JPH04343207A - 磁性材料および誘導電磁器の製造方法 - Google Patents

磁性材料および誘導電磁器の製造方法

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JPH04343207A
JPH04343207A JP3145332A JP14533291A JPH04343207A JP H04343207 A JPH04343207 A JP H04343207A JP 3145332 A JP3145332 A JP 3145332A JP 14533291 A JP14533291 A JP 14533291A JP H04343207 A JPH04343207 A JP H04343207A
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賢一 荒井
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低周波から高周波ま
での幅広い周波数領域で使用される磁性材料の製造方法
およびその磁性材料を利用してなるトランスやチョーク
のような誘導電磁器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に、硬化性を有する分
散剤に、磁性流体を形成できるような超微粒子である第
1磁性粉を分散させた溶液を作り、その中に、第1磁性
粉よりも粒径の大きい高透磁率、高磁束密度の第2磁性
粉を混入することで、第2磁性粉間に形成されるギャッ
プを第1磁性粉で埋めて、特に高周波で使用する場合の
渦流損を低減しつつ、透磁率および磁束密度ともに優れ
た磁性材料を提案している。
【0003】上記のような先に提案している磁性材料に
あっては、振動を加えることにより、第2磁性粉の位置
ポテンシャルが小さくなるように、第1磁性粉の中に第
2磁性粉を沈降させることができ、これによって占積率
を増大させて、透磁率をさらに上げることができる。し
かしながら、上記振動の付加によっても磁気的方向はラ
ンダムなままであるから、透磁率の増加に限界があり、
また、鉄損(ヒステリシス損)も最小にはならず、改善
の余地が残されていた。特に、板状、繊維状、針状のよ
うな長形の磁性粉末を使用する場合は、粒状のものに比
べて反磁界係数が小さいものの、その反磁界係数が最小
となるように整列しないために、透磁率の増加に限界が
あった。
【0004】この発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、鉄損を最低限に抑えつつ、透磁率および磁束密度と
もに最大限にすることができる磁性材料の製造方法を提
供することを主な目的としている。
【0005】また、この発明の他の目的は、高透磁率お
よび高磁束密度で、かつ鉄損を最小にできるばかりでな
く、放熱性に優れ、しかも占積率が向上して小形化を実
現することができるトランスやチョークのような誘導電
磁器の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この出願の請求項1の発明に係る磁性材料の製造方
法は、硬化性を有する分散剤に、超微粒子からなり、そ
の表面が界面活性剤で覆われて粒子同志が直接接触して
いない第1磁性粉を分散させて溶液をつくり、この溶液
中に、上記第1磁性粉よりも粒径の大きい高透磁率、高
磁束密度の第2磁性粉を混入して磁性体をつくり、この
磁性体に、磁界を付加して実質的磁化容易方向を一定方
向に揃えた状態で、分散剤を硬化させるものである。こ
こで、実質的磁化容易方向とは、材料に固有の磁化容易
方向と、反磁界係数の最も小さい方向とのバランスから
決まる方向であり、外部磁界によって実質的に最も磁化
され易い方向をいう。
【0007】また、請求項2の発明に係るもので、上記
磁性体を使用してなるトランスやチョークのような誘導
電磁器の製造方法は、硬化性を有する分散剤に、超微粒
子からなり、その表面が界面活性剤で覆われて粒子同志
が直接接触していない第1磁性粉を分散させて溶液をつ
くり、この溶液中に、上記第1磁性粉よりも粒径の大き
い高透磁率、高磁束密度の第2磁性粉を混入して磁性体
をつくり、この磁性体を、表面に絶縁膜が形成されたコ
イルにモールドし、コイルに直流電流を通電することに
より上記磁性体に磁界を付加して実質的磁化容易方向を
一定方向に揃えた状態で、分散剤を硬化させるものであ
る。
【0008】この発明で使用する第1磁性粉としては、
