JPH04311451A - ピラード容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、予め、射出成形金型キ
ャビティ内にブランクシートをインサートしておき、し
かる後、射出成形樹脂によって筒状容器を形成するピラ
ード容器、特に分解性を有するピラード容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、プラスッチック容器はガラス瓶、
缶などに比べ、軽くて丈夫で輸送・保管に便利でコスト
が安価なためその需要は益々拡大している。このような
プラスッチック容器の１つとして、■射出成形により容
器全体を一度に作る製造方法はもちろんのこと、■容器
を一回で射出成形する代わりに容器を側壁および底板等
の細かい部分に分解し、これらの部分を先ず成形してお
き、次いでこれらの部分を射出成形により接合するピラ
ード容器もよく知られている。

【０００３】特に、後者のピラード容器は、制作しうる
容器の形態に種々の限定が少なく、また、種々の樹脂を
組み合わせて使用可能なため、ニーズに応じた容器が制
作可能というメリット等を有するためその需要は年々増
加している。しかしながら、プラスチック製の材料を用
いた容器の使用後の処理に関しては従来、焼却ないし埋
め立て等に頼らざるを得ず、このような焼却ないし埋め
立て等による廃棄物処理は、現在大きな社会問題として
クローズアップされて来ている。すなわち、焼却処理で
は、包装材料廃棄物の大きな燃焼エネルギーに耐え得る
耐高熱炉が必要になり、処理コストが高いものとなる。 また、埋め立て処理では、プラスチック製の包装材料は
分解せずそのままの形態で地中に存在するので、埋め立
て地の地盤が安定しないという問題がある。さらに、地
上に散乱した包装材料は、分解性がないため半永久的に
ゴミとして残り、環境を損なうという問題がある。　　
このような問題を解決するために、いわゆる分解性を有
するプラスチックを一部に用いた容器が提案されている
。 分解性プラスチックは、光や微生物のより分解されるの
で、環境の汚染等を防止するのに役立ち、近年、特に脚
光を浴びている材料である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
提案のものでは、容器全体として分解性を備えるピラー
ド容器は存在していなかった。このように実情のもの本
発明は創案されたものであって、その目的は、容器全体
として分解性を備えるピラード容器を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は射出成形金型のキャビティ内に、予め、ブ
ランクシートをキャビティ外形状に沿わせて収納し、該
収納されたシート端面の会合する隙間に射出成形樹脂を
射出充填しピラードを形成して器状にしたピラード容器
であって、前記ブランクシートは、分解性材料の単層ま
たは積層体であり、前記ピラードは分解性プラスチック
であるように構成した。

【０００６】

【作用】本発明のピラード容器は分解性材料からなるの
で、放置処理がなされても自然に分解する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を第１図乃至第７図に
基づいて具体的に説明する。本発明のピラード容器１は
、容器の本体となるブランクシート２と、シート端面の
会合する隙間に射出充填されたピラード３を備えている
。このような容器１は、図示しない射出成形金型のキャ
ビティ内に、予め、所定厚さのブランクシート２をキャ
ビティ形状に沿わせて収納し、該収納されたシート端面
の会合する隙間に射出成形樹脂（ピラード３）を射出充
填することにより形成される。なお、容器１の底部にも
図示しない円状のブランクシートがあり、この円状のブ
ランクシートの周縁にも射出成形樹脂が充填され、底部
のブランクシート同士が会合する隙間が充填されるよう
になっている。

【０００８】本発明のピラード容器１に用いられるブラ
ンクシート２の断面図の種々の態様が図２乃至図７に示
される。いずれも分解性を有する材質からなっている。 図２には、容器１を形成しているブランクシートの一実
施例としての部分断面図が示される。図２に示されるよ
うにブランクシート２は、紙４０を基材として、この紙
４０の両面に直接形成されたプラスチック層１１，１５
をそれぞれ備える。プラスチック層１１，１５は、分解
性プラスチック、特に、分解性ポリエチレン樹脂、分解
性ポリプロピレン樹脂、ポリビニルアルコールまたはセ
ロハンで形成される。分解性ポリエチレン樹脂および分
解性ポリプロピレン樹脂は、それぞれポリエチレンおよ
びポリプロピレンを主成分とし光や微生物により分解さ
れ得る樹脂である。

