JPH04309501A - アラビノキシロオリゴ糖 - Google Patents

アラビノキシロオリゴ糖

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JPH04309501A
JPH04309501A JP9970991A JP9970991A JPH04309501A JP H04309501 A JPH04309501 A JP H04309501A JP 9970991 A JP9970991 A JP 9970991A JP 9970991 A JP9970991 A JP 9970991A JP H04309501 A JPH04309501 A JP H04309501A
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肇 谷口
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英明 山田
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究 椎葉
Hiroyoshi Hara
博嘉 原
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアラビノキシロオ
リゴ糖に関する。
【0002】
【発明の内容】機能性食品素材の1つとして、近年オリ
ゴ糖が注目されており、種々のオリゴ糖が開発され商品
化されている。
【0003】このような状況下で、本発明者らは小麦フ
スマ由来ヘミセルロースの酵素処理について研究を行っ
てきた。その結果、該ヘミセルロースをエンドキシラナ
ーゼで加水分解処理すると種々のオリゴ糖を含有するオ
リゴ糖混合物を生成すること、そしてそのオリゴ糖混合
物中に4個のキシロース分子と2個のアラビノース分子
が特定位置で結合した新規なアラビノキシロオリゴ糖が
含まれることを発見し、それを単離した。
【0004】したがって、本発明は、下記の式;
【化2
】 で表されるアラビノキシロオリゴ糖である。
【0005】上記の式から明らかなように、本発明のア
ラビノキシロオリゴ糖は、6員環構造を有するキシロー
ス分子が4個鎖状に結合して主鎖を形成し、該主鎖の還
元末端から3番目のキシロースに5員環構造を有するア
ラビノース分子が2個隣接して結合した構造を有してい
る。
【0006】本発明のアラビノキシロオリゴ糖は、小麦
フスマ由来のヘミセルロースをエンドキシラナーゼで加
水分解してオリゴ糖混合物を製造し、該オリゴ糖混合物
から上記のアラビノキシロオリゴ糖を単離することによ
り製造できる。その場合にエンドキシラナーゼ処理を施
すフスマ由来ヘミセルロースとしては、水不溶性ヘミセ
ルロース、水溶性で60%エタノール不溶性のヘミセル
ロースおよび水溶性で陰イオン交換体非吸着性のヘミセ
ルロースのうちの少なくとも1つを含むものを使用する
のがよく、60%エタノール可溶性ヘミセルロースに対
してエンドキシラナーゼを作用させても加水分解が円滑
に行われず本発明のアラビノキシロオリゴ糖をも含めて
オリゴ糖が効率よく生成しない。上記水不溶性ヘミセル
ロース、水可溶性で60%エタノール不溶性のヘミセル
ロース(以後、単に「60%エタノール不溶ヘミセルロ
ース」という)および水可溶性で陰イオン交換体非吸着
性のヘミセルロース(以後、「陰イオン交換体非吸着ヘ
ミセルロース」という)としては、いずれのものも使用
でき、その調製法等は特に問わないが、それらのヘミセ
ルロースは、例えば以下の方法で調製できる。
【0007】(i) 水不溶性ヘミセルロース:■  
小麦フスマをアルカリ水溶液で抽出処理し、次いで該ア
ルカリ水溶液を酸で中和し、その際に沈澱した区分を水
不溶性ヘミセルロースとして分離回収する。この場合、
温度約40〜70℃で約0.15〜0.30規定のアル
カリ水溶液を使用して小麦フスマの抽出処理を行った後
、それを塩酸等で中和した際に沈澱してくる水不溶性ヘ
ミセルロースを回収するのがよい。
【0008】■  小麦フスマからアルカリ抽出等によ
り得られたヘミセルロースを一旦固形分として回収し、
これを水に溶解させてその水不溶区分を水不溶性ヘミセ
ルロースとして分離回収する。この場合、フスマ由来ヘ
ミセルロースの約25〜35重量%が水不溶性ヘミセル
ロースとして回収される。
【0009】(ii) 60%エタノール不溶ヘミセル
ロース:任意の方法で調製された水溶性ヘミセルロース
を60%エタノール水溶液に溶解させて、不溶性の区分
を分離回収する。
【0010】(iii) 陰イオン交換体非吸着ヘミセ
ルロース:水溶性ヘミセルロースを緩衝液に溶解した溶
液を陰イオン交換体に通し、その非吸着性の区分を含有
する液を回収し、この液を限外濾過膜で濃縮後、凍結乾
燥して目的とする陰イオン交換体非吸着ヘミセルロース
を得る。この場合、緩衝液としてはpH約7.5〜8.
