JPH0434914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ノズル金具を先端に有する複数本の
管体を取付けることによつて、ガンの流体吹付け
能力を向上できかつ使い勝手を高めうる流体吹出
しガンに関する。

〔従来の技術〕

治具、各種の機械に付着するゴミ、切粉などの
除去、乾燥空気の吹付け又は潤滑材等の吹つけの
ために、空気、液体などの流体を吐出する流体吹
出しガンが用いられる。又このようなガンは、通
常遠隔場所への吹付けをも容易とし又流体のはね
返り等を防止するために、ガン本体に比較的長い
管体からなる柄部を設ける、長柄ガンとして形成
される。

他方、従来のこのような吹付けガンでは、ガン
本体に形成された流路に比べて、口径が極めて小
さい吐出口を有するノズル金具を先端に具える１
つの管体を取付けている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従つて、従来のこのようなガンは、通常、容量
の大なる工場配管等に接続されるが、ガン本体の
流路が有する流体流過能力に比べて、ノズル金具
の吐出口から噴出する流体は過少となり、ガン本
体の有する吐出能力を充分には発揮しえないこと
となつている。

本考案は、ガン本体に複数個の管体を取付ける
ことを基本として、ガン本体の有する流体流過能
力を活用でき、又多方向への流体吹出しを可能と
することにより、使用勝手をも高めうる流体吹出
しガンの提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、前記した目的を達成でき、問題点を解決
しうる本考案の手段の一実施例を図面に基づき説
明する。

図において、流体吹出しガン１は、ピストル状
のガン本体２の先端部に設ける分岐点３に、外端
にノズル金具４を具えた複数本の管体５…を接続
しており、又分岐部３には、ガン本体２の流路６
に通じる孔部７と、該孔部７から分岐し前記管体
５，５が導通する支孔８，８を設け、又流路６に
は開閉弁９が介在する。

ガン本体２は、胴部１１の後端に把手部１２を
設けるピストル状をなし、該ガン本体２には、引
金１３の操作により開閉する前記開閉弁９を介在
する前記流路６が設けられる。

引金１３は、胴部１１上面を橋絡する吊下げ用
の橋杆１５の前根元部に設ける透孔で傾動可能に
ピン支される。

前記流路６は、胴部１１に沿い延設されかつガ
ン本体２の先端で開口する導孔２１と、把手部１
２の上端に設ける段付孔２２と、前記導孔２１お
よび段付孔２２の大径部２４を継ぐ斜孔２５と、
前記段付孔２２の小径部２６と把手部１２下端の
ニツプル２７とを継ぐ導孔２９とからなり、前記
段付孔２２に開閉弁９を設ける。

開閉弁９は、前記大径部２４に取付く弁箱３１
から引金１３に向け突出する弁杆３３と、例えば
球体からなる弁体３４とを具える。

弁箱３１は、前記弁体３４が着座するシートを
設けた弁座を背面に有しかつ前記弁杆３３が通る
筒部に側孔３９を設けた受金具４０と、前記筒部
が嵌り合う段付部を背面に有しかつ弁杆３３を軸
封しつつ挿通し大径部２４に螺入される前金具４
１とからなる。又弁杆３３は、引金１３を手指に
より牽引することによつて後退し、前記弁体３４
を、その背面のバネに抗して弁座から離間させ
る。従つて小径部２６は、弁座、側孔３９を通り
大径部２４に通じ、流路６を開放する。又引金１
３を戻すことによつて、弁体３４はバネに付勢さ
れ、弁座を閉じることにより流路６を閉止する。

なおガン本体２には、前記流路６の前記導孔２
１が開口する先端部に分岐部３を形成する。分岐
部３は本例では、前記導孔２１に螺入する分岐金
具４０を用いた、ガン本体２とは別体のものとし
て形成される。

前記分岐金具４０は、前記導孔２１先端の内ネ
ジ部に螺合するネジ筒部５０に、前面を該ネジ筒
部５０と直角かつ長円形の平坦面としかつ背面が
円弧をなす膨出部５２を設けており、該分岐金具
４０はネジ筒部５０を導孔２１に螺合しかつロツ
クナツト５３を用いて固定することにより、ガン
本体２に取付けられる。又分岐金具４０には、前
記ネジ筒部５０の外端で同心にのびる盲孔状の前
記孔部７を設ける一方、膨出部５２の前面には、
前記孔部７に小孔５５を介して連なるネジ孔から
なる２つの前記支孔８，８が開口している。従つ
て前記支孔８，８は、小孔５５を介して孔部７か
ら分岐するとともに、孔部７は前記流路６に通じ
ている。

