JPH04354115A - 立方晶窒化ホウ素基板とその製造方法 - Google Patents

立方晶窒化ホウ素基板とその製造方法

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JPH04354115A
JPH04354115A JP15577991A JP15577991A JPH04354115A JP H04354115 A JPH04354115 A JP H04354115A JP 15577991 A JP15577991 A JP 15577991A JP 15577991 A JP15577991 A JP 15577991A JP H04354115 A JPH04354115 A JP H04354115A
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JP
Japan
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substrate
single crystal
gas
boron nitride
crystal
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JP15577991A
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English (en)
Inventor
Tadashi Tomikawa
唯司 富川
Nobuhiko Fujita
藤田 順彦
Naohiro Toda
直大 戸田
Akira Nakayama
明 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイオ−ド、トランジ
スタ、センサ等の各種半導体デバイス、絶縁膜、あるい
は超硬工具材料として有用な立方晶窒化ホウ素を成長さ
せるための基板に関する。特に大量にしかも安価に半導
体デバイスや超硬工具材料等を生産する上で有利な、面
積が大きく表面が平滑な、立方晶窒化ホウ素を成長させ
るための基板に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ホウ素(BN)は窒素Nとホウ素B
の化合物である。立方晶窒化ホウ素(c−BN)、六方
晶窒化ホウ素(h−BN)、乱層構造窒化ホウ素(t−
BN)、アモルファス窒化ホウ素(a−BN)などの構
造体がある。h−BNはBとNとよりなる六角形の平面
構造がc軸方向に多層積層された構造である。t−BN
はh−BNがさらに乱れた構造のものである。c−BN
は閃亜鉛鉱(ZnS)型の結晶構造をとる立方晶系(c
ubic)の物質である。すなわち立方体の隅部と面心
位置に一方の元素があり、一方の元素から1/4、1/
4、1/4ずれた位置に他方の元素がある。
【0003】BNは炭素(C)に似た物質である。炭素
も、グラファイト、ダイヤモンド、アモルファス炭素(
a−c)などの異なる構造体を持つ。大ざっぱに言えば
、h−BNがグラファイトに、a−BNがアモルファス
炭素に、c−BNがダイヤモンドに対応する。物性も炭
素の対応物に似ている。ダイヤモンドが作りにくいのと
同様、c−BNはこれらの構造体の中でもひときわ作り
難い。しかし反面c−BNは極めて優れた性質を持つ物
質である。下記に述べるようにc−BNは幅広い応用が
期待できる材料として強い期待が寄せられている。
【0004】c−BNはp型、n型ともにド−ピング可
能なワイドギャップ半導体として有望である。具体的に
はその優れた耐熱性、高い絶縁破壊強度、高い熱伝導率
を活かした耐環境デバイス、パワーデバイス、あるいは
紫外〜青色発光デバイス材料として期待されている。p
型にするには、Beなどのド−パントをド−プする。n
型にするには、SiやSなどのド−パントをド−プすれ
ばよい。バンドギャップが広いので温度変化によるキャ
リヤ密度の変化が少なく、比較的高温まで真性領域に入
らない。ド−ピングを行わない場合には、c−BNは絶
縁性、熱伝導性に優れた絶縁膜となる。これは半導体デ
バイスの層間絶縁膜などへの応用が注目されている。
【0005】またc−BNはダイヤモンドに並ぶ高い硬
度を有し工具材料としても極めて有望である。ダイヤモ
ンドは鉄と合金を作るので鉄の切削には使えないから、
鉄系材料の加工にはc−BN工具が最適である。しかし
