端から前端まで延び、前端
付近で接続されている。細長い導体５に電流を流した時
に導体５は負荷を有していないが、導体５が相当細長く
、導体５自体が或る程度の抵抗を有するため、負荷とし
て敢えて抵抗を付加する必要はない。しかし、所望によ
り負荷を要するならば、各導体５の配線回路中に適当な
抵抗器を接続すればよい。

【００１３】導体５を一対の一条凸部４上に設けた基板
１上には、図５に示すように、弾性材等からなる蓋７を
被せ、個別インク流路である長尺溝２にゴミ等の異物が
混入して、長尺溝２やオリフィス６１が目詰まりを起こ
さないようにする。蓋７の上と基板１の下には、磁界発
生手段として磁石８、９をそれぞれ配置し、本実施例で
は基板１の上から下に向かう磁界Ｈを加える（図４参照
）。

【００１４】次に、このように構成したプリントヘッド
の作用について述べる。プリントヘッドの平面を図３に
、図３の線Ｂ−Ｂにおけるヘッドの断面を図４に示す。 図３において、各対の一条凸部４上の導体５の配線回路
にスイッチ１０を各々接続し、例えば図面で右側の導体
５ｂを正極に、左側の導体５ｂ’を負極にする。個別イ
ンク流路である各長尺溝２には共通インク流路を通じて
インクが充填される。

【００１５】今、仮にスイッチ１０ｂを閉じると、対応
導体５ｂを流れる電流Ｉと、対応導体５ｂ’を流れる電
流Ｉ’は、それぞれ矢印方向に流れる。図４で、一対の
一条凸部４ｂ、４ｂ’上の導体５ｂ、５ｂ’に電流が流
れると、磁石８、９により磁界Ｈが矢印方向に加わって
いるので、導体５ｂには、フレミングの左手の法則によ
って電流Ｉの方向と磁界Ｈの方向に垂直な電磁力Ｆが矢
印方向に作用し、導体５ｂ’には、同様にフレミングの
左手の法則によって電流Ｉ’の方向と磁界Ｈの方向に垂
直な電磁力Ｆ’が矢印方向に作用する。

【００１６】又、細長い導体５ｂ、５ｂ’に電流が流れ
ると、双方の導体の周囲に磁界が発生するのであるが、
ここでの導体５ｂ、５ｂ’に流れる電流Ｉ、Ｉ’の方向
は平行且つ反対であるため、双方の導体からの合成磁界
に基づき、導体５ｂ、５ｂ’には互いに離れる方向（電
磁力Ｆ、Ｆ’の方向と同方向）の斥力がそれぞれ作用す
る。

【００１７】この電磁力Ｆ、Ｆ’と斥力との相乗作用に
よって、凸部４ｂが図４の右側に、凸部４ｂ’が左側に
それぞれ傾斜する。この時、図４には特に示していない
が、各凸部４ｂ、４ｂ’は傾斜すると同時に湾曲する。 即ち、凸部は長手方向の中心付近で最も大きく曲がり、
基板１の前端及び後端ほど湾曲の度合いが小さくなる（
図１参照）。

【００１８】各一条凸部４ｂ、４ｂ’がそれぞれの方向
に傾くと、凸部４ｂ、４ｂ’間に位置する長尺溝２ｂの
幅が広くなり、この広幅の長尺溝２ｂにインクが十分に
供給される。次の瞬間に、電流を遮断するか、若しくは
電流の極性を反転すれば、電流遮断の場合には、凸部４
ｂ、４ｂ’が復元する。電流極性反転の場合には、凸部
４ｂ、４ｂ’が前記と全く反対方向の電磁力を受けて、
長尺溝２ｂの幅を狭くする方向に傾斜する。これにより
、個別インク流路である長尺溝２ｂが狭幅になるので、
長尺溝２ｂに在るインクが押されて、対応オリフィス６
１ｂから吐出される（図５参照）。

【００１９】スイッチ１０ｂを開けば、一条凸部４ｂ、
４ｂ’が元の状態に戻り（電流を遮断した場合はそのま
まで）、長尺溝２ｂにインクが新たに供給される。この
ように任意の導体５に電流を流せば、導体５を設けた一
対の一条凸部４が傾斜し、次の電流遮断若しくは電流極
性反転による凸部４の戻りで、凸部４間の長尺溝２内の
インクが押し出される訳である。

【００２０】

【発明の効果】本発明のインクジェットプリントヘッド
は、以上説明したように構成されるので、基台の長尺溝
によって形成される一対の一条凸部上に設けた導体に電
流を流せば、フレミングの左手の法則による電磁力と合
成磁界による斥力が導体に作用し、一条凸部が傾斜し、
この凸部傾斜によって、一対の凸部間に位置する長尺溝
の幅が拡大・縮小して、長尺溝内のインクが押し出され
るという画期的なものである。

【００２１】従って、本発明のプリントヘッドは、基台
に形成する長尺溝の幅及び長尺溝と長尺溝との間隔（一
条凸部の幅）を可能な限り狭くすることにより、印字の
高密度化及び高品質化を容易に実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェットプリントヘッドにおい
て、複数の長尺溝を形成した基板の平面図である。

【図２】図１に示す基板の線Ａ−Ａにおける断面図であ
る。

【図３】本発明のインクジェットプリントヘッドの平面
図である。

【図４】図３に示すプリントヘッドの線Ｂ−Ｂにおける
断面図である。

【図５】図３に示すプリントヘッドの正面図である。

【符号の説明】

１　　　　　　基板（基台） ２　　　　　　長尺溝 ３　　　　　　短尺溝 ４　　　　　　一条凸部 ５　　　　　　導体 ６　　　　　　オリフィスプレート ７　　　　　　蓋 ８、９　　磁石（磁界発生手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基台に一端から他端に延びる複数の長尺溝
   を一定間隔を置いて形成し、長尺溝と長尺溝の間に形成
   された１つの一条凸部からこの一条凸部に長尺溝を挟ん
   で隣接する別の一条凸部まで連続する導体を凸部上に設
   け、導体に垂直の磁界を与える磁界発生手段を基台に配
   置したことを特徴とするインクジェットプリントヘッド
   。