【０００９】このような分解性ポリエチレン樹脂のうち
、光分解性のものとしては、エチレンと一酸化炭素との
共重合体等が挙げられる。このエチレン・一酸化炭素共
重合体は、カルボニル基の結合する２番目と３番目の炭
素間が光で開裂することにより分解すると言われている
。そして、分解速度は共重合体中の一酸化炭素の含有量
により調節することができる。通常、エチレン・一酸化
炭素共重合体の密度は０．８９〜０．９５ｇ／ｃｍ３　
程度であり、一酸化炭素の含有量は０．１〜１０モル％
程度である。

【００１０】上述のようなエチレン・一酸化炭素共重合
体は、例えばエチレンと一酸化炭素とを温度２３０℃、
圧力２０００気圧程度の条件下で共存させることにより
製造することができる。また、光分解性の分解性ポリエ
チレン樹脂又はポリプロピレン樹脂として、ポリエチレ
ン（密度０．８７０〜０．９５０ｇ／ｃｍ３　、溶融指
数（ＭＦＩ）０．４〜４０）やポリプロピレン（密度０
．８７〜０．９１ｇ／ｃｍ３　、溶融指数（ＭＦＩ）０
．３〜５０）と有機酸金属塩との混合物を用いることも
できる。有機酸金属塩としては、ステアリン酸鉄、ステ
アリン酸セリウム、ステアリン酸コバルト等があり、酸
化鉄等の金属酸化物、アセチルアセトン、ジブチルジチ
オカーバメートとの錯体等が挙げられ、有機酸金属塩の
混合量は１〜５０００ｐｐｍ　程度が好ましい。また、
ビニルケトンとの共重合体を添加することもある。

【００１１】また、分解性ポリエチレン樹脂や分解性ポ
リプロピレン樹脂のうち、微生物分解性のものとしては
、ポリエチレンと、ポリカプロラクトン、デンプンおよ
び微生物により重合されるポリエステル等との混合物が
挙げられる。生分解性ポリエチレン樹脂に用いられるポ
リエチレンとしては、密度０．８７０〜０．９５０ｇ／
ｃｍ３　、溶融指数（ＭＩ）０．４〜４０のエチレンの
単独重合体、もしくはプロピレン、ブテン、ヘキセン、
オクテン、４−メチルペンテン−１等の他のオレフィン
とのランダムあるいはブロック共重合体、さらには酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル
、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイ
ン酸等のエチレン性不飽和基を有する単量体との共重合
体等が挙げられる。ポリプロピレンは、密度０．８７〜
０．９１ｇ／ｃｍ３　、溶融指数（ＭＦＩ）０．３〜５
０のプロピレン単独重合体もしくは、エチレン、ブテン
等の他のオレフィンとのランダムあるいはブロック共重
合体が挙げられる。

【００１２】また、生分解性ポリエチレン樹脂に用いら
れるポリカプロラクトンは、ε−カプロラクトンの開環
重合により得られ、その重量平均分子量（Ｍｗ）は、通
常、４０，０００〜１００，０００程度である。また、
デンプンは、Ｄ−グルコースの重合体であり、ジャガイ
モ、サツマイモ、トウモロコシ、小麦等の茎や根から工
業的に製造されるものであり、その重量平均分子量（Ｍ
ｗ）は原料、製法により数万から数千万まで大きく変化
する。このようなデンプンの平均粒径は１０μｍ以下が
好ましい。

