JPH0433853B2 - - Google Patents
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- JPH0433853B2 JPH0433853B2 JP62126878A JP12687887A JPH0433853B2 JP H0433853 B2 JPH0433853 B2 JP H0433853B2 JP 62126878 A JP62126878 A JP 62126878A JP 12687887 A JP12687887 A JP 12687887A JP H0433853 B2 JPH0433853 B2 JP H0433853B2
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- cooling
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、レールの熱処理方法、特に、不均
一冷却による硬度のばらつきをなくし且つ熱処理
設備中の空気源設備を小型化できるレールの熱処
理方法に関するものである。 〔従来の技術〕 鉄道車両の重量増に伴う高軸荷重化や高速輸送
に伴つて、レールの摩耗が切実な問題となつてお
り、耐摩耗性を備えた高強度レールの供給が要望
されてきている。良く知られているように、レー
ルの摩耗部分は、レールの頭部上面および内側面
である。従つて、少なくともレール頭部の表層部
分の組織を微細パーライト組織とする必要があ
る。 この微細パーライト組織を得る熱処理方法とし
ては、第1図に示すように、主として冷却停止温
度を制御して変態温度に保持する恒温変態熱処理
と、主として冷却速度を制御して冷却を行う連続
冷却変態熱処理とがある。 冷却媒体として、衝風、噴霧水、気水混合物、
沸騰水、蒸気、溶融塩等を使用した熱処理方法
が、特開昭54−148124号公報、特開昭54−147124
号公報、特開昭57−85929号公報、特開昭59−
133322号公報、特開昭61−149436号公報等に開示
されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、これらの熱処理方法は、次のような問
題を有している。 (1) 衝風による熱処理: 衝風冷却によれば均一冷却が行なえるが、そ
の冷却能力は、例えば、噴霧水による場合に比
べて小さい。従つて、耐摩耗性および強度向上
のためには、合金元素を添加する必要がある
が、レールの製造コストが上昇する。そこで、
衝風冷却用ノズルをレール表面に接近させて設
置し、ここから大量の圧縮空気をレール表面に
噴射し、これによつて、所望の冷却能力を確保
する方法があるが、圧延後のオンライン熱処理
では長い冷却域を必要とするので、空気源設備
が大型化し、設備的に不利となる。 (2) 水または気水混合物の噴霧による熱処理: これらの冷媒の冷却能力は、衝風の場合に比
べて大幅に優れている。水の冷却能力の一例と
して、鋼片を水量密度200〜1000/min・m2
で冷却した場合の、鋼片の表面温度と熱伝達係
数との関係を第2図に示すが、鋼片の表面温度
が低温になるほど熱伝達係数が増し、即ち、冷
却能力が増し、200〜350℃で最大となる。これ
は冷却水が核沸騰することによるものである。
噴霧水によつてレール表面を冷却すると、圧延
時および熱処理時にレール表面に発生したスケ
ールを核として、冷却水が核沸騰に遷移する。
この局所的な核沸騰によりこの部分の温度が急
激に降下し、これによつて、マルテンサイト組
織やベイナイト組織が発生して、レール頭部の
硬度のばらつきをもたらす。冷却能は水の噴霧
量によつて調節されるが、噴霧量の低下ととも
に、冷却の均一性の維持が困難となる。気水混
合物の噴霧の場合には、冷却の不均一性の問題
のみならず、かなりの量の空気が必要で、衝風
冷却に類似した問題点もまた有している。 (3) 沸騰水中にレール頭部を浸漬することによる
熱処理: レール頭部に蒸気膜を形成し、この蒸気膜を
介して所望の冷却能力を得るものであるが、均
一に蒸気膜を形成し且つ維持していくことが不
可能に近く、現実的な方法ではない。 (4) 蒸気の噴射による熱処理: 衝風冷却に比べて冷却能力は大きいが、微細
パーライト組織を得るには、やはり大量の蒸気
を必要とし、設備的に不利である。 (5) 溶融塩浴中にレール頭部を浸漬することによ
る熱処理: これは冷却速度の制御、冷却の均一性の点で
問題はないが、熱処理後のレール表面に付着す
る溶融塩の除去装置が必要であり且つレール頭
部への溶融塩の付着量が多い。従つて、熱処理
設備およびランニングコスト面で不利である。 上記刊行物に開示された熱処理方法の中で、例
えば、特開昭54−147124号公報に開示された熱処
