JPH04337931A - ダイバーシチ受信方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は移動通信に利用する。特
に、複数の受信系を設けたダイバーシチ受信方式に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】移動通信では、周波数の利用効率を高め
るため、同一周波数を異なる基地局で繰り返して使用し
ている。この場合に、フェージングによって同一周波数
の干渉条件が大きく変化する問題がある。この問題を避
けるには、遠く離れた基地局で同一周波数を使用するよ
うにすればよい。しかし、それでは周波数利用効率が低
下してしまう。また、移動通信では送信波が多くの異な
る系を通って受信されるため、遅延スプレッドによる符
号間干渉が発生し、ディジタル伝送を行う場合には伝送
誤りが生じる。遅延スプレッドは、特に、山岳地のよう
に遠方から反射波がある場合に大きくなる。

【０００３】これらの問題を避けるため、従来から、複
数のアンテナのそれぞれの瞬時受信レベルを検出して比
較し、それぞれのアンテナ出力を重み付けして重ね合わ
せるか、または瞬時受信レベルの大きいアンテナ出力を
選択するダイバーシチ受信方式が用いられている。また
、アンテナに接続された受信系の復調出力を重み付けし
て重ね合わせるか、または瞬時受信レベルの大きい系の
復調出力を選択するダイバーシチ受信方式も知られてい
る。これらのダイバーシチ受信方式を用いることにより
、フェージングの影響を小さくでき、遅延スプレッドの
影響も軽減できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】小型化が重要な携帯機
では、複数のアンテナを携帯機の外に設けることは望ま
しくない。そこで、一つのアンテナを携帯機の外に出し
、もう一方のアンテナを携帯機内部に組み込むことが考
えられる。しかし、これではアンテナ利得が異なってし
まい、二つのアンテナの平均受信レベルが異なってしま
う。このような状態では、ダイバーシチによる改善効果
が低下してしまう。この理由は、片方のアンテナの受信
レベルがかなり低い極端な場合を考えればよく理解でき
る。すなわち、ほとんどの時間にわたり平均レベルの高
いアンテナ系での受信が行われ、ダイバーシチ受信しな
いとき、すなわち常に平均レベルの高いアンテナ系で受
信するときの伝送特性に近づいてしまう。

【０００５】本発明は、以上の課題を解決し、各アンテ
ナでの平均受信レベルが異なる場合でも十分なダイバー
シチ効果が得られるダイバーシチ受信方式を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のダイバーシチ受
信方式は、複数の無線受信手段と、この複数の無線受信
手段の各々の信号レベルを比較するレベル比較手段と、
このレベル比較手段の出力に基づいて複数の無線受信手
段の各々の出力から受信出力を決定する出力決定手段と
を備えたダイバーシチ受信方式において、複数の無線受
信手段からレベル比較手段に供給される各々の信号レベ
ルをその時間平均が互いに実質的に等しくなるように調
整するレベル調整手段を備え、レベル比較手段は時間平
均に要する時間より短い時間における信号レベルを比較
する構成であることを特徴とする。

【０００７】無線受信手段はアンテナおよび検波復調回
路を含むことができる。その場合にレベル比較手段は、
アンテナの出力または検波復調回路の出力のどちらを比
較してもよい。さらには、検波復調回路の内部の信号を
取り出して比較してもよい。ただし、比較点の前段でレ
ベルを調整し、少なくともレベル比較手段の入力におい
て、それぞれの信号レベルの時間平均が実質的に等しく
なるようにする。

【０００８】レベル調整手段は、レベル比較手段の入力
レベルを調整してもよく、無線受信手段そのものの利得
を制御してもよい。レベル比較手段の入力レベルを調整
する場合には、時間平均が互いに実質的に等しい信号は
レベル比較手段のみで用いられ、無線受信手段の利得そ
のものが調整されるわけではない。無線受信手段の利得
を調整する場合には、各々の無線受信手段の出力レベル
の時間平均も互いに実質的に等しくなる。

【０００９】出力決定手段は、複数の無線受信手段のい
ずれかの一つの出力を選択する構成でもよく、複数の無
線受信手段のいずれか二つ以上の出力を重みを付けて組
み合わせる構成でもよい。

【００１０】

【作用】移動通信の携帯機にダイバーシチ受信方式を適
用する場合には、そのアンテナの位置が近接しているの
で、平均希望波電力対干渉波電力比（平均ＳＩＲ）およ
び遅延スプレッドの大きさは全アンテナ系で実質的に等
しいと考えられる。そこで、二つの受信系の平均受信レ
ベルが実質的に等しくなるように各受信系の信号レベル
を調整し、その調整された受信レベルの瞬間的な大きさ
により復調出力を決定する。これにより、各アンテナで
の平均受信レベルが異なる場合でも、十分なダイバーシ
チ効果が得られる。