【００１３】生分解性ポリエチレン樹脂に用いられる微
生物により重合されるポリエステルとしては、３−ヒド
ロキシブチレートと３−ヒドロキシバリレートとのラン
ダム共重合ポリエステル（例えば、英国Ｉ．Ｃ．Ｉ．社
により生産されている水素細菌にプロピオン酸を供給し
て得られるもの）や、水素細菌に吉草酸を供給して得ら
れる３−ヒドロキシブチレート主体のポリエステル等が
挙げられる。

【００１４】上述のような生分解性ポリエチレンやポリ
プロピレン樹脂におけるポリカプロラクトン、デンプン
および微生物により重合されるポリエステルとの混合量
は、ポリエチレンまたはポリプロピレンと上記各混合成
分の合計を１００重量％として、それぞれ５〜８０重量
％が好ましい。上記各成分の混合量が５重量％未満では
、微生物分解性が不十分であり、また８０重量％を越え
ると強度的に弱くなってしまう。

【００１５】なお、ポリカプロラクトン、デンプンおよ
び微生物により重合されるポリエステルの各成分は２種
以上を用いてもよいが、その場合、混合量は合計で５〜
８０重量％の範囲となればよい。また、微生物分解性の
ポリエチレン樹脂の原料として前述の光分解性のポリエ
チレン樹脂を用いることにより、光分解性と微生物分解
性を兼ね備えた分解性ポリエチレン樹脂を得ることがで
きる。

【００１６】なお、このような分解性のポリエチレンな
いしポリプロピレン樹脂を含有するプラスチック層の中
には、強度を上げるために、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、硫酸マグネシウム等の金属塩、ケイ酸あるいは
カオリン、タルク等のケイ酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛
等の金属酸化物および水酸化アルミニウム、アルミナ等
のアルミニウム化合物等の無機質充填剤を含有させても
よい。さらに酸化防止剤、分解促進剤、安定剤、帯電防
止剤、界面活性剤等の各種添加剤を含有させてもよい。

【００１７】また、容器外側のプラスチック層１５の表
面側１５ａまたは接合面側１５ｂには必要に応じて所定
の印刷等が施される。なお、上記図２に示されるブラン
クシート２は、通常、紙４０を基材として、その両面側
からプラスチック層１１，１５を押し出して形成される
。一方で、シート端面の会合する隙間に射出充填される
ピラード３（図１）もまた、上述したような分解性を有
する分解性プラスチックが用いられる。

【００１８】図３には他のブランクシート２の層構成（
第二実施例）が示される。符号が同一である部材は前記
第一実施例（図２）のそれらと同一部材を示す。図３に
示される第二実施例と前記第一実施例（図２）との層構
成の根本的な相違点はプラスチック層１１と紙４０の間
に、さらに分解性を有する中間層２０が形成されている
点にある。中間層２０は、ポリビニルアルコールまたは
セロハンから形成される。このような材質からなる中間
層２０もまた、分解性を有する。この実施例の場合も前
記第一実施例と同様に、容器外側のプラスチック層１５
の表面側１５ａまたは接合面側１５ｂに必要に応じて所
定の印刷等が施される。

【００１９】図４には他のブランクシートの層構成（第
三実施例）が示される。符号が同一である部材は前記第
一実施例（図２）のそれらと同一部材を示す。図４に示
される第三実施例と前記第一実施例（図２）との包材の
根本的な相違点はプラスチック層１１と紙４０の間に、
さらにバリア性を有するバリア中間層３０が形成されて
いる点にある。このバリア中間層３０は、ベース材３２
と、このベース材３２に蒸着されたバリア層３１とを有
する．ベース材３２は、ポリビニルアルコールから形成
される。また、バリア層３１は、シリカまたはアルミニ
ウムを蒸着することによって形成される。蒸着は、真空
蒸着法、スパッタリング法またはイオンプレーティング
法のいずれかの方法による。このようなバリア層３１の
厚さは、通常、１００〜２０００Å程度である。このよ
うなバリア中間層３０を形成することにより、ガスバリ
ア性、水蒸気バリア性は格段と向上する。この実施例の
場合も前記第一実施例と同様に、容器外側のプラスチッ
ク層１５の表面側１５ａまたは接合面側１５ｂに必要に
応じて所定の印刷等が施される。

