JPH04346101A - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JPH04346101A
JPH04346101A JP11846991A JP11846991A JPH04346101A JP H04346101 A JPH04346101 A JP H04346101A JP 11846991 A JP11846991 A JP 11846991A JP 11846991 A JP11846991 A JP 11846991A JP H04346101 A JPH04346101 A JP H04346101A
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JP
Japan
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gain
controlled object
control device
phase margin
pid regulator
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JP11846991A
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Kazuhiko Takaishi
和彦 高石
Susumu Hasegawa
進 長谷川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制御装置に関し、特に、
位置決め制御等に用いられる、出力信号に対する比例(
P)・積分(I)・微分(D)信号を求めて定められた
ゲインを乗算した後に加算して制御対象への信号を生成
する働きをする補償器、いわゆるPIDレギュレータの
ゲインを計算するための制御装置に関する。
【0002】従来、PIDレギュレータは磁気ディスク
装置の磁気ヘッド位置決め制御装置等、精密な制御を要
する各方面で使用されていた。このPIDレギュレータ
においは、観測信号に対する比例(P)・積分(I)・
微分(D)の3つの信号にゲインを掛ける必要がある。 ところが、従来は制御系の特性を定めるために設計者が
経験に基づいてPIDレギュレータゲインを決定してお
り、PIDレギュレータのゲインを決定するための適正
な手法が望まれている。
【0003】
【従来の技術】図14は従来の与えられた入力rに対し
て出力yが二重積分される制御対象10、すなわち定数
をK、ラプラス演算子をsで表現した時に、K/s2 
なる伝達関数で近似できるような伝達関数を持つ制御対
象10を制御する場合の、PIDレギュレータと呼ばれ
る補償器140を含む制御ブロックの構成を示すもので
ある。PIDレギュレータ140は、制御対象10の出
力信号yを閉ループ系を通して読み込んで制御値(比例
(P)・積分(I)・微分(D)信号)を作り、これら
に適当なゲインを乗算した後に加算して制御対象10へ
の信号を生成し、制御対象10に入力してこれを制御す
る。従って、制御対象10への入力信号rと出力信号y
を見ればPIDレギュレータの制御特性が分かることに
なる。
【0004】このような制御系の特性を調べる時の指標
となる値に、サーボ帯域と位相余有がある。これらは、
制御系の伝達関数、すなわち、ラプラス演算子をsとし
て、制御対象の伝達関数をG(s)、PIDレギュレー
タ等の補償器の伝達関数をK(s)とした時に、   
       |G(j2πf0) K(j2πf0)
 |=1              …  (1) 
なる条件を満たす周波数f0 をサーボ帯域と定義し、
その周波数での制御系の位相に180°(πrad)を
加えた値、           arg(G(j2πf0) K(
j2πf0))  −  π  =  θ0 …  (
2) を、位相余有と定める。
【0005】このサーボ帯域と位相余有が制御系の設計
時の指標として用いられるのは、例えば、制御対象の伝
達関数が二重積分となる様な制御対象の場合には、一般
にサーボ帯域を上げると目標値の変化に対する追従性が
向上し、位相余有が増える程オーバーシュート量、すな
わち目標値に一度近づいてから行き過ぎて、また戻る時
の行き過ぎた量、が減少するという理由からである。一
般にはその他の要素、例えば、制御対象の外からの外乱
に対する強さや、制御対象となる装置の持つ伝達特性の
個体差が与える影響、等を考慮に入れて、最適なサーボ