理方法は、前述した2つの熱処理方法のうちの恒
温変態熱処理方法であるが、この方法は、変態終
了を完全にする必要性から、長時間高温に保持さ
れるために、自己焼鈍による軟化現象が起こりや
すく、好ましくない。 従つて、この発明の目的は、熱処理に必要な空
気源設備を小型化でき且つ硬度のばらつきをなく
して、レールの頭部組織を微細パーライト組織に
するための、レールの熱処理方法を提供すること
にある。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、レール頭部に連続冷却変態熱処理
を施して、前記レール頭部の組織を微細パーライ
ト組織にするに際して、前記レール頭部を噴霧水
によつて冷却し、続いて、前記レール頭部を衝風
冷却し、そして、噴霧水による冷却から衝風冷却
に切り替える温度を530℃以上、パーライト変態
開始温度未満の範囲内に限定することに特徴を有
するものである。 この発明において、熱処理方法を第1図に示す
連続冷却変態熱処理方法に限定したのは、この熱
処理方法は、変態処理後も速やかにレールを冷却
することができるからである。これに対して、恒
温変態熱処理方法は、前述したように、変態終了
後、自己軟化焼鈍現象が起るので好ましくない。 この発明において、水噴霧冷却から衝風冷却に
切り替える温度を530℃以上とした理由について
説明する。 第3図に、C:0.77%,Si:0.25%,Mn:0.85
%,P:0.016%,S:0.007%(以上重量%)を
含有するレールを、連続冷却変態熱処理したとき
の、Ac3点からの冷却時間と金属組織および硬度
との関係を示す。 第3図から明らかなように、パーライト組織と
するには、11℃/sec以下の冷却速度でオーステ
ナイト化温度以上から変態点温度以下まで、冷却
する必要がある。 また、熱処理後の自己軟化焼鈍を防止するに
は、第4図に示すように、復熱最高温度が450℃
以下になるように冷却する必要がある。なお、第
4図は、C:0.77%,Si:0.25%,Mn:0.86%,
P:0.017%,S:0.008%(以上重量%)を含有
する公知の鋼からなるレールを、冷却速度4.8
℃/secで冷却したときの、復熱温度と引張強さ
から換算した硬さおよびレール頭部下5mmの強度
との関係を示したグラフである。 そこで、長さ500mmの136ポンド/ヤードレール
の試験片(C:0.75%,Si:0.24%,Mn:0.90
%,P:0.016%,S:0.008%以上重量%)の頭
部上表面から5mmの位置に熱電対を取り付け、こ
の試験片を900℃に加熱し、この後、試験片を往
復移動可能な台車に乗せて、レール温度が800℃
になるまで、レールを大気放冷し、この後、第5
図A,Bに示すように、冷却ゾーン(図中−
間)を、レール1の頭部上方および両側に設けた
水冷用ノズル2からの噴霧水による冷却速度が
2,5,10℃/secとなるように、レール1を乗
せた台車(図示せず)を往復移動させてレール1
を冷却し、そして、この冷却を種々の時間で停止
して、その後のレール1の復熱温度を調べた。こ
のときの冷却条件を第1表に示す。
一冷却による硬度のばらつきをなくし且つ熱処理
設備中の空気源設備を小型化できるレールの熱処
理方法に関するものである。 〔従来の技術〕 鉄道車両の重量増に伴う高軸荷重化や高速輸送
に伴つて、レールの摩耗が切実な問題となつてお
り、耐摩耗性を備えた高強度レールの供給が要望
されてきている。良く知られているように、レー
ルの摩耗部分は、レールの頭部上面および内側面
である。従つて、少なくともレール頭部の表層部
分の組織を微細パーライト組織とする必要があ
る。 この微細パーライト組織を得る熱処理方法とし
ては、第1図に示すように、主として冷却停止温
度を制御して変態温度に保持する恒温変態熱処理
と、主として冷却速度を制御して冷却を行う連続
冷却変態熱処理とがある。 冷却媒体として、衝風、噴霧水、気水混合物、
沸騰水、蒸気、溶融塩等を使用した熱処理方法
が、特開昭54−148124号公報、特開昭54−147124
号公報、特開昭57−85929号公報、特開昭59−
133322号公報、特開昭61−149436号公報等に開示
されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、これらの熱処理方法は、次のような問
題を有している。 (1) 衝風による熱処理: 衝風冷却によれば均一冷却が行なえるが、そ
の冷却能力は、例えば、噴霧水による場合に比
べて小さい。従つて、耐摩耗性および強度向上
のためには、合金元素を添加する必要がある
が、レールの製造コストが上昇する。そこで、
衝風冷却用ノズルをレール表面に接近させて設
置し、ここから大量の圧縮空気をレール表面に
