JPH04345579A - 車両後輪操舵装置の中立調整方法 - Google Patents

車両後輪操舵装置の中立調整方法

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JPH04345579A
JPH04345579A JP3118504A JP11850491A JPH04345579A JP H04345579 A JPH04345579 A JP H04345579A JP 3118504 A JP3118504 A JP 3118504A JP 11850491 A JP11850491 A JP 11850491A JP H04345579 A JPH04345579 A JP H04345579A
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JP
Japan
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rear wheel
wheel steering
displacement
shaft
neutral
Prior art date
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Pending
Application number
JP3118504A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Fujio
藤尾 浩治
Yutaka Tagashira
田頭 豊
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、後輪を操舵する後輪
操舵軸を、機械系統と油圧系統との2系統で制御する車
両後輪操舵装置の中立調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の後輪操舵装置として、
例えば特開平1−273772号公報に記載されるよう
に、後輪を操舵する後輪操舵軸を変位させる機械系統が
、前輪の舵角量を入力する入力シャフトと、該入力シャ
フトからの入力を受け軸方向にストロークする出力ロッ
ド部材と、該出力ロッド部材に連係されるとともに揺動
可能に支承され、その揺動角度によって入力シャフトの
回転による出力ロッド部材のストローク量を制御するヨ
ークアッセンブリとを備え、上記出力ロッド部材と後輪
操舵軸と車体側とに連係された変位伝達手段によって、
出力ロッド部材のストローク量を後輪操舵軸に伝達する
ように構成される一方、上記後輪操舵軸の変位を補助す
る油圧系統が、後輪操舵軸の変位を油圧アシストするパ
ワーステアリング手段と、該パワーステアリング手段を
制御する油圧切換バルブとを備え、該油圧切換バルブが
上記変位伝達手段に連係されて、上記機械系統と油圧系
統とが接続されるようにしたものは知られている。
【0003】かかる後輪操舵装置では、機械系統におい
ては入力シャフトの回転角度やヨークアッセンブリの揺
動角度によって、出力ロッド部材のストローク量したが
って後輪操舵軸の変位量が決定され、油圧系統において
は、パワーステアリング手段によって上記変位量に対応
した量だけ後輪操舵軸が変位するように油圧アシストさ
れる。従って、後輪の操舵すなわち後輪操舵軸の制御を
精度よく行うためには、機械系統と油圧系統との制御の
間でずれがないように、後輪操舵軸を変位させる機械系
統の中立(零位相)と、後輪操舵軸の変位を油圧的に補
助する油圧系統の中立(零位相)とが一致するように両
系統を接続する必要がある。
【0004】上記両系統を接続する場合、機械系統(入
力シャフト及びヨークアッセンブリ)の中立調整を行っ
た上で、上記変位伝達手段を該機械系統に(つまり出力
ロッド部材及び後輪操舵軸に)連係し、この後に油圧切
換バルブを組み付けて油圧を作用させた状態で両系統の
中立が一致するように、上記変位伝達手段の車体側での
支持部を定めることにより、上記油圧切換バルブの機械
加工上の誤差等に起因する該バルブ自体の中立のずれを
なくするとともに、上記機械系統の中立と油圧系統の中
立のずれを吸収することができる。
【0005】ところで、上記後輪操舵装置では、通常、
後輪操舵軸にセンタリングバネが装着されており、油圧
系統において油圧が消失した場合、あるいは機械系統に
破損や故障が生じ、それによって上記油圧系統をドレン
