JPH04347111A - 加熱調理器用熱放射体、およびそれを用いた加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器用熱放射体、およびそれを用いた加熱調理器

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JPH04347111A
JPH04347111A JP11868391A JP11868391A JPH04347111A JP H04347111 A JPH04347111 A JP H04347111A JP 11868391 A JP11868391 A JP 11868391A JP 11868391 A JP11868391 A JP 11868391A JP H04347111 A JPH04347111 A JP H04347111A
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JP
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cooker
heat
heat radiator
stone
serpentine
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JP11868391A
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Inventor
Koichi Nishikawa
公一 西川
Keikichi Kaneko
金子 敬吉
Toyohiko Hikoda
彦田 豊彦
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Individual
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱調理器用熱放射体
、およびそれを用いた家庭用ならびに業務用の加熱調理
器に関する。
【0002】
【従来の技術】さきに本発明者の一部は、ある種の天然
石の有するすぐれた遠赤外線放射能に着眼し、食器類を
含む各種の生活関連機器を発明した。すなわち、特開平
1−192318号公報には「蛇紋石その他岩石を素材
とする食品調整用その他の器具」、たとえば、蛇紋石そ
の他岩石を素材とする煮物用、保存用、漬物用、炊飯用
、蒸物用などの容器とその蓋などを、特開平2−550
11号公報には天然石または天然石の粉末を含有する加
熱成型品からなる「遠赤外線マジックプレート」を、特
願平1−249097号明細書には「遠赤外線放射性天
然石を主体とする材料で製した各種生活器具」、たとえ
ば蛇紋石、三仙石などの天然石を適宜組合わせた混合粒
子に陶土などを混ぜ焼成融合して製した調理器具などを
含む各種生活器具を提示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食物は、もともと自然
の恩恵を受けて成育したもので、一般的にその加熱調理
に際しなるべく自然のままを残すように、外からの加熱
と食品内部への熱の伝達をバランスさせ、柔らかく加熱
することが望ましい。食品の持つ栄養が破壊されず、自
然の味を残し健康的だからである。ところが、現在使用
されている加熱調理器具の多くは主要部が金属製である
ために、食物の表面を急激に加熱し、熱しやすく冷めや
すく、食品を柔らかく加熱調理することが難しい。とく
に、食品表面の急激な加熱によって生ずる不必要な焦げ
は癌の原因ともされている。水や液体食品の加熱では、
微量であっても金属イオンを溶出すれば、折角の味が損
われるという問題を有する。
【0004】これらの金属製加熱調理器の問題点を解決
するために、金属表面をほうろう引きにしたり、ふっそ
樹脂やセラミック加工することが行われている。しかし
、金属のもつ熱的性質はそのままである上に、剥げ落ち
たり、取扱上の面倒な制約があったりして根本的な解決
にはなっていない。
【0005】さらにまた、最近の食品、なかでも液体食
品の容器は、ガラス瓶、陶磁器、缶、プラスチックボト
ル、紙パックなど多岐にわたり、これらの容器には入っ
た液体を、そのまま容器ごと直接加熱できる加熱調理器
は少ない。電子レンジは、その数少ない加熱調理器であ
るが缶入りコーヒや一部のプラスチックボトル、金線模
様のある容器などに入った食品は加熱調理できない。
【0006】
【課題を解決する手段】前述した如く、本発明者は天然
石を素材とする各種の生活関連機器を発明しているが、
さらに今回、前記の問題を解決するには、食品に直接接
触できる適切な熱放射体の開発が必要であって、それに
は金属以外の自然に近い素材を利用すべきであると判断
し、食品を柔らかく加熱し自然の味と色彩とを損わない
