JPH04335583A - 平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子 - Google Patents
平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子Info
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- JPH04335583A JPH04335583A JP3105638A JP10563891A JPH04335583A JP H04335583 A JPH04335583 A JP H04335583A JP 3105638 A JP3105638 A JP 3105638A JP 10563891 A JP10563891 A JP 10563891A JP H04335583 A JPH04335583 A JP H04335583A
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Landscapes
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SQUID(超電導量
子干渉デバイス)や論理回路等に用いられる平面型マイ
クロブリッジジョセフソン接合素子に関する。
子干渉デバイス)や論理回路等に用いられる平面型マイ
クロブリッジジョセフソン接合素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン接合が有する超高速性、低
消費電力性は、SQUIDや超大型コンピュ−タ−の論
理回路や記憶素子への応用に期待がもてる。また、最近
発見された高温超電導体は、液体窒素による簡便な冷却
で充分なため、大きなメリットがある。
消費電力性は、SQUIDや超大型コンピュ−タ−の論
理回路や記憶素子への応用に期待がもてる。また、最近
発見された高温超電導体は、液体窒素による簡便な冷却
で充分なため、大きなメリットがある。
【0003】しかし、そのようなジョセフソン接合素子
において、高感度性、超高速性、良好なS/N比等の特
性を維持するためには、ジョセフソン接合の特性を良好
に維持しなければならない。特に、多数のジョセフソン
接合をアレイ状に接続する形態の素子においては、多数
のジョセフソン接合の特性をそろえることが、素子製造
上必要である。上述の各デバイスに使用されるジョセフ
ソン接合素子には、次の3つの型がある。 1.マイクロブリッジ型 2.ポイントコンタクト型 3.SIS積層型
において、高感度性、超高速性、良好なS/N比等の特
性を維持するためには、ジョセフソン接合の特性を良好
に維持しなければならない。特に、多数のジョセフソン
接合をアレイ状に接続する形態の素子においては、多数
のジョセフソン接合の特性をそろえることが、素子製造
上必要である。上述の各デバイスに使用されるジョセフ
ソン接合素子には、次の3つの型がある。 1.マイクロブリッジ型 2.ポイントコンタクト型 3.SIS積層型
【0004】これらのジョセフソン接合素子のうち、マ
イクロブリッジ型は、いわゆる弱結合型のジョセフソン
接合を有し、SIS積層型はトンネル型ジョセフソン接
合を有する。また、ポイントコンタクト型は、接触部に
絶縁体が介在するか否かで、トンネル型か弱結合型とな
る。
イクロブリッジ型は、いわゆる弱結合型のジョセフソン
接合を有し、SIS積層型はトンネル型ジョセフソン接
合を有する。また、ポイントコンタクト型は、接触部に
絶縁体が介在するか否かで、トンネル型か弱結合型とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した各型のジ
ョセフソン接合素子のうち、素子の歩留り、特性のバラ
ツキを抑えるという点では、薄膜の堆積のみで形成可能
なSIS積層型が有利である。しかし、SIS積層型の
特性は、用いる超電導体材料、トンネルバリア層材料、
それらの相性、積層化技術に大きく依存する。従って、
通常、Nb−AlOX −Nb、Pb−PbO−Pb等
により作成されているが、積層する超電導体が酸化物高
温超電導体である場合には、次の理由により特性の安定
したSIS積層型ジョセフソン接合を得ることは困難で
ある。 1.高温熱処理等による表面の平坦性の悪化2.特定の
基板上にしか結晶成長しない3.コヒ−レンス長が数1
0オングストロ−ムと短い
ョセフソン接合素子のうち、素子の歩留り、特性のバラ
ツキを抑えるという点では、薄膜の堆積のみで形成可能