、工具として実用化されているのは高圧合成c−BNの
焼結体である。これらの用途に対しては焼結体でもよい
のであるが、半導体デバイス用としては単結晶のc−B
Nでなければ役に立たない。現在、c−BN単結晶は高
圧合成法によってのみ得られる。これは薄膜ではなくバ
ルク単結晶を作る方法である。ブリッジマン法やチョク
ラルスキー法のような通常よく使われる単結晶成長法は
適用できない。これはBN材料を高圧高温で立方晶にす
るものである。
【0006】ド−ピングを行ったc−BNのバルク単結
晶でpn接合ダイオ−ドを試作し、500℃以上の高温
でも整流性を示し、順バイアス時に紫外〜可視光の発光
が得られたという報告もなされている。しかしこれは再
現性に乏しいし、コストの点で実用的でない。高圧合成
法では、未だ大きいバルク結晶はできず、直径数mm程
のものしかできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既に述べたように、現
在c−BN単結晶を作る方法は高圧合成法しかない。こ
れで作ったc−BN単結晶は直径が僅か数mm程度の粒
状結晶である。現在のところ大きい単結晶のc−BN基
板を得ることはできない。大きい単結晶基板が得られな
ければ、Si半導体のように、ウエハプロセスによって
同一の半導体を数多く一挙に製作するということができ
ない。それでは生産性が悪く品質が一定しないので実用
的な半導体デバイスを作る事ができない。実用化のため
には大面積の基板が不可欠である。
【0008】単に面積が小さいというだけでなく、高圧
合成法は高価な高圧発生装置を必要とする。このため合
成した単結晶の価格が極めて高くなってしまう。これも
従来技術の重大な欠陥である。c−BN単結晶の幅広い
応用を考えるとき、大きな面積の、平滑なc−BN基板
を、安価に形成することができるのでなければならない
【0009】以上はバルクのc−BNの事である。c−
BNを成長させる基板であるから、c−BNを基板とす
るのが最も良い。しかしバルクのc−BNができないの
で、c−BN以外の物質を基板として、この上にc−B
Nの単結晶薄膜を形成するという事が次善の策として考
えられよう。
【0010】従来から熱CVD法、RFプラズマCVD
法、マイクロ波プラズマCVD法などのCVD法や、I
VD法(イオン蒸着:Ion  Vapor  Dep
osition)、イオンプレーティング法、活性化反
応性蒸着法、スパッタ法などのPVD法によってなんら
かの基板の上にc−BN単結晶薄膜を成長するという事
が試みられてきた。
【0011】既に、SiやNaClなどの単結晶基板上
にc−BN薄膜が形成できたという多くの報告がなされ
ている。しかしこれらは全体がc−BNであるのではな
いし、いわんや全体が単結晶になっているのではない。 このような単結晶Si、単結晶NaCl基板の上にCV
D法、PVD法で成長させたものは、現在のところたか
だか直径数100Åの微結晶c−BNからなる多結晶薄
膜にすぎない。現在なお大きな面積の平滑な単結晶薄膜
がCVD法、PVD法によっても得られていない。しか
し、半導体素子を形成するための半導体材料であるため
には良好な単結晶、もしくは単結晶層であることが必要
である。特に半導体素子の特性向上のためには結晶欠陥
の少ない単結晶が不可欠である。
【0012】ところが、単結晶バルクc−BNは現在の
ところ高圧合成法で小さいものができるだけである。薄
膜単結晶c−BNは未だにできない。このため大面積の
c−BN単結晶基板というものは未だに存在しない。ど
うしてSi、NaCl単結晶の上にc−BN単結晶が成
長しないのかというと、これは格子定数の違いが大きす
ぎるためである。c−BNは閃亜鉛鉱型の結晶構造で格
子定数が3.615Åである。Siはダイヤモンド型の
結晶構造で、c−BNとよく似ている。しかしSiの格
子定数は5.4301Åであって、格子定数が1.8Å
も違う。このため格子不整合が大きい。このような理由
でSi単結晶の上にc−BNをエピタキシャル成長させ
単結晶薄膜を得るということができない。
【0013】NaClはNaCl型の結晶構造を持ちc
−BNとは全く違う。しかも格子定数が5.62Åで、
c−BNの3.615Åと大きく異なっている。このた
めNaCl単結晶とc−BNとは格子不整合が大きすぎ
て、NaCl基板の上にc−BNをエピタキシャル成長