【００１１】移動通信の携帯機は通常は受信レベルが比
較的高い状態で使用されるので、通信品質の劣化を生じ
る原因は同一周波干渉や遅延スプレッドの影響が主であ
り、熱雑音の影響は無視できる。したがって、各受信系
の利得が異なって平均希望波電力対熱雑音電力比（平均
ＳＮＲ）が受信系毎に異なる場合でも、その影響は小さ
い。

【００１２】また、平均受信レベルが低すぎる場合には
熱雑音による誤りが支配的となる。このような状況で利
得制御を行うと熱雑音による誤りが増加して特性が逆に
劣化するので、少なくとも一方の受信系における平均受
信レベルがある値以下になったときには、利得制御を中
止することが望ましい。

【００１３】

【実施例】図１は本発明第一実施例のダイバーシチ受信
方式を示すブロック構成図である。ここでは、選択ダイ
バーシチを例に説明する。

【００１４】この実施例は、複数の無線受信手段として
アンテナ１、２および検波復調回路３、４を備え、この
検波復調回路３、４の各々の信号レベルを比較するレベ
ル比較手段としてレベル比較回路５を備え、このレベル
比較回路５の出力に基づいて検波復調回路３、４の各々
の出力から受信出力を決定する出力決定手段としてスイ
ッチ６を備える。

【００１５】ここで本実施例の特徴とするところは、検
波復調回路３、４からレベル比較回路５に供給される各
々の信号レベルをその時間平均が互いに実質的に等しく
なるように調整するレベル調整手段として時間平均回路
７、８、差動増幅器９、１０および可変利得増幅器１２
、１３を備え、レベル比較回路５は、時間平均に要する
時間より短い時間における信号レベルを比較することに
ある。差動増幅器９、１０には基準電源１１が供給され
る。

【００１６】アンテナ１の受信信号は可変利得増幅器１
２を介して検波復調回路３に供給され、アンテナ２の受
信信号は可変利得増幅器１３を介して検波復調回路４に
供給される。検波復調回路３、４は、それぞれ入力され
た受信信号を検波および復調してその復調データをスイ
ッチ６に出力すると共に、その受信信号の瞬時受信レベ
ルを測定してレベル比較回路５に出力する。レベル比較
回路５は、検波復調回路３、４からの瞬時受信レベルを
比較し、そのレベルの高い側の復調データを選択して出
力線１６から出力するようにスイッチ６を制御する。

【００１７】検波復調回路３、４の出力する瞬時受信レ
ベルはまた、それぞれ時間平均回路７、８に供給される
。時間平均回路７、８は例えば時定数の長い低域通過フ
ィルタで構成され、瞬時受信レベルの時間平均を求める
。時間平均回路７、８の出力はそれぞれ差動増幅器９、
１０に供給される。差動増幅器９、１０は、基準電源１
１からの値と瞬時時間レベルの時間平均との差を求め、
その値によりそれぞれ対応する可変利得増幅器１２、１
３の利得を制御する。この制御により、検波復調回路３
、４に入力される信号の時間平均レベルが等しくなる。

【００１８】例えば、アンテナ１に接続された受信系と
アンテナ２に接続された受信系との平均受信レベルがそ
れぞれｘｄＢ、ｙｄＢであり、ｘ＞ｙであるとき、可変
利得増幅器１２の利得を〔ｘ−ｙ〕ｄＢだけ低くする。 こうして二つの平均信号レベルが実質的に一致した後、
レベル比較回路５により、瞬時受信レベルの大きい側の
復調データを選択するようにスイッチ６を制御する。

【００１９】図２は本発明第二実施例のダイバーシチ受
信方式を示すブロック構成図である。

【００２０】この実施例は、レベル調整を検波復調回路
３、４の入力で行うのではなく、レベル比較回路５の入
力だけで行うことが第一実施例と異なる。すなわち、ア
ンテナ１、２の受信信号は直接にそれぞれ検波復調回路
３、４に供給され、検波復調回路３、４によりそれぞれ
測定された瞬時受信レベルは、それぞれ可変利得増幅器
１４、１５を介して時間平均回路７、８およびレベル比
較回路５に供給される。時間平均回路７、８の出力はそ
れぞれ差動増幅器９、１０に供給され、差動増幅器９、
１０の出力により、可変利得増幅器１４、１５の利得が
それぞれ制御される。検波復調回路３、４の測定した瞬
時受信レベルは、平均受信レベルが見かけ上は互いに等
しくなるように補正されて、レベル比較回路５に供給さ
れる。レベル比較回路５は、この補正された瞬時受信レ
ベルの値に基づいてダイバーシチ動作を実行する。