なSIS積層型が有利である。しかし、SIS積層型の
特性は、用いる超電導体材料、トンネルバリア層材料、
それらの相性、積層化技術に大きく依存する。従って、
通常、Nb−AlOX −Nb、Pb−PbO−Pb等
により作成されているが、積層する超電導体が酸化物高
温超電導体である場合には、次の理由により特性の安定
したSIS積層型ジョセフソン接合を得ることは困難で
ある。 1.高温熱処理等による表面の平坦性の悪化2.特定の
基板上にしか結晶成長しない3.コヒ−レンス長が数1
0オングストロ−ムと短い
【0006】一方、液体ヘリ
ウムによる冷却を必要としない酸化物高温超電導体をジ
ョセフソン接合に用いることは、素子の小型化、安定性
、操作の簡便性の点から非常に大きな利点であり、これ
らの理由によりジョセフソン接合素子の型としては、ポ
イントコンタクト型かマイクロブリッジ型を用いること
になる。しかし、ポイントコンタクト型は、素子の集積
化が困難であるばかりでなく、接合面積の制御も極めて
困難である。
ウムによる冷却を必要としない酸化物高温超電導体をジ
ョセフソン接合に用いることは、素子の小型化、安定性
、操作の簡便性の点から非常に大きな利点であり、これ
らの理由によりジョセフソン接合素子の型としては、ポ
イントコンタクト型かマイクロブリッジ型を用いること
になる。しかし、ポイントコンタクト型は、素子の集積
化が困難であるばかりでなく、接合面積の制御も極めて
困難である。
【0007】また、マイクロブリッジ型ジョセフソン接
合素子は、製造工程が単純であり、製造し易いという利
点があるものの、ブリッジ部のリンク長は理論上数10
オングストロ−ム程度でなければならず、そのような微
細なパタ−ニングは不可能である。実際に、Y1 Ba
2 Cu3 O7−X 等の酸化物高温超電導体を用い
たマイクロブリッジ型ジョセフソン接合素子では、リン
ク長が4〜20μmあり、上述の理論値よりはるかに大
きく、粒界による弱結合が形成されているものと考えら
れる。
合素子は、製造工程が単純であり、製造し易いという利
点があるものの、ブリッジ部のリンク長は理論上数10
オングストロ−ム程度でなければならず、そのような微
細なパタ−ニングは不可能である。実際に、Y1 Ba
2 Cu3 O7−X 等の酸化物高温超電導体を用い
たマイクロブリッジ型ジョセフソン接合素子では、リン
ク長が4〜20μmあり、上述の理論値よりはるかに大
きく、粒界による弱結合が形成されているものと考えら
れる。
【0008】従って、素子の電流−電圧特性をそろえる
ためには、粒界の大きさ、数等を制御しなければならず
、このようなことは従来のマイクロブリッジ型ジョセフ
ソン接合では不可能であった。以上のように、特性のそ
ろったジョセフソン接合を多数製造することは、これま
で非常に困難であった。本発明は、上記事情の下になさ
れ、安定した特性のジョセフソン接合を有する平面型マ
イクロブリッジジョセフソン接合素子を提供することを
目的とする。
ためには、粒界の大きさ、数等を制御しなければならず
、このようなことは従来のマイクロブリッジ型ジョセフ
ソン接合では不可能であった。以上のように、特性のそ
ろったジョセフソン接合を多数製造することは、これま
で非常に困難であった。本発明は、上記事情の下になさ
れ、安定した特性のジョセフソン接合を有する平面型マ
イクロブリッジジョセフソン接合素子を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によると、基板と
、この基板の上に形成されたマイクロブリッジ部を有す
る酸化物高温超電導体層と、この超電導体層の上に形成
された電極とを具備し、前記超電導体層の少なくともマ
イクロブリッジ部がオフアクシャル基板上に形成されて
いることを特徴とする平面型マイクロブリッジジョセフ
ソン接合素子が提供される。
、この基板の上に形成されたマイクロブリッジ部を有す
る酸化物高温超電導体層と、この超電導体層の上に形成
された電極とを具備し、前記超電導体層の少なくともマ
イクロブリッジ部がオフアクシャル基板上に形成されて
いることを特徴とする平面型マイクロブリッジジョセフ
ソン接合素子が提供される。
【0010】本発明に用いられるオフアクシャル基板で
は、図1に示すように、結晶方位の方向aが基板面に垂
直な方向bに対し、角度θだけ傾斜している。この角度
θは1〜20°であることが望ましい。このようなオフ
アクシスの傾きが1°未満では、図2に示す基板のステ
ップの段差が小さくなり、この基板上に酸化物超電導体
を成長させると、酸化物超電導体が段差を乗り越えて成