5のトリス−塩酸緩衝液またはリン酸緩衝液等を使用し
、該緩衝液20mlに対して水溶性ヘミセルロース約1
50〜250mlを溶解させた溶液を、セルロースにジ
エチルアミノエチル基(以後「DEAE」という)を結
合させた陰イオン交換体に0.5〜1.5ml/分の流
速で通し、陰イオン交換体の下部から非吸着ヘミセルロ
ースを含有する液を回収する。
【0011】そして、本発明のアラビノキシロオリゴ糖
を得るに当たっては、まず、例えば上記のようにして調
製された小麦フスマ由来の水不溶性ヘミセルロース、6
0%エタノール不溶ヘミセルロースおよび陰イオン交換
体非吸着ヘミセルロースのうちの少なくとも1つ、また
は小麦フスマをアルカリ等で抽出処理することにより得
られたヘミセルロースをエンドキシラナーゼで加水分解
処理してオリゴ糖混合物を生成させる。
【0012】その際に使用するエンドキシラナーゼは、
別名β−キシラナーゼとも称されるが、エンドキシラナ
ーゼであればいずれのものも使用できる。市販の酵素を
使用する場合、エンドキシラナーゼ単品では入手し難い
ため細胞壁分解酵素等に含まれるエンドキシラナーゼを
使用してもよい。その例としては、ヤクルト社製の“セ
ルラーゼ  オノズカ”、盛進製薬社製の“ペクトリア
ーゼY−23”、三光純薬社製の“メイセラーゼ”等に
含まれるエンドキシラナーゼを挙げることができる。そ
れらのうちでも特にヤクルト社製の“セルラーゼ  オ
ノズカ”に含まれるエンドキシラナーゼが酵素活性が高
く、オリゴ糖混合物を高収率で得ることができる点で好
ましい。
【0013】そして、エンドキシラナーゼは、遊離の状
態で使用しても担体に固定化して使用してもよく、更に
エンドキシラナーゼによる加水分解処理は連続法で行っ
てもバッチ法で行ってもよい。エンドキシラナーゼの起
源、その使用量、処理時の温度、圧力、pH、時間等の
諸条件を適宜選んで処理を行う。
【0014】本発明において、エンドキシラナーゼによ
るヘミセルロースの加水分解処理の終了の目安としては
、ヘミセルロース含有水溶液の粘度が当初急激に低下し
その後徐々に低下してゆく適当な時点で酵素を失活させ
る。
【0015】例えば、上記のヘミセルロースを濃度約2
0mg/ml溶液、pH約5〜6の水溶液とし、これに
約0.2units/mlのエンドキシラナーゼを加え
て約50℃の温度で約8時間加水分解処理すると、種々
のオリゴ糖含有する加水分解液を得ることができる。
【0016】上記により製造されたオリゴ糖混合物は、
キシロースのみが結合したキシロオリゴ糖と、キシロー
スとアラビノースとが結合したアラビノ  キシロオリ
ゴ糖との混合物(混合オリゴ糖)であり、通常、キシロ
オリゴ糖とアラビノキシロオリゴ糖とをほぼ同じ割合で
含有している。該混合オリゴ糖は、キシロースまたはキ
シロースとアラビノースとが2〜6個結合しており、組
成式XnAm(式中、X:キシロース、A:アラビノー
ス、n:キシロースの結合数、m:アラビノースの結合
数であり、通常、n=2〜4、m=0〜2)で表わされ
る混合物であり、本発明のアラビノキシロオリゴ糖はX
4A2で示されるオリゴ糖の1種として得られる。
【0017】本発明のアラビノキシロオリゴ糖は、上記
により製造された種々のオリゴ糖や単糖を含有するエン
ドキシラナーゼによる加水分解液を直接そのまま処理し
て単離しても、または該加水分解液から一旦オリゴ糖や
単糖の混合物を分離回収し、それから単離してもよい。
