JPH04332549A - 液体噴流手術装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は手術用医療機器に係り、
詳細には手術に用いるメス等の切断手段として、特に流
体の中圧噴射流を用い、該中圧噴射流によって臓器等の
全体又は部分的な切開、切除、切断、剥離、あるいは体
腔内、体表の洗浄等と同時に、それによって発生する遊
離組織等の吸引を実施するための手術装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の手術手段として、臓器等の切開、
切除、切断等に使用されているものには鋼メス、電気メ
ス、超音波メス、レーザーメスなどがあり、目的に応じ
て様々な使用態様と組合せにより効果的に使用されてい
る。例えば、鋼メスは安価であり、取扱が容易であるた
め多くの手術において汎用されている反面、全ての組織
を区別なく切断してしまうという欠点がある。従って不
用意に血管あるいは神経等を切断してしまう恐れがあり
、操作に慎重を要し熟練が必要とする。

【０００３】また電気メスは取扱が容易であり、ある程
度普及してはいるが、手術部位における熱損傷をきたし
、操作時における火傷の危険性がある。超音波メスは価
格的に高価であり、血管あるいは神経等を切断せずに目
的とする患部組織を切除できるという利点を有してはい
るが、その一方で操作が煩雑であり、したがって設備自
体にトラブルが発生し易いという問題点がある。

【０００４】一方、レーザーメスは接触せず手術ができ
、手術患部に与える損傷度が小さくかつ止血効果等を有
しており優れた装置である反面、装置自体が高価であり
、さらに切開や切除の深度制御が難しく、組織を選んで
実施することができないため大出血を来たす危険性がま
まある。以上のごとく各種手術装置にあっては、それぞ
れ長所、短所を有しており使用にあたっては相当の熟練
と注意が必要とされている。

【０００５】最近、これらの手術手段の欠点を克服する
ための種々の検討から、ある限定された部位に対してで
はあるが、液体の加圧噴流を適用する方法が研究され、
臨床に応用されてきている。この加圧噴流を使用する方
法にあっては、流体の圧力と噴射量をある適正な範囲に
調整することによって脈管系、神経系等の索状物を切断
することなく、周囲の組織と遊離することが可能である
のみならず、遊離組織を噴射流体と共に手術部位から排
除しうる利点を有している。

【０００６】したがって、その適用範囲は広く、目的と
する臓器組織においては１０ＭＰａ等の高圧流体を用い
た切断、切開や、１ＭＰａあるいはそれ以下の低圧流体
を用いた剥離、又は柔軟部位における実質細胞と索状物
との分離に使用し得ると考えられている。さらに１ＭＰ
ａ以下の低圧流体を用いた洗浄等も適用可能である。そ
してこの場合の使用流体としては生理的食塩水等その他
生体に直接の影響を与えない流体が使用され得る。更に
、流体の温度を適宜調整することによって前記操作と同
時に冷却又は加温を施すことが可能であるなど、広い用
途と効果を有するものとして研究と実験が進められてき
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置においては噴流発生ノズルの形成部が非常に大型で
あり、操作性が悪く、かつ微細な部位などに使用するこ
とができなかった。また、噴流のもつ有効性を損なうこ
となく、簡便で操作性の良いプローブやハンドピースお
よび血管内の閉塞性物質などの除去術に適用する方法は
皆無であった。他方、上記のような欠点の指摘を受けて
いたにもかかわらず、従来の装置においては該ノズルを
用いて噴流を形成し、該噴流の流体圧力を用いて周囲の
組織を遊離することが可能であるばかりでなく、遊離組
織を噴射流体と共に手術部位から排除し得る利点があっ
た。

【０００８】しかし、噴流の衝突により生じた切開創あ
るいは生体表面の凹部などに噴射流体が滞留する現象が
しばしば発生する。この液体の滞留は切開・切離対象の
生体表面に薄い溶液の層、あるいは深部切開部において
は厚い溶液の層を作ることが知られている。この層の形
成は噴流による破砕力を著しく減衰させ、その結果、切
開・切除能力が低下し、手術装置としての性能を低下さ
せる結果を招くとの指摘がなされていた。また、液体の
滞留による手術能の低下を補うため、噴射圧を上昇させ
るなどの手段が取られるが、この圧力の上昇は組織の予
想外の損傷や脈管系、神経系などの索状体の破損などを
惹起し、時には危険な合併症の発生の原因となることも
あった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、これまで全く着想されることも
試みられることもなっかった新しい方法、すなわち、噴
流流体の噴射と同時に、又は噴射停止時に滅菌したガス
を手術部位に噴射することにより、対象部位に滞留した
溶液層を除去する装置として新しい提案を行うものであ
る。従来、滞留した溶液層を排除、解決する手段として
、噴流流体の噴射と同時に又は噴射停止時に手術部位の
滞留した溶液を吸引器などで吸引する方法が取られてい
た。噴流流体の噴射と同時に、又は噴射停止時に滅菌し
たガスを手術部位に噴射することにより、対象部位に滞
留した溶液の厚い層が除去できることが判明した。この
ガスを噴射するに際して、前記のノズルの形状、ガスの
導入方法、使用ガスの安全性、種類などが滞留した液体
の除去作用に対して最適化条件を明らかにする必要があ
った。