長してしまい、ステップのテラス幅cによる粒径の制御
が困難となる。一方、20°を越えるオフアクシス勾配
を基板に与えると、基板のステップの段差が大きくなり
過ぎて、この部分に生ずる粒界の接合特性が著しく劣化
し、実用に耐える接合が得にくくなる。
は、図1に示すように、結晶方位の方向aが基板面に垂
直な方向bに対し、角度θだけ傾斜している。この角度
θは1〜20°であることが望ましい。このようなオフ
アクシスの傾きが1°未満では、図2に示す基板のステ
ップの段差が小さくなり、この基板上に酸化物超電導体
を成長させると、酸化物超電導体が段差を乗り越えて成
長してしまい、ステップのテラス幅cによる粒径の制御
が困難となる。一方、20°を越えるオフアクシス勾配
を基板に与えると、基板のステップの段差が大きくなり
過ぎて、この部分に生ずる粒界の接合特性が著しく劣化
し、実用に耐える接合が得にくくなる。
【0011】本発明の平面型マイクロブリッジジョセフ
ソン接合素子では、マイクロブリッジ部の向きとオフア
クシャル基板のオフ方向において、基板面に垂直な方向
と結晶方位の方向のいずれにも垂直な方向、即ちオフア
クシャル基板上のステップエッジは、マイクロブリッジ
部を横切ることが望ましい。横切らない場合には、マイ
クロブリッジ部を流れる超電導電流が、ステップのテラ
スの幅により決まる粒界での接合を流れず、ステップに
平行な方向に生ずる粒界による接合を流れ、この影響が
大きくなり、マイクロブリッジジョセフソン接合を制御
出来なくなるからである。
ソン接合素子では、マイクロブリッジ部の向きとオフア
クシャル基板のオフ方向において、基板面に垂直な方向
と結晶方位の方向のいずれにも垂直な方向、即ちオフア
クシャル基板上のステップエッジは、マイクロブリッジ
部を横切ることが望ましい。横切らない場合には、マイ
クロブリッジ部を流れる超電導電流が、ステップのテラ
スの幅により決まる粒界での接合を流れず、ステップに
平行な方向に生ずる粒界による接合を流れ、この影響が
大きくなり、マイクロブリッジジョセフソン接合を制御
出来なくなるからである。
【0012】なお、オフアクシャル基板上のステップエ
ッジは、マイクロブリッジ部と必ずしも直角に横切る必
要はなく、図3に示すように、マイクロブリッジ部の幅
をW、長さをLとしたとき、tan−1(W/L)<α
≦90°の角度αで横切っていればよい。
ッジは、マイクロブリッジ部と必ずしも直角に横切る必
要はなく、図3に示すように、マイクロブリッジ部の幅
をW、長さをLとしたとき、tan−1(W/L)<α
≦90°の角度αで横切っていればよい。
【0013】オフアクシャル基板としては、超電導体の
格子定数に近似する格子定数を有する単結晶基板を用い
ることが出来る。そのような単結晶基板として、例えば
MgO、SrTiO3 、LaAlO3 などの基板を
挙げることが出来る。
格子定数に近似する格子定数を有する単結晶基板を用い
ることが出来る。そのような単結晶基板として、例えば
MgO、SrTiO3 、LaAlO3 などの基板を
挙げることが出来る。
【0014】本発明の超電導素子に使用可能な超電導体
材料としてはY1 Ba2 Cu3 O7−X 、及び
この複合酸化物のYをHo、Er等のランタニド元素で
置換した組成を有する複合酸化物が挙げられる。また、
他の例としては、Tl2 Ba2 Ca1 Cu2 O
x 、Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 O10−y、
Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 Ox 、Bi2 S
r2 Ca2 Cu3 O10−y、及びこれらの複合
酸化物にPbを添加したものを挙げることが出来る。
材料としてはY1 Ba2 Cu3 O7−X 、及び
この複合酸化物のYをHo、Er等のランタニド元素で
置換した組成を有する複合酸化物が挙げられる。また、
他の例としては、Tl2 Ba2 Ca1 Cu2 O
x 、Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 O10−y、
Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 Ox 、Bi2 S
r2 Ca2 Cu3 O10−y、及びこれらの複合
酸化物にPbを添加したものを挙げることが出来る。
【0015】
【作用】本発明者らの研究によると、単結晶基板上の酸
化物高温超電導体薄膜の成長機構は、キンク(kink
)成長によるものであることがわかった。即ち、本発明
