JPH04325430A - 光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光ファイバ母材（プリフ
ォーム）の製造方法に関するものであり、より特定的に
は、コアとなるガラスロッドにクラッドとなるシリカ粉
末などを加圧一体成形したとき、ガラスロッドからシリ
カ粉末固化成形体の落下を防止する突起をガラスロッド
の先端に形成して光ファイバ母材用成形体を製造する方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバは屈折率の異なるコアとクラ
ッドを有しており、この光ファイバは光ファイバ母材を
線引して製造される。図４にコアとなるガラスロッド２
とその先端に設けられた石英支持棒１の断面図を示す。 ガラスロッド２にはコアだけでなく、コアとクラッドの
一部となる部分を有する場合もある。図４に示したガラ
スロッド２を予め製造し、図５に示す圧力容器２２の中
央にガラスロッド２を挿入し、その周囲にクラッドとな
るシリカ粉末８を充填し、シリカ粉末８を加圧して固化
しガラスロッド２の周囲にクラッド成形部を一体成形し
て光ファイバ母材用成形体を製造する。この製造方法の
詳細については本発明の実施例の記述を参照されたい。 このようにして製造された光ファイバ母材用成形体は焼
結処理されて光ファイバ用母材となり、さらに線引され
てコアとクラッドを有する光ファイバが製造される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したガラスロッド
２の周囲にクラッド成形部を形成する方法においては、
中心のガラスロッド２とその周囲に充填したシリカ粉末
８との密着性が劣るため、しばしばガラスロッド２から
固化されたクラッド成形部が抜け落ちるという問題があ
る。したがって、一体形成された光ファイバ母材用成形
体の取扱いが非常に困難である。特に、光ファイバ母材
を製造するため焼結を行う時に成形体が高温に曝された
際、しばしばガラスロッド２からクラッド部が抜け落ち
て炉心管を破損させるとともに光ファイバ母材の歩留り
を低下させるという問題に遭遇している。

【０００４】上述した問題は、ガラスロッド２にシリカ
粒子自体を物理的な力のみで付着させていることに起因
する。したがって、本発明は、ガラスロッドからシリカ
粉末を固化したクラッド成形部が、光ファイバ用母材製
造段階終了まで落下しないようにして、上述した問題を
解決することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
、本発明においては、ガラスロッドの先端にシリカ粉末
などのクラッド成形部がガラスロッドから抜け落ちない
ように突起を設ける、あるいは、先端を突起状に加工す
る。すなわち、本発明においては、コアあるいはコアと
一部のクラッドとなる部分を有するガラスロッドを圧力
容器内の成形型の中心に挿入し、このガラスロッドの周
囲の成形型内にクラッドとなるシリカ粉末あるいはシリ
カ粉末を主原料としたものを充填し、成形型に圧力を印
加して充填物を固化しクラッド成形部をガラスロッドと
一体成形し、得られた光ファイバ母材用成形体を焼結し
て光ファイ母材を製造する場合、成形型に挿入されるガ
ラスロッドの先端を上記クラッド成形部の落下を防止す
るに適した突起に加工しあるいは突起を設け、この突起
を有するガラスロッドと上記クラッド成形部とを一体成
形して光ファイバ母材用成形体を製造する。

【０００６】

【作用】成形型の中央に挿入するガラスロッドの先端に
突起を設けると、この突起がクラッド成形部の落下防止
として機能する。したがって、光ファイバ母材用成形体
の取扱いが容易になり、さらに、その後この光ファイバ
母材用成形体から高温焼結処理を行って光ファイバ母材
を製造する工程においても、ガラスロッドからクラッド
成形部は抜け落ちることが防止でき炉心管の破損が防止
できる。さらに、光ファイバ母材の歩留りも向上する。 なお、上記突起は一時的に用いられるものであり、光フ
ァイバ用母材製造後，除去される。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例について述べる。図１（
Ａ）は本発明の実施例のその先端に加工された球状部２
ａを有し、対向する側に石英支持棒１が取りつけられた
ガラスロッド２の断面図を示す。図１（Ｂ）に本発明の
他の実施例としての先端に半球状部２ｂを有するガラス
ロッド２を断面図を示す。ガラスロッド２の先端部は図
１（Ａ）に示したように，ガラスロッド２の先端を加工
して球状部２ａを形成してもよく、また図１（Ｂ）に示
したようにガラスロッド２の先端に半球状部２ｂを接着
させてもよい。これらの先端部は、後述するように、ク
ラッド部となるシリカ粉末固化成形部がガラスロッド２
から抜け落ちないような形状の突起であればどのような
形状の突起でもよい。またその突起の形成方法は、ガラ
スロッド２の先端を加工して、ガラスロッド２の先端に
突起を付着させてもよい。