【００１０】本発明は前記のような問題点、特に流体の
噴射を生成させる液体噴射ノズルの構成において、加圧
流体の噴射により、生体の切開、切除、切断、剥離など
を行うと同時に、又は停止時にガスを噴射することによ
って生体表面に滞留した液体を除去することが可能な手
段を提供するものである。すなわち、液体噴射ノズルの
構成において、前記液体の噴射口を中心部に、ガス噴射
口を外周部に配置した同軸形状を有する液体噴射ノズル
の構成方法を提供するものである。さらには同軸形状と
は別個に前記液体噴射ノズルを装着した新規な噴射ノズ
ルの構成方法を提供するものである。さらには前記噴射
ノズルを用いて簡便な流体噴流プローブの製造方法を提
供するものである。

【００１１】すなわち、耐圧中空チューブの一端又は耐
圧チューブと異なる材質を有するが、同一又は近似的に
同一外径の中空部から成り、特定の角度範囲を有する円
錐状ノズルをその内部に構成し、ノズル先端部には細口
を具備させ、円錐状ノズルの形状と口径との相関性によ
って所望する流体噴射流を構成するとともに、前記円錐
状ノズルの外周部の全部又は１部において、ガス噴射口
が配置され、前記ガス噴射口よりのガス噴射が前記液体
の噴射と同時又は停止時に行われることによって軟部組
織の切開・切除・切断・剥離作用を生ぜしめると同時に
、前記噴射された液体からなる生体表面に滞留した溶液
の除去作用とを具備させた液体ジェット手術装置を提供
するものである。さらには前記ガス噴射口を形成部の外
側部又は内部に液体の吸引口部を形成させた液体ジェッ
ト手術装置を提供するものである。

【００１２】しかして、本発明は圧力が２ＭＰａから３
０ＭＰａの噴流をその先端部で発生させる構造を有する
耐圧チューブと；前記耐圧チューブに連結するポンプチ
ューブと；前記ノズルを構成する耐圧チューブの他端に
連結する加圧液体供給手段と；前記ノズルと並列又はそ
の外周部に外周の全部又は一部にガス噴射ノズルを構成
した耐圧チューブと；前記ノズルの他端に連結するガス
流量及びガス圧制御装置；とが一体的に構成される手術
用液体ジェット手術装置を提供するものである。

【００１３】

【作用】ノズルから噴射される流体がいわゆる噴流を作
り、生体の軟部組織に切開、切除、切断、剥離作用を生
ぜしめるには−般に２ＭＰａから３０ＭＰａの圧力を必
要とする。このような条件は、噴流を生じしめるに必要
な圧力を生じるノズルおよびノズルに至る円錐状内角構
造において、乱流を生じしめない程度に表面処理されて
おれば、実現できることが明らかになった。本発明で使
用するハンドピース機構にあっては前述したごとく流体
の圧力が２ＭＰａから３０ＭＰａの噴流となるようなノ
ズル機構部を前記流体導出部の噴射端に構成する必要が
ある。そのようなノズルとしては流体の圧力により異な
るが概して直径が０．１から０．５ｍｍ程度の円形口の
もの、又は面積が０．００５から０．２ｍｍ２までの値
を有する楕円、正方形、長方形などの任意形状のものを
選択することができる。

【００１４】本発明においてはノズル機構部の中心部に
前述のごとく種々の形状を有した噴流を形成し得る流体
噴射端を構成させる。この場合、ガス流体の噴射圧とし
ては噴流を形成する圧力のものであっても、あるいは生
体表面に形成された溶液の層が除去できる圧力のもので
あっても同等の作用が得られる。しかしながら、噴射作
用によって生体の微細体の飛散あるいは溶液の飛散を防
ぐには噴流のガスの方が望ましい。あるいは、単に手術
対象部位表面上の噴射によって形成された溶液の層を除
去するには前記ノズル機構部の外周上にガス流のみを形
成する別個のノズルを固定する構成方法によっても、同
等の作用が得られる。さらに、前記のガス流のみを形成
する別個のノズルにおいて、ノズルの内面を螺旋状に加
工することによって、ガスジェットの集束性を増加させ
、対象部位に滞留した溶液の層を除去する作用が増大す
ることも見られた。