者らは、単結晶基板上の酸化物高温超電導体薄膜の成長
は、単結晶基板上のステップエッジを成長の核としたテ
ラス上への2次元成長と島状の3次元成長の混合成長で
あることを見出だした。そこでこの成長機構を利用する
ことにより、酸化物高温超電導体の平面型マイクロブリ
ッジ・ジョセフソン接合素子を得るに至った。
化物高温超電導体薄膜の成長機構は、キンク(kink
)成長によるものであることがわかった。即ち、本発明
者らは、単結晶基板上の酸化物高温超電導体薄膜の成長
は、単結晶基板上のステップエッジを成長の核としたテ
ラス上への2次元成長と島状の3次元成長の混合成長で
あることを見出だした。そこでこの成長機構を利用する
ことにより、酸化物高温超電導体の平面型マイクロブリ
ッジ・ジョセフソン接合素子を得るに至った。
【0016】ところで、特性の安定したジョセフソン素
子を得るためには、即ちジョセフソン接合の電流−電圧
特性をそろえるためには、粒界の大きさ、数を制御する
必要がある。そこで、単結晶基板として、オフアクシャ
ルなものを使用すると、特定の方向・特定のテラス幅、
特定の段差を有するステップを基板に与えることが出来
る。この基板上に成膜した酸化物高温超電導体の粒界の
特性をステップの段差により、粒界の大きさをステップ
のテラス幅により、粒界の数をステップとマイクロブリ
ッジの角度とテラスの幅により制御することが可能であ
る。このように、本発明では、単結晶基板の結晶方位を
基板面に垂直は方向から傾斜させることにより、上述の
問題点を解決している。
子を得るためには、即ちジョセフソン接合の電流−電圧
特性をそろえるためには、粒界の大きさ、数を制御する
必要がある。そこで、単結晶基板として、オフアクシャ
ルなものを使用すると、特定の方向・特定のテラス幅、
特定の段差を有するステップを基板に与えることが出来
る。この基板上に成膜した酸化物高温超電導体の粒界の
特性をステップの段差により、粒界の大きさをステップ
のテラス幅により、粒界の数をステップとマイクロブリ
ッジの角度とテラスの幅により制御することが可能であ
る。このように、本発明では、単結晶基板の結晶方位を
基板面に垂直は方向から傾斜させることにより、上述の
問題点を解決している。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0018】なお、以下に示す実施例では、酸化物高温
超電導体材料としてY1 Ba2 Cu3 O7−X
を、オフアクシャル基板として(100)SrTiO3
単結晶基板を用いた。しかし、本発明はこれに限らず
、プロセス上作製可能であれば他の材料によっても、ジ
ョセフソン接合の電流−電圧特性を制御する効果を得る
ことが出来ることは明らかである。 実施例1
超電導体材料としてY1 Ba2 Cu3 O7−X
を、オフアクシャル基板として(100)SrTiO3
単結晶基板を用いた。しかし、本発明はこれに限らず
、プロセス上作製可能であれば他の材料によっても、ジ
ョセフソン接合の電流−電圧特性を制御する効果を得る
ことが出来ることは明らかである。 実施例1
【0019】図4(a)は、平面型マイクロブリッジジ
ョセフソン接合素子の斜視図、図4(b)はその平面図
である。なお、見易くするため、マイクロブリッジ部と
電極部の縮尺は異なって描かれている。
ョセフソン接合素子の斜視図、図4(b)はその平面図
である。なお、見易くするため、マイクロブリッジ部と
電極部の縮尺は異なって描かれている。
【0020】まず、(100)SrTiO3 単結晶基
板を(011)方向に4°傾斜させた、オフアクシャル
基板1上に、Y1 Ba2Cu3 O7−X からなる
酸化物高温超電導体を、多元電子ビ−ム蒸着法により、
厚さ0.5μm成膜した。この時、基板温度を650℃
、成膜中における基板近傍の雰囲気を圧力5mTorr
のO2 雰囲気とし、Y、Ba、Cuの各元素がY:B
a:Cu=1:2:3のモル比となるように、水晶振動
式の膜厚モニタにより堆積速度を制御し、成膜を行なっ
た。形成した超電導膜2の臨界温度は85Kであった。
板を(011)方向に4°傾斜させた、オフアクシャル
基板1上に、Y1 Ba2Cu3 O7−X からなる
酸化物高温超電導体を、多元電子ビ−ム蒸着法により、
厚さ0.5μm成膜した。この時、基板温度を650℃
、成膜中における基板近傍の雰囲気を圧力5mTorr
のO2 雰囲気とし、Y、Ba、Cuの各元素がY:B
a:Cu=1:2:3のモル比となるように、水晶振動
式の膜厚モニタにより堆積速度を制御し、成膜を行なっ
た。形成した超電導膜2の臨界温度は85Kであった。
