JPH04337533A - 光情報記録媒体及びその記録、再生方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体に関し
、光テープ、光プロッピーディスク等に利用できるもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、光情報記録媒体として下記のもの
が提案されていた。 １．孔あけ型光記録媒体 低融点金属薄膜を用いるもの及び高反射率有機色素薄膜
を用いるものが実用化されている。しかし、この種の記
録媒体はエアーサンドイッチ構造にしないと感度及びＣ
／Ｎの低下が大きく、ディスクの薄膜化がむずかしく、
単板構造にしたり、光フロッピーディスクに応用するこ
とが困難であった。

【０００３】２．相変化型光記録媒体 結晶−アモルファスの相転移に伴う反射率変化を利用す
るので単板化が可能である。しかし保存安定性が悪く、
製造条件が難かしく、コストが高くなるのが欠点であっ
た。

【０００４】３．光学異性体を積層した記録媒体それぞ
れ別々の光学異性体からなる二層の記録層を積層した記
録媒体が提案された。しかし、レーザ光を照射したとき
第１層による光の吸収のために第２層に到達する光量が
少なく、感度も上昇せず、両層を充分に溶融、混合でき
ない。更に、反射率も小さく、再生の際のコントラスト
も小さいという欠点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、孔を形成せ
ずに記録可能で、単板化（密着貼合せ構造）が可能な光
情報記録媒体の提供、及び記録感度、Ｃ／Ｎの向上した
記録、再生方法を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載されたとおり
の光情報記録媒体及びその記録、再生方法である。すな
わち、基板に隣接する第１記録層を、記録再生用レーザ
ー発振波長近傍に反射ピークを有する一方の光学異性体
（旋光性又は円二色性を有する光学活性物質が、その不
整立体配置により、左、右円偏光に対する吸収係数が異
なり、一方の光学異性体はいずれか一方の円偏光に吸収
を持つ）で形成し、第２記録層を上記波長近傍に吸収ピ
ークを有する他方の光学異性体により形成することによ
り目的が達成される。

【０００７】通常、材料の反射ピークは、その吸収スペ
クトルの長波長側の吸収端近傍にある。したがって、第
１記録層を上記説明のように形成することにより基板側
からの反射率が高くなり、かつ、第２記録層へのレーザ
光透過率も高くなる。

【０００８】一方、第２記録層は、レーザ波長近傍に吸
収ピークを有するため、発熱効率が高く、記録層全体と
しては感度が向上し、かつ、反射率も向上する。

【０００９】図１は本発明の記録媒体の一例の構成を示
す断面の模式図である。基体１の上に第１記録層２、第
２記録層３、保護層４を有するものである。そして、第
１記録層２が例えば右円偏光に吸収を有する光学異性体
とすると第２記録層３は左円偏光に吸収を有する光学異
性体である。

【００１０】図２は上記記録媒体にレーザ光を照射した
時の各層の状態を示す断面の模式図である。レーザ光を
照射された箇所５では第１記録層２と第２記録層３とが
溶融混合し、この部分だけ記録層がラセミ化した物質に
なり、光学活性がなくなる。これが記録ピットになる。 表１に再生方法を示す。再生は基板側から光を照射した
ものである。再生光として直線偏光を用いる。記録部は
ラミセ化されているため、反射光も直線偏光となる。

【００１１】一方未記録部では、その反射光量は、基板
と第１記録層との界面からの反射光量の寄与が大きく、
若干第２記録層からの反射光の寄与が含まれる。したが
って、第１記録層の反射光である左円偏光成分が大きい
だ円偏として観測される。この記録部と非記録部両者の
差を検知することにより、情報を再生できる。保護層側
から記録、再生する場合は、記録層構成の順序を逆にす
ればよい。

【００１２】

【表１】

【００１３】次に、本発明の光情報記録媒体を構成する
材料および各層の必要特性について具体的に説明する。

【００１４】（１）基板 基板の必要特性としては基板側より記録再生を行う場合
のみ使用レーザー光に対して透明でなければならず、記
録側から行う場合は透明である必要はない。基板材料と
しては例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド
、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチッ
ク、ガラス、セラミックあるいは金属などを用いること
ができる。