【００２０】図５には他のブランクシートの層構成（第
四実施例）が示される。符号が同一である部材は前記第
一実施例（図２）のそれらと同一部材を示す。図５に示
されるように、このものは紙基材が用いられることなく
、プラスチック層１１の上にバリア体５０が積層されて
おり、このものは、ベース材５２と、このベース材５２
に蒸着されたバリア層５１とを有する．ベース材５２は
、ポリビニルアルコールから形成される。また、バリア
層５１は、シリカまたはアルミニウムを蒸着することに
よって形成される。このようなバリア層５１の厚さは、
通常、１００〜２０００Å程度である。このようなバリ
ア体５０を形成することにより、ガスバリア性、水蒸気
バリア性は格段と向上する。

【００２１】図６には他のブランクシートの層構成（第
五実施例）が示される。符号が同一である部材は前記第
四実施例（図５）のそれらと同一部材を示す。図６に示
されるように、第五実施例と前記第四実施例（図５）と
の根本的な相違点はプラスチック層１１とバリア体５０
との接合にある。すなわち、第五実施例はドライラミネ
ート層６０によってプラスチック層１１とバリア体５０
とを接合している。この場合には接合前に、バリア体５
０の接合面側５２ａに所定の印刷が可能である。なお、
ドライラミネート層６０は、溶剤形接着剤を均一に塗布
し乾燥させた後、加圧接着するいわゆるドライラミネー
ト法により形成される接着部である。

【００２２】図７には他のブランクシートの層構成（第
六実施例）が示される。符号が同一である部材は前記第
四実施例（図５）のそれらと同一部材を示す。図７に示
されるように、第六実施例と前記第四実施例（図５）と
の根本的な相違点はバリア体５０（特に、バリア層５１
）の上にドライラミネート層６０を介して表面層７０を
形成させたところにある。表面層７０はポリビニルアル
コールまたはセロハンから形成される。この場合、表面
層７０の接合面側７０ａに所定の印刷ができるというメ
リットがある。なお、上記バリア層は逆方向（反対側）
に設けるような構成としてもよい。

【００２３】ブランクシートを積層体とした場合、上述
したように最内層は分解性プラスチックとされる。図１
に示されるように、ピラード３の一部は通常容器の内面
にはみ出すように設定されており、これによって接合強
度が向上する。上述のごとくブランクシートを積層体と
した場合の具体的態様について説明してきたが、積層体
構造に限らずブランクシートを上記分解性プラスチック
からなる単層構成としてもよい。もちろん、ポリビニル
アルコールまたはセロハンの単層構成としてもよい。ま
た、ブランク２とピラード３との接合強度を高めるため
に、ブランク２の最内面の材質とピラード３との材質は
同一のものが好ましい。

【００２４】

【発明の効果】本発明のピラード容器はブランクシート
およびピラードともに分解性材料からなるので、容器全
体として分解性を備えるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のピラード容器の斜視図である。

【図２】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの層構成を示す部分断面図である。

【図３】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの他の層構成を示す部分断面図である。

【図４】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの他の層構成を示す部分断面図である。

【図５】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの他の層構成を示す部分断面図である。

【図６】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの他の層構成を示す部分断面図である。

【図７】本発明のピラード容器に用いられるブランクシ
ートの他の層構成を示す部分断面図である。

【符号の説明】

２　　ブランクシート ３　　ピラード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　射出成形金型のキャビティ内に、予め
   、ブランクシートをキャビティ外形状に沿わせて収納し
   、該収納されたシート端面の会合する隙間に射出成形樹
   脂を射出充填しピラードを形成して器状にしたピラード
   容器であって、前記ブランクシートは、分解性材料の単
   層または積層体であり、前記ピラードは分解性プラスチ
   ックであることを特徴とするピラード容器。