【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]
＜産業上の利用分野＞
本発明は、通常の食事を摂取できない幼児、老
人、あるいは病人、特に手術前後の病人に経口あ
るいは径管投与して、下痢等の障害を起すことの
ない流動食品に関する。
＜従来の技術＞
従来より、通常の食事を摂取できない幼児、老
人、あるいは病人、特に手術前後の病人には、流
動食品が経口あるいは経管投与されていた。これ
らの病人等は、身体の一般機能が低下しており、
腸での水分吸収作用が十分でないため、従来の流
動食品を投与した場合には、下痢を頻発してい
た。
従来より、このような下痢を防止するために
は、ニンジンの腸機能正常化作用が有効であるこ
とが知られていた。しかし、ニンジンをただ単に
流動食品に添加した場合には、保存中にその流動
食品の流動性が損なわれるという問題があつた。
そして、この問題点を解決した従来技術として
は、例えば、特開昭54−26370号公報、特公昭58
−32584号公報がある。特開昭54−26370号公報の
流動食品は。塩酸ペプシンにより消化した動・植
物食品由来の蛋白質６〜８％（Ｗ／Ｖ）、単糖・
二糖・オリゴ糖・多糖を配合した糖質16〜20％
（Ｗ／Ｖ）、乳化した脂質３〜５％（Ｗ／Ｖ）、お
よび細粉化した繊維質0.1〜1.0％（Ｗ／Ｖ）を主
成分とし、細粉としたニンジン末と結晶セルロー
スを含むことを特徴とするものである。この流動
食品は、下痢の防止を計るため栄養源原料全体を
注意深く選んだ上、ニンジンの効果を加え、さら
に凍結保存するようにしたものであり、その製造
に、非常に手間がかかつていた。また、特公昭58
−32584号公報の流動食品は、従来の流動食品に、
ニンジンペーストを加え、さらにｙ＝10-0.08X+a
（ただし、式中ｙは最終製品中の酵素糖化加工澱
粉の重量％を示す10から30までの範囲の数、ｘは
最終製品中のニンジンの重量％、ａは1.80〜2.59
までの範囲の数）で示される量の３から８個のグ
リコース結合糖類が全糖類の40〜80％である酵素
糖化加工殿粉を加えたことを特徴とするものであ
るが、これも、下痢防止のために組成が複雑とな
り、その製造が面倒であつた。
一方、タンニンおよびタンニン酸などのタンニ
ン類には収斂作用があり、下痢防止に有効である
ことは周知であつた。したし、これらのタンニン
類は、有効量を流動食品に添加した場合、この流
動食品を加熱殺菌したときに、流動食品中の蛋白
質と凝固を起こしてしまうため、従来、流動食品
には使用できなかつた。
＜発明が解決しようとする問題点＞
以上述べたように、通常の食事を摂取できない
幼児、老人、あるいは病人、特に手術前後の病人
に流動食品を経口あるいは径管投与した場合に、
下痢が頻発するという問題があり、また、その下
痢の発生を防止した流動食品は、組成が複雑とな
り製造に手間がかかるという問題があつた。
本発明は、このような問題点に鑑み、組成が単
純で製造に手間がかからず、下痢などの障害の発
生を防止した流動食品を提供することを目的とす
る。
＜問題点を解決するための手段＞
本発明者は、前記目的を達成した流動食品を発
生するために鋭意研究を重ねた結果、茶葉の抽出
物あるいはコーヒー豆の抽出分には、タンニンの
他カテキン等のタンニン類似物質（以下、タンニ
ンとタンニン類似物質を合せい「タンニン類」と
いう）が含まれているが、これら抽出物中に存在
するタンニン類は、同僚のタンニン単独の場合と
比較して、蛋白質と一緒に加熱しても蛋白質を凝
固させにくいということを見いだした。しかも、
下痢の発生防止に対する有効性は、タンニン類の
場合とタンニン単独の場合では同等であつた。
本発明は、これらの知見に基づいて完成された
もので、前記目的を達成する本発明に係る流動食
品の構成は、食用油脂原料と蛋白質原料とを最終
製品に対して各々約２〜10重量％含む栄養物
と、茶葉の抽出物あるいはコーヒー豆の抽出物と
を含有することを特徴とする。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明における栄養物とは、従来、流動食品に
用いられていたものであり、大きく分けて、食用
油脂原料、蛋白質原料、その他の原料になる。ま
ず、主にカロリー源として用いる食用油脂原料と
しては植物性のものが好ましく、例えば、大豆
油、米油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ
油等のサラダ油あるいはこれらの混合油を挙げる
ことができる。なお、動物性のもの、例えば、牛
脂、豚脂、羊脂、魚油などは、コレスチール含有
量が比較的に多いこと、あるいは通常常温で固体
であることなどから必ずしも好ましいとはいい難
い。食用油脂原料の使用量は、病人に対する一般
的な栄養物摂取バランスの観点からこの原料に基
づく脂肪分含量が最終製品において約２〜10重量
％程度とすることが必要である。２重量％未満だ
と栄養バランスの観点から適正に欠け、10重量％
を超えると、食感上、油つぽさが過剰となり好ま
しくない。また、主に栄養源として用いる蛋白質
原料としては植物のもの、あるいは動物性のもの
のいずれであつてもよく、前者の例としては、大
豆タンパク、小麦タンパク、豆乳等を、また後者
の例としては、牛乳、脱脂粉乳、卵黄、卵白、全
卵、肉エキス等を挙げることができる。蛋白質原
料の使用料は、主に病人に対する一般的な栄養物
摂取バランスの観点から最終製品における蛋白質
分含量が約２〜10重量％程度とすることが必要で
ある。これは、２重量％未満だと栄養バランスの
観点から適正に欠け、10重量％を超えると加熱殺
菌時に凝固が始まる傾向があるからでもある。
その他の原料としては、例えば、他のカロリー
源として用いる砂糖、粉飴などの糖質類、また最
終製品の呈味付けとして用いる香辛料、塩などの
調味料等を挙げることができる。これら他の原料
の使用量は、主に病人に対する一般的な栄養物摂
取バランスの観点から、あるいは特に経口投与を
目的とする場合には食感の観点からも最終製品に
おけるそれらの含量が約２〜10重量％程度となる
ような量が好ましい。
本発明における茶葉の抽出物とは、玉露、抹
茶、せん茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、紅茶、ウ
ーロン茶など一般的に市販されている茶葉を水で
抽出した液、あるいはその濃縮液、あるいはフリ
ーズドライやスプレードライなどにより粉末化し
たものである。抽出方法としては、特に限定され
るものではないが、茶葉中のタンニン類を含む水
溶性成分が抽出できればよい。一例を挙げると、
茶葉に対し、10倍重量の水を加え、30分位煮沸し
た後、茶葉をこし取るこによつて抽出液が得られ
る。
また、コーヒー豆の抽出物とは、ごく一般的に
市販されているコーヒー豆より、茶葉の場合と同
様の操作をして得られるものである。
ここで、茶葉あるいはコーヒー豆の抽出物の添
加量は、抽出物中の水以外の固形分量で、最終流
動食品中0.05〜0.2重量％がよい。これは、0.05重
量％より少ないと下痢の発生防止の効果が発現し
にくく、また、0.2重量％より多いと、流動食品
を経口投与した場合に苦みを感じるようになり、
味覚上好ましくないからである。
本発明においては、上述したような栄養物と、
茶葉の抽出物あるいはコーヒー豆の抽出物とを乳
化混合して流動食品とする。ここで得られる流動
食品は、原料の割合によつてPHが異なるが、流動
食品の性質上、PH6.0〜7.0の範囲に調整するのが
