JPH04350180A - 超清浄な内面電解研磨管の製造方法と超高純度ガス用管 - Google Patents
超清浄な内面電解研磨管の製造方法と超高純度ガス用管Info
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- JPH04350180A JPH04350180A JP12137691A JP12137691A JPH04350180A JP H04350180 A JPH04350180 A JP H04350180A JP 12137691 A JP12137691 A JP 12137691A JP 12137691 A JP12137691 A JP 12137691A JP H04350180 A JPH04350180 A JP H04350180A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超清浄な内面電解研磨
管、特に半導体製造用として適する通常EP管と呼ばれ
ている内面電解研磨管の製造方法に関する。本発明は、
また、高純度ガス用管に関する。
管、特に半導体製造用として適する通常EP管と呼ばれ
ている内面電解研磨管の製造方法に関する。本発明は、
また、高純度ガス用管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般には、かかる超清浄管を製造するに
は、図1のb欄に示すように抽伸加工による製管後、光
輝焼鈍処理などの固溶化熱処理を行ってから管内面の電
解研磨を行い、さらに超純水などの液体による精密洗浄
処理を行い、最後に窒素ガスのブローによって乾燥を行
ってから使用に供されている。以下、この方法を精密洗
浄法という。しかし、この精密洗浄法では最終工程が湿
式工程であることから、100 ℃付近での乾燥では管
内の水分は完全に除去することは困難である。
は、図1のb欄に示すように抽伸加工による製管後、光
輝焼鈍処理などの固溶化熱処理を行ってから管内面の電
解研磨を行い、さらに超純水などの液体による精密洗浄
処理を行い、最後に窒素ガスのブローによって乾燥を行
ってから使用に供されている。以下、この方法を精密洗
浄法という。しかし、この精密洗浄法では最終工程が湿
式工程であることから、100 ℃付近での乾燥では管
内の水分は完全に除去することは困難である。
【0003】これの改善方法として図1のc欄に示すよ
うに、固溶化熱処理・電解研磨後に、前述の精密洗浄処
理を行ってから、ベーキング後、露点−100 ℃以下
(水分10ppb 以下) の酸素ガス中で長時間に
わたり 400〜450 ℃に加熱酸化処理することに
より、ドライで比較的厚い酸化膜を管内面に形成させて
水切れ性を改善する方法が発表されている。以下、この
方法を鉄酸化皮膜法という。この鉄酸化皮膜法で得られ
た皮膜は、その構造が非常に緻密で均一かつ平滑であり
、その表面粗さは従来のEP管とほぼ同じく、0.4
〜0.5 μm であり、また膜厚はおよそ100 〜
150 ÅであるFe203 を中心とする鉄の酸化皮
膜である。
うに、固溶化熱処理・電解研磨後に、前述の精密洗浄処
理を行ってから、ベーキング後、露点−100 ℃以下
(水分10ppb 以下) の酸素ガス中で長時間に
わたり 400〜450 ℃に加熱酸化処理することに
より、ドライで比較的厚い酸化膜を管内面に形成させて
水切れ性を改善する方法が発表されている。以下、この
方法を鉄酸化皮膜法という。この鉄酸化皮膜法で得られ
た皮膜は、その構造が非常に緻密で均一かつ平滑であり
、その表面粗さは従来のEP管とほぼ同じく、0.4
〜0.5 μm であり、また膜厚はおよそ100 〜
150 ÅであるFe203 を中心とする鉄の酸化皮
膜である。
【0004】通常、ステンレス鋼を酸化処理すると、ク
ロム酸化物に富む厚さ10〜20Åの酸化皮膜が生じる
が、これをさらに長時間強制酸化して厚さ100 〜2
00 Åとすると、表層がFe、内層がCrに富む層と
なる。450 ℃程度の温度での酸化処理のためには3
〜5時間という長時間の加熱処理が必要と考えられてい
たのであった。実際、10〜20分間程度の加熱処理で
は十分な厚さの皮膜が得られない。鉄酸化皮膜法によれ
ば、このようにして酸化皮膜形成処理を行って得られた
管内に露点−120 ℃以下のN2ガスを流しCryo
rgenic Optical Dew Point
Meter(HY−COSMO)を使って水分放出量を