【０００８】以下、図１（Ａ）に示した球状部２ａを有
するガラスロッド２を例示して、本発明の実施例につい
て述べる。本実施例においては、ガラスロッド２は石英
ガラスをＶＡＤ法で作製し、コア：クラッド比が１：３
、外径Ｄ１が約２０ｍｍ、長さＬが約５００ｍｍであり
、先端の球状部２ａの直径Ｄ２は約２５ｍｍであった。

【０００９】図２は、上述した先端に突起を有するガラ
スロッド２を用いて光ファイバ母材用成形体を製造した
圧力容器２１の断面図である。この圧力容器２１は図５
に示した圧力容器２２とほぼ同じ構造をしている。しか
しながら、図２の圧力容器２０においては、図１（Ａ）
に示した球状部２ａを受け入れるように、下パンチ１２
には凹部１２ａが形成されているが、図５に示した圧力
容器２２における下パンチ１２Ａは図２に示した凹部１
２ａが形成されていず、平坦である。圧力容器２１は、
上パンチ３、下パンチ１２、これらのパンチ３、１２と
の間に配設された上蓋４、下蓋１１、これらの蓋４、１
２の間に配設された成形型、具体的には成形ゴム型７、
この成形ゴム型７を押圧する加圧ゴム型５、この加圧ゴ
ム型５との間に内腔９を規定する高圧容器１０を有して
いる。また、高圧容器１０には内腔９に圧力媒体（圧媒
）１４を導入する圧媒投入口６が形成されている。さら
に、上パンチ３の上部には脱気口１３が配設されている
。

【００１０】この圧力容器２１を用いて光ファイバ母材
用成形体を製造した具体的方法について述べる。先ず、
上パンチ３をあけ、図１（Ａ）に示した先端に球状部２
ａを有するガラスロッド２が石英支持棒１を介して、圧
力容器２０の中央部に球状部２ａが凹部１２ａに位置す
るように挿入した。次いで，ガラスロッド２の周囲にシ
リカ粉末８を充填した。本実施例においては、シリカ粉
末８として、市販されている粒径約１μｍのシリカ粉末
１．６ｋｇを十分脱気した後、上パンチ３をあけて投入
・充填した。その後、上パンチ３を閉じた。この時、上
パンチ３に石英支持棒１などの支持部材を介してガラス
ロッド２が移動しないように固定してある。

【００１１】上パンチ３および下パンチ１２（凹部１２
ａを含む）においてクラッド部を形成するシリカ粉末８
と接触する面はテフロンをコーティングしておき、両パ
ンチ３、１２、１２ａからの汚染を防止する対策を講じ
た。上パンチ３に配設された脱気口１３には排気ポンプ
（図示せず）が接続されており、この排気ポンプを用い
て再度脱気を約１時間行った。この時、成形ゴム型７を
介してのシリカ粉末８への圧力印加を行っていない。

【００１２】つぎに脱気を行った状態で圧媒投入口６か
ら圧媒１４を注入した。今回用いた圧媒１４は水である
。この圧媒１４によって加圧ゴム型５には５００ｋｇｆ
／ｃｍ２　の圧力が印加された。その結果、加圧ゴム型
５から成形ゴム型７に上記圧力が伝達され、ガラスロッ
ド２の周囲に充填されたシリカ粉末８を圧縮させた。こ
の時、脱気及び圧力印加によりシリカ粉末８の収縮状態
が均一になるように制御した。今回、加圧ゴム型５およ
び成形ゴム型７はともにシリコンゴム型を用いた。この
時の圧力印加時間は約１分間であった。そして成形ゴム
型７の急激な復元力に起因して、シリカ粉末８が圧縮さ
れ固化されたクラッド成形部の割れ等を防ぐために、約
１時間かけてゆっくりと減圧していった。この時も割れ
等を防止するために脱気口１３から脱気を行った。