望ましい。このようにして得られる流動食品は、
病人などに投与する前に加熱殺菌しても凝固する
ことがない。また、この流動食品は、例えば、
缶、瓶、レトルトパウチ等に充填した後、常法に
準じて加熱殺菌しても凝固しないので、保存性の
高い流動食品を得ることができる。なお、この長
期保存可能な流動食品は、開封してそのまま病人
などに投与することができる。
次に、試験例、実施例により、本発明をさらに
詳細に説明する。
＜試験例＞
下記の栄養源原料を常法により乳化混合し、こ
の乳化混合物に、紅茶抽出物を固形分量で２ｇ／
Kg（これは、タンニン類として0.4ｇ／Kgとなる）
を添加したものをサンプル１、タンニン酸のみを
0.4ｇ／Kg添加したものをサンプル２とする。
大豆サラダ油 ２Kg
卵黄液 ２〃
牛 乳 84〃
脱脂粉乳 ５〃
上白糖 １〃
粉 飴 ４Kg 卵黄油（隣脂質30％） ２〃
100Kg
試験例 １
サンプル１，２をそれぞれ200mlの缶に詰め、
116℃×30分蒸気殺菌した後、開缶して内容物を
観察する。
この結果、タンニン酸を添加したサンプル２
は、蛋白質凝固を起こしており、流動食品として
使用できないものであつた。しかし、本発明に係
るサンプル１においては、蛋白質凝固が認められ
ず、流動食品として経口、径管投与できるもので
あつた。
試験例 ２
蒸気殺菌温度を116℃から121℃に変更した他
は、凝固試験１と同様に行つた。
結果は、凝固試験１と同様で、本発明に係るサ
ンプル１においては、サンプル２に見られるよう
な蛋白質凝固は認められず、流動食品として経
口、径管投与できるものであつた。
なお、紅茶抽出物のかわりに緑茶、ほうじ茶な
どの抽出物あるいはコーヒーの抽出物を用いた場
合にも同様の結果が得られた。
＜臨床試験＞
本発明に係る流動食品としてサンプル１と同様
なものを200mlの缶に詰め、試験例２と同様に121
℃×30分加熱したもの、また、比較例として紅茶
抽出物を除いた以外は同様なものを用意する。
上記のものを、それぞれ１人当り６缶／日で、
７日間連続して投与した。対象人数はそれぞれ10
人とした。結果は、表−１に示す通りである。
<Industrial Application Field> The present invention relates to a liquid food that can be administered orally or intravenously to infants, the elderly, or sick people who are unable to eat normal meals, especially to sick people before or after surgery, without causing problems such as diarrhea. . <Prior Art> Conventionally, liquid foods have been administered orally or through tubes to infants, the elderly, or sick people who are unable to take regular meals, especially to sick people before or after surgery. These sick people have decreased general body functions,
Due to insufficient water absorption in the intestines, diarrhea frequently occurred when conventional liquid foods were administered. It has been known for a long time that the intestinal function normalizing effect of carrots is effective in preventing such diarrhea. However, when carrots are simply added to a liquid food, there is a problem in that the fluidity of the liquid food is impaired during storage.
Examples of conventional techniques that have solved this problem include Japanese Patent Application Laid-open No. 54-26370 and Japanese Patent Publication No. 58
-There is a publication No. 32584. The liquid food disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 54-26370 is. 6-8% (W/V) protein derived from animal and plant foods digested with pepsin hydrochloride, monosaccharides,
16-20% carbohydrates containing disaccharides, oligosaccharides, and polysaccharides
(W/V), emulsified lipid 3-5% (W/V), finely powdered fibrous 0.1-1.0% (W/V), and finely powdered carrot powder and crystalline cellulose. It is characterized by containing. This liquid food was created by carefully selecting all nutritional ingredients to prevent diarrhea, adding the effects of carrots, and storing it frozen, making it extremely time-consuming to produce. Also, special public service in 1988
The liquid food of Publication No. 32584 is different from the conventional liquid food.
Add carrot paste and further y=10 -0.08X+a
(However, in the formula, y is a number in the range of 10 to 30 indicating the weight% of enzyme-saccharified starch in the final product, x is the weight% of carrot in the final product, and a is 1.80 to 2.59