こと、保温性がよいこと、安全、健康的であること、調
理した食品の出来上りがよく、かつ使いやすく長期の使
用に耐えること、容器入りの液体食品を容器ごと加熱で
きること、また、最近の消費者の特徴である美的要望に
も応えられることを目標に加熱調理器の研究を重ね、本
発明を完成したのである。
【0007】まず、第1の発明として、各種加熱調理器
に使用し、直接食品に接触させることのできる熱放射体
として、成形加工した蛇紋石、三仙石、端渓石、金星石
、またはベルファーストブラック石に、カートリッジヒ
ータを装着してなる加熱調理器用熱放射体を提供する。
【0008】しかし、上記の蛇紋石、三仙石、端渓石、
金星石、またはベルファーストブラック石は自然の産出
物であるために、調理器の要求する形状に加工すること
が必ずしも容易でない場合がある。このような場合であ
っても上記の課題を少しでも解決するために、第2の発
明として、蛇紋石、三仙石、端渓石、金星石、またはベ
ルファーストブラック石の粉末を25〜65重量%含有
する焼成成形物に、カートリッジヒータを装着してなる
加熱調理器用熱放射体を提供する。
【0009】そして、第3の発明として、第1、または
第2の発明に係る熱放射体を使用した加熱調理器を提供
する。
【0010】第3の発明のうちとくに特徴のある第4、
または第5の発明は、第1または第2の発明に係る熱放
射体を複数個重ね合わせ、この重ね合せ面に凹部を設け
て卵または芋の挿入部とした、丸焼卵または焼き芋調理
器を提供する。
【0011】さらに、第6の発明として、第1、または
第2の発明に係る熱放射体を使用した、容器入り液体の
加熱調理器を提供する。
【0012】
【作用および実施態様例】本発明の作用および実施態様
例について、図面を参照しつつ、詳しく説明する。
【0013】上記の課題を解決する第1の発明は、厳し
く選択されたある種の天然石を素材とし、この素材を食
品を加熱するのに適当な大きさと形状に加工し、その成
形加工物に電気抵抗体を発熱体とするカートリッジヒー
タを装着した加熱調理器用熱放射体である。
【0014】まず、適当な熱放射体の素材を選ぶために
、数多くの天然石を用い、実際に加熱調理器を試作し、
検討した。天然石を選んだのは、金属の2倍前後の熱容
量を有し、熱伝導率が金属ほどは高くなく、耐熱性にす
ぐれ、遠赤外線放射率の高いものがあり、適度の加熱と
、昇温後の余熱を利用しやすいからである。また、天然
石の複雑な成分の組合わせは、人工セラミックの組合せ
では得られない作用を発揮する。数多くの天然石を検討
した結果、とくに蛇紋石、三仙石、端渓石、金星石、ま
たはベルファーストブラック石(以下、これらの天然石
を「蛇紋石など」と総称する)が、食品を柔らかく加熱
し自然の味や色を損わないこと、保温性がよいことなど
前記課題を解決するのに好ましいことを見出した。
【0015】このうち、蛇紋石は美しい模様を持つ変成
岩の一種であり、中華民国台湾省花蓮県内、なかでも玉
里槙近辺から産出するものが品質がよく、非常に好まし
い。
【0016】三仙石は、同じく台湾省の太平洋岸側に産
出する着色コーデライト系天然石を指す通称名であって
(わが国では、オーラストーンとも呼ばれている)、も
ともと海底の海山が崩れおち、それが打寄せたものとい
われ、青色系、茶色系などいくつかの色彩系に分けられ
るが、そのいずれをも使用することができる。
【0017】端渓石は、中国中南区広東省に産出する黒
、青、緑、紫などの輝緑凝灰岩であって、従来、硯石と
して珍重されていた。現在成分を分析中であるが、蛇紋
石に近いと推定している。
【0018】また、金星石は、中国河南省、江西省、広
東省などに産出し、端渓石と同様に金星宋硯などとして
珍重されている、黒墨色の硯石である。猫眼、風眼、金
圏、小浪紋、金花浪紋、魚子紋、眉子紋などの種類があ
る。
【0019】これらの硯石が本発明に使用されるのは後
述する遠赤外線放射率が高いと推定されるほかに、堅く
、水漏れせず、美しいからである。
【0020】ベルファーストブラック石は、南アフリカ
共和国ベルファスト産の黒色の花崗岩をさす通称名であ
る。
【0021】蛇紋石などに共通する点は、遠赤外線放射
率の高いこと、固くて欠けにくく、表面が美しいことで
あった。したがって、これらの素材は加熱調理器用熱放
射体として加熱、保温の性能がすぐれ、使いやすく、美
しい。
【0022】確認のために、上記の蛇紋石の500℃の
分光赤外線放射率を測定した。その結果を図15に縦軸
に分光放射率(%)、横軸に波数(cm−1)をとって
示す。また、図16に500℃での半球面分光赤外線放
射発散度の測定結果を、縦軸に分光放射発散度(W/m
2 ・μm)横軸に波長(μm)をとり示す。500℃
、波数330〜5000cm−1(波長30.3〜2.
