JPH04353031A - 車両用ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用ヘッドアップディ
スプレイ（ＨＵＤ）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車両内の運転手等に情報表示する方法と
して、ＨＵＤが最近用いられるようになっている。これ
は、液晶表示装置等の発光表示手段から投射された光学
的情報を、ハーフミラー等からなるコンバイナーに映し
、運転手が運転状態からほとんど視線を動かすことなく
情報を読み取れるようにしたものである。

【０００３】最近、光学的素子としての簡素さ、及び付
加される機能の豊富さから上記のコンバイナーとして、
ホログラムが注目されるようになっている。このホログ
ラフィックコンバイナーは反射機能（回折機能）のみな
らず、レンズ機能等を併せ持つことができるので、光学
的情報を運転手の視野方向に回折したり、或は、他にレ
ンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に結像したりす
ることが可能となる。また、前景輝度を損なわずに高輝
度の表示像が得られるという特徴もある。

【０００４】かかる車両用ＨＵＤの構成を示す概念図が
図５である。ここで、３１は運転者の観察位置、３２は
ホログラフィックコンバイナー、３３は情報を含む光線
、３４はコリメーターであるレンズ系、３５は表示体で
ある透過型液晶表示素子、３６はハロゲンランプ等から
なる光源、３７は風防ガラス、３８は車体ボディーであ
る。

【０００５】光源３６から発した光はレンズ系３４を介
して透過型液晶表示素子３５を通過し、車両の風防ガラ
ス３７に備えられたホログラフィックコンバイナー３２
に照射され、反射（回折）されて運転者に観察位置３１
で視認される。

【０００６】図５においてホログラフィックコンバイナ
ー３２にレンズ機能を持たせれば、表示を遠方結像させ
ることも可能となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ここで表示器の再生像
が遠方に結像されるためのホログラム記録法の従来例を
図２に示す。ホログラムを形成するための感光材８にた
いして、発散球面波である参照光９及び発散球面波であ
る物体光１０がそれぞれ単一波長レーザ光で照射され、
感光材８が露光される。参照光９の発散球面波の中心は
、感光材８が風防ガラス面に平行に置かれたとして、表
示器の置かれるべき位置であり、物体光１０の発散球面
波の中心は、遠方の表示が結像されるべき位置である。

【０００８】図で９ａは参照光９の光軸、１０ａは物体
光１０の光軸であり、θは両光のなす角である。

【０００９】ところで、上述のホログラフィックコンバ
イナーは通常、反射型を使用するが、運転者の位置と風
防ガラスに装着されるホログラフィックコンバイナーと
の位置からホログラフィックコンバイナーから出射する
光の方向はほぼ水平から−１０°〜＋１０°になる。ま
た、運転の邪魔にならないことを考慮するとホログラフ
ィックコンバイナーの下方に表示体を配置することが好
ましく、ホログラフィックコンバイナーに入射する光の
向きは通常鉛直上向き近傍となる。

【００１０】従って入射光の光軸と出射光の光軸とのな
す角はほぼ９０°となり、このようなホログラムを作成
するときの露光の参照光９と物体光１０のそれぞれの光
軸９ａ，１０ｂのなす角θもほぼ９０°となる。かかる
露光においては両光の光軸のずれが大きいため、両光の
干渉が弱く、高いコントラストの回折格子を得にくい欠
点がある。

【００１１】本発明の目的は、従来技術が有していた前
述の欠点を解消しようとするものであり、従来知られて
いなかった車両用ヘッドアップディスプレイを新規に提
供することを目的とするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、表示すべき情報を光線と
して発生する発光表示手段と、自動車の風防ガラスに装
着されてなり該光線を観視者に向けて回折する回折格子
面を有する第１の反射型ホログラムと、前記発光表示手
段と第１のホログラムの間にあって自動車の風防ガラス
に装着されてなり、前記光線を第１のホログラムに向け
て回折する第２の透過型のホログラムと、を備えた車両
用ヘッドアップディスプレイにおいて、前記第２のホロ
グラムにより前記光線が回折されることにより、第２の
ホログラムにより前記光線が回折されない場合よりも、
光線が第１のホログラムの回折格子面に小さい入射角で
入射するようにされたことを特徴とする車両用ヘッドア
ップディスプレイを提供するものである。