【００１５】このように滞留した溶液層を除去すること
によって、手術対象部位の表面状態が一定し、常に一定
の噴流の圧力作用で手術操作を行うことが可能になる。 さらには前記のノズル機構部において、ガス流体噴射端
の外周部又は内周部に溶液を吸引する吸引ノズルを構成
することも効果的である。このような構成手段を実現す
ることによって、滞留した溶液を周囲に飛散することな
く手術対象部位を好適な手術視野に保つことが可能にな
る。特に、出血を伴っている手術対象部位に対してはガ
ス流体の噴射により、対象部位からの血液の飛散、排除
が可能となり、血管の露出操作、周囲組織の剥離操作が
容易になる。また、手術部位に噴流が衝突して生じた微
細体あるいは血液など体液成分あるいは粉砕された組織
細片の飛散物を吸引することも可能である。これにより
良好な視野の確保ばかりでなく、手術野に感染源などが
存在した場合の予防策にもなる。

【００１６】

【実施例】第１図に本発明の液体ジェット手術装置の構
成例を示した。すなわち本発明の液体ジェット手術装置
（１）にあってはハンドピース機構（２）と該ハンドピ
ース機構（２）内に挿入された耐圧チューブ（３）と該
耐圧チューブ（３）の外周部に配置されたガス噴射用ノ
ズル（４）と前記該耐圧チューブ（３）に連結するポン
プチューブ（５）とポンプチューブ（５）に連結するチ
ューブ（６）とチューブ（６）に連結するエアートラッ
プ７と該エアートラップ（７）に連結する瓶針（８）と
該ガス噴射用ノズル（４）に連結するチューブ　　（９
）とガス流貴及びガス圧力制御装置（１５）とからなり
、これらを一体的に構成したものである。この場合のハ
ンドピース機構部（２）にあっては第２図および第３図
に示すように液体噴射ノズル口（３１）が前記耐圧チュ
ーブ（３）の先端部に構成されていることが肝要である
。 さらに前記液体噴射用ノズル口（３１）の外周部にガス
噴射用ジェットノズル（４）及び該ガスジェットノズル
（４）の外周部に並列又は同軸状に存在する吸引口（１
０）とが一体的に構成されたものである。場合によって
は基本構成として前記吸引口（１０）がない場合のもの
であっても作用としては同等である。これら本発明の流
体ジェット手術装置を構成する各部分の連結にあっては
、例えばハンドピース機構（２）と耐圧チューブ（３）
との連結、耐圧チューブ（３）とポンプチューブ（４）
との連結、ガス噴射用ジェットノズル（４）とチューブ
（９）との連結にあってはそれぞれルアーオス・メス式
連結、ねじ込み式、接着、圧着などが選択される。一方
、ポンプチューブ（５）、チューブ（６）、エアートラ
ップ（７）および瓶針（８）にあっては、例えば第１図
に示すようにこれらを一体的な結合体（１１）を構成さ
せ、これと耐圧チューブ（３）およびハンドピース機構
（２）とをそれぞれ順次連結することも可能である。さ
らに、本発明の液体ジェット手術装置にあっては、ハン
ドピース機構（２）、耐圧チューブ（３）、ポンプチュ
ーブ（５）、チューブ（６）、エアートラップ（７）お
よび瓶針（８）から構成される装置自体をすべて最初か
ら一体的に結合しておくことも可能である。この場合、
本発明の装置（１）、あるいは結合体（１１）、さらに
はハンドピース機構（２）をそれぞれディスポーザブル
とすることも可能である。