0μm)の範囲での放射率は約93%であった。
【0023】同様に三仙石についても遠赤外線放射率を
測定した。縦軸に分光放射率(%)、横軸に波数(cm
−1)をとり、図17には青色の、図18には茶色の三
仙石の測定結果を示した。いずれも、波数500〜22
00cm−1(波長4.5〜20μm)の範囲のほぼ全
域で90%以上の非常に高い分光放射率を示した。
【0024】蛇紋石などが有する好ましい作用が何に起
因するのかを知るために、蛇紋石および三仙石の成分を
分析した。X線回折法による化合物の同定の結果を表1
に、蛍光X線による定性および定量分析の結果を表2に
示す。表中、蛇紋石は台湾省花蓮県玉里槙産出のもの、
三仙石は青色と茶色の2種類の分析を行った。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 これらの天然石の組成と組合わせは複雑で、結果的に好
ましい作用の原因を特定することは困難であった。しか
し、この組成の微妙な組合わせが、人工のセラミックや
金属にはない作用を発揮するものと考えられる。
【0027】蛇紋石などの素材を使用して製作される熱
放射体の形状は、取付ける調理器の使用目的にそって決
める。たとえば、ホットプレートに使用する場合には、
平面形状を長方形、円形、楕円形などとした平板とし、
周縁部に土手様の突起を設ける。表面部分には凹凸や溝
を設けてもよい。また、鯛焼き、たこ焼き、今川焼きな
どの調理器には、焼上り形状に応じ、平板にこれらの材
料を入れるための凹部を設ければよい。平板の場合、板
の厚さは、通常10〜50mm程度であるが、厚いほど
保温性がよく省エネルギー効果がある反面、重くなり、
持運び、移動に難点があるので、業務用や定置式を除く
家庭用では25mm程度が適当である。
【0028】棒状の熱放射体も便利である。棒の断面形
状は、それを取付ける調理器の使用目的にそって、適当
な形状に加工する。焼き鳥やバーベキュー用には、油が
溜らないように円形や三角形の断面を採用するとよい。 また、ポット、容器入り液体などの加熱調理、水炊きな
どの鍋物調理用には、筒状や鍋状などの熱放射体にする
とよい。
【0029】これらの熱放射体には通常、30〜300
Wのカートリッジヒータを1ないし複数本装着する。カ
ートリッジヒータを使用するのは熱放射体を全体的に効
率よく加熱する作用を有し、制御しやすいからである。 ここにカートリッジヒータとは、電気抵抗発熱体が容器
に収められた、はめかえ式の着脱可能なヒータであって
、たとえばパイプヒータ、板状パネルヒータなどはこれ
に含まれる。通常の裸のニクロムヒータなどは好ましく
ない。局部加熱を生じ、熱放射体を破損するおそれが大
きいからである。都市ガスやプロパンガスを熱源とする
ことも同様の理由から好ましくない。カートリッジヒー
タは熱放射体に適当な挿入穴や窪みを設け挿入または埋
設するか、平板状熱放射体の裏面などに張付けるなどし
て装着する。
【0030】第2の発明は、前記したように蛇紋石など
をそのまま使用できない場合に対応するためのものであ
る。蛇紋石などを粉末にし、その粉末が焼成物中25〜
65重量%になるように無機バインダーを加え、目的の
形に成形し、焼成して陶器、せっ器または磁器の類とし
、前記の蛇紋石などと同じ様にして使用する。蛇紋石な
どの含有量が25重量%以下ではその特有の効果が小さ
く、また65重量%以上では焼成中に亀裂を生じ製品歩
留まりが悪く、また得られた焼成物の強度が不足し実用
的でないからである。
【0031】蛇紋石などの粉末の粒径の選定は重要であ
って、70〜170メッシュが好ましく、とくに100
メッシュ前後が好ましい。この範囲外では、焼成の際に
亀裂の入る率が大きいからである。また、熱放射体を焼
成できたとしても、調理器として使用すると割れやすく
、とくに280℃以上に加熱した場合に問題が起こりや
すい。
【0032】第3の発明は、以上に説明した熱放射体を
使用した加熱調理器であって、たとえばクッキングコン
ロ、トレー、ホットプレート、テーブルクッキングプレ