【００１５】なお基板の表面には、トラッキング用の案
内溝や、案内ピットさらにアドレス信号などのプレフォ
ーマットが形成されていてもよい。

【００１６】（２）下引き層 下引き層は（ａ）接着性の向上、（ｂ）水又はガスなど
のバリヤー、（ｃ）記録層の保存安定性の向上および（
ｄ）反射率の向上、（ｅ）溶剤からの基板の保護、（ｆ
）案内溝、案内ピット、プリフォーマットの形成などを
目的として使用される。（ａ）の目的に対して高分子材
料例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ピニル系
樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムな
どの種々の高分子物質及びシランカップリング剤などを
用いることができ、（ｂ）及び（ｃ）の目的に対しては
上記高分子材料以外に無機化合物例えば、ＢｉＯ２、Ｍ
ｇＦ２、ＳｉＯ、ＴｉＯ２、ＺｎＯ、ＴｉＮ、ＳｉＮな
ど、金属または半金属例えばＺｎ、Ｃｕ、Ｓ、Ｎｉ、Ｃ
ｒ、Ｇｅ、Ｓｅ、Ａｕ、Ａｇ、Ａｌなどを用いることが
できる。また、（ｄ）の目的に対しては金属、例えば、
Ａｌ、Ａｇ、Ｔｅ等や、金属光沢を有する有機薄膜、例
えば、メチン染料、キサンテン系染料等を用いることが
でき、（ｅ）及び（ｆ）の目的に対しては、紫外線硬化
樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができ
る。

【００１７】（３）記録層 記録材としては、円２色性を示す金属錯体及び色素それ
に円２色性をより効果的に発現させるために他の光学活
性ポリマーや、光学活性のある低分子化合物を添加させ
てもよい。

【００１８】（金属錯体）

【表２】 （＋），（−）はＮａＤ線での施光能の符号を示す。

【００１９】配位子の略号 ｅｎ：エチレンジアミン、ｔｎ：１，３−プロパンジア
ミン、ｔｍｄ：１，４−ブタンジアミン、ｏｘ：シュウ
酸イオン、ｍａｌ：マロン酸イオン、Ｓ−ａｌａ：（Ｓ
）−アラニナートイオン、ｐｈｅｎ：１，１０−フェナ
ントロリン、（円２色性色素）

【００２０】

【化１】

【００２１】

【化２】

【００２２】

【化３】

【００２３】

【化４】

【００２４】（光学活性ポリマー）具体例としては、β
−ベンジル−Ｌ−アスパラギン酸、β−メチル−Ｌ−ア
スパラギン酸、γ−エチル−Ｌ−またはＤ−グルタミン
酸、γ−ベンシセ−Ｌ−またはＤ−グルタミン酸、Ｌ−
アラニン、Ｌ−パリン、Ｌ−ロイシン、Ｄ又はＬ−リジ
ンおよびその誘導体等の光学活性α−アミノ酸から形成
される光学活性ポリα−アミノ酸）重合体および共重合
体が挙げられる。また、その他、ポリ（Ｌ−プロピレン
オキシド）、ポリ（Ｄ−プロピレンオキシド）、ポリ（
Ｌ−乳酸）、ポリ（Ｄ−乳酸）等が挙げられる。特に、
ポリ（β−ベンジル−Ｌ−アスパラギン酸）等のポリ（
β−Ｌ−アスパラギン酸）αβ−エステル類、ポリ（γ
−エチル−Ｌ−グルタメート）、ポリ（γ−ベンジル−
Ｌ−グルタメ−ト）等のポリ（Ｌ−グルタミン酸）のγ
−エステル類は色素に対する誘起効果、および立体配座
の変化のしやすさの上から特に好ましい。