噴射し、これによつて、所望の冷却能力を確保
する方法があるが、圧延後のオンライン熱処理
では長い冷却域を必要とするので、空気源設備
が大型化し、設備的に不利となる。 (2) 水または気水混合物の噴霧による熱処理: これらの冷媒の冷却能力は、衝風の場合に比
べて大幅に優れている。水の冷却能力の一例と
して、鋼片を水量密度200〜1000/min・m2
で冷却した場合の、鋼片の表面温度と熱伝達係
数との関係を第2図に示すが、鋼片の表面温度
が低温になるほど熱伝達係数が増し、即ち、冷
却能力が増し、200〜350℃で最大となる。これ
は冷却水が核沸騰することによるものである。
噴霧水によつてレール表面を冷却すると、圧延
時および熱処理時にレール表面に発生したスケ
ールを核として、冷却水が核沸騰に遷移する。
この局所的な核沸騰によりこの部分の温度が急
激に降下し、これによつて、マルテンサイト組
織やベイナイト組織が発生して、レール頭部の
硬度のばらつきをもたらす。冷却能は水の噴霧
量によつて調節されるが、噴霧量の低下ととも
に、冷却の均一性の維持が困難となる。気水混
合物の噴霧の場合には、冷却の不均一性の問題
のみならず、かなりの量の空気が必要で、衝風
冷却に類似した問題点もまた有している。 (3) 沸騰水中にレール頭部を浸漬することによる
熱処理: レール頭部に蒸気膜を形成し、この蒸気膜を
介して所望の冷却能力を得るものであるが、均
一に蒸気膜を形成し且つ維持していくことが不
可能に近く、現実的な方法ではない。 (4) 蒸気の噴射による熱処理: 衝風冷却に比べて冷却能力は大きいが、微細
パーライト組織を得るには、やはり大量の蒸気
を必要とし、設備的に不利である。 (5) 溶融塩浴中にレール頭部を浸漬することによ
る熱処理: これは冷却速度の制御、冷却の均一性の点で
問題はないが、熱処理後のレール表面に付着す
る溶融塩の除去装置が必要であり且つレール頭
部への溶融塩の付着量が多い。従つて、熱処理
設備およびランニングコスト面で不利である。 上記刊行物に開示された熱処理方法の中で、例
えば、特開昭54−147124号公報に開示された熱処
理方法は、前述した2つの熱処理方法のうちの恒
温変態熱処理方法であるが、この方法は、変態終
了を完全にする必要性から、長時間高温に保持さ
れるために、自己焼鈍による軟化現象が起こりや
すく、好ましくない。 従つて、この発明の目的は、熱処理に必要な空
気源設備を小型化でき且つ硬度のばらつきをなく
して、レールの頭部組織を微細パーライト組織に
するための、レールの熱処理方法を提供すること
にある。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、レール頭部に連続冷却変態熱処理
を施して、前記レール頭部の組織を微細パーライ
ト組織にするに際して、前記レール頭部を噴霧水
によつて冷却し、続いて、前記レール頭部を衝風
冷却し、そして、噴霧水による冷却から衝風冷却
に切り替える温度を530℃以上、パーライト変態
開始温度未満の範囲内に限定することに特徴を有
するものである。 この発明において、熱処理方法を第1図に示す
連続冷却変態熱処理方法に限定したのは、この熱
処理方法は、変態処理後も速やかにレールを冷却
することができるからである。これに対して、恒
温変態熱処理方法は、前述したように、変態終了
後、自己軟化焼鈍現象が起るので好ましくない。 この発明において、水噴霧冷却から衝風冷却に
切り替える温度を530℃以上とした理由について
説明する。 第3図に、C:0.77%,Si:0.25%,Mn:0.85
%,P:0.016%,S:0.007%(以上重量%)を
含有するレールを、連続冷却変態熱処理したとき
の、Ac3点からの冷却時間と金属組織および硬度
との関係を示す。 第3図から明らかなように、パーライト組織と
するには、11℃/sec以下の冷却速度でオーステ
ナイト化温度以上から変態点温度以下まで、冷却
する必要がある。 また、熱処理後の自己軟化焼鈍を防止するに
は、第4図に示すように、復熱最高温度が450℃
以下になるように冷却する必要がある。なお、第
4図は、C:0.77%,Si:0.25%,Mn:0.86%,
P:0.017%,S:0.008%(以上重量%)を含有
する公知の鋼からなるレールを、冷却速度4.8
℃/secで冷却したときの、復熱温度と引張強さ
から換算した硬さおよびレール頭部下5mmの強度
との関係を示したグラフである。 そこで、長さ500mmの136ポンド/ヤードレール
の試験片(C:0.75%,Si:0.24%,Mn:0.90
%,P:0.016%,S:0.008%以上重量%)の頭
部上表面から5mmの位置に熱電対を取り付け、こ
の試験片を900℃に加熱し、この後、試験片を往
復移動可能な台車に乗せて、レール温度が800℃