【００２１】例えば、アンテナ１に接続された受信系と
アンテナ２に接続された受信系との平均受信レベルがそ
れぞれｘｄＢ、ｙｄＢであり、ｘ＞ｙであるとき、可変
利得増幅器１５の利得を〔ｘ−ｙ〕ｄＢだけ低くする。 これがレベル比較回路５に供給され、レベル比較回路５
は、補正された瞬時受信レベルの値に基づいて、瞬時受
信レベルの大きい側の復調データを選択するようにスイ
ッチ６を制御する。

【００２２】以上説明した実施例は移動通信の携帯機に
適するものである。移動通信の携帯機は、通常は受信レ
ベルが比較的高い状態で使用される。しかし、平均受信
レベルが低すぎる場合には熱雑音による誤りが支配的と
なり、そのような状況でレベル調整を行うと熱雑音によ
る誤りが増加して特性が逆に劣化する。そのような場合
でも携帯機を使用するのであれば、少なくとも一方の受
信系における平均受信レベルがある値以下になったとき
にはレベル調整を中止すればよい。

【００２３】図３は平均ＳＮＲに対する平均誤り率の実
測結果を示す。この図は平均ＳＩＲが２４ｄＢのときの
π／４シフトＱＰＳＫ信号伝送における結果であり、二
つのアンテナの平均受信レベルｘｄＢ、ｙｄＢが等しい
とき、およびｘ−ｙ＝６ｄＢと異なるときの測定結果を
実線で示し、第一実施例によるレベル調整を行った場合
の測定結果を破線で示す。

【００２４】平均ＳＮＲが大きくなると平均誤り率も低
下するが、平均ＳＮＲがある程度以上に大きくなると、
平均誤り率の低下は鈍化する。これは、同一周波干渉の
影響である。また、受信レベル差があると、ダイバーシ
チによる改善効果が低下してしまう。このような受信レ
ベル差がある場合に、平均ＳＮＲが大きければ、レベル
調整により誤り率を減らすことができる。

【００２５】しかし、レベル調整を固定的に行っている
と、受信レベルが低くなって熱雑音による誤りが支配的
になったときに、誤り率が逆に大きくなってしまう。そ
の場合には、平均受信レベルが低いときにレベル調整を
停止するような適応的な制御を行う。すなわち、平均Ｓ
ＮＲの小さいときにはｘ−ｙ＝６ｄＢの特性、平均ＳＮ
Ｒが大きいときにはレベル調整による特性となるように
、適応的に制御を行えばよい。

【００２６】以上の説明では、検波復調回路３、４によ
り測定された瞬時受信レベルを比較してダイバーシチを
行う場合について説明したが、複数の受信系のどの部分
の信号を用いても本発明を同様に実施できる。また、一
つの受信系を選択するダイバーシチを例に説明したが、
複数の受信系により得られた復調信号を重みを付けて重
ね合わせる場合も本発明を同様に実施できる。また、レ
ベル調整をアナログ回路ではなくディジタル回路で行っ
ても本発明を同様に実施できる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイバー
シチ受信方式は、平均受信レベルがアンテナ毎に異なる
場合でも、同一周波干渉に対するダイバーシチ効果の低
下がない。このため、同一周波数を繰り返して使用でき
る距離を平均受信レベルが等しいときと同等に設定でき
る。また、遅延スプレッドの影響についても、平均受信
レベルが等しいときと同じ程度に低減できるので、山岳
地などのように遅延スプレッドが大きい場所においても
、ダイバーシチ付きの携帯機を使用できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明第一実施例のダイバーシチ受信方式を示
すブロック構成図。

【図２】本発明第二実施例のダイバーシチ受信方式を示
すブロック構成図。

【図３】平均ＳＮＲに対する平均誤り率の実測結果を示
す図。

【符号の説明】

１、２　　アンテナ ３、４　　検波復調回路 ５　　レベル比較回路 ６　　スイッチ ７、８　　時間平均回路 ９、１０　　差動増幅器 １１　　基準電源 １２〜１５　　可変利得増幅器 １６　　出力線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数の無線受信手段と、この複数の無
   線受信手段の各々の信号レベルを比較するレベル比較手
   段と、このレベル比較手段の出力に基づいて前記複数の
   無線受信手段の各々の出力から受信出力を決定する出力
   決定手段とを備えたダイバーシチ受信方式において、前
   記複数の無線受信手段から前記レベル比較手段に供給さ
   れる各々の信号レベルをその時間平均が互いに実質的に
   等しくなるように調整するレベル調整手段を備え、前記
   レベル比較手段は、前記時間平均に要する時間より短い
   時間における信号レベルを比較する構成であることを特
   徴とするダイバーシチ受信方式。