マンガン亜鉛系フェライトの粉末の他に、マンガン、鉄
、ニッケル、銅、マグネシウムなどを含んだフェライト
、窒化鉄、またはニッケルやコバルトのような金属材料
などを使用でき、その粒径は通常10Å〜5000Åの
範囲であり、比透磁率μが5〜200である。
【0009】また、この発明で使用する第2磁性粉とし
ては、純鉄、パーマロイ、フェライト、アモルファス材
、センダスト、ケイソ鋼などから選択され、その粒径が
1〜100μ程度、比透磁率μが1000以上で、磁束
密度Bが数千〜30000G程度である。また、この第
2磁性粉は球状、板状、繊維状、針状のいずれであって
もよいが、反磁界係数が小さい点で、板状、繊維状およ
び針状が優れている。
【0010】また、この発明で使用する硬化性を有する
分散剤としては、熱硬化性樹脂、2液接着剤、水や溶剤
の蒸発または加熱や光の照射によって硬化する汎用の接
着剤のように接着性を有するもののほか、接着性のない
アクリルモノマーなどのプラスチックモノマーなどがあ
る。熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、アルキド樹脂またはウレタ
ン樹脂などの単量体を用いることができる。また、2液
接着剤としては、例えば、エピコート808(シェル社
製)とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂を用いるこ
とができる。また、エポキシ樹脂よりも粘度の低い分散
剤として、ポリカーボネート系のアリルジグリコールカ
ーボネートを用いることができる。
【0011】さらに、この発明で使用する界面活性剤と
しては、使用する分散剤によって変わるが、分散剤がエ
ポキシ樹脂の場合には、β…(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシランまたはγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシランなどのシランカップリング
剤を用いることができ、また、チタンカップリング剤も
用いることができる。分散剤にアリルジグリコールカー
ボネートを用いる場合には、界面活性剤としてγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシランを用いることができる。
【0012】
【作用】請求項1の発明に係る磁性材料の製造方法によ
れば、硬化性を有する分散剤に、超微粒子からなり、そ
の表面が界面活性剤で覆われて粒子同志が直接接触しな
い第1磁性粉を分散させてつくった溶液の中に、上記第
1磁性粉よりも粒径の大きい高透磁率、高磁束密度の第
2磁性粉を混入して磁性体をつくることにより、第2磁
性粉間に形成されるギャップを第1磁性粉で埋めて、透
磁率および磁束密度ともに高い磁性体を得ることができ
る。
【0013】その上、このような磁性体に磁界を付加す
ることによって、各磁性粉の材料に固有の磁化容易方向
と反磁界係数の最も小さい方向とのバランスから決まる
実質的磁化容易方向が一定に揃った磁性体とすることが
でき、かつ、その実質的磁化容易方向が一定に揃った状
態の磁性体を所望の型に流し込んで固化させることによ
り、任意の形状でありながら、実質的磁化容易方向が一
定に揃った磁性体を容易に作成することができる。
【0014】つまり、透磁率および磁束密度がともに最
大で、かつ形状もその用途に応じて自由に選定すること
が可能な磁性材料を製造することができる。
【0015】また、請求項2の発明に係る誘導電磁器の
製造方法によれば、請求項1で述べたように、透磁率お
よび磁束密度の高い磁性体をコイルに直接モールドした
うえ、そのコイルに直流電流を通電することで、上記磁
性体に磁界を付与して、磁性体の各磁性粉の実質的磁化
容易方向をコイルのつくる磁力線方向に整列させること
ができ、かつ、その状態で分散剤を硬化させることによ
り、鉄損の少ないトランスやチョークなどの誘導電磁器
を容易に製造することができる。その上、製造された誘
導電磁器においては、上記の磁性材料によってコアが形
成されており、コイルと熱伝導率の良い磁性材料(コア
)とが絶縁膜を介して直接接触する状態となるため、コ
イルとコアとの間に空気層やコイルボビンが存在する従
来のものに比べて、放熱係数を著しく増大させて、トラ
ンスやチョークなどの誘導電磁器の放熱性を向上させる
ことができる。
【0016】また、ケースを適切な形状とすることによ