ート、グリル、電気鍋、電気炊飯器、電気ポット、トー
スター、オーブン、ロースター、ホットサンド焼器、た
こ焼器、魚焼き器、焼芋器、丸焼卵調理器、容器入り液
体の加熱調理器、日本酒加熱調理器などの各種の加温、
保温用調理器が含まれる。1台の加熱調理器に使用する
熱放射体は1個に限られず、複数個使用することもある
【0033】蛇紋石などは、食物の内部加熱に適する高
い遠赤外線放射率を有するうえ、金属に較べて熱容量が
大きく、熱伝達係数が小さいので、それらの素材を熱放
射体に使用することによって、食品が熱放射体と接して
も食品に焦げ目をつくることなく、食品を柔らかく内部
まで均一に加熱するなどの作用を発揮する。
【0034】温度センサーやマイクロコンピュータなど
と組合わせて熱放射体の表面温度を制御したり、調理の
加熱プログラムの設定したり、加熱、保温の切替スイッ
チを設けることもできる。本発明の熱放射体は肉厚であ
るため、温度センサーを調理面近くにセットし、正確な
温度制御をすることができる。勿論、調理のファジィ制
御も可能である。また、発光ダイオードなどを用い電源
のON−OFFや加温状態を示すようにしておくと便利
である。
【0035】理解を容易にするために、二、三の実施態
様例を図示して説明する。
【0036】図1は、加熱、保温用トレーの実施態様例
を示す斜視図であり、図2は、図1に示したトレーのA
−A´垂直断面図である。
【0037】11は、第1、または第2の発明の熱放射
体の一例であって、蛇紋石などまたはその粉末焼成成形
物の平板13にパネルヒータ12を張付けたものである
。この熱放射体11を枠体14に装着し、制御パネル1
5を取付けて加熱調理器に組み立てる。
【0038】図3は、主に焼物を調理するためのグリル
の実施態様例を示す斜視図であり、図4は、図3に示し
たグリルのA−A´垂直断面図である。
【0039】棒状の蛇紋石などまたはその粉末焼成成形
物23の中心軸の沿って穴を設け、パイプヒータ22を
挿入し、熱放射体21とする。この熱放射体21を8本
並列に配置、枠体24に装着し、制御パネル25を取付
けて焼物用の加熱調理器に組み立てる。
【0040】図5は、たこ焼器の実施態様例を示す斜視
図であり、図6は、図5に示すたこ焼器のA−A´垂直
断面図である。
【0041】31は、平板状の熱放射体であって、蛇紋
石などまたはその粉末焼成成形物の平板33の側面から
内部に向って平行に7本の穴を設け、パイプヒータ32
を挿入する。平板33の表面にはたこ焼の材料を入れる
ための凹部36を設ける。この熱放射体31を枠体34
に装着し、制御パネル35を取付けてたこ焼用の加熱調
理器に組み立てる。
【0042】このようにして構成された加熱調理器は、
新しい料理、または従来家庭では難しかった調理を可能
にする加熱調理器として利用できる。
【0043】第4の発明に係る丸焼卵調理器は、第1ま
たは第2の発明の熱放射体を複数個重ね合わせ、この重
ね合せ面に卵大の凹部を設け、その凹部に卵を挿入し、
加熱するものであって、生卵が割れることなく焼け、重
宝である。複数個重ね合わせるのは、卵全体を均一に加
熱するためであり、重ね合せ面は一面に限らず、2面、
3面と必要に応じ増加することができる。
【0044】従来、殻を割らないで焼卵を調理すること
は甚だ困難であった。茹卵においてすら1〜2%は調理
過程で割れていた。また、生卵を内部から加熱しようと
して電子レンジで加熱すると卵は爆発的に飛散ってしま
い調理できない。しかし、この丸焼卵調理器に、鶏卵を
入れて加熱すると、卵の内外は大きな温度差を生ずるこ
となく黄身と白身とが同じようにやわらかく加熱され、
割れないで焼卵ができあがる。
【0045】同様に焼き芋の調理に利用すると、家庭で
は上手に焼くことが難しかった芋を美味に焼くことがで
きる。第5の発明の焼き芋調理器がそれを可能にする。 熱放射体に設ける凹部の大きさを丸焼卵調理器のそれよ
りも大にする以外は、丸焼卵調理器とほぼ同様でよい。 壺焼き、石焼きなどの焼き芋調理器が古くから利用され