開放してパワーステアリング手段のシリンダにおける油
圧を消失させた場合に、後輪操舵軸を中立位置つまり後
輪が操舵されず直進状態にある位置に位置決めすること
ができる。すなわち、システム故障時には、後輪側を通
常の2WS車と同様の動作とし、所謂フェイルセーフ機
能を付与することができるようになっている。
【0006】従って、後輪中立状態において前輪を操舵
した場合、後輪操舵軸に作用する油圧操舵力が上記セン
タリングバネのバネ力を越えるまでは、前輪の操舵に伴
って油圧切換バルブが操作され油圧が上昇しても後輪は
中立位置に保持される。つまり、前輪側を操舵しても後
輪側が変位することのない、所謂、不感帯が存在する。
【0007】そして、上記変位伝達手段の車体側での支
持部の中立位置を調整する場合、上記不感帯の存在に着
目し、油圧を作用させた状態で、上記支持部の変位に対
する後輪操舵軸(出力軸)のストロークを測定し、支持
部の変位に対して出力軸が変位しない不感帯を見いだし
、この不感帯の中心に対応する位置を中立位置として上
記支持部を固定することにより、上記機械系統の中立と
油圧系統の中立のずれを吸収するように調整することが
考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記中
立調整方法において、上記支持部の変位に対する後輪操
舵軸(出力軸)のストロークを測定した場合、後輪操舵
軸のセンタリングバネや該バネの両側に設けられる皿バ
ネのバネ特性に起因して、更に、これに加えて、上記機
械系統に不可避的に含まれる嵌合部のクリアランスや歯
車のバックラッシュ等の機械的なガタの存在により、実
際には、上記ストローク特性にヒステリシスが現れ、上
記不感帯にも幅が生じる。このため、上記方法では、中
立位置をある程度の範囲内に絞ることはできても、その
正確な位置を割り出すことが難しいという問題があった
【0009】ところで、上記機械系統と油圧系統とで各
々の中立どうしが一致している場合、後輪側の位相角が
零でない限り、その転舵特性が前輪側に対して同相であ
れ逆相であれ、入力シャフトを、その中立角度位置を中
心にして両側(時計回り方向及び反時計回り方向)へ同
一角度だけ回転させると、後輪操舵軸の左右への最大変
位量は等しくなる。換言すれば、上記後輪操舵軸の左右
への最大変位量が互いに等しくなるように、上記支持部
の位置を調整することにより、機械系統と油圧系統とで
各々の中立どうしを一致させることができる。
【0010】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、上記車両後輪操舵装置の機械系統と油圧系統と
の間で各々の中立どうしにずれがないように調整する中
立調整方法において、ヒステリシスの影響による誤差を
低減し、より精度の高い中立調整を行なうことができる
車両後輪操舵装置の中立調整方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、この発明は、
後輪を操舵する後輪操舵軸を変位させる機械系統が、前
輪の舵角量を入力する入力シャフトと、該入力シャフト
からの入力を受け軸方向にストロークする出力ロッド部
材と、該出力ロッド部材に連係されるとともに揺動可能
に支承され、その揺動角度によって入力シャフトの回転
による出力ロッド部材のストローク量を制御するヨーク
アッセンブリとを備え、上記出力ロッド部材と後輪操舵
軸と車体側とに連係された変位伝達手段によって、出力
ロッド部材のストローク量を後輪操舵軸に伝達するよう
に構成される一方、上記後輪操舵軸の変位を補助する油
圧系統が、後輪操舵軸の変位を油圧アシストするパワー
ステアリング手段と、該パワーステアリング手段を制御
する油圧切換バルブとを備え、該油圧切換バルブが上記
変位伝達手段に連係されて、上記機械系統と油圧系統と
が接続される車両後輪操舵装置の中立調整方法において
、上記変位伝達手段の一端を車体に対して支持する支持
部材の中立位置を調整するに際して、該支持部材を車体
に対して仮組付けし、かつ、上記ヨークアッセンブリの
揺動角度を零位相以外の任意の角度位置に設定した状態
で、上記入力シャフトを、予め求められた該入力シャフ
トの中立角度位置を中心にして、時計回り方向と反時計
回り方向とに任意の同一角度だけ回転させ、この回転操
作による上記後輪操舵軸の変位ストロークの左右の最大
値をそれぞれ測定するとともに、この二つの最大値の平