させることができないのである。このような難点を解決
し、大面積の平滑なc−BN基板もしくは単結晶c−B
N基板を大量かつ安価に提供する事が本発明の目的であ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のc−BN基板は
、Ni基板と、Ni基板上に形成されたc−BN層とよ
りなる。本発明に於いて使用するNi基板は引き上げ法
など公知の結晶成長法により製造したNiインゴットか
ら薄く切り出したものを使うことができる。多結晶であ
ればできるだけNi結晶粒径の大きなものが望ましい。 できれば単結晶Niであることが望ましい。通常に用い
られるNi板やNi塊は溶融Niを冷却したものである
から粒径の小さい多結晶である。こういうものではだめ
で、単結晶Niが最も良い。これは引き上げ法(チョク
ラルスキー法)などにより、高純度のNi材料から成長
させることができる。多結晶の場合でも粒径の大きいも
のである事が要求される。
【0015】Ni基板の上に形成するc−BNは、前述
したような公知のCVD(Chemical  Vap
or  Deposition)法やPVD(Phys
icalVapor  Deposition)法によ
って形成できる。このc−BNは単結晶である事がもち
ろん望ましい。しかしc−BNは多結晶になる事もある
。この場合に於いても表面粗さが1000Å程度か又は
それ以下である事が要求される。
【0016】
【作用】c−BNは閃亜鉛鉱型の結晶構造で格子定数は
3.615Åである。SiやNaClなど格子定数がc
−BNのそれと大きく異なるものを基板とせず、本発明
ではNiを基板とする。Niの格子定数は3.5238
Åであり、c−BNの格子定数3.615Åに近い。結
晶構造も面心立方型で、c−BNの構造に近い。そこで
Niの上にc−BNを成長させると平滑なc−BNが得
られるものと考えられる。
【0017】もしもNiが単結晶であれば、この上に成
長するc−BNも単結晶になる確率が高い。また単結晶
にならないとしても、平滑なc−BNが得られる。本発
明は半導体用途や工具用途として有用な基板を作るのが
目的であるので、平面が平滑だという事は重要である。 本発明でいう平滑なc−BN層とは、その表面粗さが表
面粗さ計による測定でRmax が1000Å程度以下
のものである。このような平滑なc−BN層は、単結晶
であるか、双晶を含む単結晶であるか、あるいは粒径が
数μm以上の多結晶からなる多結晶であると考えられる
。この中ではもちろん双晶を含まない単結晶であるのが
望ましい。図1に本発明の基板の概略構造を示す。
【0018】ここでc−BN層としてはノンド−プ層で
あってもよい。この上にさらにp型、n型のc−BN層
をエピタキシャル成長して所望の活性層を作ればよいの
である。ノンド−プ層であれば、これは絶縁体であるの
で素子間分離がそれによってなされる。しかしノンド−
プ層に限定されるわけではない。Ni層の上に形成する
c−BN層は、SiやSをド−プしたn型半導体とする
こともできる。あるいはBeをド−プしたp型半導体と
してもよい。そうすれば基板の一部を半導体デバイスの
能動層の一部として利用する事ができる。
【0019】以上に説明したものは2層構造の基板であ
るが、ノンド−プc−BNをNiの上に形成し、さらに
その上にp型又はn型不純物をド−ピングしたc−BN
層を積層した3層構造としてもよい。図2にこれを示す
。さらに下地基板であるNiをエッチング又は研磨によ
って除去することにより、c−BNのみからなる自立膜
とすることもできる。図3にこれを示す。Ni層の上に
形成するc−BN層の膜厚は厚すぎると熱膨張係数の差
によって基板の反りが生ずるので10μm以下が望まし
い。しかし前述のようにNi層をエッチング除去して、
c−BNの自立膜とする場合は、膜厚を10μm以上に
してもよい。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕図4に示す平行平板高周波プラズマCVD
装置を用いて、本発明のc−BN用の基板を作製した。 プラズマCVD装置は、真空に引くことのできる反応室
2の中に、基板3を取り付けた基板ホルダ4と、下部電
極5とを上下に対向して設置したものである。基板ホル
ダは上部電極として機能する。これは直流電源6によっ
て直流バイアスを与えることができる。基板ホルダ4の