り、コイルとコアとの間のデッドスペースを少なくして
、占積率を一段と高めて小形化を実現することができる
。つまり、コアの外周にコイルを装着した従来の誘導電
磁器では、コアに対してコイルが膨出する形状となるの
で、この膨出したコイルの周辺にデッドスペースが生じ
るのに対し、この発明では、上記ケースを例えば筒型に
することにより、デッドスペースをなくすることができ
、その分だけ小形化が可能になる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面にもとづいて
説明する。まず、この発明の一実施例による球状の磁性
材料について説明する。図1は球状の磁性材料の概念的
な構造を示す。同図において、1は磁性流体であり、こ
の磁性流体1は、図2に明示するように、硬化性を有す
る分散剤2に、この分散剤2および超微粒子である第1
磁性粉3に対して親和性のある界面活性剤4によって、
第1磁性粉3が高濃度に分散されて、溶液の形態となっ
ている。つまり、磁性流体1は、上記分散剤2を媒体と
して磁性流体1を形成する第1磁性粉3を分散させ、こ
の第1磁性粉3の表面が上記界面活性剤4により覆われ
、粒子同志が直接接触しないようになっている。磁性流
体1を形成できる第1磁性粉3の粒径は通常10Å〜5
00Åである。また、磁性流体1の比透磁率μは、第1
磁性粉3の材料によって異なるが、通常5〜200であ
る。
【0018】図1において、5は第2磁性粉であり、こ
の第2磁性粉5は、その粒径が数千Å〜数μm程度、比
透磁率μが1000以上で、磁束密度Bが数千〜300
00G程度であり、この第2磁性粉5を上述の磁性流体
1に混入することで、粒径の大きい第2磁性粉5相互間
のギャップに第1磁性粉3を含む磁性流体1を介在させ
てなる磁性体9をつくる。なお、この磁性体9における
第2磁性粉5は、使用する周波数によってその粒径が選
定される。例えば、1MHzの場合は5μm、10MH
zの場合は1μmといったように、渦流損を少なくする
よう高周波になるほど粒径が小さく選定される。
【0019】ところで、磁性体9では、図3(a)に示
すように、第2磁性粉5の実質磁化容易方向hがランダ
ムに向いており、透磁率が最大になっていない。そこで
、上記磁性体9に、図3(b)に示すように、外部から
磁界Hを付加することにより、第2磁性粉5の実質磁化
容易方向hが、付加される磁界H方向に揃えられる。 しかし、このとき、第2磁性粉5の形状等によっては、
その第2磁性粉5間に働く摩擦力の影響を受けて、全て
の第2磁性粉5の実質磁化容易方向hが一定に揃わず、
一部不揃いのままにある場合が考えられる。
【0020】そのため、上記のような磁界Hの付加と同
時に、超音波による微振動を加えることにより、第2磁
性粉5間の摩擦力に打ち勝って、第2磁性粉5の全てに
ついて、その磁化容易方向hを図3(c)のように、上
記磁界H方向に揃えることができる。
【0021】以上の工程を経て製造された磁性材料にお
いては、高透磁率および高磁束密度の特性を有する第2
磁性粉5間に形成されるギャップが高透磁率の磁性流体
1で埋まる。この磁性流体1は、フェライト磁性流体の
場合で比透磁率μ=6〜10、最大磁束密度Bm=40
0〜500Gとなり、窒化鉄磁性流体の場合で比透磁率
μ=180〜200、磁束密度Bm=1800Gとなる
。例えば、比透磁率μ=180の磁性流体1を介在させ
た場合、この磁性流体1が磁気飽和しない低磁束密度に
おいては、ギャップが実質180分の1に圧縮されたの
と同じになり、これは、樹脂製の接着剤でギャップを埋
めた場合よりも、さらに磁性体9の全体の透磁率を増大
させる。
【0022】しかも、第2磁性粉5の実質的磁化容易方
向hが一定方向に揃えられているので、磁性材料全体と
しての透磁率を最大にすることができるとともに、特に
高周波での使用における損失を最低にすることができる
。また、上記磁性材料を所望の型などに流し込むことに
よって、任意の形状の磁性体を得ることができる。
【0023】つぎに、この発明の他の実施例による磁性
材料の製造方法について説明する。この実施例は、第2
磁性粉5として、板状、針状または繊維状などの長形の
ものを使用した例を示し、上記磁性流体1の中に、例え
ばFe系アモルファス、Co系アモルファス等の板状、
針状または繊維状などの長形の第2磁性粉5を混入して
磁性体9をつくる。このような磁性体9では、図4(a
)に示すように、第2磁性粉5がランダムに配向したま
まである。