ていたが、いずれも大量の芋を焼くのに適し、家庭用に
手軽に利用することはできなかった。本発明の調理器は
、芋を均一に加熱できるので、家庭用に少量の芋を調理
するように構成しても、大量調理を目的とする業務用と
変わりなく調理できる。卵と異なり、芋の大きさは大小
様々であるが、いずれも同じように焼くことができる。
【0046】液体ないし流動物を調理するには、鍋形も
しくは筒形の熱放射体を準備し、直接その中に投入して
加熱することができる。しかし、容器ごと加熱したいと
きには、第6の発明の容器入り液体の加熱調理器を利用
できる。すなわち、第1または第2の発明の熱放射体に
しかるべき形状と大きさの加熱物収納部を設け、そこに
容器に入っている液体を容器ごと挿入して周囲から加熱
するもので、電子レンジのように容器の種類によって使
用制限されないことが特徴である。また、内容物によっ
てもとくに制限はない。酒、牛乳、茶、スープなどの流
動性のパック食品の加熱、解凍、保温などに便利である
【0047】
【実施例】つぎに本発明の実施例をあげ、より具体的に
説明する。
【0048】実施例  1 一辺が350mmの正方形で厚さ25mmの台湾産の三
仙石に、中心から80mmの対象の位置に側面から深さ
300mm、直径10mmのカートリッジヒータ挿入穴
2本を平行に開け、それぞれに150Wのパイプヒータ
を挿入し、熱放射板を製作した。これとは別に、熱放射
板に裏面から小穴を開け、熱放射板の中心の表面から5
mmの位置に熱電対を挿入し、温度制御できるようにし
た。また、保温状態ではW数を半分に落し、熱電対が1
30℃を示すとヒータをOFFにし、110℃になると
ONになるように調整した。
【0049】この熱放射板をホットプレートとして使用
し、目玉焼きを調理した。従来のフライパンで目玉焼き
を調理するとまず白身が固まり、黄身は固まりにくいの
であるが、このホットプレートで調理した目玉焼きは、
黄身と白身とがほぼ同じ様に固まり、油を塗らなくとも
焦付くことなく、裏面はほぼ白色であった。調理後スイ
ッチを切って10分そのまま熱放射板上に放置したが、
まだ余熱で温かった。
【0050】つぎに、このホットプレートを使用し、油
を引いて、ほうれんそう、キャベツ、葱、人参の野菜炒
めを調理したが、油ミストの飛散はなく、調理後の野菜
はフライパンで同じ程度に調理した場合に較べ、色が変
らず美味であった。
【0051】さらに保温状態にして、この野菜炒めを約
20分後に試食したが、温度、味ともに調理直後と全く
変わることはなかった。
【0052】実施例  2 100メッシュの三仙石粉末を40重量%と同じ粒度の
陶土60重量%とを混合し、実施例1と同じ寸法の平板
を焼成した。その裏面に300Wのパネルヒータを取付
け、裏面から表面近くに向かって小穴を開け、温度制御
のための温度センサーを挿入しホットプレートを試作し
た。このホットプレートを用い、温度センサーの示す温
度が280℃を超えないように調節しながら、各種の加
熱料理を調理したが、料理の味、色、歯ごたえ、焦げ方
などは実施例1とほとんど変わらなかった。
【0053】実施例  3 丸焼卵調理器を試作し、使用した。図7は、試作した丸
焼卵調理器の側面図であり、図8は、図7に示したA−
A´から見た丸焼卵調理器の平面図である。
【0054】一辺が200mmの正方形、厚さ50mm
の端渓石の板2枚を用意し、この2枚を重ね合せたとき
に、大きめの鶏卵を重ね合せ面を中心に保持できるよう
に、重ね合せ面の縦横の中心線を真中に対象の位置に凹
部44を2け所づつ、計4個設けた。さらに、それぞれ
の蛇紋石板には重ね合せ面に平行、かつ縦方向中心線に
そって、直径10mm、長さ150mmのカートリッジ
ヒータ(パイプヒータ)挿入穴43を開け、この穴に1
00V、100W、ヒータ部長さ100mm、直径10
mmのカートリッジヒータを最奥まで嵌込み、上部熱放
射体41および下部熱放射体42を製作した。さらに、
取っ手46、ヒンジ、温度調節器(図面では省略)を取