中にはヒ−タ7があって、基板3を適当な温度に加熱で
きるようにしている。
【0021】下部電極5には高周波電源発振器8によっ
て高周波電圧が印加される。下部電極5は空洞となって
いて上面には多数の穴が穿孔される。ガス導入口9は下
部電極5の内部に連通している。導入されたガスは下部
電極5の穴から反応室2の内部に供給される。反応後の
ガスは排気口10から排除される。電極間に加えられた
高周波電力によって放電が起こりガスが励起される。ガ
スが励起されることによりプラズマが発生する。これが
気相反応して基板の上に堆積してゆくのである。成長の
工程を説明する。
【0022】直径1インチ面方位(111)の単結晶N
i基板3を基板ホルダ4に取り付けた排気口10に接続
された真空排気装置(図示せず)の動作により反応室2
の内部を2×10−4Torr以下に排気した。次にN
i基板をヒ−タ7によって750℃に加熱した。続いて
、ガス導入口9よりジボランガス(B2 H6 )を0
.2sccm、アンモニアガスを2sccm、水素ガス
を100sccm、Arガスを200sccm導入した
。排気口10に設けたコンダクタンスバルブ(図示せず
)を調整して反応室2の内部の圧力を50Torrに保
持した。その後、下部電極5に接続した13.56MH
zの高周波電源発振器8を動作させ500Wの高周波電
力を上下電極間に供給した。上部電極である基板ホルダ
4と下部電極の間にプラズマが生成された。さらに直流
電源6によって基板ホルダ4に−400Vの直流バイア
ス電圧を印加した。この状態でc−BN層を膜厚が1μ
mになるように形成した。
【0023】成長条件を一括して記すと、      
方法                       
     高周波プラズマCVD法      基板 
                         
  単結晶Ni(111)      原料ガス   
                     Ar、H
2 、B2 H6 、NH3            
                         
    Ar        200sccm    
                         
           H2         100
sccm                     
                   NH3   
        2sccm            
                         
   B2 H6     0.2sccm     
 圧力                      
      50Torr          高周波
電力(13.56MHz)  500W       
 基板バイアス                  
  −400V      c−BN膜厚      
              1μmである。得られた
c−BN薄膜の結晶状態を高速反射電子線回折により観
察した。膜中に双晶が含まれ単一の単結晶ではないが、
c−BNに対応したストリーク状の回折パターンが認め
られた。解析の結果、これは双晶を含んだ単結晶の(1
11)面である事が分かった。表面粗さ計で表面粗さを
測定したところ最大で110Åであった。十分に平滑な
表面であるということである。
【0024】〔比較例1〕Ni基板の効果を確かめるた
めに、面方位(111)の単結晶Si基板の上に実施例
1と同じ方法でc−BN薄膜を成長させた。基板がNi
でなくSiであるという点以外は実施例1と同じである
。厚さも1μmである。これを同様に高速反射電子線回
折により観察した。その結果、c−BNに対応したスポ
ッティなリングパターンが得られるがストリーク状のパ
ターンは現れなかった。つまり単結晶ではなく多結晶の
c−BNであるということである。また表面粗さ計で測
定したところ表面粗さは最大で1300Åであった。 これらの結果から、Si基板の上に成長させたc−BN
よりも、Ni基板の上に成長させたものの方が格段に優
れているという事が分かる。単結晶でありしかも極めて
平滑である。
【0025】〔実施例2〕図5に示すイオンプレーティ
ング装置を用いて単結晶Ni基板の上にc−BN薄膜を
2μm成長させた。真空容器21は、排気口20に接続
された真空排気装置によって真空に排気できる反応容器
である。上方に基板16が取り付けられる。これは高周