均値を演算し、その後、上記支持部材の車体に対する仮
組付け状態を緩め、上記後輪操舵軸が上記平均値のスト
ローク位置に位置するように上記支持部材を変位させ、
該変位位置を上記支持部材の中立位置とするようにした
ものである。
【0012】
【発明の効果】この発明によれば、後輪操舵軸がその変
位ストロークの左右の最大値の平均値を示すストローク
位置に位置するように支持部材を変位させ、該変位位置
を上記支持部材の中立位置としたので、この中立位置で
は、入力シャフトを、その中立角度位置を中心にして両
側へ同一角度だけ回転させた場合には、後輪操舵軸の左
右への最大変位量は互いに等しくなり、機械系統と油圧
系統とで各々の中立どうしを一致させることができる。 この場合において、上記後輪操舵軸の変位ストロークの
左右の各最大値は、ヒステリシスの影響をほとんど受け
ることなく、入力シャフトの回転角度に応じて定まるの
で、上記各最大値の平均値として求められた中立位置に
ついても、ヒステリシスの影響による誤差は軽微なもの
になり、精度の高い中立調整を行なうことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づい
て詳細に説明する。本発明の前提となる車両後輪操舵装
置1は、図1に概略構成を示すように、転舵比可変手段
11と、パワーステアリング手段12と、後輪操舵軸1
3と、変位伝達手段14と、油圧アシスト手段としての
油圧切換バルブ15とを備えてなり、後輪操舵装置1は
、所定の転舵比特性に従って、すなわち前輪操舵角に応
じて後輪(図示せず)を転舵すると共に、転舵比を車速
に応じて変化させるように構成されている。
【0014】上記後輪操舵軸13は、車幅方向に延設さ
れ両端部が左右1対のタイロッド及びナックルアームを
介して左右1対の後輪に連結され、該後輪操舵軸13の
車幅方向のストローク変位により後輪が操舵されるよう
になっている。上記後輪操舵軸13の車幅方向のストロ
ーク変位は、上記転舵比可変手段11とパワーステアリ
ング手段12とによって行われる。上記転舵比可変手段
11は、後輪を操舵する際の転舵比を変化させるもので
あり、前輪の舵角量に応じて車幅方向にストローク変位
せしめられる出力ロッド部材16を有する。
【0015】上記前輪の舵角量に対する出力ロッド部材
16の変位量の比(転舵比に対応)は、後述するように
、ステッピングモータ17が揺動駆動するヨークアッセ
ンブリ18の揺動角度に応じて変化するように構成され
ている。該ステッピングモータ17の回転量は、車速セ
ンサ(図示せず)から出力される車速信号に基づき適宜
制御され、かつそのステッピングモータ17の実際の回
転量は転舵比センサ(図示せず)によって検出され、そ
の検出信号によってフィードバック制御される。上記転
舵比可変手段11における出力ロッド部材16のストロ
ーク変位量に応じて、油圧切換バルブ15を切換制御し
て、該油圧切換バルブ15によって、油圧を利用して操
舵力を発生させるパワーステアリング手段12を制御し
、後輪操舵軸13の変位に従って後輪の操舵が油圧アシ
ストされる。
【0016】上記転舵比可変手段11は、上記出力ロッ
ド部材16、ステッピングモータ17及びヨークアッセ
ンブリ18(揺動軸部材22、振子アーム23、揺動ギ
ヤ31)のほかに、ベベルギヤ21及び連結ロッド24
とを備えてなり、これらの部材16,17,18,21
,24は、図2乃至図6に詳細に示すように、ケーシン
グ25に収容されている。上記転舵比可変手段11の出
力ロッド部材16は、その軸線方向に摺動可能にケーシ
ング25に支持されており、該軸線方向にストローク変
位することによって、後述するように、変位伝達手段1
4を介して後輪操舵軸13をその軸方向(車幅方向)に
変位せしめ、これにより該後輪操舵軸13の両端部に連
係された後輪を操舵するようになっている。
【0017】上記ベベルギヤ21は、出力ロッド部材1
6のレバー28より出力ロッド部材16側に、出力ロッ
ド部材16と共にかつ出力ロッド部材16と同軸の軸線
回りに回転可能に、出力ロッド部材16に筒状の支持部
材52を介して支持されている。ベベルギヤ21と噛合
し前輪の舵角量を入力する入力シャフト26の後端部の
ピニオン27が、ハンドル操舵により回転するのに伴っ
て上記軸線回りに回転するようになっている。
【0018】上記揺動軸部材22は、出力ロッド部材1