付け、断熱カバー(図面では省略)を上部熱放射体41
および下部熱放射体42に被せて丸焼卵調理器を試作し
た。
【0055】この丸焼卵調理器を使用し、重ね合せ面に
設けた凹部44に各種の鶏卵45を入れてカートリッジ
ヒータで加熱し、焼卵にした。大きさ、種類、加熱時間
を変え96個の鶏卵を加熱したが、驚くべきことに割れ
たものは皆無で、黄身も白身も均一に焼上がっていた。 さらに、調理した焼卵を試食者12名に別に調理した茹
卵と食べ較べさせ、アンケートをとったところ、うち1
0名が茹卵よりも歯応えがあり、美味と解答した。
【0056】実施例  4 家庭用焼き芋調理器を試作し、使用した。図9は、試作
した焼き芋調理器の平面図であり、図10は、図9に示
したA−A´断面図、図11は、図9に示したB−B´
断面図である。
【0057】500×300mmの長方形で厚さが70
mmおよび150mmの台湾産の蛇紋石の板2枚を用意
し、このうち厚い方の蛇紋石に、重ね合せ面となる面の
縦横の中心線を真中に対象の位置に、図に示すように計
4個の凹部54を設けた。凹部54は210×70mm
、深さ70mmにした。さらに、それぞれの蛇紋石には
重ね合せ面および長手方向に平行に、直径10mm、深
さ450mmのカートリッジヒータ(パイプヒータ)挿
入穴53を厚い方に3か所、薄い方に2か所設け、この
穴に100V、100W、ヒータ部長さ300mm、直
径10mmのカートリッジヒータ58を最奥まで挿入し
、薄い方を上部熱放射体51、厚い方を下部熱放射体5
2にした。さらに、取っ手56、ヒンジ、温度調節器を
取付け、断熱カバー(図面では省略)を上部熱放射体5
1および下部熱放射体52に被せて焼き芋調理器を試作
した。
【0058】この家庭用焼き芋調理器を使用し、やき芋
を調理した。約30分の加熱で芋は芯までふっくらと焼
き上り、市中で購入した焼き芋に劣らず美味であった。
【0059】参考までに、図12に第3の発明にかかる
業務用焼芋調理器の斜視図を示す。芋を焼く部分66は
、8本のカートリッジヒータ63(一部図示を省略)を
装着した筒状の熱放射体61と底部におかれた円板状の
熱放射体62と蓋部67とで囲まれている。生芋は供給
口64から入れ、焼けた芋は取出口65を開けて取出す
【0060】実施例  5 図13は、容器入り液体の加熱調理器の実施例を示す斜
視図であり、図14は、図13に示したA−A´垂直断
面図である。
【0061】230×230mmの正方形で厚さが18
0mmの南アフリカ産のベルファーストブラック石73
を用意し、縦横の中心線を真中に対象の位置に、75×
75mm、深さ150mmの凹部77を4個を設ける。 さらに、ベルファーストブラック石73の底面の一部を
削り、300Wのパネルヒータ72を取付け、熱放射体
71とする。この熱放射体71を断熱枠体74にセット
し、制御パネル75および取っ手76を取付け、容器入
り液体の加熱調理器を製作する。
【0062】凹部77に缶入りコーヒ、徳利、牛乳パッ
クなどの容器入りの液体79をいれ、蓋78をかぶせて
加熱すると、容器内の液体食品79は容易に加熱され、
加熱した後も熱放射体71の余熱で、長時間冷めること
がない。
【0063】
【発明の効果】本発明にかかる熱放射体は、遠赤外線放
射率が高く、固くて欠けにくく、表面が美しいなどの特
徴を有し、各種の加熱用調理器に利用することができる
だけではなく、全く新しい調理器を構成し新しい料理を
可能にする。
【0064】すなわち、第1の発明および第2の発明の
熱放射体に直接食品を接触させても通常は焦付くことが
ないので金属製調理器のように弗素樹脂やセラミックを
コーティングする必要はない。また焦付き防止のために
油を塗る必要もなく、したがって油煙やミストの発生が
なく調理場や台所を清潔に保つ。
【0065】この調理器用熱放射体を使用した加熱調理
器は、食品を柔らかく熱し、調理品の表面に有害な焦げ
目を作ったり焦付くことが少なく、また余熱による保温
性がよいので、食事が終わるまで料理を温く保ち、エネ
ルギー消費量は小さい。しかも、蛇紋石などは、非常に