みると、従来のEP管 (電解研磨管) と比較して、
この鉄酸化皮膜法による400 〜450 ℃酸化皮膜
処理管の方が、より急速にかつ早期に原ガスレベルの極
低水分量にまで戻ることを示している。これは表面の付
着水の脱離が速く、かつ膜中に水分あるいは水酸基が極
めて少ないためと考えられる。
ロム酸化物に富む厚さ10〜20Åの酸化皮膜が生じる
が、これをさらに長時間強制酸化して厚さ100 〜2
00 Åとすると、表層がFe、内層がCrに富む層と
なる。450 ℃程度の温度での酸化処理のためには3
〜5時間という長時間の加熱処理が必要と考えられてい
たのであった。実際、10〜20分間程度の加熱処理で
は十分な厚さの皮膜が得られない。鉄酸化皮膜法によれ
ば、このようにして酸化皮膜形成処理を行って得られた
管内に露点−120 ℃以下のN2ガスを流しCryo
rgenic Optical Dew Point
Meter(HY−COSMO)を使って水分放出量を
みると、従来のEP管 (電解研磨管) と比較して、
この鉄酸化皮膜法による400 〜450 ℃酸化皮膜
処理管の方が、より急速にかつ早期に原ガスレベルの極
低水分量にまで戻ることを示している。これは表面の付
着水の脱離が速く、かつ膜中に水分あるいは水酸基が極
めて少ないためと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、今日求められ
ている高純度ガスの配管用管の場合、特に半導体製造分
野における超高純度ガスの配管用の管の場合には、その
使用はますます厳しくなっている現状である。例えば、
半導体IC記憶メモリー(DRAM)が現在の4 メガ
ビットないしは16メガビットから64メガビットへと
移行する場合、4 メガビット量産時に使用されていた
内面電解研磨管 (EP管) では、管内面から放出さ
れる水分量を高集積度化に求められている程度にまで抑
えることができず、半導体製造過程に悪影響を及ぼすと
いわれている。
ている高純度ガスの配管用管の場合、特に半導体製造分
野における超高純度ガスの配管用の管の場合には、その
使用はますます厳しくなっている現状である。例えば、
半導体IC記憶メモリー(DRAM)が現在の4 メガ
ビットないしは16メガビットから64メガビットへと
移行する場合、4 メガビット量産時に使用されていた
内面電解研磨管 (EP管) では、管内面から放出さ
れる水分量を高集積度化に求められている程度にまで抑
えることができず、半導体製造過程に悪影響を及ぼすと
いわれている。
【0006】本発明の主たる目的は、管内面からのガス
成分の放出を極限まで低下させ、併せて水切り性の改善
も図り、上述の64メガビットへの超高集積度化に対応
することを可能ならしめる超清浄内面電解研磨管の製造
方法を提供することである。本発明の別の目的は、その
ような用途に使用される高純度ガス配管用管、つまり高
純度ガス用管を提供することである。
成分の放出を極限まで低下させ、併せて水切り性の改善
も図り、上述の64メガビットへの超高集積度化に対応
することを可能ならしめる超清浄内面電解研磨管の製造
方法を提供することである。本発明の別の目的は、その
ような用途に使用される高純度ガス配管用管、つまり高
純度ガス用管を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべく
本発明者は検討を重ね、最終抽伸加工を行ってから内面
電解研磨を施した管を露点−100 ℃以下の水素ガス
還元雰囲気と高温度 (例えば1100℃) との組合
せ条件で熱処理を施したところ、管内面および鋼中から
のガス放出を極限まで抑えることができ、それとともに
水切れ性にも優れていることを見出し、その原因として
処理順番と不働態皮膜の存在が考えられることを知り本
発明を完成した。ここに、本発明は、ステンレス鋼管に
最終抽伸加工を行ってから、管内面の電解研磨加工を行
い、次いで、固溶化熱処理を行い管内面のドライ化およ
び清浄化を行うとともに不働態皮膜の形成を行うことを
特徴とする、超清浄な内面電解研磨管の製造方法である
。
本発明者は検討を重ね、最終抽伸加工を行ってから内面
電解研磨を施した管を露点−100 ℃以下の水素ガス
還元雰囲気と高温度 (例えば1100℃) との組合
せ条件で熱処理を施したところ、管内面および鋼中から
のガス放出を極限まで抑えることができ、それとともに
水切れ性にも優れていることを見出し、その原因として