6と同軸となる位置を取り得る軸線を有し、揺動ギヤ3
1に固設されている。この揺動ギヤ31は、ステッピン
グモータ17の駆動により回転するウォーム32と噛合
して、揺動軸部材22の軸線l1と交差する紙面に垂直
な揺動軸31a(図4参照)の軸線回りに回動し、これ
により揺動軸部材22をも同時に回動せしめるようにな
っている。なお、ウォーム32の軸32aはカップリン
グ54を介してステッピングモータ17のモータ軸17
aに結合されている(図6参照)。
【0019】上記振子アーム23は、揺動軸部材22の
軸線l1回りに揺動可能に該揺動軸部材22に連結され
ており、該振子アーム23の軸線l2が、揺動軸部材2
2の回動軸線と揺動軸部材22の軸線l1との交点を通
るように、揺動軸部材22への連結位置が定められてい
る。
【0020】上記連結ロッド24は、後輪操舵軸13と
同様に、出力ロッド部材16の軸線l3と平行な軸線を
有しており、上記出力ロッド部材16、ベベルギヤ21
及び振子アーム23に連結され、出力ロッド部材16と
ヨークアッセンブリ18とを連係している。出力ロッド
部材16への連結は、出力ロッド部材16の端部に固設
されたレバー28に連結ロッド24の中間部を分割結合
することによってなされ、ベベルギヤ21への連結は、
該ベベルギヤ21が取付けられる支持部材52の延長部
52aに形成された挿通孔に連結ロッド24の一端部を
挿通させることによってなされ、振子アーム23への連
結は、連結ロッド24の他端部に全方向回転可能に設け
られたボールジョイント部材33の挿通孔に振子アーム
23を挿通させることによってなされる。
【0021】したがって、連結ロッド24は、出力ロッ
ド部材16に対しては固定されているが、ベベルギヤ2
1に対して軸線l4の方向に摺動可能であり、振子アー
ム23に対して軸線l2の方向に摺動可能である。なお
、振子アーム23の軸線l2は、揺動軸部材22の回動
により軸線l3の直交方向に対して傾き、この傾いた方
向に振子アーム23が摺動することとなるが、この場合
においても軸線l2と軸線l4との挟角変化が吸収され
るので、振子アーム23から連結ロッド24へ伝達され
る力のうち出力ロッド部材16の軸線l3の直交方向の
成分は上記連結点において吸収され、該直交方向の相対
移動が可能となる。
【0022】このように、転舵比可変手段11における
振子アーム23(ヨークアッセンブリ18)と連結ロッ
ド24との連結が、両者を軸線l3の直交方向に相対移
動可能となるようにしてなされているので、振子アーム
23が回動したときの該振子アーム23と連結ロッド2
4と連結点の軌跡は、軸線l3を中心とする所定半径の
円筒の外周面上の円軌跡または楕円軌跡となる。以上の
ように、上記振子アーム23と連結ロッド24の連結を
、出力ロッド部材16の軸線l3に直交する方向に相対
移動可能となるように行うことにより、連結ロッド24
の軸線l4と出力ロッド部材16の軸線l3とのなす角
度を一定にすることができ、これにより出力ロッド部材
16の変位に左右偏差が生ずるのを防止することができ
る。
【0023】また、上記出力ロッド部材16は、一端部
が連結ロッド24にレバー28を介して連結される出力
ロッド36の他端部が、軸線l3の方向に変位可能に筒
状のロッドガイド35内に嵌合せしめられてなり、上記
ロッドガイド35と出力ロッド36との端部がケーシン
グ25に支持されている。上記ロッドガイド35は、変
位伝達手段14の係合端部Aと係合する係合部35aを
有する第1筒部材35bと、該第1筒部材35bに螺合
した第2筒部材35cとを有し、出力ロッド36との間
にバネ37が介装されている。従って、連結ロッド24
によって出力ロッド36に軸線l3の方向の変位が伝達
された場合、通常は出力ロッド36からバネ37を介し
てロッドガイド35に伝達され、このロッドガイド35
から係合部35aに係合された変位伝達手段14の係合
端部Aに伝達される。しかしながら、変位伝達手段14
の係合端部Aの動きが規制され、それによって出力ロッ
ド36の変位時にバネ37のバネ力以上の負荷がロッド
ガイド35に作用した場合には、該出力ロッド36の変
位はこのバネ37の収縮によって吸収され、ロッドガイ
ド35には伝達されない。
【0024】また、上記油圧切換バルブ15は、バルブ
ハウジング41と該バルブハウジング41内に該バルブ
ハウジング41に対して上記出力ロッド部材16の軸線