帯域および位相余有を決定するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PID
レギュレータのゲインの設計には決定すべき値が3つ存
在し、また、制御対象が近似としては二重積分で表現さ
れるにしても、実際の系では低域や高域の周波数に共振
を含んだ複雑な伝達関数として表現されるため、3つの
値の決定が容易ではないという問題がある。さらに制御
特性の改善を図るために、PIDレギュレータ以外に様
々なフィルタが入れられるので、設計はさらに難しくな
るという問題がある。
【0007】このために、制御系の設計者にはPIDレ
ギュレータにより制御された制御系の特性評価に必要な
サーボ帯域と位相余有がゲインからは判断できず、制御
対象の伝達関数が既知であっても未知であっても実際に
制御対象を測定してみたり、シミュレーションしてみた
りするまでは判らなかった。従って、PIDレギュレー
タのゲインの値の決定は設計者の経験に頼らなければな
らず、目標となる制御系の特性を実現するには長い時間
をかけて試行錯誤を繰り返しながらゲインを調整するし
か方法がなかった。
【0008】そこで、本発明は伝達関数が二重積分にて
近似できるような制御対象のみを設計対象として、設計
者が規定したサーボ帯域・位相余有を得るための最適な
PIDレギュレータゲインを自動的に求めるための計算
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の制御装置の構成が図1に示される。本発明の制御装
置は、与えられた入力に対して出力が定数K、ラプラス
演算子sを用いてK/s2 なる伝達関数で近似できる
ような伝達関数を持つ制御対象を制御する制御装置であ
って、出力信号に対する比例、積分、微分信号に予め定
められたゲインを乗算した後に加算して前記制御対象へ
の信号を生成する働きをする補償器1と、この補償器の
比例、微分、積分値に各々掛けるゲインfp、fi、f
dを計算するゲイン演算手段2と、予め、開ループ特性
のゲインが0dBとなる周波数f0と、この周波数f0
での位相角に180度を加算した値である位相余有θ0
 と、開ループ特性の形状を決定するための係数ζとを
格納するデータ格納手段3とを備え、前記ゲイン演算手
段2がω0 =2πf0として、次の式:      fp =  ω02/(K(1+tan2θ
0 )1/2 )                 
 …■     fi = 1/2K ×(((1+ζ
2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ) −1)
                    ×( ω0
3tan θ0 ) /(1+tan2θ0 )1/2
      …■     fd = 1/2K ×(
((1+ζ2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ
) +1)                    
×( ω0tanθ0 ) /(1+tan2θ0 )
1/2        …■を基にして、前記補償器の
3つのゲインを計算することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の制御装置によれば、理想的な二重積分
の特性と実際の制御対象の伝達関数との誤差を求めて、
式■〜■で表現される理想的な補償器であるPIDレギ
ュレータのゲインの計算式中のサーボ帯域f0および位
相余有θ0 を修正することにより、設計値通りの特性
を持つ制御系が設計される。この結果、経験に頼ること
なく、PIDレギュレータのゲインを定めることができ
る。
【0011】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図2は本発明の制御装置の一実施例の構成
を示すものであり、与えられた入力rに対して出力yが
二重積分される制御対象10、すなわち定数をK、ラプ
ラス演算子をsで表現した時に、K/s2 なる伝達関
数で近似できるような伝達関数を持つ制御対象10を制
御する場合の、PIDレギュレータ20を含む制御ブロ
ックの構成を示すものである。PIDレギュレータ20
は、制御対象10の出力信号yを閉ループ系を通して読
み込んでこれを3つに分け、1つはそのままで比例(P
)信号とし、積分要素21を通したものは積分(I)信
号とし、微分要素22を通したものは微分(D)信号と
して、それぞれ乗算器23,24,25で所定のゲイン