波電源18によってバイアスされる。基板16の背面に
はヒ−タ17があって、基板16を適当な温度に加熱す
ることができる。真空容器21の下方には電子銃11が
ある。これは熱フィラメントから熱電子を出し加速する
ようになっている。加速された電子が磁石の作用で円弧
を描いて飛行し、水冷るつぼ12に収容された金属ホウ
素13に衝突する。これによってホウ素が加熱され蒸発
する。シャッタ42はホウ素のビ−ムを通過あるいは遮
断するものである。基板16と水冷るつぼ12の中間に
イオン化電極14があり、これには高周波発振器15が
接続され、導入されたガスをイオン化するようになって
いる。真空容器21の壁面にはガス導入口19があって
気体原料を導入できるようにしている。操作を述べる。
【0026】真空容器21は1×10−4Torr以下
に排気する。水冷るつぼ12に保持された金属ホウ素1
3を電子銃11から打ち出した電子により溶解蒸発させ
た。シャッタ42を開き、基板に向けてホウ素の蒸気を
蒸発させた。ガス導入口19より、N2 ガスを2×1
0−3Torr、Arガスを4×10−3Torr導入
した。 イオン化電極14には13.56MHz、500Wの高
周波電力を与えて、N2ガス、Arガスをプラズマ化さ
せた。面方位(100)の直径1インチの単結晶Niを
基板とした。この基板は予めヒ−タ17によって600
℃に加熱しておく。基板自体にも高周波電源18によっ
て13.56MHz、150Wの高周波電力を供給して
いる。このような条件設定の下に膜厚2μmのc−BN
膜を成長させた。成長条件を一括して再記すると、  
    方法                   
         イオンプレーティング      
基板                       
     単結晶Ni(100)      原料ガス
                        A
r、N2                     
                    Ar   
   4×10−3Torr            
                         
   N2       2×10−3Torr   
   原料金属                  
      B        イオン化高周波電力 
             500W        
                        基
板高周波電力                  1
50W        高周波周波数        
            13.56MHz     
 基板温度                    
    600℃      c−BN膜厚     
               2μmである。得られ
たc−BN薄膜の結晶状態を高速反射電子線回折により
観察した。回折後には、単結晶c−BNに対応したスト
リーク状の回折パターンが認められた。 解析の結果、生成された薄膜は、双晶を含んだ単結晶c
−BNの(100)面であることが分かった。表面粗さ
計で表面粗さを測定したところ最大で140Åであった
。極めて平滑な単結晶である。
【0027】〔比較例2〕比較のため実施例2と同じ装
置、方法で面方位(100)の単結晶Si基板と、面方
位(100)の単結晶NaCl基板上にc−BN薄膜を
2μm形成した。得られたc−BN層の結晶状態を高速
反射電子線回折により観察した。Si基板上、NaCl
基板上に成長した薄膜はいずれも、c−BNに対応した
スポッティなリングパターンが得られるのみで、ストリ
ーク状の回折パターンは見られなかった。これらの結果
から、Si基板、NaCl基板上の薄膜は多結晶c−B
Nであることが確認された。最大表面粗さはSi基板上
の薄膜が1500Å、NaCl基板上の薄膜が1800
Åであった。
【0028】実施例2と比較例2の相異は基板の違いだ
けであるが、形成されたc−BNは単結晶と多結晶とい
う切然とした違いがあり、平滑度も全く違うということ
が分かる。
【0029】〔実施例3〕図6に示すスパッタ装置を用
いて単結晶Ni基板上にc−BN薄膜を成長させた。ス
パッタ装置は、反応室22の中に、下部電極23、基板
ホルダ26(上部電極に当たる)、ヒ−タ27などを設
けたものである。基板34は基板ホルダ26に下向きに
取り付けられる。ヒ−タ27は基板を適当な温度に加熱
