JPH04314449A - 生体用リン酸カルシウムセメント - Google Patents

生体用リン酸カルシウムセメント

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JPH04314449A
JPH04314449A JP3082412A JP8241291A JPH04314449A JP H04314449 A JPH04314449 A JP H04314449A JP 3082412 A JP3082412 A JP 3082412A JP 8241291 A JP8241291 A JP 8241291A JP H04314449 A JPH04314449 A JP H04314449A
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calcium phosphate
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Masahiro Yoshimura
昌弘 吉村
Masahiro Hirano
昌弘 平野
Kengo Okamoto
健吾 岡本
Hiroyasu Takeuchi
啓泰 竹内
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨欠損部又は骨空隙部
充填材若しくは歯牙根管部充填材等に利用可能な生体用
リン酸カルシウムセメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水と練和することにより硬化する
リン酸カルシウムセメントは広く知られており(FC 
 REPORT,Vol.6(1988),P475〜
480、特開昭64−37445号公報等)、生体用セ
メントとして注目されている。しかしながら従来のリン
酸カルシウムセメントは、生体に対する刺激が少ない反
面、強度が低く、荷重の加わる部位へ応用する場合に問
題がある。
【0003】また従来強度を向上させるためにセメント
粉剤中に繊維状の物質を混合したセメント組成物が種々
提案されている。例えば特開昭59−161307号公
報には、アパタイトと酸化亜鉛とからなる粉剤にナイロ
ン繊維を混合したセメント組成物が、特開昭62−91
447号公報には酸化亜鉛ユ−ジノ−ルセメントからな
る粉剤にパルプ繊維を混合したセメント組成物がそれぞ
れ提案されている。しかしながら、前記セメント組成物
は、いずれもセメントの物性そのものは向上するものの
生体用とするには組成の点において問題がある。また特
開平2−167171号公報には、PMMAを主成分と
する骨セメントに、アパタイト綿状体を混合し、該骨セ
メントの物性を向上させる旨が開示されているが、該P
MMAを主成分とする骨セメントはそれ自体の生体親和
性に問題がある。更に前記セメント組成物において用い
る繊維状の物質は、比較的大型の繊維状又は綿状体であ
るので、セメント練和時の操作性に劣り、また得られる
硬化物における、強度のばらつきが大きいという問題も
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生体
親和性に優れ、高強度且つ強度のばらつきが少なく、更
には練和時の操作性に優れる生体用リン酸カルシウムセ
メントを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、α型第
3リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムとをCa/
Pモル比1.40〜1.498となるように混合した混
合物を主成分とする粉剤と液剤とから成る生体用リン酸
カルシウムセメントであって、該粉剤が更に粉剤の全量
に対してアパタイトウィスカ−を0.1〜5重量%含有
することを特徴とする生体用リン酸カルシウムセメント
が提供される。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の生体用リン酸カルシウムセメント
は、特定の混合割合を有するα型第3リン酸カルシウム
と第2リン酸カルシウムとの混合物を主成分とする粉剤
が、更にアパタイトウィスカ−を特定の割合で含有する
ことを特徴とする。
【0008】本発明の生体用リン酸カルシウムセメント
において、粉剤の主成分として用いるα型第3リン酸カ
ルシウムと第2リン酸カルシウムとは、水の存在下にて
反応し、リン酸8カルシウムを生成し、硬化する成分で
ある。前記第2リン酸カルシウムとしては、市販の第2
リン酸カルシウム2水和物等を好ましく挙げることがで
きる。また前記反応は、pH6〜8で最も速やかに進行
する。
【0009】前記α型第3リン酸カルシウムと第2リン
酸カルシウムとの混合割合は、Ca/Pモル比で1.4
0〜1.498の範囲とする必要があり、強度をより高
くする為に、Ca/Pモル比を1.47〜1.495と
するのが特に好ましい。前記Ca/Pモル比が1.40
未満若しくは1.498を超える場合には、硬化体の強
度が低下するので前記範囲とする必要がある。
【0010】本発明の生体用リン酸カルシウムセメント
において、前記粉剤が含有するアパタイトウィスカ−は
、セメント硬化体の強度等を向上させるための成分であ
る。該アパタイトウィスカ−としては、例えば平均長さ
10〜20μm、短径0.3〜2.0μm、アスペクト
比(c軸長/a軸長)20〜40である微細なアパタイ
トウィスカ−を用いるのが好ましい。前記アパタイトウ
ィスカ−を調製するには、リン酸カルシウムスラリ−に
クエン酸を添加し、溶解させた後、オ−トクレ−ブ中に
て水熱処理する等して容易に得ることができる。この際
用いるリン酸カルシウムとしては、アパタイト、第3リ
ン酸カルシウム等を好ましく挙げることができ、また前
記クエン酸の使用量は、リン酸カルシウムスラリ−中の
固形分1モルに対して1モル以上とするのが好ましい。 前記クエン酸の添加量が1モル未満の場合には固形分の
一部が未溶解のまま残留するので好ましくない。更に水
熱処理を行う際の処理条件は、150〜250℃、1.