fp, fi, fdを乗算した後に加算し、加算信号
uを制御対象10に入力してこれを制御する。
【0012】このPIDレギュレータ20の比例、微分
、積分値に各々掛けるゲインfp, fi, fdは、
ゲイン演算器30において、ROM等のメモリ40に予
め記憶された開ループ特性のゲインが0dBとなる周波
数f0と、この周波数f0での位相角に180度を加算
した値である位相余有θ0 と、開ループ特性の形状を
決定するための係数ζを使用して、ω0 =2πf0と
して、次の式■〜■を基にして演算される。
【0013】      fp =  ω02/(K(1+tan2θ
0 )1/2 )                 
 …■     fi = 1/2K ×(((1+ζ
2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ) −1)
                    ×( ω0
3tan θ0 ) /(1+tan2θ0 )1/2
      …■     fd = 1/2K ×(
((1+ζ2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ
) +1)                    
×( ω0tanθ0 ) /(1+tan2θ0 )
1/2        …■  次に、設計者の要求す
るサーボ帯域f0および位相余有θ0 を得るための基
本となる上述の■〜■式を導出する。
【0014】制御対象がK/s2 で表現される時、こ
の制御系をPIDレギュレータ20により制御するもの
とし、PIDレギュレータ20の比例(P)・積分(I
)・微分(D)のゲインをそれぞれfp、fi、fdと
すると、制御対象10およびPIDレギュレータ20の
伝達関数を掛け合わした、制御系の開ループ特性は、 
           Gopen(s) =K/s2
×(fds2 +fps +fi) /s2     
     … (3)となる。この式を、             Gopen(s) =Kfd
/s ×(s2 +2ζω1s+ω12) /s2  
  … (4)とすること考える。そのために、(3)
 式が定められたサーボ帯域をf0、位相余有をθ0 
に一致するための条件を求めると、 ω0 = 2πf0                
  …  (5)として、|Gopen(jω0)| 
 =  1   …  (6)arg(Gopen(j
ω0)) =  θ0 −π    …  (7)より
、      fp =  ω02/(K(1+tan2θ
0 )1/2 )                 
   … (8)     fi =  fdω02−
 (ω03tan θ0 ) /K(1+tan2θ0
 )1/2    … (9)     fd >  
 (ω0tanθ0 ) /K(1+tan2θ0 )
1/2              … (10) と
求まる。(8) 〜(10)式を(4) 式に代入して
、     fp =  ω02/(K(1+tan2
θ0 )1/2 )                
    …  ■     fi = 1/2K ×(
((1+ζ2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ
) −1)                ×( ω
03tan θ0 ) /(1+tan2θ0 )1/
2        …  ■     fd = 1/
2K ×(((1+ζ2tan2 θ0 )1/2/ζ
 tanθ) +1)               
 ×( ω0tanθ0 ) /(1+tan2θ0 
)1/2          …  ■と求めることが
できる。
【0015】(4) 式中のζは図3に示す周波数−ゲ
イン特性中のクビレの形状を表す係数であり、PIDレ
ギュレータ20のゲインは、ζ・サーボ帯域f0, 位
相余有θ0,制御対象のゲインの4つの値を用いて表現
することができる。この式は、あくまでも制御対象が二
重積分の形式の伝達関数を持つものを対象としている。 しかるに、制御対象が二重積分で近似できるような場合
にも、理想的な二重積分の特性からのゲインと位相のズ
レを補正するように、初期に与えたサーボ帯域f0と位
相余有θ0 を修正すれば、設計値通りのサーボ帯域と
位相余有を持つ制御系を得ることができる。
【0016】この計算を行うための計算手順を図4に構
造化フローチャートにて示す。この計算手順を簡単に説