するためのものである。反応室22には排気口25があ
り真空排気装置(図示せず)につながっている。ガス導
入口28からは原料ガスを導入できるようになっている
。コンダクタンスバルブ29によって、圧力を調整する
ことができる。下部電極23にはマグネット32が設置
されている。この上に金属ホウ素タ−ゲット24が置か
れている。下部電極23は第1の高周波電源発振器30
により高周波電力が供給される。
【0030】基板ホルダ26にも第2の高周波電源発振
器31によって高周波電力が与えられる。スパッタリン
グ装置であるので、アルゴンガスなどを高周波電力で励
起してプラズマとする。これをタ−ゲットに当てて、衝
撃力によりホウ素を飛び出させる。このホウ素が加熱さ
れた基板34に当たるので、原料ガスのN2 と反応し
て、c−BNの薄膜が基板34の上に堆積される。具体
的な操作について述べる。
【0031】基板は、(111)面から(100)方向
に3度傾いた表面を有する直径1インチの単結晶Niで
ある。この単結晶Ni基板を基板ホルダ26に取り付け
た。下部電極23には金属ホウ素板をタ−ゲットとして
取り付けた。反応室22を閉じて真空排気装置により、
内部を1×10−4Torrに真空排気した。ヒ−タ2
7に通電しNi基板を650℃に加熱した。ガス導入口
28からN2 ガスを1sccm、Arガスを4scc
m導入した。コンダクタンスバルブ29の開度を調整し
て反応室22内の圧力を3×10−2Torrに保持し
た。
【0032】その後、下部電極23に接続した13.5
6MHzの第1高周波電源発振器30を動作させて、4
00Wの高周波電力を供給した。この高周波電力により
、下部電極23と基板ホルダ26(上部電極に当たる)
の間にAr、Nのプラズマを発生させた。さらに基板ホ
ルダ26に接続した13.56MHzの第2の高周波電
源発振器30を動作させて、基板ホルダ26に100W
の高周波電力を供給した。前述のように、Arのプラズ
マが金属ホウ素に衝突しBの原子またはイオンを放出さ
せるのであるが、窒素のプラズマが存在するため、BN
が生成する気相反応が起こりこれがNi単結晶基板の上
に堆積してゆく。マグネット32はスパッタ効率を向上
させるために下部電極23の中に設けられている。 マグネトロンスパッタリングと呼ぶこともある。こうし
てNi基板の上に膜厚が5000Åのc−BN薄膜を成
長させた。
【0033】得られたc−BN層の結晶状態を高速反射
電子線回折により観察した。その結果、単結晶c−BN
に対応したストリーク状の回折パターンが認められた。 解析の結果、基板であるNi単結晶と同じように、(1
11)面から(100)方法に3度傾いた面を有する単
結晶c−BNであることが分かった。表面粗さ計で表面
粗さを測定した。最大表面粗さは150Åであった。こ
こで基板に(111)面から3度傾いた面を持つ単結晶
Niを用いたのは、本発明の方法によって、c−BNが
結晶軸の方向も基板に整合するようなエピタキシャル成
長をするのかどうかを確認するためである。この結果か
ら、Ni基板の表面と全く同じ結晶方位のc−BN薄膜
がエピタキシャル成長するという事が認められた事にな
る。成長条件を一括して記す。       方法                 
           スパッタリング      基
板                        
    (111)面から(100)方向へ3    
                         
         度傾いた単結晶Ni      原
料ガス                      
  Ar、N2                  
                       Ar
      4sccm              
                         
 N2       1sccm      原料金属
                        B
        真空度              
            3×10−2Torr   
   高周波電力                 
     400W                
                基板側高周波電力 
               100W      
                         