【００１３】以上の操作により、図３に示すように、外
径Ｄ３が約６０ｍｍ、長さＬ２が約４８０ｍｍの割れ・
亀裂等のない、ガラスロッド２の周囲にクラッド成形部
２Ａが一体成形された多孔質成形体２０が得られた。

【００１４】この多孔質成形体２０をＶＡＤ法などの気
相法によって作製された多孔質母材（成形体）と同様に
、ＨｅおよびＣｌ２　雰囲気で脱水・ガラス化を行った
。得られた光ファイバ母材は外径５０ｍｍ、長さが４８
０ｍｍであった。この光ファイバ母材には気泡の存在は
認められなかった。

【００１５】この光ファイバ母材を酸素水バーナーを用
いてガラスロッド２先端の球状部２ａを切り放した後、
通常の方法で線引きしコアおよびクラッドを有する光フ
ァイバとして製造したところ、ＶＡＤ法などの気相法で
作製したものと同等な特性が得られた。

【００１６】本発明の実施に際しては上述したものの他
、種々の変形形態をとることができる。以上の実施例は
、ガラスロッド２の先端に図１（Ａ）に示した球状部２
ａを有する場合について述べたが、図１（Ｂ）に示す半
球状部２ｂ、あるいは他の形状の突起を用いた場合も上
記同様の結果を得ることができる。なお、ガラスロッド
２の先端の突起の形状によって下パンチ１２の凹部１２
ａの形状を突起の形状に応じた形状とする。また、以上
の実施例においては、ガラスロッド２としてコアとなる
ものについて例示したが、コアとクラッドの一部となる
ものをガラスロッド２として用いて上述した光ファイバ
母材用成形体を製造することもできる。また、シリカ粉
末８は上述した充填物の他、クラッド部となるシリカを
含む他の材料を用いることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、シ
リカ粉末を主原料とし光ファイバのクラッド部の圧力を
印加することによって成形する製造方法において、圧力
容器の中央部に設置するコアあるいはコアと一部のクラ
ッド形成部からなるガラスロッドの先端を突起形状に加
工あるいは突起を有する構造にすることによって、ガラ
スロッドとクラッド形成部との密着性が向上し、一体成
形された光ファイバ母材用成形体の取扱いが容易になる
。特に光ファイバ母材用成形体を焼結して光ファイバ母
材を製造する際におけるクラッド成形部のガラスロッド
からの抜け落ちが防止されることによって、焼結用炉心
管の破損等がなくなり、また光ファイバ母材を歩留まり
よく製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の先端に突起を有するガラスロ
ッドの断面図であって、（Ａ）は先端に球状部が加工さ
れた例、（Ｂ）は先端に半球状部を有する例である。

【図２】本発明の光ファイバ母材用成形体を製造するた
めに用いた１実施例としての圧力容器の断面図である。

【図３】図２に示した圧力容器によって製造された光フ
ァイバ母材用成形体の斜視図である。

【図４】従来のガラスロッドの断面図である。

【図５】従来の光ファイバ母材用成形体を製造する圧力
容器の断面図である。

【符号の説明】

１・・石英支持棒、２・・ガラスロッド、２ａ・・球状
部、２ｂ・・半球状部、３・・上パンチ、４・・上蓋、
５・・加圧ゴム型、６・・圧媒投入口、７・・成形ゴム
型、９・・内腔、１０・・高圧容器、１１・・下蓋、１
２・・下パンチ、１３・・脱気口、１４・・圧媒、２０
・・光ファイバ母材用成形体、２Ａ・・クラッド成形部
、２１・・圧力容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　コアあるいはコアと一部のクラッドと
   なる部分を有するガラスロッドを圧力容器内の成形型の
   中心に挿入し、このガラスロッドの周囲にクラッドとな
   るシリカ粉末あるいはシリカ粉末を主原料としたものを
   充填し、成形型に圧力を印加して充填物を固化してクラ
   ッド成形部とガラスロッドとを一体成形し、得られた光
   ファイバ母材用成形体を焼結して光ファイ母材を製造す
   る方法において、上記成形型の中心に挿入されるガラス
   ロッドの先端を上記クラッド成形部の落下を防止するに
   適した突起に加工しあるいは突起を設け、この突起を有
   するガラスロッドと上記クラッド成形部とを一体成形し
   て光ファイバ母材用成形体を製造することを特徴とする
   光ファイバ用母材の製造方法。