JPH0434054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、使用済みマスタを廃棄する場合に
用いられる孔版印刷機における排版収納箱に関す
るものである。

従来技術 従来の孔版印刷機において、使用済みマスタを
廃棄する手段は、例えば、特開昭52−94222号公
報、特開昭59−11281号公報、実開昭61−204765
号公報等に記載されている。すなわち、機械本体
の下に大きな段ボール紙による箱を設置して使用
済みマスタをその箱まで搬送する方式や機械の内
部に小さな箱を設けてその箱に収納する方式であ
る。

このような方式において、機械本体の下に大き
な段ボール紙による箱を設置して使用済みマスタ
をその箱まで搬送する前者の方式は、使用済みマ
スタを収納する箱を大きくすることができるた
め、その箱を持つて捨てに行く頻度が低く、ま
た、廃棄時にその箱ごと捨てることができるた
め、あまり手を汚すことがないと云う長所を有す
るが、箱が設置された機械の下までの経路が長い
ため、その経路の途中で使用済みマスタが詰まつ
たりジヤムを起こすと云う問題を有する。

つぎに、機械の内部に小さな箱を設けてその箱
に収納する後者の方式は、機械内部に箱を設ける
関係で、その大きさに制限があり、それほど多く
の使用済みマスタを収納することができないた
め、排版・製版を多く繰り返えして使う場合に
は、すぐに箱が一杯になつてしまうと云う問題が
ある。そのため、圧縮機構を備えたものもあるが
充分ではない。そして、この機械内部に箱を設置
する方式においては、使用済みマスタのインクが
箱に付着してしまい、箱の屑箱の上で逆さにした
位では使用済みマスタが落ちない場合が多い。そ
のために、その使用済みマスタを手で取ろうとし
て手を汚してしまうことも多い。

また、箱を紙などで作成し、一杯になつたらそ
のまま箱ごと捨てるという方式を採用している場
合や、ライナーを敷いておき、それに包んで捨て
ると云う方式もあるが、このようなものは経済的
ではないと云う問題がある。

目 的 この考案は、使用済みマスタの排出経路での詰
まりやジヤムをなくし、排版収納箱からの使用済
みマスタの排出を容易にできる孔版印刷機におけ
る排版収納箱を得ることを目的とするものであ
る。

構 成 この考案は、開口を有する箱体により使用済み
マスタが収納される排版収納箱を形成し、この排
版収納箱の内部に端部のみが固定された布状シー
トを遊動自在に設けたものである。したがつて、
排版収納箱を逆さにすると、使用済みマスタとと
もに布状シートも一緒に引き出される。しかしな
がら、この布状シートは使用済みマスタを保持し
ていた凹状の状態とは逆にその表面が凸状になる
ので、使用済みマスタのインクが付着していても
容易に剥離される状態になり、その布状シートは
端部が固定されているため、排版収納箱をもとに
戻せば簡単にその排版収納箱の内部に収まり、繰
り返しての使用ができ、かつ、使用済みマスタの
廃棄が容易であることからその排版収納箱を機械
の内部に設置して頻繁に使用済みマスタを廃棄す
ることが煩わしくないため、使用済みマスタを長
い経路で搬送する必要がなく、詰まり等の問題を
発生させることがないものである。

この考案の第一の実施例を第１図乃至第４図に
基づいて説明する。まず、マスタ１が外周面にセ
ツトされる印刷ドラム２が回転自在に設けられ、
この印刷ドラム２の近傍には前記マスタ１を前記
印刷ドラム２から剥離する排版爪３が支軸４に保
持されて設けられている。この支軸４には排版ロ
ーラ５が取付けられているとともにこの排版ロー
ラ５の上にはその排版ローラ５と対をなす排版ロ
ーラ６が設けられ、これらの排版ローラ５，６は
図示しない駆動部に連結されている。

このように設けられた排版ローラ５，６に近接
させて排版収納箱支持部材７が設けられている。
この排版収納箱支持部材７にはその側方から排版
収納箱８が挿脱自在に装着されている。

前記排版収納箱８は、その上縁が斜めに切断さ
れた開口９を有するものであり、この開口９の縁
部１０，１１に端部１２を固定した布又は網によ
る長方形状の布状シート１３が設けられている。
この布状シート１３の中間部１４は前記排版収納
箱８の内面に沿わせて形成されているものであ
り、その内面に対しては遊動自在に設けられてい
るものである。