【0024】そこで、上記実施例の場合と同様に、図4
(b)に示すような磁界Hを外部から付加すると同時に
、超音波による微振動を加えることにより、第2磁性粉
5を粉体相互間の摩擦に打ち勝って、図4(c)に示す
ように、その実質磁化容易方向hが、付加される磁界H
方向に揃えられるように整列させることができる。なお
、板状、針状または繊維状などの長形の第2磁性粉5を
使用する本実施例の場合、実質磁化容易方向hは、材料
固有の磁化容易方向よりも、反磁界係数の小さい方向に
近くなり、第2磁性粉5のほぼ長手方向と一致する。
【0025】この実施例の場合も、図3の実施例と同様
で、図5に拡大して示すように、板状、針状または繊維
状などの長形の第2磁性粉5間に形成されるギャップが
高透磁率の磁性流体1で埋まり、かつ、第2磁性粉5の
実質磁化容易方向が一定に揃っているので、透磁率およ
び磁束密度を最大にできるとともに、特に高周波の使用
における鉄損を最少にすることができる。
【0026】特に、このように、板状、針状または繊維
状などの長形の第2磁性粉5を用いて、これを磁性流体
1の中で積層させて占積率を増大させることと、もとも
と球状のものに比べて反磁界係数が小さくて、磁力線方
向に対して磁化し易い特性から、透磁率を、第2磁性粉
が球状のものより一層増大させることができる。しかも
、球状のものと異なり、図5で示すように、第2磁性粉
5同志の上下面の接触面積が増加するので、上下方向の
磁気抵抗が接触面積の増加分だけ小さくなる。したがっ
て、例えば、磁束のパスにおいて、積層状態の第2磁性
粉5のラミネーション効果によって、磁束自身が磁気抵
抗の小さいところを選んでパスすることになり、これに
より、全体の磁気抵抗はますます小さくなり、高透磁率
が得られる。
【0027】図6は、上記磁性材料を用いて誘導電磁器
を製造する方法の一実施例を示す。この実施例は高周波
トランスに適用したものである。まず、図6(a)に示
すように、型8内に一次側および二次側のコイル6A,
6Bからなる空心コイル6を載置する。この空心コイル
6の外面全体は、例えばエポキシ樹脂膜等の絶縁物7に
より隙間なく密着状態に被覆されており、このような空
心コイル6を型8内に載置した初期状態では、空心コイ
ル6が型8の底部に接触している。
【0028】つぎに、上記型8内に上記磁性体9を注入
し、コイル6のリード線11A,11Bに直流電流を通
電する。この通電によって作られる磁界が上記磁性体9
に付加されることにより、この磁性体9の中の第2磁性
粉5の実質的磁化容易方向がコイル6のつくる磁界方向
に整列されるとともに、磁性体9とコイル6との間にお
いて、磁性体9が最大のインダクタンスをもつような最
適位置にコイル6を移動させる力が生じる。したがって
、絶縁膜7を含めたコイル6と磁性体9との比重差を小
さくしておくことにより、コイル6は磁性体9内を自由
に浮遊し、磁性体9のほぼ中央部に達する。これにより
、磁性体9でコイル6をモールドした状態となる。
【0029】この状態で、超音波による微振動を加えて
、全ての第2磁性粉5の実質的磁化容易方向を上記磁界
の方向に揃える。そして、上記磁性体9が硬化したのち
、脱型することにより、磁性体9によりコア10が形成
された図7に示すような外観形状の高周波チョークを製
造することができる。
【0030】上記のようにして製造された高周波トラン
スにおいては、図6(b)のコイル6と熱伝導のよい磁
性体9からなるコア10とが、絶縁物7を介して直接接
触する状態となり、両者間に従来のトランスでみられる
ような空気層やコイルボビンが存在しないので、コイル
6で発生した熱を外部に効率良く放出させることができ
、放熱性が向上する。とくに、第2磁性粉5として、セ
ンダスト、コバルトベースアモルファス等の鉄損が少な
く、かつ熱伝導率の高い材料を選べば、鉄損により発生
する熱が少ないうえに、熱がコア10の表面まで伝達さ
れて放熱し易くなるので、小型で大電力用の高周波チョ
ークが得られる。
【0031】また、図7に示すような凹凸のない外観形
状に成形できるので、図8に示す従来のトランスでみら
れるような膨出したコイル12の周辺のデッドスペース
13をなくして、占積率を向上させて、トランスの一層
の小形化を実現することができる。
【0032】なお、上記実施例では、高周波トランスの
製造方法について説明したが、チョークに適用しても、
上記と同様な効果を奏する。
【0033】また、上記各実施例においては、粒径が1
0Å〜500Åの範囲の第1磁性粉3を分散させてなる