になるまで、レールを大気放冷し、この後、第5
図A,Bに示すように、冷却ゾーン(図中−
間)を、レール1の頭部上方および両側に設けた
水冷用ノズル2からの噴霧水による冷却速度が
2,5,10℃/secとなるように、レール1を乗
せた台車(図示せず)を往復移動させてレール1
を冷却し、そして、この冷却を種々の時間で停止
して、その後のレール1の復熱温度を調べた。こ
のときの冷却条件を第1表に示す。
【表】
【表】
第6図A,B,Cに、冷却時間と冷却停止後の
レール表面の復熱最高温度との関係を示す。 第6図A,B,Cから明らかなように、冷却速
度に応じて、レール表面の復熱最高温度がある温
度から大きくばらつくことがわかる。 次に、上述した試験条件に従つて、冷却停止時
のレール表面温度とレール復熱最高温度との関係
を、計算機によつて求めた。この結果を第7図に
示す。 第6図および第7図からわかるように、レール
表面の復熱最高温度にばらつきが生じるのは、レ
ール表面温度が約530℃に達した時である。従つ
て、この発明においては、レール頭部の冷却媒体
として、レールの頭部表面温度の高い領域で噴霧
水を使用し、少なくとも頭部表面温度が530℃に
なるまでに噴霧水の使用を停止し、その後空気を
使用する。 次に、この発明の実施例について説明する。 長さ500mmの136ポンド/ヤード・レールの試験
片(C:0.76%,Si:0.25%,Mn:0.91%,P:
0.017%,S:0.007%以上重量%)の頭部上表面
から5mmの位置に熱電対を取り付け、この試験片
を800℃に加熱し、この後、試験片を往復移動可
能な台車に乗せて、第8図A,B,Cに示すよう
に、冷却ゾーン(図中−間)を往復移動させ
て、レール1の頭部上方および両側に設けた水冷
用ノズル2からの噴霧水によつて、レール表面温
度が540℃になるまで冷却し、引続き、衝風冷却
ゾーン(図中−間)を往復移動させて、レー
ル1の頭部上方および両側に設けた空冷用ノズル
3からの空気によつて、レール表面温度が200℃
になるまで空冷した。このときの復熱最高表面温
度は、330℃であつた。第2表に、冷却条件を示
す。
レール表面の復熱最高温度との関係を示す。 第6図A,B,Cから明らかなように、冷却速
度に応じて、レール表面の復熱最高温度がある温
度から大きくばらつくことがわかる。 次に、上述した試験条件に従つて、冷却停止時
のレール表面温度とレール復熱最高温度との関係
を、計算機によつて求めた。この結果を第7図に
示す。 第6図および第7図からわかるように、レール
表面の復熱最高温度にばらつきが生じるのは、レ
ール表面温度が約530℃に達した時である。従つ
て、この発明においては、レール頭部の冷却媒体
として、レールの頭部表面温度の高い領域で噴霧
水を使用し、少なくとも頭部表面温度が530℃に
なるまでに噴霧水の使用を停止し、その後空気を
使用する。 次に、この発明の実施例について説明する。 長さ500mmの136ポンド/ヤード・レールの試験
片(C:0.76%,Si:0.25%,Mn:0.91%,P:
0.017%,S:0.007%以上重量%)の頭部上表面
から5mmの位置に熱電対を取り付け、この試験片
を800℃に加熱し、この後、試験片を往復移動可
能な台車に乗せて、第8図A,B,Cに示すよう
に、冷却ゾーン(図中−間)を往復移動させ
て、レール1の頭部上方および両側に設けた水冷
用ノズル2からの噴霧水によつて、レール表面温
度が540℃になるまで冷却し、引続き、衝風冷却
ゾーン(図中−間)を往復移動させて、レー
ル1の頭部上方および両側に設けた空冷用ノズル
3からの空気によつて、レール表面温度が200℃
になるまで空冷した。このときの復熱最高表面温
度は、330℃であつた。第2表に、冷却条件を示
す。
【表】
そして、この試験片からレール頭部を切り出
し、そのマクロ組織およびビツカース硬度を調べ
た。この結果、マクロ組織は微細パーライト組織
になつており、異常組織は認められなかつた。ま
た、ビツカース硬度分布の結果を第9図に示す。
第9図から明らかなように、レール頭部のビツカ
ース硬度は、ばらつきが小さく且つその値も十分
な耐摩耗性を有するものであることがわかる。 次に、C:0.78%,Si:0.56%,Mn:0.86%,
P:0.002%,S:0.007%,Cr:0.447%,V:
0.054%(以上重量%)を含有する圧延終了直後
の136ポンド/ヤードレールを、第8図Bに示す
水冷用ノズルを設けた水冷ゾーン(長さ14.4m)
および第8図Cに示す空冷用ノズルを設けた空冷
ゾーン(長さ15.6m)をそれぞれ7.2m/minの速
度で通過させ、水冷ゾーンにおいてレールをその
表面温度が560℃になるまで冷却し、続いて、空