処理順番と不働態皮膜の存在が考えられることを知り本
発明を完成した。ここに、本発明は、ステンレス鋼管に
最終抽伸加工を行ってから、管内面の電解研磨加工を行
い、次いで、固溶化熱処理を行い管内面のドライ化およ
び清浄化を行うとともに不働態皮膜の形成を行うことを
特徴とする、超清浄な内面電解研磨管の製造方法である
。
【0008】本発明の好適実施態様によれば、前記固溶
化熱処理は、水素雰囲気中で管内面に水素ガスを常時供
給することにより行う光輝焼鈍である。前記固溶化熱処
理は、その1態様によれば、水洗浄した管を順次連結し
ながら管内部に水素ガスを供給することにより行っても
よい。本発明は、また別の面からは、電解研磨管内面に
Cr2O3 を主体とする不働態皮膜を備えたステンレ
ス鋼管から成る超高純度ガス用管である。
化熱処理は、水素雰囲気中で管内面に水素ガスを常時供
給することにより行う光輝焼鈍である。前記固溶化熱処
理は、その1態様によれば、水洗浄した管を順次連結し
ながら管内部に水素ガスを供給することにより行っても
よい。本発明は、また別の面からは、電解研磨管内面に
Cr2O3 を主体とする不働態皮膜を備えたステンレ
ス鋼管から成る超高純度ガス用管である。
【0009】
【作用】次に、添付図面を参照して本発明をさらに詳細
に説明する。まず、図1(a) 欄に示すように、本発
明にかかる方法によれば、ステンレス鋼から最終抽伸加
工(drawing) を行い所定寸法の管を成形する
。この抽伸加工それ自体は公知の手段でもって行えばよ
く、本発明においても特に制限はない。一般には冷間引
抜きにより行う。次に、本発明によれば成形加工後の管
に電解研磨を行うが、超清浄面を形成するという面から
は従来法とは区別される。従来は熱処理を終了した金属
管に電解研磨を行っていた。なお、この電解研磨操作そ
れ自体も公知のそれに準じてリン酸系電解液を用いて行
えばよい。特定のものに制限されない。
に説明する。まず、図1(a) 欄に示すように、本発
明にかかる方法によれば、ステンレス鋼から最終抽伸加
工(drawing) を行い所定寸法の管を成形する
。この抽伸加工それ自体は公知の手段でもって行えばよ
く、本発明においても特に制限はない。一般には冷間引
抜きにより行う。次に、本発明によれば成形加工後の管
に電解研磨を行うが、超清浄面を形成するという面から
は従来法とは区別される。従来は熱処理を終了した金属
管に電解研磨を行っていた。なお、この電解研磨操作そ
れ自体も公知のそれに準じてリン酸系電解液を用いて行
えばよい。特定のものに制限されない。
【0010】電解研磨を行った管には、一旦水洗浄を行
ってから固溶化熱処理を行い、管内面のドライ化および
清浄化を図るとともに不働態皮膜を形成する。このとき
の洗浄は水道水により行ってもよい。この洗浄工程だけ
をとってみても、従来は超純水を使用していたのに対し
、本発明では普通の水道水を使用できるのであって、そ
の実際上の利益は大きい。このときの熱処理は、例えば
水素雰囲気中でのほぼ1000〜1200℃、好ましく
は1050〜1150℃ (温度範囲) での加熱によ
る還元処理であって、水素雰囲気中に通常含まれる酸素
によって表面にCr2O3 に富む酸化皮膜が形成され
るのである。換言すればCr2O3 を主体とする酸化
皮膜を形成する固溶化熱処理であれば具体的処理条件は
制限されない。
ってから固溶化熱処理を行い、管内面のドライ化および
清浄化を図るとともに不働態皮膜を形成する。このとき
の洗浄は水道水により行ってもよい。この洗浄工程だけ
をとってみても、従来は超純水を使用していたのに対し
、本発明では普通の水道水を使用できるのであって、そ
の実際上の利益は大きい。このときの熱処理は、例えば
水素雰囲気中でのほぼ1000〜1200℃、好ましく
は1050〜1150℃ (温度範囲) での加熱によ
る還元処理であって、水素雰囲気中に通常含まれる酸素
によって表面にCr2O3 に富む酸化皮膜が形成され
るのである。換言すればCr2O3 を主体とする酸化
皮膜を形成する固溶化熱処理であれば具体的処理条件は
制限されない。
【0011】鉄酸化皮膜法にあっては鉄酸化物からなる
皮膜を形成するため、長時間の酸化処理を要するが、本
発明にあってはほぼ10〜20分間程度の処理で十分で
あり、このような短時間処理が可能であるため、熱処理
の連続化が可能となる。このように電解研磨面は固溶化
熱処理を行って清浄化されるとともに酸化皮膜の形成が
行われ、水切り性が改善される。かくして、本発明によ