なお、前記排版収納箱８と前記布状シート１３
との材質について説明する。まず、排版収納箱８
はポリプロピレンの成型品が好ましい。また、前
記布状シート１３は、柔らかくて柔軟性を有して
いてインクの付着した原紙が密着しにくく、しか
も、排版収納箱８の内面にも付着しにくいと云う
特性が要求される。そこで、前記印刷ドラム２に
張られているナイロンスクリーンを接着して使用
したところ非常に良い結果が得られた。また、布
状であれば良いが、網状あるいはメツシユ状のシ
ートであることが好ましい。

このような構成において、孔版印刷機が自動排
版の工程に入ると、第３図に示す状態から第２図
に示す状態に移行し、印刷ドラム２が時計回転方
向に回転するとともに排版爪３が印刷ドラム２の
表面上のマスタ１を剥離して排版ローラ５，６に
向けて案内する。そして、使用済みマスタ１５は
順次送り出されて排版収納箱８の内部に案内さ
れ、布状シート１３の上に堆積される。このよう
にして排版作業が終了するが、排版収納箱８の内
部が一杯になつたときには、排版収納箱８を排版
収納箱支持部材７から引き出し、屑箱１６の上で
その排版収納箱８を逆さにする。この時、使用済
みマスタ１５は屑箱１６に落下するが、同時に布
状シート１３も凹状の状態で使用済みマスタ１５
を保持していた形状から第４図に示すように排版
収納箱８から飛び出して凸状になることから、イ
ンクにより使用済みマスタ１５が布状シート１３
に付着していてもその布状シート１３の自重によ
り簡単に分離する。このようにして使用済みマス
タ１５を屑箱１６内に廃棄してから排版収納箱８
をもとに戻すと、布状シート１３が再びその排版
収納箱８内に戻り、再使用が可能になる。

つぎに、第５図及び第６図に基づいてこの考案
の第二の実施例を説明する。本実施例は布状シー
ト１３の中間部１４に錘１７を設けたものであ
る。したがつて、使用済みマスタ１５を廃棄する
場合に、その布状シート１３の排版収納箱８の底
面からの分離が簡単であり、また、排版収納箱８
内への復帰操作も簡単になるものである。とく
に、布状シート１３を排版収納箱８に復帰させた
時に、その布状シート１３が内面に沿つて良好に
収納され、使用済みマスタ１５の収納を容易にす
る。

さらに、この考案の第三の実施例を第７図に基
づいて説明する。本実施例は第一の実施例に対し
て、布状シート１３の端部１２の固定を、排版収
納箱８の前後縁ではなく、両側縁に行なうように
したものである。

効 果 この考案は上述のように、開口を有する箱体に
より使用済みマスタが収納される排版収納箱を形
成し、この排版収納箱の内部に端部のみが固定さ
れた布状シートを遊動自在に設けたので、排版収
納箱を逆さにすることにより、使用済みマスタと
ともに布状シートも一緒に引き出すことができ、
これにより、布状シートを使用済みマスタを保持
していた凹状の状態とは逆にその表面を凸状にす
ることにより、使用済みマスタのインクが付着し
ていても容易に剥離される状態とすることがで
き、また、その布状シートは端部が固定されてい
るため、排版収納箱をもとに戻せば簡単にその排
版収納箱の内部に収まり、繰り返しての使用がで
き、かつ、使用済みマスタの廃棄が容易であるこ
とからその排版収納箱を機械の内部に設置して頻
繁に使用済みマスタを廃棄することが煩わしくな
いため、使用済みマスタを長い経路で搬送する必
要がなく、詰まり等の問題を発生させることがな
い等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一の実施例を示す排版収
納箱の斜視図、第２図はマスタの排版時の縦断側
面図、第３図はセツト時の縦断側面図、第４図は
屑箱への廃棄時の状態を示す縦断側面図、第５図
はこの考案の第二の実施例を示す一部を切り欠い
た排版収納箱の斜視図、第６図はその廃棄時の縦
断側面図、第７図はこの考案の第三の実施例を示
す縦断側面図である。 ８……排版収納箱、９……開口、１２……端
部、１３……布状シート、１５……使用済みマス
タ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口を有する箱体により使用済みマスタが収納
   される排版収納箱を形成し、この排版収納箱の内
   部に端部のみが固定された布状シートを遊動自在
   に設けたことを特徴とする孔版印刷機における排
   版収納箱。