0〜3.0MPa,1〜10時間の範囲とするのが好ま
しい。
【0011】また前記粉剤における前記アパタイトウィ
スカ−の含有割合は、粉剤全体に対して、0.1〜5重
量%である。0.1重量%未満の場合には、硬化体の強
度が向上せず、5重量%を超えるとセメントペ−ストの
粘性が高くなり、練和時に巻き込んだ気泡が抜けずに強
度が低下するので前記範囲とする必要がある。
【0012】本発明において用いる液剤としては、水の
みでも十分であるが、操作性をより向上させるために、
コンドロイチン硫酸ナトリウムやヒアルロン酸ナトリウ
ム等のムコ多糖類を、また硬化時間を短縮するためにコ
ハク酸ナトリウムや乳酸ナトリウム等の水溶性ナトリウ
ム塩類等を添加して用いてもよい。
【0013】前記粉剤と液剤との配合割合は、重量比で
3.5〜1.5:1の範囲とするのが好ましい。前記粉
剤の配合割合が1.5未満の場合には、硬化に長時間を
要し、3.5を超えると練和時の操作性が低下するので
好ましくない。
【0014】また本発明のリン酸カルシウムセメントは
、必要に応じて硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、ヨ−ド
ホルム等のX線造影剤;ヨ−ドホルム、クロルヘキシジ
ン等の抗菌剤等を添加して用いても良い。
【0015】
【発明の効果】本発明の生体用リン酸カルシウムセメン
トは、生体親和性に富む特定組成のリン酸カルシウムセ
メントとアパタイトウィスカ−を基材としているため、
生体親和性に優れ、高強度且つ強度のばらつきが少ない
。また本発明の生体用リン酸カルシウムセメントは、粉
剤が、前記アパタイトウィスカ−を前記割合にて含有す
ることによって、アパタイトウィスカ−を含有しないリ
ン酸カルシウムセメントに比して、練和時におけるセメ
ントペ−ストの流動性及び操作性に優れるので、粉液比
における粉剤の割合を多くすることができ、セメント硬
化体の強度をより高くすることができる。更に流動性に
富むので、形態が複雑な部位や狭い部位等の隅々にまで
充填することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0017】
【参考例1】α型第3リン酸カルシウムと第2リン酸カ
ルシウム(和光純薬工業株式会社製;第2リン酸カルシ
ウム2水和物,特級)とをCa/Pモル比が1.40、
1.43、1.46、1.47、1.495、1.49
8になるようにそれぞれ混合し、セメント粉剤を得た。 次いで得られた粉剤100重量部と液剤として水60重
量部とを、練和し、硬化させた。硬化時のセメントペー
ストのpHをリトマス試験紙を用いて測定したところ、
いずれもpH6〜8の範囲内であった。また硬化時間及
び得られたセメント硬化体の圧縮強度を測定した。結果
を表1に示す。硬化時間はJIS  R5201に準じ
、また圧縮強度は、セメント硬化体(7mmφ,14m
mL)を人工体液に3日間浸漬した後、取り出して濡れ
た状態でインストロン社製万能試験機を使用して測定し
た。
【0018】
【参考例2】α型第3リン酸カルシウムと第2リン酸カ
ルシウムとをCa/Pモル比1.33及び1.499と
した以外は、参考例1と同様にして硬化時間と圧縮強度
を測定した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【参考例3】合成ヒドロキシアパタイト粉末10gを5
00mlの水に懸濁させてリン酸カルシウムスラリ−を
得た。得られたスラリ−500gにクエン酸25gを添
加し、懸濁物を溶解した後、オ−トクレ−ブに充填し、
200℃、2MPa、5時間の処理条件にて水熱処理を
行なった。処理終了後、得られたスラリ−を蒸留水1l
を用いて洗浄し、濾過した後、乾燥器にて100℃で乾
燥を行なった。得られた粉末を、走査電子顕微鏡(商品
名「T−20型」、日本電子(株)社製)及びX線解析
装置(商品名「RU−200型」、理学電気(株)社製
)を用いて分析をしたところ、平均長さ10μm、短径
0.5μm、アスペクト比(c軸長/a軸長)20のア
パタイトウィスカ−であった。
【0021】
【実施例1〜6】α型第3リン酸カルシウムと第2リン
酸カルシウムとをCa/Pモル比が1.48となるよう
に混合したセメント粉剤に、参考例3で得られたアパタ
イトウィスカ−を900℃で焼成した後、粉剤全体に対
して0.1重量%(実施例1)、0.5重量%(実施例
2)、1重量%(実施例3)、2重量%(実施例4)、
3重量%(実施例5)、5重量%(実施例6)となるよ
うに添加混合して、セメント粉剤をそれぞれ調製した。 次いで得られた粉剤100重量部に水50重量部を混合
して硬化させた。この際セメントペ−ストは、流動性に
富み、操作性に非常に優れていた。得られた硬化物につ
いて参考例1と同様にして圧縮強度を測定した。結果を
表2に示す。
【0022】
【比較例1〜2】実施例1でアパタイトウィスカ−の添
加量を、0重量%(比較例1)、7重量%(比較例2)
とした以外は、実施例1〜6と同様にしてセメント硬化
体を調製し、圧縮強度を測定した。結果を表2に示す。 尚、この際得られるセメントペ−ストは、固く、流動性
及び操作性に劣っていた。
【0023】
【比較例3〜4】アパタイトウィスカ−をチタン酸カリ
ウムウィスカ−(大塚化学(株)社製)3重量%(比較
例3)、炭素ケイ素ウィスカ−(東海カ−ボン(株)社
製)3重量%(比較例4)とした以外は実施例1〜6と
同様にして硬化体を調製し、圧縮強度を測定した。結果
を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2に示す結果より明らかなように、本発
明の生体用リン酸カルシウムセメントは、強度が高く、
且つ強度のばらつきが少ないことが判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  α型第3リン酸カルシウムと第2リン
    酸カルシウムとをCa/Pモル比1.40〜1.498
    となるように混合した混合物を主成分とする粉剤と液剤
    とから成る生体用リン酸カルシウムセメントであって、
    該粉剤が更に粉剤の全量に対してアパタイトウィスカ−
    を0.1〜5重量%含有することを特徴とする生体用リ
    ン酸カルシウムセメント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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