れば管内面のドライ化および清浄化が行われるとともに
、管内面にはCr2O3 皮膜から成る不働態皮膜が形
成されるため、超純水による精密洗浄を要する前述の精
密洗浄法はもとより鉄酸化皮膜法により得られた管内面
に比較して優れた水切れ性を示す。
皮膜を形成するため、長時間の酸化処理を要するが、本
発明にあってはほぼ10〜20分間程度の処理で十分で
あり、このような短時間処理が可能であるため、熱処理
の連続化が可能となる。このように電解研磨面は固溶化
熱処理を行って清浄化されるとともに酸化皮膜の形成が
行われ、水切り性が改善される。かくして、本発明によ
れば管内面のドライ化および清浄化が行われるとともに
、管内面にはCr2O3 皮膜から成る不働態皮膜が形
成されるため、超純水による精密洗浄を要する前述の精
密洗浄法はもとより鉄酸化皮膜法により得られた管内面
に比較して優れた水切れ性を示す。
【0012】ここに、管内面の清浄性は、内表面の物理
的平滑性ばかりでなく、仕上げ時に異物が付着していな
いという意味での仕上げ時の内表面の清浄性、そして使
用時に異物が形成されないという意味での使用時の耐食
性を総合して判断される。図2は、本発明の連続的固溶
化熱処理の好適操作例を説明する概念図であって、被加
工物であるステンレス鋼の金属管1 、3 の両管端が
継手2で連結されている。固溶化熱処理に際しては管内
面に常時水素ガス4を供給し、ほぼ1000〜1200
℃の炉内を通過させる。このときの水素ガスの純度は一
般には露点−30℃以下程度であればよい。その他の雰
囲気としてはアンモニア分解ガスを用いてもよい。図3
は、本発明において使用できる固溶化熱処理用の炉構造
を示すもので、図示の高機能熱処理炉は、加熱帯5、冷
却帯6、出口側シール7、および入り口側シール8から
構成されており、加熱帯5は図示しないが例えば4つの
加熱区域に分割されており、各々の加熱区域で温度制御
が可能で、例えば電熱加熱手段を採用することにより±
5℃の精度で加熱温度が管理できる。炉出入り口は炉内
への空気流入を防ぐためにそれぞれシール7、8で外部
から仕切られている。このシール7 、8 は耐火性繊
維から構成されており、N2ガスが送られている。
的平滑性ばかりでなく、仕上げ時に異物が付着していな
いという意味での仕上げ時の内表面の清浄性、そして使
用時に異物が形成されないという意味での使用時の耐食
性を総合して判断される。図2は、本発明の連続的固溶
化熱処理の好適操作例を説明する概念図であって、被加
工物であるステンレス鋼の金属管1 、3 の両管端が
継手2で連結されている。固溶化熱処理に際しては管内
面に常時水素ガス4を供給し、ほぼ1000〜1200
℃の炉内を通過させる。このときの水素ガスの純度は一
般には露点−30℃以下程度であればよい。その他の雰
囲気としてはアンモニア分解ガスを用いてもよい。図3
は、本発明において使用できる固溶化熱処理用の炉構造
を示すもので、図示の高機能熱処理炉は、加熱帯5、冷
却帯6、出口側シール7、および入り口側シール8から
構成されており、加熱帯5は図示しないが例えば4つの
加熱区域に分割されており、各々の加熱区域で温度制御
が可能で、例えば電熱加熱手段を採用することにより±
5℃の精度で加熱温度が管理できる。炉出入り口は炉内
への空気流入を防ぐためにそれぞれシール7、8で外部
から仕切られている。このシール7 、8 は耐火性繊
維から構成されており、N2ガスが送られている。
【0013】図3の装置を使用する場合、ステンレス鋼
管である処理すべき金属管9は入口シール8を通って炉
内に送られると、炉内にある管端10から水素ガスが管
内に送られる。炉入口側の管から放出される水素ガスは
点火され、常時燃焼し水素ガスの連続供給を増長させる
。 加熱帯5では金属管9は1000〜1200℃程度に加
熱され固溶化熱処理が行われる。加熱帯5を通過すると
金属管9は冷却帯6に入る。熱処理終了後は出口シール
7を経て炉外に出されるが、直ちに金属管9の両端にキ
ャップを施し空気中の水分、塵芥の管内面への流入を防
止する。 ここで実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
。
管である処理すべき金属管9は入口シール8を通って炉
内に送られると、炉内にある管端10から水素ガスが管
内に送られる。炉入口側の管から放出される水素ガスは
点火され、常時燃焼し水素ガスの連続供給を増長させる