This is characterized by the addition of enzyme-saccharified starch in which 3 to 8 glycose-linked saccharides in the amount shown in In order to prevent diarrhea, the composition was complicated and the production was troublesome. On the other hand, it was well known that tannins and tannins such as tannic acid have an astringent effect and are effective in preventing diarrhea. However, when these tannins are added to liquid foods in effective amounts, they coagulate with the proteins in the liquid foods when the liquid foods are heat sterilized, so they have traditionally not been allowed to be used in liquid foods. Nakatsuta. <Problems to be Solved by the Invention> As stated above, when a liquid food is administered orally or intravenously to infants, the elderly, or sick people who are unable to take regular meals, especially to sick people before or after surgery,
There is a problem in that diarrhea occurs frequently, and liquid foods that prevent the occurrence of diarrhea have a complicated composition and require time and effort to manufacture. SUMMARY OF THE INVENTION In view of these problems, an object of the present invention is to provide a liquid food product that has a simple composition, is easy to manufacture, and prevents disorders such as diarrhea. <Means for Solving the Problems> As a result of extensive research in order to produce a liquid food that achieves the above-mentioned objectives, the present inventor found that tea leaf extract or coffee bean extract contains tannins and other components. Contains tannin-like substances such as catechin (hereinafter, tannins and tannin-like substances are collectively referred to as "tannins"), but the tannins present in these extracts are significantly different from those of colleagues who use tannins alone. They discovered that even when heated together with protein, it is difficult to coagulate the protein. Moreover,
The effectiveness of tannins and tannin alone in preventing the occurrence of diarrhea was equivalent. The present invention was completed based on these findings, and the composition of the liquid food according to the present invention that achieves the above object is such that the edible oil and fat raw materials and the protein raw materials are each about 2 to 10% by weight relative to the final product. %Nutrients containing
and a tea leaf extract or a coffee bean extract. Hereinafter, the configuration of the present invention will be explained in detail. The nutrients used in the present invention are those conventionally used in liquid foods, and can be broadly divided into edible oil and fat raw materials, protein raw materials, and other raw materials. First, the edible oil and fat raw materials mainly used as a calorie source are preferably vegetable ones, such as salad oils such as soybean oil, rice oil, safflower oil, cottonseed oil, and corn oil, or mixed oils thereof. Note that animal products such as beef tallow, lard, mutton fat, and fish oil are not necessarily preferable because they have a relatively high cholesteel content or are usually solid at room temperature. The amount of edible oil and fat raw material used must be such that the fat content based on this raw material in the final product is about 2 to 10% by weight from the viewpoint of general nutritional intake balance for sick people. If it is less than 2% by weight, it will be inadequate from a nutritional balance point of view, and if it is less than 10% by weight.