l3と平行な軸線l5方向に変位可能に収容されたバル
ブスプール42とからなる。バルブスプール42は以下
に詳述する変位伝達手段14を介して出力ロッド部材1
6及び後輪操舵軸13によって変位せしめられる。この
バルブスプール42の変位によってパワーステアリング
手段12への油圧の供給が制御される。尚、この後輪操
舵軸13にはセンタリングバネ45が設けられており、
油圧切換バルブ15やパワーステアリング手段12にお
ける油圧が消失した場合やこの後輪操舵装置1の機械系
統に破損や故障が生じ、それによって上記油圧系統をド
レン開放してパワーステアリング手段12のシリンダに
おける油圧を消失させた場合に、このセンタリングバネ
45によって後輪操舵軸13を中立位置つまり後輪が操
舵されず直進状態にある位置に位置決めし、いわゆるフ
ェイルセーフを図るように構成されている。
【0025】上記パワーステアリング手段12のシリン
ダは、油圧力によって後輪操舵軸13を車幅方向に変位
させるものであり、ピストン46が直接後輪操舵軸13
に固設され、このピストン46の左右に左右の油室44
,43が形成されている。上記変位伝達手段14は、出
力ロッド部材16(ロッドガイド35)のほかに、バル
ブスプール42と後輪操舵軸13と車体(支持サポート
38)とに係合し、上記出力ロッド部材16の変位によ
って上記バルブスプール42を所定の方向に変位させる
方向に作動せしめられると共に、該バルブスプール42
の変位により生じる上記後輪操舵軸13の変位によって
上記バルブスプール42を上記と反対の方向に変位させ
る方向に作動せしめられるように構成されてなるもので
ある。
【0026】具体的には、変位伝達手段14は、縦レバ
ーと横レバーとからなる十字レバー14aを有し、縦レ
バーの一端部である係合端部Aが出力ロッド部材16の
ロッドガイド35に、他端部である係合端部Bが後輪操
舵軸13に、また、横レバーの一端部である係合端部C
が車体に対して固定される支持サポート38に、他端で
ある係合端部Dが上記バルブスプール42にそれぞれ係
合されている。尚、ハウジング25の上記十字レバー1
4aを挿通させる部分にはシール部材56が装着されて
いる。また、上記支持サポート38のボルト挿通穴38
hは長穴状に形成され、この長穴38hの範囲内でスラ
イド調整しながら、支持サポート38を車体に対して締
結固定することができるようになっている。上記係合端
部A,B,Dはそれぞれ出力ロッド部材16のロッドガ
イド35、後輪操舵軸13及びバルブスプール42に対
して軸線方向に移動不可能に、その他の方向には移動可
能にかつ回転可能に係合せしめられ、係合端部Cはボー
ルジョイント(図示せず)によって回転は可能にかつ移
動は不可能に係合されている。
【0027】従って、バルブスプール42及び後輪操舵
軸13が共に中立位置にある状態から出力ロッド部材1
6が右方向に変位したとすると、十字レバー14aの係
合端部Aは出力ロッド部材16と共に右方向に変位し、
係合端部Aの変位時に後輪操舵軸13にはタイヤ反力や
センタリングバネ45による反力が作用しているので、
この係合端部Bは軸方向に不動であり、かつ係合端部C
も支持サポート38(車体)に取付固定されて不動であ
るので、この十字レバー14aは係合端部Bと係合端部
Cとを結ぶ直線を中心として傾き、つまり十字レバー1
4aはバルブスプール42を所定方向である右方向に変
位させる方向に作動せしめられ、係合端部Dによってバ
ルブスプール42を右方向に変位させる。このようにし
てバルブスプール42が中立位置から右方向に変位する
と、右油室43の油圧は増大し、左油室44の油圧は減
少し、パワーステアリング手段12には後輪操舵軸13
を左方向に押す油圧力を生じる。この後輪操舵軸13を
左方向に押す油圧力は上記バルブスプール42の右方向
変位の増大に応じて増大して、バランス位置となる。そ
して、上記バルブスプール42が中立位置からバランス
位置まで所定量右方向に変位せしめられると、それによ
って生じるパワーステアリング手段12の上記油圧力が
後輪操舵軸13に作用する外力(センタリングバネ力や
タイヤ反力など)とバランスして釣り合う。
【0028】その状態からバルブスプール42が更に右
方向に変位せしめられると、それによって上記パワース
テアリング手段12に生じる油圧力は上記後輪操舵軸1
3に作用する外力よりも大きくなり、後輪操舵軸13は