明すると、ステップ401 では制御系の特性の設定が
行われ、ステップ402 では■〜■式によりゲインの
計算が行われる。また、ステップ403にて制御系の特
性の測定、またはシミュレーションが行われ、ステップ
404 にてサーボ帯域と位相余有の誤差Δf,Δθが
計算される。そして、ステップ405 にてサーボ帯域
と位相余有の誤差Δf,Δθの絶対値がそれぞれα、β
よりも小さいか否かが判定され、小さいときにはステッ
プ406 に進んでゲインfp, fi, fdが得ら
れる。一方、ステップ405 においてサーボ帯域と位
相余有の誤差Δf,Δθの絶対値がそれぞれα、β以上
の時は、ステップ4051からステップ4053のルー
プが実行される。ステップ4051では誤差を修正して
ゲインの再計算が行われ、ステップ4052では制御系
の特性の測定、またはシミュレーションが行われ、ステ
ップ4053にてサーボ帯域と位相余有の誤差Δf,Δ
θが計算される。
【0017】図5は本発明の制御装置の別の実施例の構
成を示すものであり、図2と同じ構成部分には同じ符号
を付してあり、積分要素21はこの実施例ではT/(Z
−1)で示されている。この実施例の制御装置は、オブ
ザーバ50を利用した制御系の構成例であり、この実施
例では、制御系の特性を測定またはシミュレーションに
より求めてサーボ帯域・位相余有を計算し、設計目標と
するサーボ帯域は一定としておき、位相余有とPIDレ
ギュレータゲインその物の修正を行なっている。ここで
は、シミュレーションにより制御系の設計値と実測値と
の誤差を調べてみる。ここでは、制御対象10′は、1
/S2 として、サーボ帯域を一定にして位相余有と先
に挙げた制御系の開ループ特性形状を決定するζを変化
させた時の誤差を調べる。ここでは設計例として、微分
値を生成させる方法としてオブザーバ50を使用してい
る。また、制御用の補償器20′はデジタル系で設計す
るものとする。
【0018】まず、オブザーバ50により、デジタル系
のサンプリング周波数をT(s)としたときには、kT
時間の値を用いて、(k+1)T時間での観測値xおよ
びその微分値vは次のようになる。
【0019】
【数1】
【0020】なおuは制御対象に出力する制御信号であ
り、yは制御対象から観測された観測信号である。ここ
でオブザーバ50の詳細に関しては公知であり、その内
容は古田著「ディジタルコントロール」(コロナ社)等
の本に記述されているので、ここでは説明しない。図6
はこのオブザーバ50を使用した時のPIDレギュレー
タゲインの自動調整の計算手順の実施例を示す構造化フ
ローチャートであり、オブザーバ50を使用した時に位
相余有とゲインに修正を加えている。ステップ61では
初期値の設定を行い、ステップ62ではステップ621
と622のループ処理を行う。このループ処理は、この
ステップ62に従属するステップを所定回数N回行なっ
てから次のステップ63に進むものである。従って、こ
のステップ62では、ステップ621と622をN回行
なってからステップ63に進む。ステップ63ではPI
Dレギュレータゲインの確定を行う。
【0021】ステップ62で行われるステップ621と
622もループ処理を行うので、ステップ621からス
テップ622に進む前には、ステップ6211からステ
ップ6214の処理をN回実行し、ステップ622では
、ステップ6221からステップ6225の処理をN回
実行する。ステップ6211ではPIDレギュレータゲ
インの計算を行い、ステップ6212ではサーボ系の特
性を計算し、ステップ6213では位相余有の誤差を計
算し、ステップ6214では位相余有の補正を行う。 また、ステップ6221ではサーボ帯域でのゲインの計
算を行い、ステップ6222ではPIDレギュレータゲ
インの補正を行い、ステップ6223ではサーボ系の特
性の計算を行い、ステップ6224では位相余有の誤差
を計算し、ステップ6225では位相余有の補正を行う
【0022】このように、オブザーバ50を使用した時
にゲインに修正を加えて■〜■式により計算される設計
誤差を示すと図7のようになる。一方、オブザーバ50
を使用した時にゲインに変更を加えないで■〜■式によ
り計算される値をそのまま用いて得られた設計誤差は図
8に示すようになる。これらの図から分かることは、式
■〜■を使用しただけでは、オブザーバ50や各種フィ
ルタの付加により、制御系は理想的な特性にはならない
ために、図8のように特性が設計値と大幅にずれること
になる。しかし、図6の手順によりゲインの調整を行っ
