JPH0434269B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は軸方向に延びるワイヤ受け入れスロツ
トを有する一連のチユーブラターミナル群のため
のカバーとこのカバーを含む電気的コネクタアセ
ンブリ（組立体）とに係わる。

軸方向に延びるワイヤ受け入れスロツトを有す
るチユーブラターミナルは、ワイヤ端末処理の特
質、特に基板に実装して用いるときの利点から電
気機器における利用頻度が増大している。ワイヤ
のターミナルに対する速やかな端末処理と一工程
による絶縁及び張力緩和の両者をもたらすことを
目的として、端線に対するワイヤ押付け機能を持
たせたカバーがアメリカ合衆国特許第4186984に
述べられている。

この従来技術が開示しているのは、軸方向に延
びるワイヤ受け入れスロツトを有するチユーブラ
ターミナル用のカバーで、弾力性のあるプラスチ
ツクで一体形成され、ターミナルをしつかりと受
け入れるような形状のチユーブラソケツトを具備
し、このソケツトの一端、即ちカバーの第１の面
に近い側の端は盲らとなし、他端はカバーのター
ミナル受け入れ面に向いた開口端となし、カバー
は第１の面とターミナル受け入れ面との間に延び
る対向面、即ち前面及び後面とを有し、前面及び
ターミナル受け入れ面上の開口部のソケツト壁部
には軸方向に延び一端が塞がつているワイヤ把持
スロツトを形成し、この塞がつている端から軸方
向に延びるように設けられた押付け器が、ターミ
ナルにカバーをつけたときに、前記スロツトに受
け入れられたワイヤとかみ合うようにしたもので
ある。使用にあたつては、ワイヤを押付け器の自
由端を横切るようにカバー内に装填したあと、タ
ーミナルにカバーをつければワイヤはターミナル
スロツトに引き込まれると共にターミナルは絶縁
される。

従来のカバーにおいては、押付け器は円柱状の
ブロツクで構成されており、ターミナル内部に実
質的に詰め込み端末処理後にターミナルから余分
なワイヤがはみ出すのを防いでいる。この結果、
ワイヤをカバー内の自由端近くに正確に位置付け
るか、又は端末処理作業中にワイヤの端をターミ
ナルの自由後端に対してカバーのそばで切断する
かの必要がある。

細いワイヤの自由端をカバー内の所定位置に配
置することは、とくに多数のワイヤを対応する多
数のターミナルに同時に一括接続する場合には、
作業が困難であり、量産性に欠ける。また、一括
接続時にワイヤの端部を切断することは、ターミ
ナル構造体に好ましくないストレスを生じるだけ
でなく、切断に大きな力を必要とするので、作業
性と量産性を欠く、という欠点がある。

本発明は、従来のワイヤ接続装置における上述
の問題を解決するものである。

すなわち、本発明によるワイヤ接続装置は、回
路基板に植立され軸方向にワイヤ受け入れスロツ
トを有する筒状ターミナルの前記ワイヤ受け入れ
スロツトにワイヤを圧入接続する形式のものであ
り、一端にターミナル受け入れ面を備えこのター
ミナル受け入れ面から前記ターミナルを受け入れ
るようになつた筒状ソケツトと、筒状ソケツトの
他端側からターミナル受け入れ面の方に向かつて
筒状ソケツト内に突出するワイヤ押付け器と、筒
状ソケツトの片側の壁部にターミナルのワイヤ受
け入れスロツトに対応するように形成された第１
のスロツトと、筒状ソケツトの他側の壁部に該第
１のスロツトに対応するように形成された第２の
スロツトと、を有するカバーを備える。そして、
該カバーの第１および第２のスロツトにワイヤを
挿入保持した状態で筒状ソケツト内にターミナル
を圧入し、該ターミナルのワイヤ受け入れスロツ
トにワイヤを接続しかつカバーの第２のスロツト
を介してカバー外に導くように構成する。

これによつて、時間の掛かるワイヤ端部の処理
操作は省け、ワイヤを速やかにカバー内に装填す
ることができる。露出したワイヤ端部は端末処理
後に容易に切断することができ、タツプどりにも
適する。