If it exceeds this, the texture will be excessively oily, which is undesirable. In addition, the protein raw material mainly used as a nutritional source may be either plant or animal. Examples of the former include soybean protein, wheat protein, soy milk, and examples of the latter. , milk, skim milk powder, egg yolk, egg white, whole egg, meat extract, etc. Regarding the use of protein raw materials, it is necessary that the protein content in the final product be approximately 2 to 10% by weight, mainly from the viewpoint of general nutritional intake balance for sick people. This is because if it is less than 2% by weight, it will lack proper nutritional balance, and if it exceeds 10% by weight, it will tend to coagulate during heat sterilization. Examples of other raw materials include carbohydrates such as sugar and powdered candy used as other calorie sources, and seasonings such as spices and salt used to flavor the final product. The amount of these other raw materials to be used is determined mainly from the viewpoint of general nutritional intake balance for sick people, or especially from the viewpoint of texture when the purpose is oral administration. The amount is preferably about 10% by weight. The tea leaf extract in the present invention refers to a liquid obtained by extracting commercially available tea leaves with water, such as gyokuro, matcha, sencha, hojicha, genmaicha, bancha, black tea, and oolong tea, or a concentrate thereof, or a freeze-dried liquid. It is powdered by spray drying or the like. The extraction method is not particularly limited, but it may be sufficient as long as water-soluble components including tannins in tea leaves can be extracted. For example,
The extract is obtained by adding 10 times the weight of water to the tea leaves, boiling them for about 30 minutes, and then straining the tea leaves. Furthermore, coffee bean extract is obtained from commercially available coffee beans in the same manner as tea leaves. Here, the amount of the tea leaf or coffee bean extract added is preferably 0.05 to 0.2% by weight of the final liquid food, based on the solid content other than water in the extract. This is because if it is less than 0.05% by weight, it is difficult to achieve the effect of preventing the occurrence of diarrhea, and if it is more than 0.2% by weight, the liquid food will taste bitter when administered orally.
This is because it is undesirable in terms of taste. In the present invention, the above-mentioned nutrients and
A liquid food is made by emulsifying and mixing tea leaf extract or coffee bean extract. The pH of the liquid food obtained here varies depending on the ratio of raw materials, but due to the nature of the liquid food, it is desirable to adjust the pH to a range of 6.0 to 7.0. The liquid food obtained in this way is
It will not coagulate even if it is heat sterilized before administering it to a sick person. In addition, this liquid food, for example,
After being filled into cans, bottles, retort pouches, etc., it does not solidify even if it is heated and sterilized according to a conventional method, so a liquid food with high shelf life can be obtained. Note that this liquid food that can be stored for a long period of time can be opened and administered to patients as is. Next, the present invention will be explained in more detail with reference to test examples and examples. <Test Example> The following nutrient source raw materials were emulsified and mixed in a conventional manner, and black tea extract was added to this emulsified mixture in a solid amount of 2 g/
Kg (This is 0.4g/Kg as tannins)
Sample 1 was added with tannic acid, and sample 1 was added with tannic acid.