た時には、修正前と比較して、設計値により近い特性が
実現できることである。
【0023】図9は、制御系の特性を測定またはシミュ
レーションにより求めてサーボ帯域と位相余有を計算し
、設計値との誤差を修正して再度計算する手順を示す構
造化フローチャートである。ステップ91では初期値の
設定を行い、ステップ92ではステップ921と922
のループ処理を行う。ここでもループ処理は、ステップ
92に従属するステップを所定回数N回行なってから次
のステップ93に進むものである。従って、このステッ
プ92では、ステップ921と922をN回行なってか
らステップ93に進む。ステップ93ではPIDレギュ
レータゲインの確定を行う。
【0024】ステップ92で行われるステップ921と
922もループ処理を行う。ここで、ステップ621に
おいて行われるループ処理は、図6のステップ621で
行われるループ処理(ステップ6211〜6214)と
同じであるので、同じステップ番号を付してその説明を
省略する。ステップ922では、ステップ9221から
ステップ9226の処理をN回実行する。ステップ92
21ではPIDレギュレータゲインの計算を行い、ステ
ップ9222ではサーボ帯域でのゲインの計算を行い、
ステップ9223ではPIDレギュレータゲインの補正
を行い、ステップ6224ではサーボ系の特性の計算を
行い、ステップ9225ではサーボ帯域の誤差を計算す
る。ステップ9226ではサーボ帯域の補正を行う。
【0025】このような計算を実行するための装置は、
この計算アルゴリズムをプログラムとして計算機上で計
算することにより行うことができる。また、この計算機
を実際の装置内に装備して、制御対象をシミュレーショ
ンではなく、実際に測定しながらPIDレギュレータゲ
インの最適値を決定することもできる。図10は、計算
機の外部記憶装置として用いられている、磁気ディスク
装置の構成例であり、この装置に本発明の制御装置を使
用する場合について説明する。この装置では、サブミク
ロンの精度で磁気ヘッドHを磁気ディスクD上の特定の
トラックに追従するように動作させる必要がある。磁気
ヘッドHから観測された目標トラックとの位置誤差の信
号は、デモジュレータ101、増幅器102、アナログ
/デジタル変換器(A/Dコンバータ)103により、
デジタル信号に変換され、データバス104を通じて位
置決め制御の計算を行うMPU105に取り込まれる。 MPU105では取り込まれた位置誤差信号と現在の磁
気ヘッドHを移動させるための制御信号とを主に使用し
て、新たな制御信号が生成され、デジタル/アナログ変
換器(D/Aコンバータ)106に送られる。アナログ
信号に変換された制御信号は、パワーアンプ107によ
り増幅されて、制御対象である磁気ヘッドHを移動させ
るためのボイス・コイル・モータ(VCM)108に与
えられる。109はROM、110はRAM、111は
ハードディスクコントローラ、112はインタフェース
に接続するインタフェースICである。
【0026】このVCM108に制御信号を与えてから
磁気ヘッドHから位置誤差信号を得るまでの伝達関数は
、簡単には二重積分形式に近似することができる。その
ために、本発明の装置がそのまま適用できる。本発明に
おけるPIDレギュレータは、この磁気ディスク装置の
例では、観測位置から制御信号を生成する際、すなわち
、A/Dコンバータ103から得られた信号を加工して
D/Aコンバータ106により出力するまでの信号を加
工する際に用いられる。
【0027】本発明の装置をこのような装置に適用する
ためには大きく分けて2通りの方法がある。1つはPI
Dレギュレータゲインの計算を装置外部の計算機により
予め計算しておき、装置内には固定されたゲインのみを
持たせる方法である。もう一つの方法は、装置自身に設
計目標となるサーボ帯域・位相余有の情報を持たせてお
き、制御対象の特性を測定しながらPIDレギュレータ
ゲインを前述の計算手順に基づいて自動修正する方法で
ある。
【0028】さらに、前述の装置への2つの適用方法の
内で後者の、装置自身が設計目標を持ち、ゲインを自動
修正する方法には、2通りの方法がある。1つは制御対
象に実際に制御信号を与えて動作させながらゲインを決
定する方法である。もう1つの方法は、制御対象の伝達
関数を予め別の方法で求めておき、制御対象に制御信号
を与えることなく、シミュレーションによりゲインを決
定する方法である。
【0029】まず、外部でゲインを計算しておく方法を