更に、各押付け器の後に位置する各ソケツトの
盲穴端の一部はくぼみが設けられて各引き出し口
を形成する。

このくぼみ部分はターミナルの後部を横切つて
延びるように配置してワイヤがはまる肩となるよ
うにするのが好ましい。ワイヤはターミナルの後
端と張力緩和の役目をする上記肩との間に把握さ
れる。

後面に形成されるスロツトはその他端でカバー
の第１の面に向いて開口する。ターミナルの後側
壁部とワイヤとのかみ合いが、押付け器がターミ
ナル内に向けて移動する間にワイヤの自由端を端
部がハウジングの第１の面から直立するように曲
げていく。これはカバーの後面に形成されるワイ
ヤ把持スロツトが第１の面に向かつて延びるにつ
れて、そのスロツトの幅が増大するようにして、
カバーがターミナル上に深く押し込まれるにつれ
てワイヤを徐々に張力緩和してやるようにするこ
とで達成される。

カバーの前面に形成され、一端が盲らにされた
ワイヤ把持スロツトは第１の面に向けて延びるに
つれて、そのスロツトの幅が減少するようにして
も良い。カバーの前面に形成され、第１の面に向
かつて延びるにつれて幅が減少するワイヤ把持ス
ロツトと、挿入中に第１のワイヤ把持スロツトか
らワイヤが引きずり出されるのを防ぎ押付け器と
ターミナルの後側壁部との間にワイヤ用の〓間を
与える半球状の押付け器を設けたことによつて張
力緩和が付与される。

既に知られているワイヤ押付け用工具は軸方向
のワイヤ受け入れスロツトを有するチユーブラタ
ーミナルに入り込めるようにした１つのワイヤ押
付け器を備えた円柱状のターミナル受け入れヘツ
ドを含んでいる。挿入過程で、ワイヤは押付け器
とターミナルの後側壁部との間に形成された引き
出し開口部を通り、工具の軸の通路を経て延び
る。しかしながら、工具のヘツドは固い材料でで
きており、ワイヤは通路に通してヘツドに予備装
着しておかねばならず、これはワイヤ通し工程で
ワイヤの端を自由にするよりも時間の掛かる工程
となる。このような工具におけるワイヤ通し手法
は明らかに大量端末処理には不向きである。

本発明によるカバーの一例を添付図面を参照し
ながら説明する。

カバー１１は弾力性のあるプラスチツク材料か
ら一体成形され、カバーの第１の面１４に近い方
を盲穴端１３としてカバーの反対側、ターミナル
受け入れ面１５に向いてターミナル受け入れ端と
して開口する一連のチユーブラソケツト１２を備
える。対になり整列した第１及び第２のワイヤ把
持スロツト、それぞれ１６及び１７はカバーの前
面及び後面、それぞれ１８及び１９の対向するソ
ケツト壁部に沿つて軸方向に延び、各々長手方向
の一端でターミナル受け入れ面１５に向いて開口
している。

第２のスロツト１７は長手方向の他端２３のと
ころでカバーの第１の面１４に向いて開口してい
る。第１のスロツト１６は面から遠ざかるにつれ
てその幅が縮まり、スロツト１７は第１の面１４
に向かつて延びるにつれてその幅が徐々に拡がる
ようにスロツト１７には第１の面に向かつて延び
るにつれて徐々に拡がつていくリツプ２５を形成
して、その方向に向かうにつれてワイヤ把持機能
が次第に減少するようにする。

ワイヤ押付け器２０はそれぞれのソケツトの盲
穴端１３から軸方向に突き出す。ワイヤ引き出し
口２１はそれぞれの押付け器２０の後側に向けて
設けられ、盲穴端１３から凹み端末処理時にはタ
ーミナル３０の後端を横切つて延びるように配置
されたワイヤ係合肩２２によつて形成される。

押付け器２０は半円柱状で曲面が前側となり、
後部平面２４は肩２２に向かつて延びる。カバー
１１内に第１の面１４の長手方向に延びるように
第１の工具受け入れスロツト２７を形成し、第１
のスロツト２７に隣接して長手方向に延びる第２
のスロツト２８を形成して、スロツト２７と２８
との間が弾力性のある壁部２９となるようにし、
これが曲がることにより工具受け入れスロツト２
７に挿入される工具３４を受けとめる。