【0021】得られた膜2を、SF6 ガスを用いたR
IBE(反応性イオンビ−ムエッチング)法を用いて、
マイクロブリッジ部3を有する型にパタ−ニングし、次
いで超電導体層2の上部にAuの蒸着による電極4を4
ケ所形成し、平面型マイクロブリッジジョセフソン接合
素子を得た。この素子におけるブリッジ幅は4μmであ
った。
IBE(反応性イオンビ−ムエッチング)法を用いて、
マイクロブリッジ部3を有する型にパタ−ニングし、次
いで超電導体層2の上部にAuの蒸着による電極4を4
ケ所形成し、平面型マイクロブリッジジョセフソン接合
素子を得た。この素子におけるブリッジ幅は4μmであ
った。
【0022】以上のように作製された平面型マイクロブ
リッジジョセフソン接合素子を77Kに冷却した場合の
、バイアス電流と発生電圧の関係を図5のグラフに示す
。第5図の横軸は、素子の電流電極に印加したバイアス
電流値、横軸は電圧電極で測定した発生電圧を示す。
リッジジョセフソン接合素子を77Kに冷却した場合の
、バイアス電流と発生電圧の関係を図5のグラフに示す
。第5図の横軸は、素子の電流電極に印加したバイアス
電流値、横軸は電圧電極で測定した発生電圧を示す。
【0023】図5に示す結果を得た条件下で、素子のマ
イクロブリッジ部に10.8GHzのマイクロ波を照射
すると、その電流−電圧曲線に約20μV毎のシャピロ
ステップが観測され、このマイクロブリッジ部がジョセ
フソン接合効果を有することを示している。
イクロブリッジ部に10.8GHzのマイクロ波を照射
すると、その電流−電圧曲線に約20μV毎のシャピロ
ステップが観測され、このマイクロブリッジ部がジョセ
フソン接合効果を有することを示している。
【0024】この時、サンプル10ケを同様の方法で作
製し、それらについて電圧−電流曲線を測定し、その電
圧の立上りの部分である臨界電流(Ic )値により、
平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子の再現性
の評価を行なった。その結果、Ic =20mA±4m
Aの範囲にすべてのサンプルのIc が入り、再現性の
良さが確認された。 実施例2
製し、それらについて電圧−電流曲線を測定し、その電
圧の立上りの部分である臨界電流(Ic )値により、
平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子の再現性
の評価を行なった。その結果、Ic =20mA±4m
Aの範囲にすべてのサンプルのIc が入り、再現性の
良さが確認された。 実施例2
【0025】オフアクシャル基板のオフ角度を1°、2
°、10°、20°と変えたことを除き、実施例1と同
様にして平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子
を作製し、これらの素子についてIc のバラツキを評
価した。なお、Ic のバラツキは、それぞれのオフ角
度について10個のサンプルを作製し、それらのIc
値の分散により評価した。その結果を表1に示す。表1
から、いずれのオフアクシャル基板のオフ角度の素子に
ついても、Ic 値のバラツキが抑えられ、再現性が良
好であることが確認された。 比較例
°、10°、20°と変えたことを除き、実施例1と同
様にして平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子
を作製し、これらの素子についてIc のバラツキを評
価した。なお、Ic のバラツキは、それぞれのオフ角
度について10個のサンプルを作製し、それらのIc
値の分散により評価した。その結果を表1に示す。表1
から、いずれのオフアクシャル基板のオフ角度の素子に
ついても、Ic 値のバラツキが抑えられ、再現性が良
好であることが確認された。 比較例
【0026】通常の基板(オフ角度0°)、及び40°
のオフ角度を有する(100)SrTiO3 単結晶基
板を用いたことを除いて実施例1と同様にして平面型マ
イクロブリッジジョセフソン接合素子を作製し、これら
の素子について実施例2と同様にしてIc のバラツキ
を評価した。その結果を表1に示す。表1から、いずれ
のオフアクシャル基板のオフ角度の素子についても、I
c 値のバラツキは甚だしく、再現性が不良であること
が確認された。
のオフ角度を有する(100)SrTiO3 単結晶基
板を用いたことを除いて実施例1と同様にして平面型マ
イクロブリッジジョセフソン接合素子を作製し、これら
の素子について実施例2と同様にしてIc のバラツキ