簡単に説明する。図10の装置の例では、外部により制
御対象の特性および設計者の希望する特性に応じて決定
されたPIDレギュレータゲインの値は、図中のROM
109に記憶しておく。MPU105は観測した位置誤
差信号から積分値と微分値を生成して、ROM109上
のゲインを位置誤差信号・積分値・微分値の3つに掛け
て制御信号を出力すればよい。この方法は一般的に行わ
れているが、使用するゲインの値が前述の計算手順によ
り計算された値であることが従来と異なる。
【0030】次に、装置側でゲイン計算を行う方法の内
で、制御対象を動作させながらゲイン決定を行う手順を
説明する。図11がその手順を示す概略の構造化フロー
チャートである。ステップ11では制御系の特性を決定
し、ステップ12において■〜■式を用いてゲインの計
算を行う。ステップ13はループ処理を行うものであり
、ここでは、サーボ帯域の誤差Δfの絶対値が所定値ε
f 以上の場合、または位相余有の誤差Δθの絶対値が
所定値εθ以上の場合にステップ131〜133を実行
する。ステップ131は周波数f0 の制限波を発生し
、制御対象に与え、ステップ132では制御対象の動作
を観測してサーボ帯域の誤差Δfと位相余有の誤差Δθ
を求め、ステップ133でゲインの修正を行う。このル
ープ処理で、サーボ帯域の誤差Δfの絶対値が所定値ε
f より小さい場合、または位相余有の誤差Δθの絶対
値が所定値εθより小さい場合にステップ13からステ
ップ14に進んでステップ133で修正したゲインを出
力として得る。
【0031】以上の手順では目標となるサーボ帯域での
ゲインが0dBに、また位相余有が与えられた値になる
ことが求められている。この為にまず、制御対象である
磁気ヘッドHを目標トラック上に静止させておき、その
時点でサーボ帯域の周波数f0 の正弦波を発生させて
制御信号に加算する。この時の位置誤差信号を観測して
、与えた正弦波との大きさ及び位相差、つまりサーボ帯
域でのゲインと位相余有を計算する。この結果を用いて
、図6や図9で示されるアルゴリズムを用いてレギュレ
ータゲインの値が修正される。
【0032】この手順では制御対象を実際に動作させな
ければならない。ところが、制御対象を動作させる時に
、制御対象によっては制御不能に陥ることが予想される
。これは、制御対象に機械系の共振点を持つような場合
である。制御対象がこのような共振点を持つと、その共
振点の周波数付近での制御系のゲインが0dBを越える
時には制御不能となるのである。この為に、図12で示
す別の手順が考えられる。図12の手順では図11に示
した手順と同じものについては同じステップ番号を付し
てある。この手順では予め決められた周波数以上の制御
系のゲインを減少させるために、高域阻止フィルタを挿
入しておき、ステップ22において初期の高域阻止フィ
ルタの周波数fcを設定し、ステップ13では、ステッ
プ131の後に制御可能か否かの判定ステップ134を
置き、制御可能の時は図11と同様にステップ131と
133を実行し、制御可能でない時はステップ135に
おいてフィルタの周波数を変更するようにしている。
【0033】この結果、PIDレギュレータゲインがゲ
イン調整中に制御不能になったらフィルタの阻止域を決
められた量だけ低くしてフイルタ定数を設定し直して、
再度PIDレギレータゲインを調整する。そして、高域
阻止フィルタの阻止域がサーボ帯域付近に近づいてもな
お、ゲイン調整中に制御不能になるならば、初期の設計
値であるサーボ帯域が不適切であると見なして、より低
い値に変更する。その後に再度ゲイン調整を試みるので
ある。
【0034】さて、装置側でゲインの計算を行う手順の
内で、制御対象の伝達関数を予め求めておくものを説明
する。この手順では前もって、制御対象の伝達特性を求
めておく必要がある。伝達特性を求める方法には2つあ
り、1つは外部の計測装置で測定する方法、2つ目は装
置自身が測定する方法である。この伝達特性を求めるに
は、外部・内部の何れの測定方法を取るにしても、図1
2で示すように、ある周波数帯域でのゲインと位相を測
定することになる。このゲインと位相から、制御対象の
伝達特性は計算できる。磁気ディスク装置等の装置はこ
の伝達特性を式として内部に保持しておき、この特性式
を用いてシミュレーションにより図6や図9に示される
手順でPIDレギュレータゲインの調整を行うのである
【0035】ところで、この様な制御系のサーボ帯域や
位相余有等の特性の値は、装置のROM109上に記憶