【００２５】（４）保護層 保護層は記録層を、傷、ホコリ、汚れ等から保護すると
供に、記録層が孔を形成することなく、溶融、混合させ
るためにも必要。材料は下引層で用いたものが同様に使
用できる。

【００２６】本発明において、前記下引き層及び保護層
には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤
、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させ
ることができる。さらに、下引き層や保護層に対しても
、本発明による化合物を含有させることができる。

【００２７】

【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。 実施例１ 厚さ１．２ｍｍ、直径１３０ｍｍのＰＭＭＡ製の円板上
に、フォトポリマーを用いて、深さ７００Å、半値幅０
．４μｍ、ピッチ１．６μｍの案内溝を設けたものを基
板として用いた。この基板の上に第１記録層として、下
記（化５）で示す化合物とポリ（γ−ベンジル）−Ｌグ
ルタメートの５／１（重量比）を１．２ジクロルエタン
／アセトニトリルの１／１の混合溶媒に溶解させた溶液
を用い、スピンコート法によって厚さ１０００Åの第１
記録層を形成した。

【００２８】

【化５】 （−）−［Ｃｏ（ＯＸ）３］・［Ｎ（Ｂｕ）４］３　　
上記第１記録層の上に、下記（化６）で示す化合物と（
化７）で示す化合物の１０／１（重量比）混合物とポリ
ビニルアルコールの５／１（重量比）水溶液を塗布し１
８００Åの第２記録層を形成した。

【００２９】

【化６】 （＋）−［Ｃｏ（ＯＸ）３］・［Ｎ（Ｂｕ）４］３　　

【００３０】

【化７】

【００３１】上記第２記録層の上に石油樹脂のヘキサン
溶液で保護層３μｍを設け、記録体とした。

【００３２】この記録体を下記の条件で記録、再生試験
をした。 記録条件 記録波長　　　　　　６３３ｎｍ（Ｈｅ−Ｎｅレーザ）
記録周波数　　　　０．５ＭＨｚ 線速　　　　　　　　　　１ｍ／ｓｅｃ再生条件 再生波長　　　　　　６３３ｎｍ（Ｈｅ−Ｎｅレーザ）
直線偏光検光子によるだ円率で測定し、読出し、スペク
トル解析し、Ｃ／Ｎを測定した。

【００３３】実施例２ 実施例１の第１記録層に替えて、下記（化８）で示され
る化合物の１，２ジクロルエタン溶液を用いて厚さ８０
０Åの第１記録層を形成した。

【００３４】

【化８】

【００３５】第２記録層として下記（化９）で示される
化合物のアルコール溶液で厚さ１２００Åの第２記録層
を形成した。

【００３６】

【化９】

【００３７】記録及び再生レーザとして７８０ｎｍの半
導体レーザを用いた以外は実施例１と同じ条件で試験を
した。

【００３８】比較例１ 実施例１における第２記録層として（化９）のみのもの
を形成した以外は、実施例１と同じ条件で記録媒体を作
製した。上記実施例及び比較例の結果を下記表３に示す
。

【００３９】

【表３】

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録媒体
は単板化、薄膜化が可能で記録感度及びＣ／Ｎが向上し
ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光情報記録媒体の構造を示す断面の模
式図、

【図２】本発明の光情報記録媒体を用いてレーザ光で記
録する際の変化を示す説明図、

【符号の説明】

１　　基体 ２　　第１記録層 ３　　第２記録層 ４　　保護層 ５　　記録ピット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　基板上に直接又は下引き層を介して、
   順に、記録層、保護層を有する光情報記録媒体において
   、その記録層が二層からなり、それぞれの層が記録再生
   レーザ発振波長近傍に反射ピーク及び吸収ピークを有す
   る互に異なった型の光学異性体を主成分とすることを特
   徴とする光情報記録媒体。
2. 【請求項２】　　請求項１記載の記録媒体に、レーザ光
   を照射し、第１及び第２記録層を溶融、混合し、ラセミ
   化することによりピットを形成し、その情報を旋光性又
   は円二色性の変化により検出することを特徴とする記録
   、再生方法。