冷ゾーンにおいて表面温度が300℃になるまで冷
却した。そして、比較のために、同種類のレール
を、水冷ゾーン(長さ30m)のみにて冷却し、レ
ール頭部上表面中央部の表面下20mmの、レール長
手方向のビツカース硬度分布を調べた。 この結果を第10図に示す。第10図から明ら
かなように、本発明法は比較法に比べて、レール
長手方向のビツカース硬度分布のばらつきが大幅
に小さいことがわかる。なお、水使用量は本発明
法で22m3/hr、比較法で38m3/hrである。また、
このときの空冷ゾーンにおける空気使用量は、
9800Nm2/hrであつた。これは、衝風冷却のみに
よる場合の空気使用量の約48%減である。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、レー
ル頭部を、例えば噴霧水のみによつて熱処理する
場合に比べて、均一冷却されるので硬度のばらつ
きが小さく、しかも、レール頭部を衝風冷却のみ
によつて熱処理する場合に比べて使用空気量が少
ないので、空気源設備が小型化でき、且つ、ラン
ニングコストも低減できる等種々の有用な効果が
もたらされる。
し、そのマクロ組織およびビツカース硬度を調べ
た。この結果、マクロ組織は微細パーライト組織
になつており、異常組織は認められなかつた。ま
た、ビツカース硬度分布の結果を第9図に示す。
第9図から明らかなように、レール頭部のビツカ
ース硬度は、ばらつきが小さく且つその値も十分
な耐摩耗性を有するものであることがわかる。 次に、C:0.78%,Si:0.56%,Mn:0.86%,
P:0.002%,S:0.007%,Cr:0.447%,V:
0.054%(以上重量%)を含有する圧延終了直後
の136ポンド/ヤードレールを、第8図Bに示す
水冷用ノズルを設けた水冷ゾーン(長さ14.4m)
および第8図Cに示す空冷用ノズルを設けた空冷
ゾーン(長さ15.6m)をそれぞれ7.2m/minの速
度で通過させ、水冷ゾーンにおいてレールをその
表面温度が560℃になるまで冷却し、続いて、空
冷ゾーンにおいて表面温度が300℃になるまで冷
却した。そして、比較のために、同種類のレール
を、水冷ゾーン(長さ30m)のみにて冷却し、レ
ール頭部上表面中央部の表面下20mmの、レール長
手方向のビツカース硬度分布を調べた。 この結果を第10図に示す。第10図から明ら
かなように、本発明法は比較法に比べて、レール
長手方向のビツカース硬度分布のばらつきが大幅
に小さいことがわかる。なお、水使用量は本発明
法で22m3/hr、比較法で38m3/hrである。また、
このときの空冷ゾーンにおける空気使用量は、
9800Nm2/hrであつた。これは、衝風冷却のみに
よる場合の空気使用量の約48%減である。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、レー
ル頭部を、例えば噴霧水のみによつて熱処理する
場合に比べて、均一冷却されるので硬度のばらつ
きが小さく、しかも、レール頭部を衝風冷却のみ
によつて熱処理する場合に比べて使用空気量が少
ないので、空気源設備が小型化でき、且つ、ラン
ニングコストも低減できる等種々の有用な効果が
もたらされる。
第1図は、恒温変態熱処理および連続冷却変態
熱処理における時間と温度との関係を示すグラ
フ、第2図は、水量密度をパラメーターとしたと
きの熱伝達係数と表面温度との関係を示すグラ
フ、第3図は、連続冷却変態熱処理の冷却速度と
金属組織および硬度との関係を示すグラフ、第4
図は、引張強さから換算した硬さおよび頭部下5
mmの強度と復熱温度との関係を示すグラフ、第5
図Aは、レール試験片の冷却方法を示す正面図、
同B図は、第5図AのA−A視図、第6図A〜C
は、復熱最高温度と冷却時間との関係を示すグラ
フ、第7図は、冷却速度をパラメーターとしたと
きの復熱最高温度と冷却停止時のレール表面温度
との関係を示すグラフ、第8図Aは、この発明の
冷却方法を示す正面図、同B図は、第8図AのA
−A視図、同C図は、第8図AのB−B視図、第
9図は、ビツカース硬度とレール表面からの距離
との関係を示すグラフ、第10図は、レール表面
下20mmのビツカース硬度とレール長手方向位置と
の関係を示すグラフである。 図面において、1……レール、2……水冷用ノ
ズル、3……空冷用ノズル。
熱処理における時間と温度との関係を示すグラ
フ、第2図は、水量密度をパラメーターとしたと
きの熱伝達係数と表面温度との関係を示すグラ
フ、第3図は、連続冷却変態熱処理の冷却速度と
金属組織および硬度との関係を示すグラフ、第4
図は、引張強さから換算した硬さおよび頭部下5
mmの強度と復熱温度との関係を示すグラフ、第5
図Aは、レール試験片の冷却方法を示す正面図、
同B図は、第5図AのA−A視図、第6図A〜C