されている方がよい。このROM109上の値はゲイン
調整が必要となる時にだけ読みだされて使用される。ま
た、外部の装置からこの設計特性値を修正することもで
きる。例えば、インターフェースを介してサーボ帯域と
位相余有等の値が制御用のMPU105に与えられて、
ゲイン調整を行うものである。ゲイン調整を内部で行う
にしても、調整されたゲインは再度ROM109上に保
存しておくほうがよい。これは、装置の電源が切断され
たときにRAM109上の値が消滅することを防ぐため
である。例えば、電気的に書込み消去が可能なEEPR
OMや、バッテリによりバックアップされたSRAM等
がこのような用途に適する。
【0036】装置内部でゲイン調整を行う際には、その
調整用のアルゴリズムを実現するプログラムのサイズが
大きくなる。MPU105のプログラム領域に余裕が無
い時には、外部装置からそのゲイン調整用プログラムを
制御用MPU105に転送すればよい。また、磁気ディ
スク装置や光磁気ディスク装置等の記憶装置の場合には
、ゲイン調整用のプログラムを予め磁気ディスク等の装
置自身が持つ記録媒体上に記録しておき、必要になった
ときにそのプログラムを読み出すことにより、制御用の
MPU105の抱えるプログラム領域のサイズを最小限
に抑えることができる。
【0037】ところで、本発明のゲイン調整手順を備え
た、PIDレギュレータは、ICとして作成することも
できる。このIC70の構成例を図13に示す。このI
C70の動作は、まず外部からIC70に与えられたサ
ーボ帯域・位相余有等の制御情報を内部に保持しておく
。IC70がゲイン調整用のコマンドを受け取ると、図
6または図9の様な演算手順に基づいてゲイン調整を行
う。ゲイン調整前に正常に制御対象が動作する様に、I
C70にはゲインの初期値を与えることも出来る。それ
以外の時には、予め定められたクロックに基づいて観測
信号をサンプリングして取込み、内部で設定されたPI
Dレギュレータのゲインを用いて演算を行い制御信号を
出力する。
【0038】なお、PIDレギュレータゲインを計算す
る前に、制御対象の伝達関数を測定により求めておき、
制御対象に対してPIDレギュレータゲイン計算用の信
号を与えることなく、計算機上のシミュレーションによ
りゲインの決定を行うようにしても良い。また、予め測
定されている制御対象の伝達関数から制御対象の共振点
を探して、その共振点の周波数付近の開ループゲインを
減少させるようにフィルタを挿入した後に、制御対象の
伝達関数およびフィルタの伝達関数を掛け合わせた伝達
関数に対して、PIDレギュレータゲインを計算するよ
うにしても良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PIDレギュレータのゲイン設計を設計者の経験に頼る
ことなく、自動的に行うことができるので、自動化およ
び装置の制御性能の向上に寄与するところが大きいとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の構成を示す原理構成図であ
る。
【図2】本発明の制御装置の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図2における周波数−ゲイン特性図である。
【図4】図2の装置におけるゲインの計算手順を示す構
造化フローチャートである。
【図5】オブザーバを用いた制御装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】図5の装置のPIDレギュレータゲインの自動
調整手順を示す構造化フローチャートである。
【図7】図6の手順によるゲイン修正ありの場合の設計
誤差を示す特性図である。
【図8】計算式■〜■のみを適用したゲイン修正なしの
場合の設計誤差を示す特性図である。
【図9】図5の装置のPIDレギュレータゲインの別の
自動調整手順を示す構造化フローチャートである。
【図10】本発明を適用する磁気ディスク装置の構成例
を示すブロック図である。
【図11】図10の装置の制御手順を示す構造化フロー
チャートである。
【図12】図10の装置の別の制御手順を示す構造化フ
ローチャートである。
【図13】本発明のPIDレギュレータをIC化した場
合の構成を示す構成図である。