【００１７】次に、本発明の液体ジェット手術装置（１
）を用いた使用の態様を第４図に示す。図中において（
１２）は本発明の手術装置（１）を作動させる駆動ポン
プを示す。このポンプ（１２）の上部にはローラー部（
１３）があり、そのローラー部　　（１３）とそれを包
囲する外周部（１４）との間に本発明の装置であるポン
プチューブ５が挿入固定される。実際の作動に当たって
は、外部電源からの入電によりローラーポンプのローラ
ー部（１３）が回転し、そのローラーの回転にしたがっ
てポンプチューブ（５）が順次押圧され、チューブ内の
流体が加圧されて来ることとなる。その結果、加圧され
た流体はハンドピース機構（２）の方へ圧縮供給され、
第２図のようにハンドピース機構（２）の噴射口に連動
するスイッチ（１５）の開閉により、あるいは第４図ロ
ーラー部（１３）の回転を制御することによりジェット
流体が噴射口（３１）より噴射されることとなる。 以上のように、駆動ポンプが作動した段階で、貯液槽と
連結する瓶針（８）ならびにチューブ（６）より貯液槽
に貯液されている液体は順次ハンドピース機構（２）の
方へ輸送され、かつ噴射口から噴射され、それにより所
望のジェット流を生じ、そのジェット流により臓器の切
開、切除、切断、剥離あるいは洗浄が可能となってくる
のである。この場合、ノズル機構より噴射された流体は
臓器の切開、切除、切断、剥離あるいは洗浄等を行うこ
とになる。　　この際、ノズル機構部より噴射される流
体と同時に又は停止時にガス噴射ジェットノズル（４）
より、滅菌した空気、窒素ガス、炭酸ガスなどのガスを
ガス流量及びガス圧制御装置（１８）より供給し、噴射
させる。このガス流体の噴射時間の制御は液体噴射を制
御する前記スイッチ（１５）と開閉を連動させることは
容易である。さらに滞留した溶液を効果的に吸引するた
めに、吸引手段を採用することも容易である。例えば、
第３図に示す噴射用ノズル口（３１）の近傍に並列的に
一体化される吸引口（１０）より吸引することができる
が、その吸引手段は、例えば、第４図中に示した駆動ポ
ンプ装置内に内蔵した吸引ポンプ（１６）等により行い
、吸引された液体は吸液タンク（１７）に貯蔵すること
ができる。また、該吸引は、例えば病院内に設置された
吸引管に接続することによっても行いうる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明の手術手段を使用す
ることにより、簡便な方法で臓器等の切断、切開、切除
等を行うことが可能となるとともに、例えば切断操作な
どを所望しないときは、低圧水流により傷口の洗浄等も
行うことができる利点を有するものであり、医療上の利
用価値は多大なものといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の液体ジェット手術装置の構成を示す
。

【図２】はハンドピース機構部の断面図である。

【図３】はハンドピース部の矢印Ａ方向を示した図であ
る。

【図４】は液体ジェット手術装置を用いた使用の態様を
示す。

【符号の説明】

（１）液体ジェット手術装置 （２）ハンドピース機構 （３）耐圧チューブ （３１）噴射ノズル口 （４）ガス噴射用ノズル （５）ポンプチューブ （６）チューブ （７）エアートラップ （８）瓶針 （９）チューブ （１０）吸引口 （１１）一体的結合体 （１２）駆動ポンプ （１３）ローラー （１４）ローラー外周部 （１５）ジェット制御スイッチ （１６）吸引ポンプ （１７）吸引タンク （１８）ガス流量及びガス圧制御装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　耐圧チューブの一端に圧力２ＭＰａか
   ら３０ＭＰａの液体噴流を発生させるノズルを構成した
   耐圧チューブと、前記ノズルを構成する耐圧チューブの
   他端に連結する加圧液体供給手段と、前記ノズルと並列
   又はその外周部に外周の全部又は一部にガス噴射ノズル
   を構成した耐圧チューブと、前記ノズルの他端に連結し
   たガス流量及びガス圧制御装置とが一体的に構成された
   ことを特徴とする液体噴流手術装置。
2. 【請求項２】　　前記加圧流体供給手段が、前記耐圧チ
   ューブの多端に連結するポンプチューブと前記ポンプチ
   ューブに連結するチューブと、前記チューブに連結する
   エアートラップと、前記エアートラップに連結する瓶針
   とを一体的に構成したことを特徴とする液体噴流手術装
   置。
3. 【請求項３】　　前記液体噴射ノズル及び前記ガス噴射
   ノズルの構成材料と前記耐圧チューブの構成材料とが異
   なる材料で構成させ、かつ一体的に構成されていること
   を特徴とする請求項１の手術用液体噴流手術装置。
4. 【請求項４】　　前記耐圧チューブの噴流を発生させる
   液体噴射ノズルと該ノズルの外周部に外周の一部又は全
   部にガス噴射ノズルを構成させ、該ガス噴射用ノズルの
   近傍に並列又は同軸上に存在する吸引口とを一体的に構
   成したハンドピース機構を具備したことを特徴とする請
   求項１、２及び３に記載の手術用液体噴流手術装置。