美しい表面を有し、テーブル上で使用しても他の食器な
どとうまく調和する。さらに、従来難しかった丸焼卵、
少量の焼芋、容器入りの液体の加熱、解凍、保温などの
ための調理器も提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  加熱、保温用トレーの実施態様例を示す斜
視図。
【図2】  図1に示したトレーのA−A´の垂直断面
図。
【図3】  グリルの実施態様例を示す斜視図。
【図4】  図3に示したグリルのA−A´の垂直断面
図。
【図5】  たこ焼器の実施態様例を示す斜視図。
【図6】  図6は、図5に示した、たこ焼器のA−A
´の垂直断面図。
【図7】  丸焼卵調理器の実施例の正面図。
【図8】  図7に示したA−A´から見た平面図。
【図9】  家庭用焼き芋調理器の実施例の平面図。
【図10】  図9に示したA−A´の断面図。
【図11】  図9に示したB−B´の断面図。
【図12】  業務用焼き芋調理器の斜視図。
【図13】  容器入り液体の加熱調理器の実施例を示
す斜視図。
【図14】  図13に示したA−A´垂直断面図。
【図15】  蛇紋石(台湾産)粉末の分光赤外線放射
率(500℃)の測定チャート
【図16】蛇紋石(台湾産)粉末の半球面分光赤外線放
射発散度(500℃)の測定チャート
【図17】三仙石(青)粉末の遠赤外線放射率の測定チ
ャート
【図18】三仙石(茶)粉末の遠赤外線放射率の測定チ
ャート
【符号の説明】
11:熱放射体      12:パネルヒータ   
   13:蛇紋石などの板 14:枠体      15:制御パネル21:熱放射
体      22:パイプヒータ      23:
蛇紋石などまたはその粉末焼成成形物      24
:枠体      25:制御パネル 31:熱放射体      32:パイプヒータ   
   33:蛇紋石などまたはその粉末焼成成形物  
    34:枠体      35:制御パネル  
    36:たこ焼の材料を入れるための凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  成形加工した蛇紋石、三仙石、端渓石
    、金星石、またはベルファーストブラック石に、カート
    リッジヒータを装着してなる加熱調理器用熱放射体。
  2. 【請求項2】  蛇紋石、三仙石、端渓石、金星石、ま
    たはベルファーストブラック石の粉末を25〜65重量
    %含有する焼成成形物に、カートリッジヒータを装着し
    てなる加熱調理器用熱放射体。
  3. 【請求項3】  請求項1、または請求項2に記載の熱
    放射体を使用した加熱調理器。
  4. 【請求項4】  請求項1、または請求項2に記載の熱
    放射体を複数個重ね合わせ、この重ね合せ面に卵大の凹
    部を設けて卵の挿入部とした丸焼卵調理器。
  5. 【請求項5】  請求項1、または請求項2に記載の熱
    放射体を複数個重ね合わせ、この重ね合せ面に凹部を設
    けて芋の挿入部とした焼き芋調理器。
  6. 【請求項6】  請求項1、または請求項2に記載の熱
    放射体を使用した、容器入り液体の加熱調理器。
JP11868391A 1991-05-23 1991-05-23 加熱調理器用熱放射体、およびそれを用いた加熱調理器 Pending JPH04347111A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030063923A (ko) * 2002-01-24 2003-07-31 오성배 황토 계란 구이판 및 그 제조 방법
KR100778290B1 (ko) * 2005-12-09 2007-11-28 김바로산 세라믹 코디에라이트 또는 세라믹 탄화규소를 이용한 고기구이 판 또는 피자 베이킹 팬 및 그 제조 방법

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