磁性流体1を使用したものについて説明したが、完全な
磁性流体でなくとも、これよりも粒径の大きい超微粒子
からなる第1磁性粉3であって、その表面が界面活性剤
4により覆われて、粒子間の距離が保たれた独立形態に
なっており、磁性粉同志が凝集して大きなクラスター状
とならないものであり、第2磁性粉5相互間のギャップ
を十分にうめることができる状態のものであってもよい
。例えば、フェライト粉末の場合、5000Åまでの粒
径のものも、上記独立形態を保つことができ、かつ透磁
率が大きいので、第1磁性粉3として使用できる。高周
波用としては、100Å以下の粒径のフェライト粉末、
窒化鉄粉末等を使用すると、この状態ではスーパーパラ
状態となり、鉄損(ヒステリンス損)がゼロとなるので
、エネルギー面からは理想的状態が得られる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この出願の請求項1の発
明によれば、超微粒子である第1磁性粉を分散剤に分散
させてなる溶液の中に、上記第1磁性粉よりも粒径の大
きい高透磁率、高磁束密度の第2磁性粉を混入して磁性
体をつくり、さらに、この磁性体に磁界を付加して、実
質的磁化容易方向を一定方向に揃えることにより、鉄損
を最小限に抑制しつつ、透磁率および磁束密度がともに
最大の磁性材料を得ることができる。また、硬化性を有
する溶液状の磁性体を使用することにより、その溶液を
型に流し込んで固化させることで、任意の形状の磁性体
を容易に作成することができる。つまり、最大の透磁率
および磁束密度の磁性体の形状をその用途に応じて自由
に選定することが可能となり、その用途範囲の拡大を図
ることができる。
【0035】また、この発明の請求項2の発明に係る電
磁誘導器の製造方法によれば、上記請求項1で示した磁
性体によってコアが形成されているので、コイルと熱伝
導率の良い磁性体(コア)とが.絶縁膜を介して直接接
触する状態となるため、熱を外部に効率良く放出させて
放熱性に優れた誘導電磁器を得ることができる。また、
コイルとコアとの間のデッドスペースを少なくして、占
積率を一段と高めて小形化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る球状の磁性材料の概念的な構造
を示す拡大図である。
【図2】磁性流体の概念的な構造を示す拡大図である。
【図3】この発明の磁性材料の製造方法を示す工程図で
ある。
【図4】この発明の他の実施例による磁性材料の製造方
法を示す工程図である。
【図5】図4により製造された磁性材料の一部の拡大図
である。
【図6】この発明の誘導電磁器の一実施例である高周波
トランスの製造方法を示す工程図である。
【図7】図7により製造された高周波チョークの縦断面
図である。
【図8】従来のトランスの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…磁性流体、2…分散材、3…第1磁性粉、4…界面
活性剤、5…第2磁性粉、6…空心コイル、8…ケース
、9…磁性体、10…コア。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  硬化性を有する分散剤に、超微粒子か
    らなり、その表面が界面活性剤で覆われて粒子同志が直
    接接触していない第1磁性粉を分散させて溶液をつくり
    、この溶液中に、上記第1磁性粉よりも粒径の大きい高
    透磁率、高磁束密度の第2磁性粉を混入して磁性体をつ
    くり、この磁性体に、磁界を付加して実質的磁化容易方
    向を一定方向に揃えた状態で、分散剤を硬化させること
    を特徴とする磁性材料の製造方法。
  2. 【請求項2】  硬化性を有する分散剤に、超微粒子か
    らなり、その表面が界面活性剤で覆われて粒子同志が直
    接接触していない第1磁性粉を分散させて溶液をつくり
    、この溶液中に、上記第1磁性粉よりも粒径の大きい高
    透磁率、高磁束密度の第2磁性粉を混入して磁性体をつ
    くり、この磁性体を、表面に絶縁膜が形成されたコイル
    にモールドし、コイルに直流電流を通電することにより
    上記磁性体に磁界を付加して実質的磁化容易方向を一定
    方向に揃えた状態で、分散剤を硬化させることを特徴と
    する誘導電磁器の製造方法。
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