。 加熱帯5では金属管9は1000〜1200℃程度に加
熱され固溶化熱処理が行われる。加熱帯5を通過すると
金属管9は冷却帯6に入る。熱処理終了後は出口シール
7を経て炉外に出されるが、直ちに金属管9の両端にキ
ャップを施し空気中の水分、塵芥の管内面への流入を防
止する。 ここで実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
。
【0014】
【実施例】本例では図1の本発明にかかる方法の工程に
従って、ステンレス鋼金属管 (JIS G3459
316 TP、外径6.35mm、管厚1.0mm)を
抽伸加工によって製管し、次いで慣用の条件下でリン酸
系電解液を使って電解研磨し、水道水による洗浄を行っ
てから固溶化熱処理として露点−30℃以下の水素雰囲
気中で20分間、1100°C の光輝焼鈍を行った。 従来例としては同じく図1の精密洗浄法および鉄酸化皮
膜法を実施しEP管を得た。得られた各内面電解研磨管
の機械的特性の代表的数値例は表1に示す通りであった
。
従って、ステンレス鋼金属管 (JIS G3459
316 TP、外径6.35mm、管厚1.0mm)を
抽伸加工によって製管し、次いで慣用の条件下でリン酸
系電解液を使って電解研磨し、水道水による洗浄を行っ
てから固溶化熱処理として露点−30℃以下の水素雰囲
気中で20分間、1100°C の光輝焼鈍を行った。 従来例としては同じく図1の精密洗浄法および鉄酸化皮
膜法を実施しEP管を得た。得られた各内面電解研磨管
の機械的特性の代表的数値例は表1に示す通りであった
。
【0015】
【表1】
【0016】本発明に従って電解研磨後、1100℃の
高温度にて固溶化熱処理を行った金属管内表面は、従来
の鉄酸化皮膜法のように鉄酸化膜を形成するものではな
く、ステンレス鋼不働態皮膜Cr2O3 があるだけで
あり、管内の水分もほぼ完全に放出され、Uベンドなど
の加工による膜の破壊もなく安定しているため耐食性も
良好であった。
高温度にて固溶化熱処理を行った金属管内表面は、従来
の鉄酸化皮膜法のように鉄酸化膜を形成するものではな
く、ステンレス鋼不働態皮膜Cr2O3 があるだけで
あり、管内の水分もほぼ完全に放出され、Uベンドなど
の加工による膜の破壊もなく安定しているため耐食性も
良好であった。
【0017】図4は、本発明方法により製造されたEP
管のSIMS (二次イオン質量分析法)による皮膜分
析結果を示すグラフであり、横軸は試片表面からの深さ
に相当する測定時間 (分) を示す。10分間の時間
が、表面からの距離230 Åに相当する。このときの
測定条件は下記の通りであった。
管のSIMS (二次イオン質量分析法)による皮膜分
析結果を示すグラフであり、横軸は試片表面からの深さ
に相当する測定時間 (分) を示す。10分間の時間
が、表面からの距離230 Åに相当する。このときの
測定条件は下記の通りであった。
【0018】
一次イオン :N2 +
加速電圧 : 15KV
一次イオン電流: 30mA
測定面積 : 400 μm ×400 μ
m図4の結果からも最表面はCr主体の酸化物である不
働態皮膜から成ることが分かる。
m図4の結果からも最表面はCr主体の酸化物である不
働態皮膜から成ることが分かる。
【0019】次に、本発明方法で得られたEP管の清浄
性を示す試験を次の要領で行った。まず、管内に純水を
満たし栓をし、栓をしたまま80℃以上の沸騰純水中に
4時間浸漬した。その後、管を取り出して管内部の純水
を取り出し溶出した不純物の分析をPPB 単位で行っ
た。不純物溶出イオンとして F− 、Cl− 、Br
− 、 NO2− 、 NO3− 、PO43−、SO
42− 、Na+ 、 K+ 等について測定したとこ
ろ、いずれも30〜50 ppb以下という許容限界内
であることが判明した。
性を示す試験を次の要領で行った。まず、管内に純水を
満たし栓をし、栓をしたまま80℃以上の沸騰純水中に
4時間浸漬した。その後、管を取り出して管内部の純水
を取り出し溶出した不純物の分析をPPB 単位で行っ
た。不純物溶出イオンとして F− 、Cl− 、Br
− 、 NO2− 、 NO3− 、PO43−、SO
42− 、Na+ 、 K+ 等について測定したとこ
ろ、いずれも30〜50 ppb以下という許容限界内
であることが判明した。
【0020】さらに、今度は上記金属管について水切れ
性を評価するために、金属管に露点−100 ℃以下の
窒素ガスを流し、ドライダウンした状態2〜5ppb