該油圧力によって左方向に変位せしめられる。そして、
後輪操舵軸13が左方向に変位せしめられると、十字レ
バー14aの係合端部Bはこの後輪操舵軸13と共に左
方向に変位せしめられ、そのとき出力ロッド部材16に
はハンドル操舵力や前輪のタイヤ反力などが作用してい
るので、係合端部Aは不動であり、また係合端部Cも不
動であるので、この十字レバー14aは係合端部Aと係
合端部Cとを結ぶ直線を中心として傾き、バランス位置
に戻ったら後輪操舵軸13の変位が停止する。
【0029】この状態から更に出力ロッド部材16が右
方向へ変位してバルブスプール42が右方向へ変位する
と上記と同様にして後輪操舵軸13が左方向へ変位し、
バルブスプール42がバランス位置に戻ったところで停
止し、この作動を繰り返すことにより出力ロッド部材1
6の変位量に対応した量だけ後輪操舵軸13が変位し、
その変位量に応じて後輪が操舵されるようになっている
。尚、上記出力ロッド部材16が左方向に変位した場合
には、十字レバー14a、バルブスプール42及び後輪
操舵軸13の動きが上記の場合と逆になるだけであり、
作動原理は同様であるので説明は省略する。また、上記
バルブスプール42の作動は、前述した先行技術(特開
平1−273772号公報)のものと基本的に同一であ
る。
【0030】上記転舵比可変手段11による転舵比の変
更制御は種々の要因に基づいて行うことができ、またそ
の変更制御パターンも種々のものが考えられる。本実施
例では車速に基づき、低速領域においては後輪をハンド
ル操舵及び前輪に対して逆位相に転舵させて旋回性の向
上を図り、高速領域では同位相に転舵させて走行安定性
の向上を図るように制御される。なお、この場合、バン
ドル操舵と前輪操舵とは常に同位相である。
【0031】続いて、上記後輪操舵装置1において、後
輪の制御操舵量の精度に影響する機械系統と油圧系統と
の中立調整方法、つまり両者の中立どうしのずれを吸収
しながら両系統を接続する方法について説明する。尚、
これは、機械系統(入力シャフト26及びヨークアッセ
ンブリ18)を中立調整した上で、上記十字レバー14
aを機械系統に(つまり出力ロッド部材16及び後輪操
舵軸13に)連係するとともに、支持サポート38を仮
組み付け状態とし、更に油圧切換バルブ15を組み付け
て油圧を作用させた状態で行われる。
【0032】この状態で調整を行うことにより、上記油
圧切換バルブ15の機械加工上の誤差等に起因する該バ
ルブ15自体の中立のずれをなくするとともに、上記機
械系統の中立と油圧系統の中立のずれを吸収することが
できる。すなわち、上記の状態で支持サポート38を変
位させた場合、該支持サポート38の変位に対して後輪
操舵軸13(出力軸)が変位しない不感帯が存在し、こ
の不感帯に対応する位置を中立位置として上記支持サポ
ート38を固定することにより、上記機械系統の中立と
油圧系統の中立との間のずれを吸収することができる。
【0033】本実施例では、機械系統と油圧系統とを十
字レバー14aを介して接続し、油圧を作用させた状態
で、支持サポート38を変位させながら上記油圧系統の
供給油圧をモニタし、該油圧が最低値を示すポイントを
求めることにより、上記支持サポート38の中立位置を
定めるようにしている。具体的な測定系の一例を図7及
び図8に示す。すなわち、本実施例の測定系では、後輪
操舵軸13の軸方向の変位量を検出する変位計61が、
後輪操舵軸13の端部に適用される一方、支持サポート
38を係止(仮組付け)する係止部材62が、ボールね
じ手段63を介して変位可能に設けられ、該ボールねじ
手段63のねじ棒63aは、カップリング64を介して
ステッピングモータ65に連結されており、該ステッピ
ングモータ65が駆動されると、ねじ棒63aの回転に
よって係止部材62が該ねじ棒63aの軸線方向に移動
するようになっている。上記ステッピングモータ65の
回転量はロータリエンコーダ66にて測定され、また、
係止部材62の変位量は非接触距離センサ67によって
検出されるようになっており、該距離センサ67、上記
変位計61及びエンコーダ65は、いずれもマイクロコ
ンピュータを主要部とするコントローラ(不図示)に接
続されている。
【0034】以上のように構成された測定系により上記
支持サポート38の中立位置を求める方法について、図
9のフローチャート及び図10のグラフを参照しながら
説明する。この場合、予め機械系統単独での中立調整を