又前記支孔８には、前記管体５，５が夫々取付
けられる。管体５は、比較的薄肉の銅管などの金
属管からなり、折曲げ可能かつ高圧、例えば１〜
５Kg／cm²程度の内圧が作用したときにも、ほぼそ
の形状を保持しうる程度の折曲げ剛さを具え、又
該管体５は、前記支孔８に螺入する継金具５７に
形成する段付孔の大径部５９に挿入される。又該
継金具５７先端のネジ部に螺合する押え金具６０
の螺入とともに、その間に介在されたシール６１
を内向きに膨出させることによつて、管体５を強
固に保持している。

又押え金具６０には、奥端に段差を有する大径
の凹部６４を前向きに設け又凹部６４には、前記
段差に一端を当接させ外装管１０を取付ける。外
装管１０は、約30度程度の角度を複数回屈曲させ
た後にも元の形状に復元しうる保形性を具えたポ
リアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂など比較
的可撓性、復元性に優れる合成樹脂を用いてい
る。なおときにはウレタンゴムなどのゴム材な
ど、保形性を有するものであれば、種々な素材か
らなる管体を利用できる。又外装管１０は、管体
５との間に小間〓ｇを有して同心に外挿され、又
その外端は、前記管体５の外端に取付く前記ノズ
ル金具４により支持される。

前記ノズル金具４は、前記管体５を螺入するネ
ジ孔を有する筒状の基部６６の前端に、前記ネジ
孔から、先端の吐出口４Ａに通じる小孔６７を有
する小径部をテーパ状の段差を介して設けてお
り、又基部６６の後端には、前記外装管１０の外
端部を嵌入しかつその周囲を囲む覆部６９を形成
している。

〔作用〕

従つて、前記ニツプル２７に、流体である例え
ば空気を高圧送給する高圧空気源に接続し、かつ
引金を牽引し、開閉弁９を開くことによつて、高
圧空気が前記流路６から分岐部３の孔部７に流入
する。又孔部７を通る高圧空気は、支孔８，８、
継金具５７、管体５を通り、ノズル金具４の吐出
口４Ａから吐出できる。又管体５，５を異なる方
向に屈曲させたときには、２つの方向に高圧空気
を吹付けできる。さらにノズル金具４を間隔を有
して同方向に配置したときには、広い範囲に亘る
空気の吹付けが可能となる。さらに、ノズル金具
４を接近させかつ同方向に向けることにより、多
量の空気を同一個所近傍に吹付けできる。

なお流路６は口径が大であり、従つて工場配
管、又はタンク容量の比較的大なるコンプレツサ
など、空気容量の大なる高圧空気源に接続するこ
とによつて、単管の場合と同様な圧力の空気を吹
付けできる。

さらに、管体５は、間〓を有して外装管１０に
覆われており、従つて管体５の屈曲および戻しに
伴う該管体５の変形部分は、保形性を有する外装
管１０により隠蔽し、見映えを高めうる。

なお本考案の流体吹出しガンは、潤滑油、洗浄
油など液体の吹付けにも利用でき、又管体５はさ
らに多数本取付けうるとともに、その長さは長短
自在に変化できる。又各管体５を個別に開閉する
開閉弁を設け、さらには管体５を異なる向きに取
付けるなど、本考案の流体吹出しガンは種々変形
できる。

〔考案の効果〕

このように本考案の流体吹出しガンは、流路が
開口するガン本体の先端部に、孔部から分岐する
支孔を有する分岐部を設け、又各支孔に、先端に
ノズル金具を有する管体を夫々取付けており、従
つて、管体の向きを変えることにより、異なる方
向への吹出し、同方向への多量の流体の吹付けを
可能とするなど、使い勝手を向上するとともに、
ガン本体に形成する口径の大なる流路の流体流過
能力を活用でき、吹付け能力を高めるなど、多く
の効果を奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。 ２……ガン本体、３……分岐部、４……ノズル
金具、５……管体、６……流路、７……孔部、８
……支孔、９……開閉弁、１０……外装管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 把手部を具えかつ手指操作により開閉される開
   閉弁が介在する流路が開口するピストル状のガン
   本体の先端部に、孔部と該孔部から分岐する複数
   の支孔とを具える分岐部を、前記孔部を前記流路
   に連通させ設けるとともに、前記各支孔に、外端
   にノズル金具を設けた折曲げ自在な管体を接続し
   てなる流体吹出しガン。