レベルまで出口ガス中の水分がなくなった状態で今度は
窒素ガスに100ppbの水分を添加して分析器API
MS(大気圧イオン質量分析計) にて測定を行い配管
出口での水分量の変化を見た。結果は表2にまとめて示
す。
性を評価するために、金属管に露点−100 ℃以下の
窒素ガスを流し、ドライダウンした状態2〜5ppb
レベルまで出口ガス中の水分がなくなった状態で今度は
窒素ガスに100ppbの水分を添加して分析器API
MS(大気圧イオン質量分析計) にて測定を行い配管
出口での水分量の変化を見た。結果は表2にまとめて示
す。
【0021】なお、図5は供給ガス中の水分の変化パタ
ーンを示すもので、図中、t1、t2は水分供給開始時
点をゼロとしたときの経過時間、t3、t4、t5は水
分供給停止時点をゼロとしたときの経過時間をそれぞれ
示すもので、表2のそれらに対応する。図5からも分か
るようにt1〜t5いずれも数値が小さければそれだけ
水切れ性が良好であることを意味する。これらの結果か
らも分かるように、本発明によれば、一度ドライダウン
した管は、100ppbの水分を添加しても水分は短時
間に放出されたことを示す。これらの結果からも明らか
なように、本発明によれば優れた内面清浄性を備えたE
P管が製造されるのが分かる。
ーンを示すもので、図中、t1、t2は水分供給開始時
点をゼロとしたときの経過時間、t3、t4、t5は水
分供給停止時点をゼロとしたときの経過時間をそれぞれ
示すもので、表2のそれらに対応する。図5からも分か
るようにt1〜t5いずれも数値が小さければそれだけ
水切れ性が良好であることを意味する。これらの結果か
らも分かるように、本発明によれば、一度ドライダウン
した管は、100ppbの水分を添加しても水分は短時
間に放出されたことを示す。これらの結果からも明らか
なように、本発明によれば優れた内面清浄性を備えたE
P管が製造されるのが分かる。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、超清浄な内面電解研磨管が得られ、しかも水道水の
洗浄だけで十分であり超純水の使用を必要とせずに従来
の精密洗浄法によるEP管と同等以上の清浄性が確保で
きるのであり、その実用上に意義は大きい。また、鉄酸
化皮膜法により得られるEP管と比較しても、管表面の
酸化皮膜がCrに富むものであって耐食性に優れており
、長期間の使用に耐えるなどその効果は大きい。
ば、超清浄な内面電解研磨管が得られ、しかも水道水の
洗浄だけで十分であり超純水の使用を必要とせずに従来
の精密洗浄法によるEP管と同等以上の清浄性が確保で
きるのであり、その実用上に意義は大きい。また、鉄酸
化皮膜法により得られるEP管と比較しても、管表面の
酸化皮膜がCrに富むものであって耐食性に優れており
、長期間の使用に耐えるなどその効果は大きい。
【図1】図1は、従来例と比較した本発明にかかる方法
の工程図である。
の工程図である。
【図2】図2は、固溶化熱処理を行う金属管の接続の様
子を示す略式説明図である。
子を示す略式説明図である。
【図3】図3は、固溶化熱処理を行う熱処理炉の1例の
略式説明図である。
略式説明図である。
【図4】図4は、本発明により得られた不働態皮膜の分
析結果を示すグラフである。
析結果を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例の結果を示すグラフで
ある。
ある。
1 : 金属管 (ステンレス鋼管)
2 : 継手管
3 : 金属管 (ステンレス鋼管)
4 : 水素ガス
5 : 加熱帯
6 : 冷却帯
7 : 出口側シール
8 : 入口側シール
9 : 金属管 (ステンレス鋼管)
Claims (4)
- 【請求項1】 ステンレス鋼管に最終抽伸加工を行っ
てから、管内面の電解研磨加工を行い、次いで、水洗浄
を行ってから固溶化熱処理を行い管内面のドライ化およ
び清浄化を図るとともに不働態皮膜の形成を図ることを
特徴とする、超清浄な内面電解研磨管の製造方法。 - 【請求項2】 前記固溶化熱処理が、水素雰囲気中で
管内面に水素ガスを連続的に供給することにより行う光
輝焼鈍である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 水洗浄した管を順次連結しながら管内
部に水素ガスを供給することにより前記固溶化熱処理を