この特定の例において、カバー１１は軸方向に
延びたスロツト３１をもち、電気的コネクタのプ
リント回路基板３２の上に装着されているチユー
ブラターミナル３０にワイヤ３３を挿入するのに
用いられる。コネクタは回路基板をラツチ３６で
固定搭載する基部材３５及び基部材３５への固定
に適合させたフタ部材３７とを具備しており、カ
バー１１によるワイヤ端末処理に続いて両者の間
にケーブルをクランプする。

カバー１１の使用にあたつては、第２図及び第
３図に示すように、個々のワイヤ３３の両端間の
中間部をターミナル受け入れ面１５を通して、そ
れぞれのワイヤ把持スロツト１６，１７に引き込
み、それぞれの押付け器２０の自由端を横切るよ
うにする。次に適切な工具３４をスロツト２７に
挿入し、全てのターミナル３０にカバーがかけら
れるとワイヤ３３は押付け器２０によつてターミ
ナルスロツト３１の中に徐々に押し込まれ、ワイ
ヤ３３の後端部はそれぞれのスロツト１７に沿つ
て徐々に上方へ引かれ、そこから外れることにな
り、ワイヤがターミナル３０の胴の中に引き入れ
られ、ワイヤは端部２３を通して面１４から直立
してとび出す。張力緩和は、後に行なうワイヤ端
部の切断中に特に必要となるもので、ワイヤを肩
２２とターミナル３０の後端部との間、及び押付
け器２０の面２４とターミナルの後部壁との間で
クランプすることで達成されている。

上述の説明から明らかなように、本発明のワイ
ヤ接続装置は、第１および第２スロツトを有する
カバーをターミナルに挿入する構成であるため、
種々の顕著な効果を達成することができる。すな
わち、ターミナルに接続されるワイヤ端部は、第
２スロツトを介してカバーから外部に導かれるの
で、導通チエツクや回路動作試験に極めて便利で
ある。したがつて、ワイヤ端部を切断する必要が
なく、かつカバー押圧時に過度の力を必要としな
い。また、本発明のワイヤ接続装置は、ターミナ
ルにワイヤの端部を接続する場合だけでなく、ワ
イヤの途中にタツプ接続する場合にも使用でき
る。さらに必要に応じてワイヤ接続後にワイヤ端
部に切断その他の処理を加えることも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は回路基板上にマウントされた一連のタ
ーミナル群に対する応用として配列し、ワイヤを
はめたカバーを示す斜視図であり、第２図は第１
図に示すカバーの横断面図であり、第３図はワイ
ヤを端末処理したあとのカバーの横断面図であ
り、第４図は第２図の線４−４で切つた縦断面図
であり、第５図は第４図の線５−５から見た部分
立面図であり、そして第６図はソケツトの軸で切
つた断面を含む部分斜視図である。 １１……プラスチツクカバー、１２……チユー
ブラソケツト、１３……盲穴端、１５……ターミ
ナル受入面、３０……チユーブラターミナル、３
１……スロツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回路基板に植立され軸方向にワイヤ受け入れ
   スロツトを有する筒状ターミナルの前記ワイヤ受
   け入れスロツトにワイヤを圧入接続するワイヤ接
   続装置において、 一端にターミナル受け入れ面を備え、このター
   ミナル受け入れ面から前記ターミナルを受け入れ
   るようになつた筒状ソケツトと、 前記筒状ソケツトの他端側から前記ターミナル
   受け入れ面の方に向かつて前記筒状ソケツト内に
   突出するワイヤ押付け器と、 前記筒状ソケツトの片側の壁部に前記ターミナ
   ルの前記ワイヤ受け入れスロツトに対応するよう
   に形成された第１のスロツトと、 前記筒状ソケツトの他側の壁部に該第１のスロ
   ツトに対応するように形成された第２のスロツト
   と、 を有するカバーを備え、 前記カバーの前記第１および第２のスロツトに
   ワイヤを挿入保持した状態で前記筒状ソケツト内
   に前記ターミナルを圧入し、該ターミナルの前記
   ワイヤ受け入れスロツトに前記ワイヤを接続しか
   つ前記カバーの前記第２のスロツトを介して前記
   ワイヤを前記カバー外に導くようにしたことを特
   徴とするワイヤ接続装置。