JPH0431483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は換気通風路等に設けられるダンパ装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

第６図および第７図は例えば実開昭56−141937
号公報に示された従来のダンパ装置を示す断面図
および要部側面図であり、図において１は通風路
２を形成した筒体、３はこの筒体内に両端部３
ａ，３ｂが回動するように軸４により枢支され上
記通風路２を開閉するダンパ、５はこのダンパの
一端部３ａに設けられたダンパ側係合部材で、後
述する温度ヒユーズの係合孔に挿入される係合片
６を有して略Ｃ字状に形成され、背部にダンパ３
挿入後ドライバ７が係合し変形させる凹部８が設
けられている。９はこのダンパ側係合部材と対向
するように上記筒体１に設けられた筒体側係合部
材で、上記ダンパ側係合部材５と同形状に形成さ
れている。１０は上記ダンパ側係合部材５に一端
の係合孔１６を係合させ、上記筒体側係合部材９
に他端の係合孔１６を係合させることにより、上
記ダンパ３の上記通風路２を開状態に保持する温
度ヒユーズで、第１部材１１と第２部材１２を低
温半田により一体に形成されている。１３は上記
ダンパ３の他端部３ｂにネジ１４止めされた重り
で、鋳物により角形状に形成されている。１５は
上記筒体１の室内開口に臨んで設けられた通風グ
リルである。

従来のダンパ装置は上記のように構成され、筒
体１を壁に固着し、この筒体１の室外側には通風
グリル１５を取付け、筒体１の室内側には換気扇
等を介して室内と連通するダクトを取付け、上記
換気扇を運転することにより室内空気を通風グリ
ル１５から室外に排出するようになつている。こ
のようして室内空気を排出するが、室外の温度あ
るいは室内の温度が火災等により異常に高くなつ
た場合は、この温度により低温半田が溶けて温度
ヒユーズ１０は第１部材１１と第２部材１２に分
離し、ダンパ３は軸４を支点として重り１３側が
下側になるように回動して筒体１の通風路２を閉
塞する。これにより、筒体１とダンパ３によつて
防火壁が形成され火災の延焼を防止するようにな
つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来のダンパ装置では、筒体側係
合部材９とダンパ側係合部材５に設けられた係合
片６を温度ヒユーズ１０に設けられた係合孔１６
に挿入し、ドライバ７で係合部材５，９を変形さ
せ、温度ヒユーズ１０が係合部材５，９から外れ
ないようにしているため、係合部材５，９の塗装
がドライバ７により剥がれて傷付き、錆が発生す
るとともに、上記のようにドライバ７で変形させ
る作業を要するため作業性が悪く、また、組立て
時にその作業を忘れるなどの問題点があつた。

この考案は係る問題点を解決するためになされ
たもので、作業性が良く、温度ヒユーズが容易に
外れないダンパ装置を得ることを目的とするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るダンパ装置は、係合部を、一方
に設けられた係合孔と、他方にこの係合孔の内壁
に接して挿入される係合片から形成したものであ
る。

〔作用〕

この考案においては、係合片が係合孔に接して
挿入されるため、係合片の挿入作業だけで係合で
き作業性がよく、係合片が容易に外れることがな
くなる。

〔実施例〕

第１図〜第５図はこの考案の一実施例を示す図
であり、１〜３、３ａ、３ｂ、１０〜１２、１
５、１６は上記従来例と同一または相当部分を示
し、２０は筒体１の室内側に嵌合され1.5mm以上
の板厚を有する鋼板で形成された取付部材で、室
外側に壁２１に当接し、壁取付孔２２と水平より
下方の位置にグリル取付孔２３を形成したフラン
ジ部２４を設けるとともに、通風路２内に通風孔
２５とこの通風孔の両側にダンパ３の支軸となる
ネジ２６が螺合するネジ孔２７を凹部２８の底壁
に設け、かつ、下側壁には温度ヒユーズ１０の一
端が係合する係合部材２９が設けられており、こ
の係合部材は鋼材で形成され、第５図に示すよう
に係合孔１６の内壁に接して挿入される係合片３
０が設けられている。３１はこの取付部材に設け
られたネジ孔３２に螺合され筒体１に設けられた
孔３３を貫通するつまみネジ等から成る固定ネ
ジ、３４はダンパ３の一方の端部３ｂにカシメ加
工により固着された重りで、丸棒形状の鋼材の下
部のみ丸削りしてカシメ部を形成したものであ
る。３５はダンパ３の端部３ａに折曲げて形成さ
れた係合爪で、温度ヒユーズ１０の第１部材１１
に取付けられたリング３６が係合する切欠き３７
が形成されている。上記ダンパ３は1.5mm以上の
板厚を有する鋼板で形成され、両側にはネジ２６
が貫通する孔３８が設けられ、温度ヒユーズ１０
が溶断され通風孔２５を閉塞したとき一端部３ａ
が通風孔２５周側壁の室外側に、他端部３ｂが通
風孔２５周壁側の室内側にそれぞれ当接するよう
に中央部に断差が形成されており、筒体１および
通風グリル１５は形状が維持できる程度の薄鋼板
で形成され、上記通風グリル１５は上記グリル取
付孔２３にネジ３９により取付けられる。４０は
ダクトである。