行う請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 電解研磨管内面にCr2O3 を主体
とする不働態皮膜を備えたステンレス鋼管から成る超高
純度ガス用管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12137691A JPH04350180A (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 超清浄な内面電解研磨管の製造方法と超高純度ガス用管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12137691A JPH04350180A (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 超清浄な内面電解研磨管の製造方法と超高純度ガス用管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04350180A true JPH04350180A (ja) | 1992-12-04 |
Family
ID=14809700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12137691A Withdrawn JPH04350180A (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 超清浄な内面電解研磨管の製造方法と超高純度ガス用管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04350180A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144369A (ja) * | 1998-11-04 | 2000-05-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼管内面の酸化処理方法 |
WO2003069011A1 (fr) | 2002-02-13 | 2003-08-21 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Procede de traitement thermique d'une conduite a base d'alliage de nickel |
CN102230064A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-11-02 | 江苏武进不锈钢管厂集团有限公司 | 细晶不锈钢管高温固溶软化工艺 |
-
1991
- 1991-05-27 JP JP12137691A patent/JPH04350180A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144369A (ja) * | 1998-11-04 | 2000-05-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼管内面の酸化処理方法 |
WO2003069011A1 (fr) | 2002-02-13 | 2003-08-21 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Procede de traitement thermique d'une conduite a base d'alliage de nickel |
JP2003239060A (ja) * | 2002-02-13 | 2003-08-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Ni基合金管の熱処理方法 |
US7037390B2 (en) | 2002-02-13 | 2006-05-02 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of heat treatment for Ni-base alloy tube |
CN102230064A (zh) * | 2011-06-10 | 2011-11-02 | 江苏武进不锈钢管厂集团有限公司 | 细晶不锈钢管高温固溶软化工艺 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980806 |