行い、入力シャフト26の中立角度位置およびヨークア
ッセンブリ18の揺動角度の中立位置(零位相)を求め
た後に、機械系統と油圧系統とを十字レバー14aで接
続し、上記支持サポート38を車体に対して仮組みする
とともに、油圧系統には油圧を作用させた状態、該油圧
系統と機械系統との中立調整が行なわれる。
【0035】まず、ステップ#1で、機械系統のステッ
ピングモータ17(図1参照)を駆動してヨークアッセ
ンブリ18(ヨークAss’y)の揺動角度を、前輪側
を操舵しても後輪側が転舵されない中立位置(零位相)
以外の任意の角度位置に設定する。そして、ステップ#
2で、入力シャフト26を、その中立角度位置から、例
えば時計回り方向(CW方向)へ任意の所定角度β[d
eg.]だけ回転させる。尚、出力軸13の変位は、入
力シャフト26をCW方向に回転させた場合の変位方向
を+方向とする。
【0036】このとき、出力軸13(後輪操舵軸)は、
図10のグラフに示すように、点a(変位量0)を起点
として折れ線abcに沿って変位する。上記入力シャフ
ト26の回転角度が所定値よりも小さい間は(上記グラ
フの折れ線abcにおける水平直線部分ab参照)、入
力シャフト26が回転しても出力軸13は変位しない、
所謂、不感帯の一部である。そして、ステップ#3で、
上記入力シャフト26の回転操作による出力軸13の最
大変位量Y1を記録する。
【0037】次に、ステップ#4で、入力シャフト26
を反転させ、その中立角度位置から反時計回り方向(C
CW方向)に、上記と同一の所定角度β[deg.]だ
け回転させる。このとき、出力軸13は、図10のグラ
フの折れ線cdefgに沿って変位する。そして、上記
入力シャフト26の反転操作による出力軸13の変位の
最大変位量Y2を記録する(ステップ#5)。
【0038】この場合、該出力軸13のセンタリングバ
ネ45や該バネ45の両側に設けられる皿バネのバネ特
性に起因して、更に、これに加えて、上記機械系統に不
可避的に含まれる嵌合部のクリアランスや歯車のバック
ラッシュ等の機械的なガタの存在により、実際には、上
記出力軸13のストローク特性にヒステリシスが現れる
。しかし、このヒステリシスは、上記CW及びCCW各
方向における最大変位量Y1及びY2の値にはほとんど
影響を及ぼすことはない。尚、図10のグラフにおいて
、上記入力シャフト26の反転操作に対応する折れ線c
defgにおける水平直線部分efは、復路での不感帯
である。
【0039】次に、ステップ#6で、上記CW方向にお
ける最大変位量Y1とCCW方向における最大変位量Y
2との平均値Ym(=[Y1+Y2]/2)を、演算に
よって求める。その後、ステップ#7で、上記支持サポ
ート38の車体に対する仮組付けを一旦緩める。そして
、ステップ#8で、測定系のステッピングモータ65を
駆動して上記支持サポート38を変位させ、出力軸13
が、上記平均値Ymを示すストローク位置に位置するよ
うに調整した後、支持サポート38を、その位置で固定
、つまり車体に対して本組付けする(ステップ#9)。
【0040】すなわち、この本組付け状態では、入力シ
ャフト26を、その中立角度位置を中心にして両側へ同
一角度βだけ回転させた場合、後輪操舵軸13の左右へ
の最大変位量Y1,Y2は互いに等しくなる。つまり、
支持サポート38を、上記平均値Ymを示すストローク
位置を中立位置として固定することにより、上記機械系
統と油圧系統とで各々の中立どうしを一致させることが
できる
【0041】以上、説明したように、本実施例によれば
、出力軸13(後輪操舵軸)がその変位ストロークの左
右の最大値Y1,Y2の平均値Ymを示すストローク位
置に位置するように支持サポート38を変位させ、該変
位位置を上記支持サポート38の中立位置としたので、
この中立位置では、入力シャフト26を、その中立角度
位置を中心にして両側へ任意の同一角度だけ回転させた
場合には、後輪操舵軸13の左右への最大変位量は互い
に等しくなり、機械系統と油圧系統とで各々の中立どう
しを一致させることができる。この場合において、上記
後輪操舵軸13の変位ストロークの左右の各最大値Y1
,Y2は、ヒステリシスの影響をほとんど受けることな
く、入力シャフト26の回転角度に応じて定まるので、
上記各最大値の平均値Ymとして求められた中立位置に
ついても、ヒステリシスの影響による誤差は軽微なもの