【００１３】ここで表示すべき情報とは、その表示用途
により、適宜選択されるものであり、車両のスピード計
、タコメータなどが例として挙げられる。

【００１４】観視者とは、主には車両の運転手であり、
その他、助手席その他の同乗者や、これらすべてを含め
た者を含めて対象とすることができる。

【００１５】ホログラムは、ＨＵＤのコンバイナーとし
て機能する。通常は数１０ｍｍ角乃至数　１００ｍｍ角
程度の面積、数１０μｍ程度の厚みであり、光回折機能
を持つ。 このホログラムとしては、現在広く用いられているエン
ボスタイプのものだけでなく、リップマンタイプ、レイ
ンボータイプ、その他ホログラムと呼ばれるものを広く
用いることができる。また、ホログラム材料としては、
ポリビニルカバゾール、重クロム酸ゼラチン、光レジス
ト、フォトポリマー、銀塩など種々の感光材を用いるこ
とができる。

【００１６】ホログラムの回折強度のピーク波長は、前
記の光源の強度のピーク波長とほぼ一致させることが、
回折効率を高める上で好ましい。また、ホログラムは性
質の異なる光で多重露光を施して形成したものであって
もよい。

【００１７】かかるホログラムからなるホログラフィッ
クコンバイナーは、構造の簡素さから、車両の風防ガラ
スに装着して用いられ、特にホログラム保護の観点から
は、合せガラスである風防ガラスの内部に封入して用い
られるのが良い。本発明において、ホログラムは２種類
用いられるが、その両方を風防ガラスの中に封入しても
よいし、観察者方向に光を回折する方のホログラムのみ
を封入し、もう片方はガラス表面に貼付しても良い。

【００１８】このように風防ガラスにホログラムを装着
すれば、その位置決めを楽に行なえる上、コンバ−ナー
が場所をとらないメリットがある。

【００１９】又、この２枚のホログラムは、２枚のガラ
ス板にそれぞれ装着されている方が、製造上は簡単にな
り有利だが、２枚のホログラムは互いに接して重ねられ
ている方が屈折率の異なる媒質を光が通過する回数が減
るので鮮明な像を得るうえでは望ましい。

【００２０】さらにホログラムを紫外線から保護する観
点から言えば、これら重ねられたホログラムは合せガラ
スの車内側ガラス板に装着されているか、中間膜中に埋
め込まれている方が、中間膜により、外部からの紫外線
が遮られることになるので好ましい。

【００２１】この場合、合せガラスは、少なくとも一枚
のガラスにポリビニルブチラール膜、ポリウレタン膜等
の合成樹脂膜を積層、接着したものであり、その形態の
例としては、ガラス板／合成樹脂膜、ガラス板／合成樹
脂膜／ガラス板、ガラス板／合成樹脂膜／ガラス板／合
成樹脂膜、ガラス板／合成樹脂膜／合成樹脂膜等のもの
がある。ホログラムはこれらのガラス板または合成樹脂
膜の境界部または合成樹脂膜の内部に封入されれば良い
。ホログラムの装着されるガラス板は、着色されていた
り、表面に熱線反射膜等が設けられていてもよい。

【００２２】本発明における発光表示手段は光を発して
表示する機能をもつものであり、代表的な例としては、
液晶表示素子等のいわゆる受光型表示素子に熱陰極管（
ＨＣＴ）、蛍光表示管（ＶＦ）、タングステンランプ、
ハロゲンランプ、ＬＥＤなどからなる光源を併用したも
のがある。この液晶表示素子としては、透過型のツイス
トネマチック型液晶表示素子、スーパーツイストネマチ
ック型液晶表示素子等が好ましく使用できる。また、そ
れとは別に、受光型表示素子を用いず、上記の光源自体
をパターン化して配列し、特定の情報を光として発生す
るものであってもよい。受光型表示素子に上記光源を併
用したものの場合は、この受光型表示素子と光源との間
にレンズ系等の適当な光線平行化手段、導光板等の適当
な導光手段を配置してもよい。

【００２３】さらに、ホログラフィックコンバイナーに
光が投射されるまでの光経路内に、必要に応じて、ミラ
ー等の光偏向手段、あるいは、ＫＮｂＯ３、β−ＢａＢ
２Ｏ４、ＫＴｉＯＰＯ４　、ＫＨ２ＰＯ４等からなる非
線型光学素子を配置してもよい。

【００２４】

【実施例】以下に、本発明の実施例に従って説明する。

【００２５】図１に本発明のホログラフィックコンバイ
ナーを合せガラス中に封入した場合の基本的構成の断面
図を示す。自動車開口部ガラス面（例えば、風防ガラス
）が二枚のガラスからなる合せガラスであり、図で１が
内板ガラス、２が外板ガラス、３が中間膜である。