を評価した。その結果を表1に示す。表1から、いずれ
のオフアクシャル基板のオフ角度の素子についても、I
c 値のバラツキは甚だしく、再現性が不良であること
が確認された。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
基板としてオフアクシャル基板を用い、粒界の大きさ、
数等を制御することにより、一定の電流電圧特性を有す
る多数のジョセフソン接合を形成することが可能であり
、その結果、素子全体としての性能の安定化を容易に図
ることが出来る。また、個々の素子間の性能のバラツキ
を抑えることも可能である。更に、本発明によると、酸
化物高温超電導体を用いたジョセフソン接合素子の品質
の安定化を飛躍的に高めることが可能である。
基板としてオフアクシャル基板を用い、粒界の大きさ、
数等を制御することにより、一定の電流電圧特性を有す
る多数のジョセフソン接合を形成することが可能であり
、その結果、素子全体としての性能の安定化を容易に図
ることが出来る。また、個々の素子間の性能のバラツキ
を抑えることも可能である。更に、本発明によると、酸
化物高温超電導体を用いたジョセフソン接合素子の品質
の安定化を飛躍的に高めることが可能である。
【図1】本発明に用いられるオフアクシャル基板の一部
の断面図。
の断面図。
【図2】本発明に用いられるオフアクシャル基板の一部
の斜視図。
の斜視図。
【図3】本発明の平面型マイクロブリッジジョセフソン
接合素子のマイクロブリッジ部を示す平面図。
接合素子のマイクロブリッジ部を示す平面図。
【図4】本発明の平面型マイクロブリッジジョセフソン
接合素子の斜視図及び平面図。
接合素子の斜視図及び平面図。
【図5】本発明の平面型マイクロブリッジジョセフソン
接合素子の電流−電圧特性を示す特性図。
接合素子の電流−電圧特性を示す特性図。
1…オフアクシャル基板、2…超電導体層、3…マイク
ロブリッジ部、4…電極。
ロブリッジ部、4…電極。
Claims (1)
- 【請求項1】基板と、この基板の上に形成されたマイク
ロブリッジ部を有する酸化物高温超電導体層と、この超
電導体層の上に形成された電極とを具備し、前記超電導
体層の少なくともマイクロブリッジ部がオフアクシャル
基板上に形成されていることを特徴とする平面型マイク
ロブリッジジョセフソン接合素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3105638A JPH04335583A (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3105638A JPH04335583A (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04335583A true JPH04335583A (ja) | 1992-11-24 |
Family
ID=14413001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3105638A Pending JPH04335583A (ja) | 1991-05-10 | 1991-05-10 | 平面型マイクロブリッジジョセフソン接合素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04335583A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016222467A (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-28 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | Bi系酸化物超伝導薄膜の製造方法とBi系酸化物超伝導薄膜構造体 |
-
1991
- 1991-05-10 JP JP3105638A patent/JPH04335583A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016222467A (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-28 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | Bi系酸化物超伝導薄膜の製造方法とBi系酸化物超伝導薄膜構造体 |
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