になり、精度の高い中立調整を行なうことができるので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明の実施例に係る車両後輪操舵装置の
概略構成図である。
【図2】  上記実施例に係る転舵比可変手段の断面図
である。
【図3】  図2のIII−III線における断面図で
ある。
【図4】  図2のIV−IV線における断面図である
【図5】  図2のV−V線における断面図である。
【図6】  図2のVI−VI線における断面図である
【図7】  上記実施例に係る支持サポートと後輪操舵
装置との関係を示す概略図である。
【図8】  図7のS−S線における断面図である。
【図9】  上記実施例に係る支持サポートの中立調整
方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】  入力シャフトの回転角度と出力軸の変位
量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1………後輪操舵装置 13……後輪操舵軸(出力軸) 12……パワーステアリング手段 14……レバーアッセンブリ(変位伝達手段)14a…
十字レバー 15……油圧切換バルブ 16……出力ロッド部材 18……ヨークアッセンブリ 26……入力シャフト 38……支持サポート Y1,Y2……出力軸の変位ストロークの最大値Ym…
…最大値の平均値 β……入力シャフトの回転角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  後輪を操舵する後輪操舵軸を変位させ
    る機械系統が、前輪の舵角量を入力する入力シャフトと
    、該入力シャフトからの入力を受け軸方向にストローク
    する出力ロッド部材と、該出力ロッド部材に連係される
    とともに揺動可能に支承され、その揺動角度によって入
    力シャフトの回転による出力ロッド部材のストローク量
    を制御するヨークアッセンブリとを備え、上記出力ロッ
    ド部材と後輪操舵軸と車体側とに連係された変位伝達手
    段によって、出力ロッド部材のストローク量を後輪操舵
    軸に伝達するように構成される一方、上記後輪操舵軸の
    変位を補助する油圧系統が、後輪操舵軸の変位を油圧ア
    シストするパワーステアリング手段と、該パワーステア
    リング手段を制御する油圧切換バルブとを備え、該油圧
    切換バルブが上記変位伝達手段に連係されて、上記機械
    系統と油圧系統とが接続される車両後輪操舵装置の中立
    調整方法であって、上記変位伝達手段の一端を車体に対
    して支持する支持部材の中立位置を調整するに際して、
    該支持部材を車体に対して仮組付けし、かつ、上記ヨー
    クアッセンブリの揺動角度を零位相以外の任意の角度位
    置に設定した状態で、上記入力シャフトを、予め求めら
    れた該入力シャフトの中立角度位置を中心にして、時計
    回り方向と反時計回り方向とに任意の同一角度だけ回転
    させ、この回転操作による上記後輪操舵軸の変位ストロ
    ークの左右の最大値をそれぞれ測定するとともに、この
    二つの最大値の平均値を演算し、その後、上記支持部材
    の車体に対する仮組付け状態を緩め、上記後輪操舵軸が
    上記平均値のストローク位置に位置するように上記支持
    部材を変位させ、該変位位置を上記支持部材の中立位置
    とすることを特徴とする車両後輪操舵装置の中立調整方
    法。
JP3118504A 1991-05-17 1991-05-23 車両後輪操舵装置の中立調整方法 Pending JPH04345579A (ja)

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US07/883,488 US5351777A (en) 1991-05-17 1992-05-15 Rear wheel turning system for vehicle and method of neutral adjustment of the same
KR1019920008326A KR960005852B1 (ko) 1991-05-17 1992-05-18 차량의 후륜 조종장치의 중립조정방법

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