上記のように構成されたダンパ装置において
は、取付部材２０に外方からネジ２６をネジ孔２
７に螺合させ、その先端部をダンパ３の孔３８に
挿入することによりダンパ３を回動可能に枢支
し、係合爪３５の切欠き３７に温度ヒユーズ１０
のリング３６を係合させるとともに、温度ヒユー
ズ１０の他端に設けた係合孔１６に取付部材２０
に設けられた係合部材２９の係合片３０を押し込
むことにより係合させ、ダンパ３を通風路２開状
態に保持させる。このとき、係合部材２９が銅材
で形成されていることから係合孔１６の内壁が傷
付くことがなく、また、係合片３０が係合孔１６
の内壁に接して挿入されることにより容易に外れ
ないようになる。このように組立てられた取付部
材２０を筒体１に嵌合させ、固定ネジ３１をネジ
孔３２に螺合させて筒体１の孔３３を貫通させる
ことにより、筒体１は固定ネジ３１に係合され取
付部材２０から外れないように取付けられる。取
付部材２０に取付けられたネジ２６の頭部は、筒
体１内壁と取付部材２０外壁との間に位置され、
ネジ２６が緩んでもその頭部が筒体１内壁に当接
して外れ落ちることはない。このように組立てら
れた筒体１をダクト４０に挿入し、固定ネジ３１
をさらに稔回することにより、筒体１はダクト４
０に押圧され、筒体１および取付部材２０はダク
ト４０内に固着され、室外開口部に通風グリル１
５をネジ３９で取付けることにより工事は完了す
る。このように取付けられたダンパ装置のダクト
４０側に換気扇を設け、この換気扇を運転するよ
うにすることによれば、室内空気はダクト４０か
ら通風路２を通り通風グリル１５から室外に排出
されることになる。この状態において、火災等に
より通風路２内の温度が異常に高くなつた場合に
は、その温度によつて温度ヒユーズ１０は溶断さ
れて第１部材１１と第２部材１２とに分離し、ダ
ンパ３はネジ２６を支点として重り３４側が下側
になるよう回動して通風孔２５を閉塞し通風路２
を遮断する。これにより、ダンパ３と取付部材２
０により防火壁が形成されて火災の延焼を防止す
る。

なお、上記実施例では温度ヒユーズ１０に係合
孔１６を設け、筒体１側に設けられた係合部材２
９の係合片３０を挿入するようにしているが、温
度ヒユーズ１０側に係合片を設け、係合部材２９
側に係合孔を設けて係合するようにしても同様の
効果が期待できる。

また、係合孔１６と係合片３０との係合部をダ
ンパ３と温度ヒユーズ１０側に設けてもよい。

さらに、上記実施例では係合部材２９を銅材で
形成しているが、これに限られるものではない。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したとおり、係合部を、一
方に設けられた係合孔と、他方にこの係合孔の内
壁に接して挿入される係合片から形成したことに
より、係合片を係合孔に接して挿入させるだけで
温度ヒユーズを係合させることでき、作業性がよ
く、また、容易に外れなくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は同じく正面図、第３図は同じく分解斜視
図、第４図は同じく要部斜視図、第５図は同じく
要部断面図、第６図は従来のダンパ装置を示す断
面図、第７図は同じくその要部側面図である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を
示し、１は筒体、２は通風路、３はダンパ、１０
は温度ヒユーズ、１６は係合孔、２９は係合部
材、３０は係合片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通風路を形成した筒体と、この筒体内に上記通
   風路を閉塞するよう回動可能に設けられたダンパ
   と、上記筒体側に一端を係合させるとともに、上
   記ダンパ側に他端を係合させ上記ダンパを上記通
   風路開状態に保持する温度ヒユーズとを備え、上
   記係合部を、一方に設けられた係合孔と、他方に
   この係合孔の内壁に接して挿入される係合片から
   形成したことを特徴とするダンパ装置。