【図14】従来のPIDレギュレータによる制御系の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…PIDレギュレータ 2…ゲイン演算手段 3…データ格納手段 10…制御対象 20…PIDレギュレータ 30…ゲイン演算器 40…メモリ 50…オブザーバ 70…IC D…ディスク H…ヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  与えられた入力に対して出力が定数K
    、ラプラス演算子sを用いてK/s2 なる伝達関数で
    近似できるような伝達関数を持つ制御対象を制御する制
    御装置であって、出力信号に対する比例、積分、微分信
    号に予め定められたゲインを乗算した後に加算して前記
    制御対象への信号を生成する働きをする補償器(1) 
    と、この補償器の比例、微分、積分値に各々掛けるゲイ
    ン(fp 、fi、fd) を計算するゲイン演算手段
    (2)と、予め、開ループ特性のゲインが0dBとなる
    周波数(f0)と、この周波数(f0)での位相角に1
    80度を加算した値である位相余有 (θ0)と、開ル
    ープ特性の形状を決定するための係数 (ζ) とを格
    納するデータ格納手段(3) とを備え、前記ゲイン演
    算手段(2) がω0 =2πf0として、次の式: 
        fp =  ω02/(K(1+tan2θ0
     )1/2 )                  
    …■     fi = 1/2K ×(((1+ζ2
    tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ) −1) 
                       ×( ω03
    tan θ0 ) /(1+tan2θ0 )1/2 
         …■     fd = 1/2K ×((
    (1+ζ2tan2 θ0 )1/2/ζ tanθ)
     +1)                    ×
    ( ω0tanθ0 ) /(1+tan2θ0 )1
    /2        …■を基にして、前記補償器の3
    つのゲインを計算することを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】  前記ゲイン演算手段(2) が、前記
    式■〜■に基づいて実際の制御系の特性を計算した時に
    、設計時に要求しているサーボ帯域(f0)および位相
    余有 (θ0)との誤差 (Δf、Δθ)を計算して、
    予め定めた重み係数 (w) を用いて、サーボ帯域(
    f0)または位相余有 (θ0)の少なくとも一方を、 のようにして修正することにより、設計初期の特性に近
    づけることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 【請求項3】  制御対象の伝達関数が未知である時に
    制御対象を制御する制御装置であって、開ループ特性を
    測定するための手段を更に備え、サーボ帯域と位相余有
    の誤差を測定と同時に逐次修正しながら設計値に近づけ
    ていくことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 【請求項4】  前記制御対象が制御不能な状態に陥っ
    たか否かを検出する手段と、前記制御対象が制御不能な
    状態に陥った場合に、前記データ格納手段(3)に格納
    されたサーボ帯域(f0)を予め定められた値だけ小さ
    くして設計特性を変更するデータ変更手段とを更に備え
    たことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 【請求項5】  制御系に挿入された高域阻止フィルタ
    を更に備え、PIDレギュレータのゲインを調整する際
    に、制御対象が制御不能な状態に陥った場合に、高域阻
    止フィルタの阻止域を低域側に広げて、再度PIDレギ
    ュレータゲインの決定を行うことを特徴とする請求項4
    に記載の制御装置。
  6. 【請求項6】  外部から与えられる、サーボ帯域と位
    相余有と開ループ特性形状を表す係数ζとを記憶する手
    段を更に備え、開ループ特性を与えられた特性になるよ
    うに内部でゲインを修正することを特徴とする請求項1
    から5の何れか1項に記載の制御装置。
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