【００２６】上記ガラス面近傍の自動車インストルメン
トパネル内には所定の発光表示手段６が有り、この光束
は上記ガラス面内に封入されている透過型ホログラム４
内の回折格子面４ａによって所定の角度に透過回折され
、反射型ホログラム５内の回折格子面５ａに、透過型ホ
ログラム４のない場合に比べより小さい入射角で入射す
るようにされ、次いで、反射型ホログラム５内の回折格
子面５ａによって７の運転者視野方向に反射回折される
。

【００２７】このように表示すべき情報を光線が第１の
ホログラム（反射型ホログラム４）の回折格子面より小
さい入射角で入射するべく回折する第２のホログラムを
、光線を観視者に向けて回折する第１のホログラムと発
光表示手段との間に配置することにより、そのホログラ
ム作製の露光時には、物体光と参照光の光軸のなす角度
をより小さくすることができ、露光時の両光の干渉を強
くすることができ、ひいては再生像のコントラストを向
上することができる。

【００２８】このようなそれぞれのホログラム作製時の
露光方法について、図３、図４に示す。

【００２９】まず透過型のホログラム（第２のホログラ
ム）を作るため、図３のように、感光材１１の同一面側
から、所定の角度で発散球面波をなす参照光１２を、ま
た感光材１１面のほぼ法線方向から平面波をなす物体光
１３をそれぞれ同時に感光材１１上に照射し、露光する
。

【００３０】また、図４のように、この透過型ホログラ
ムによる透過回折光を運転者前方に遠方結像されたよう
に視認させるため反射型ホログラム（第１のホログラム
）を作るため、参照光として前述の透過回折光と同一方
向から平面波をなす参照光１５と、遠方結像点を中心と
する発散球面波をなす物体光１６をそれぞれ同時に感光
材１４に照射し、露光する。

【００３１】図３においては、参照光１２の光軸１２ａ
と物体光１３の光軸１３ａとのなす角θ１　は図２にお
けるθよりも小さくなる。一方、図４においては参照光
１５の光軸１５ａと物体光１６の光軸１６ａとのなす角
θ２　はやはり、図２におけるθよりも小さくなる。

【００３２】このように、ホログラムを複数枚用いるこ
とにより、ホログラム作製の露光時の物体光と参照光の
光軸のなす角度を、１枚のホログラムのみでコンバイナ
ーとして用いるホログラム作製の露光時の物体光と参照
光の光軸のなす角度より小さくすることができる。

【００３３】ホログラムを３枚以上用いることは可能で
あるが、回折の回数が多いと、光量が損失するため、本
実施例のように２枚用いることが好ましい。

【００３４】図３、図４においては、遠方結像を行なう
ためのレンズ機能付ホログラムミラーを作製する場合に
ついて述べたが、図中の発散球面波を平面波に置換えれ
ば遠方結像作用を有しないホログラムミラーを作製でき
る。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、コントラストの良いホ
ログラフィックＨＵＤを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本的構成を示す断面図

【図２】従来
のホログラム作製時の露光方法を示した概念図

【図３】本発明のホログラム作製時の露光方法を示した
概念図

【図４】本発明のホログラム作製時の露光方法を示した
概念図

【図５】ホログラフィックＨＵＤの概念図

【符号の説明】

１　　　　内板ガラス ２　　　　外板ガラス ３　　　　中間膜 ４　　　　透過型ホログラム ５　　　　反射型ホログラム ６　　　　発光表示手段 ７　　　　運転者視野 ８，１１，１４　　感光材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示すべき情報を光線として発生する発光
   表示手段と、自動車の風防ガラスに装着されてなり該光
   線を観視者に向けて回折する回折格子面を有する第１の
   反射型ホログラムと、前記発光表示手段と第１のホログ
   ラムの間にあって自動車の風防ガラスに装着されてなり
   、前記光線を第１のホログラムに向けて回折する第２の
   透過型のホログラムと、を備えた車両用ヘッドアップデ
   ィスプレイにおいて、前記第２のホログラムにより前記
   光線が回折されることにより、第２のホログラムにより
   前記光線が回折されない場合よりも、光線が第１のホロ
   グラムの回折格子面に小さい入射角で入射するようにさ
   れたことを特徴とする車両用ヘッドアップディスプレイ
   。