【0018】エンドキシラナーゼによる加水分解液を直
接処理して本発明のアラビノキシロオリゴ糖を単離する
には、例えば次の(a)〜(g)の工程からなる方法が
採用できる。
【0019】アラビノキシロオリゴ糖の単離法  (a
)  種々のオリゴ糖等を含有する加水分解液をイオン
交換樹脂(例えばオルガノ工業株式会社製のアンバーラ
イトMB−3)に通して脱塩する; (b)  脱塩した液を濾過した後、遠心分離する;(
c)  上澄液を孔径が0.45μmのミクロフィルタ
ーを使用して濾過した後、エバポレーターにより濃縮し
て濃縮液を形成させる; (d)  濃縮液をゲル濾過クロマトグラフィー(例え
ば、カラム直径2.6cm、カラム長さ90cm;カラ
ム充填剤 東ソー株式会社製 Toyopearl H
W−40s)にかける;(e)  高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)にかけ特定の条件下で分離を行う
; (f)  目的とする画分の単一性が確認されるまで(
d)〜(e)の操作を繰り返す; (g)  単一性が確認された段階でその物質の構造決
定を行って、目的物が得られたことを確認する。
【0020】また、エンドキシラナーゼによる加水分解
液からのオリゴ糖混合物の分離回収は、例えば次の■〜
■の方法により行うことができる。
【0021】■  オリゴ糖含有加水分解液をイオン交
換樹脂(例えばアンバーライトMB−3)に通して脱塩
した後、遠心分離し、その上澄液を孔径0.45μmの
ミクロフィルターで濾過し、次いで活性炭カラムに通し
て活性炭吸着区分と非吸着区分とに分け、そして活性炭
吸着区分を70%エタノールで溶離すると、少量の単糖
類を含むオリゴ糖混合物の溶離液が回収されるので、こ
れを乾燥して少量の単糖類を含むオリゴ糖混合物を得る
方法。
【0022】この方法の場合に、活性炭吸着区分を70
%エタノールで溶離するに先立って該活性炭吸着区分を
5%エタノールで処理して単糖類を予め溶離除去してお
くと、該70%エタノールによる溶離溶液からは単糖類
を含まない高純度のオリゴ糖が得られる。
【0023】■  オリゴ糖含有加水分解液を遠心分離
した後、上澄液を限外濾過膜で処理して得た流出液を乾
燥して、少量の単糖類が含まれるオリゴ糖混合物を回収
する方法。
【0024】■  オリゴ糖含有加水分解液をイオン交
換樹脂(例えばアンバーライトMB−3)に通して脱塩
した後、遠心分離し、その上澄液をミクロフィルター(
孔径:0.45μm)に通す。濾液をエバポレーターで
約5mlに濃縮しゲル濾過クロマトグラフィー(例えば
Toyopearl HW−40S)にかける。溶出液
のうち、分子量約2000以上の高分子画分を除いて、
それ以降に現れるオリゴ糖画分を分取し、凍結乾燥等に
よって固体のオリゴ糖を回収する。また、ゲル濾過クロ
マトグラフィーからの溶出液を細かく分取することによ
って、単一のオリゴ糖を得ることもできる。
【0025】上記方法のうち特に■の方法は、原料とし
て水不溶性ヘミセルロース、60%エタノール不溶ヘミ
セルロースおよび陰イオン交換体非吸着ヘミセルロース
を使用した場合に有効であり、純度の高いオリゴ糖を高
収率で得ることができる。
【0026】また■の方法は、原料として小麦フスマ由
来のヘミセルロースをそのまま使用した場合に有効であ
り、活性炭処理によりエンドキシラナーゼで加水分解さ
れない高分子量の水溶性ヘミセルロース等が活性炭非吸