は、復熱最高温度と冷却時間との関係を示すグラ
フ、第7図は、冷却速度をパラメーターとしたと
きの復熱最高温度と冷却停止時のレール表面温度
との関係を示すグラフ、第8図Aは、この発明の
冷却方法を示す正面図、同B図は、第8図AのA
−A視図、同C図は、第8図AのB−B視図、第
9図は、ビツカース硬度とレール表面からの距離
との関係を示すグラフ、第10図は、レール表面
下20mmのビツカース硬度とレール長手方向位置と
の関係を示すグラフである。 図面において、1……レール、2……水冷用ノ
ズル、3……空冷用ノズル。
Claims (1)
- 1 レール頭部に連続冷却変態熱処理を施して、
前記レール頭部の組織を微細パーライト組織にす
るに際して、前記レール頭部を噴霧水によつて冷
却し、続いて、前記レール頭部を衝風冷却し、そ
して、噴霧水による冷却から衝風冷却に切り替え
る温度を530℃以上、パーライト変態開始温度未
満の範囲内に限定することを特徴とする、レール
の熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12687887A JPS63293115A (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | レ−ルの熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12687887A JPS63293115A (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | レ−ルの熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63293115A JPS63293115A (ja) | 1988-11-30 |
JPH0433853B2 true JPH0433853B2 (ja) | 1992-06-04 |
Family
ID=14946082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12687887A Granted JPS63293115A (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | レ−ルの熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63293115A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2781608B1 (en) | 2013-03-22 | 2015-10-28 | Primetals Technologies Italy S.R.L. | System for thermal treatment of rails |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS613842A (ja) * | 1984-06-19 | 1986-01-09 | Nippon Steel Corp | 高強度レ−ルの製造法 |
JPS6289818A (ja) * | 1985-10-14 | 1987-04-24 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | レ−ルの熱処理方法 |
JPS62120429A (ja) * | 1985-11-18 | 1987-06-01 | Nippon Steel Corp | レ−ルの熱処理方法 |
-
1987
- 1987-05-26 JP JP12687887A patent/JPS63293115A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS613842A (ja) * | 1984-06-19 | 1986-01-09 | Nippon Steel Corp | 高強度レ−ルの製造法 |
JPS6289818A (ja) * | 1985-10-14 | 1987-04-24 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | レ−ルの熱処理方法 |
JPS62120429A (ja) * | 1985-11-18 | 1987-06-01 | Nippon Steel Corp | レ−ルの熱処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63293115A (ja) | 1988-11-30 |
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