 高周波周波数                  
  13.56MHz      基板温度     
                   650℃  
    c−BN膜厚               
     5000Å
【0034】〔比較例3〕実施例
3と同じ条件で、単結晶Siの上に、同じ装置を用いて
c−BNを成長させた。単結晶Siは面方位(111)
から(100)方向に3度傾いた面を持つものである。 これの上に、5000Åのc−BNを形成した。高速反
射電子線回折によりc−BNの結晶状態を観察した。c
−BNに対応したスポッティなリングパターンが得られ
るのみで多結晶c−BNであることが確認された。表面
粗さは最大で1100Åであった。実施例3と比較すれ
ば、Si基板とNi基板という違いだけであるのに、生
成されたc−BNの特性が全く違うという事が分かる。 Ni単結晶の上にはc−BNがエピタキシャル成長でき
るのに、Si単結晶の上にはそれができない。
【0035】
【発明の効果】本発明のc−BN基板は、平滑であって
大面積でありしかも単結晶である。この上に、c−BN
薄膜を成長させる場合の基板等として用いる事ができる
。従ってc−BN半導体素子を製造する際に極めて有利
である。さらにc−BNを用いた工具を製作する場合に
も本発明のc−BN基板を用いることができる。この場
合、多結晶c−BNでよいのであるが平滑な面を持たな
ければならない。本発明は平滑な基板を与えることがで
きる。本発明によれば、半導体用途や超硬工具用途など
に有用な、面積の大きい平滑なc−BN基板もしくは単
結晶c−BN基板を大量に安価に製造することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のc−BN基板の構造例を示す断面図。
【図2】本発明のc−BN基板の他の構造例を示す断面
図。
【図3】本発明のc−BN基板の第3の構造例を示す断
面図。
【図4】実施例1で用いる平行平板高周波プラズマCV
D装置の概略断面図。
【図5】実施例2で用いる高周波イオンプレーティング
装置の概略断面図。
【図6】実施例3で用いるスパッタリング装置の概略断
面図。
【符号の説明】
1  プラズマCVD装置 2  反応室 3  基板 4  基板ホルダ 5  下部電極 6  直流電極 7  ヒ−タ 8  高周波電源発振器 9  ガス導入口 10  排気口 11  電子銃 12  水冷るつぼ 13  金属ホウ素 14  イオン化電源 15  高周波発振器 16  基板 17  ヒ−タ 18  高周波発振器 19  ガス導入口 20  排気口 21  電子銃 22  反応室 23  下部電極 24  金属ホウ素タ−ゲット 25  排気口 26  基板ホルダ 27  ヒ−タ 28  ガス導入口 29  コンダクタンスバルブ 30  第1高周波電源発振器 31  第2高周波電源発振器 32  マグネット 34  基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  単結晶又は多結晶のNi基板と、該N
    i基板上に堆積された立方晶窒化ホウ素よりなる事を特
    徴とする立方晶窒化ホウ素基板。
  2. 【請求項2】  単結晶のNi基板と、該Ni基板上に
    堆積されたノンドープ立方晶窒化ホウ素膜と、該ノンド
    ープ立方晶窒化ホウ素膜の上に堆積されたp型又はn型
    の立方晶窒化ホウ素膜よりなる事を特徴とする立方晶窒
    化ホウ素基板。
  3. 【請求項3】  単結晶又は多結晶Ni基板の上に立方
    晶窒化ホウ素膜を堆積し、Ni基板を除去し、立方晶窒
    化ホウ素膜のみにする事を特徴とする立方晶窒化ホウ素
    基板の製造方法。
JP15577991A 1991-05-30 1991-05-30 立方晶窒化ホウ素基板とその製造方法 Pending JPH04354115A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003046160A (ja) * 2001-04-26 2003-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電素子,アクチュエータ及びインクジェットヘッド

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