Sample 2 is the one to which 0.4g/Kg was added. Soybean salad oil 2Kg Egg yolk liquid 2〃 Cow's milk 84〃 Skimmed milk powder 5〃 White sugar 1〃 Powdered candy 4Kg Egg yolk oil (30% fat) 2〃 100Kg Test example 1 Samples 1 and 2 were each packed in 200ml cans,
After steam sterilizing at 116°C for 30 minutes, open the can and observe the contents. As a result, sample 2 with tannic acid added
had protein coagulation and could not be used as a liquid food. However, in Sample 1 according to the present invention, no protein coagulation was observed, and it could be administered orally or through a canal as a liquid food. Test Example 2 The same procedure as Coagulation Test 1 was conducted except that the steam sterilization temperature was changed from 116°C to 121°C. The results were similar to those of coagulation test 1, and in sample 1 according to the present invention, no protein coagulation as observed in sample 2 was observed, and the sample could be administered orally or through a canal as a liquid food. Note that similar results were obtained when extracts of green tea, hojicha, etc., or coffee extracts were used instead of black tea extract. <Clinical test> A liquid food according to the present invention similar to Sample 1 was packed in a 200 ml can, and 121
℃ × 30 minutes, and as a comparative example, prepare a similar product except that the black tea extract was removed. Each of the above at 6 cans/day per person,
The administration was continued for 7 days. Target number of people is 10 each
As a person. The results are shown in Table-1.
【表】
表に示すように、比較例である紅茶抽出物無添
加のものは、下痢などの障害が40％発生したが、
本発明に係る流動食品においては、腹部膨満感が
10％発生しただけで、下痢、その他の障害の発生
は全くなかつた。
＜実施例＞
実施例 １
市販の紅茶の葉を細かく刻んだものを１Kgに、
水100を加え、30分間煮沸する。続いて、茶葉
をこし取り、得られた水溶液をフリーズドライ加
工して粉末化する。
試験例で用いた栄養物と同じもの100Kgに、上
記紅茶抽出物を10ｇ加え、高圧（200Kg／cm2）で
乳化する。続いて、この乳化混合物を200mlの缶
に詰めて116℃で30分間蒸気殺菌する。
このようにして得られた流動食品は、１缶当り
200Kcalあり、食感も保存性もよく、保存中分離
を起すことのないものであつた。さらに、病人等
に投与した場合には、下痢等の障害を起すことが
なかつた。
実施例 ２
市販のほうじ茶の葉１Kgに、水を100加えて
30分間煮沸する。続いて、茶葉をこし取り、得ら
れた抽出液を濃縮する。
試験例と同じ栄養物100Kgに上記ほうじ茶抽出
物を、固形分量で0.05重量％含有するように添加
し、以下、実施例１と同様に操作する。
このようにして得られた流動食品も、実施例１
と同様に、食感、流動性、保存性の面で申し分な
く、さらに、病人等に投与しても、下痢などの障
害を起すことがなかつた。
＜発明の効果＞
本発明に係る流動食品は、食用油脂原料と蛋白
質原料とを最終製品に対して各々約２〜10重量％
含む栄養物原料に、茶葉あるいはコーヒー豆の抽
出物を単に添加して得られる。すなわち、非常に
簡単な操作により、下痢などの障害を起すことの
ない流動食品を提供することができる。[Table] As shown in the table, 40% of the problems such as diarrhea occurred in the comparative example without the addition of black tea extract.
The liquid food according to the present invention reduces abdominal bloating.
The incidence was only 10%, and there was no incidence of diarrhea or other disorders. <Example> Example 1 1 kg of finely chopped commercially available black tea leaves,
Add 100% water and boil for 30 minutes. Next, the tea leaves are strained and the resulting aqueous solution is freeze-dried and powdered. Add 10 g of the above black tea extract to 100 kg of the same nutrient used in the test example and emulsify under high pressure (200 kg/cm 2 ). Subsequently, this emulsified mixture is packed into 200 ml cans and steam sterilized at 116°C for 30 minutes. The liquid food obtained in this way is
It had 200Kcal, had good texture and shelf life, and did not separate during storage. Furthermore, when administered to sick patients, it did not cause any disorders such as diarrhea. Example 2 Add 100 g of water to 1 kg of commercially available hojicha leaves.
Boil for 30 minutes. Next, the tea leaves are strained and the resulting extract is concentrated. The above-mentioned roasted green tea extract was added to 100 kg of the same nutrient as in the test example so that the solid content was 0.05% by weight, and the following procedure was carried out in the same manner as in Example 1. The liquid food obtained in this way was also used in Example 1.
Similarly, it had satisfactory texture, fluidity, and storage stability, and even when administered to sick patients, it did not cause any disorders such as diarrhea. <Effects of the Invention> The liquid food according to the present invention contains approximately 2 to 10% by weight of each of the edible oil and fat raw materials and the protein raw materials based on the final product.
It can be obtained by simply adding tea leaf or coffee bean extract to the nutritional ingredients. That is, a liquid food that does not cause disorders such as diarrhea can be provided by a very simple operation.