着区分として円滑に分離される。
【0027】そして、例えば上記■〜■の方法によって
分離回収されたオリゴ糖混合物から本発明のアラビノキ
シロオリゴ糖を単離するには、オリゴ糖混合物を水に溶
解して水溶液を形成し、この水溶液を使用して上記した
(c)〜(g)の工程を行えばよい。
【0028】本発明のアラビノキシロオリゴ糖は小麦フ
スマ由来のヘミセルロースから調製されたものであるた
め、その一方の構成単位であるアラビノースは小麦フス
マ由来ヘミセルロース中におけるのと同様にL−アラビ
ノースである。
【0029】本発明のアラビノキシロオリゴ糖は、白色
固体であり、吸湿性が高く、水に対する溶解度も高く、
しかも甘味をほとんど示さないという諸特性を有してお
り、そのような特性に基づいて機能性食品やその他の用
途に有効に利用できる。
【0030】以下に、本発明を例を挙げて具体的に説明
するが本発明はそれらによって限定されない。下記の例
中の%はすべて重量による。
【0031】参考例  1 精選小麦フスマ2kgを50℃の温水20lに分散させ
5分間撹拌する。その後遠心濾過機(田辺鉄工所製)で
濾過して固形分を回収し、得られた固形分3kgを70
℃の0.2N水酸化ナトリウム水溶液20lに入れて9
0分間撹拌し溶解させる。放冷後、0.8N塩酸水溶液
5lを撹拌下に徐々に加えて中和する。中和溶液を5,
000Gで10分間遠心分離し、次いで上澄液と沈澱物
を回収し水不溶性ヘミセルロース(全糖量32.1%、
蛋白質含有量10.0%、その他の成分57.9%)1
90gを得た。
【0032】参考例  2 上記参考例1で得た上澄液20lに水20lを加えて希
釈し、その溶液温度を50℃に保ちながら、日東電工製
の管状限外濾過膜NTU 3520(P−18型、膜面
積0.76m2、内径11.5mm)の管内を通し圧力
8kg・f/cm2、流速13l/minの条件下で3
時間処理する。この時、膜透過溶液と同量の水を常に管
内に補給し膜処理液量を一定とする。3時間後に水の供
給をとめ、前記と同様の条件(圧力8kg・f/cm2
、流速13l/min)で濃縮を開始しフラックスの低
下を考慮することなく濃縮を行い、水溶液の糖濃度が約
10mg/mlになるまで行う。処理液をオルガノ社製
陽イオン交換樹脂(IR−120E)500ccに1時
間当たりイオン交換樹脂容量の10倍の流速で溶出し、
次いで同社製の陰イオン交換樹脂(IRA−93)に同
流速で流す。イオン交換処理後得られた水溶液を温度3
0℃、真空度0.1Torr以下の条件下で真空凍結乾
燥して、水溶性ヘミセルロース約150gを得た。
【0033】この水溶性ヘミセルロースの50gを水0
.7lに溶解した溶液にエタノールを加えて、該溶液の
エタノール濃度を60%に調整し、そのまま約20分間
撹拌後静置した。生成した沈澱物を60%エタノールで
洗浄し、凍結真空乾燥して60%エタノール不溶ヘミセ
ルロース20gを得た。
【0034】参考例  3上記参考例2で調製した水溶
性ヘミセルロース50gを20ミリモル(mM)のトリ
ス−塩酸緩衝液(pH8.5)5lに溶解し、この液を
陰イオン交換体(DEAE−Sepharose CL
−6B:ファルマシア社製)0.2lを充填したカラム
に通して、非吸着区分を含有する液を回収した。この液
を乾燥して陰イオン交換体非吸着ヘミセルロース20g
を得た。
【0035】実施例  1 上記の参考例1で調製した水不溶性ヘミセルロース0.
5gをリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)50ml
に加えて水不溶性ヘミセルロースの1%溶液を調製した
【0036】次いで、この溶液を予め50℃に加温した
後、セルラーゼ“オノズカRS”(ヤクルト社製)を6
mg(キシラナーゼとして50units)添加し、同
温度に保って加水分解を4時間行なった。その後煮沸し
て酵素を失活させ、溶液の2mlを採取して3000r
pmで10分間遠心分離した。上澄液1mlを管状の限
外濾過ユニット(モルカットII LCC型:膜面積1
.3cm2、内径17mm:日本ミリポア株式会社製)
の管内を加圧状態(2kg/cm2)で通して、得られ
る流出液を下記の条件下でHPLC分析を行った。
【0037】HPLC 分析     注入量 : 20μl カラムの種類 : Shodex KS−802 + 
KS−801溶離液 : 純水 流  速 : 0.7ml/min 温  度 : 80℃ 検出装置 : 示差屈折計 その結果、図1に示すようなクロマトグラムを得た。図
1のピーク1〜8の各フラクションを酸加水分解してか
ら再度HPLCに供して構成糖の組成を調べた。またフ
ェノール硫酸法により全糖量を調べ、且つソモギーネル
ソン法で還元糖量を調べて各ピークの重合度を調べた。
【0038】その結果を、下記の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】次に、上記のピーク1の画分を分取して単
一性が確認されるまで上記のゲル濾過クロマトグラフィ
ー処理とHPLC分析を繰返したところ、ゲル濾過クロ
マトグラフィー処理とHPLC分析を2回繰り返した時
点で単一性が確認された。
【0041】ここで該単一性の確認は、化合物サンプル
10mgを1.0mlの純水に溶解して1%溶液を調製
し、これを下記の■〜■に示したHPLCおよびペーパ
ークロマトグラフィーにかけて行った。
【0042】■ HPLC−1 注入液量 : 20μl カラムの種類 : Shodex KS−801(昭和
電工株式会社製) 溶出液 : 純水 流  速 : 0.7ml/min 温  度 : 80℃ 検出装置 : 示差屈折計 原  理 : ゲル濾過+配位子交換 この結果、リテンションタイム7.5分のところに単一
なピークを得た。
【0043】■ HPLC−2 注入液量 : 20μl カラムの種類 : Senshu Pack−NH2(
株式会社センシュー科学製) 溶出液 : アセトニトリル:水=65:35流  速
 : 1.0ml/min 温  度 : 室温 検出装置 : 示差屈折計 原  理 : 分配 この結果、リテンションタイム12.6分のところに単
一なピークを得た。
【0044】■ ペーパークロマトグラフィーペーパー
 : 東洋濾紙 No.50 使用液量 : 1μl 分離液 : ブタノール:ピリジン:水=6:4:4発
色剤 : 硝酸銀 この結果、Rf値0.24付近に単一なスポットを得た
【0045】次いで上記において単一性が確認された化
合物を、下記に示した(1)重合度の測定、(2)強酸
による完全加水分解、(3)希酸による部分加水分解、
(4)メチル化分析、および(5)13C−NMR分析
法の5つの方法を使用して構造決定した。
【0046】(1) 重合度の測定:化合物サンプル1
0mgを1.0mlの純水に溶解して1%溶液を調製し
、この溶液の全糖量をフェノール硫酸法で求め、また還
元糖量をソモギーネルソン法で求めたところ、各々9.
6mg/mlおよび1.6mg/mlであった。そして
これらの値から該化合物は6糖類であることがわかった
【0047】(2) 強酸による完全加水分解:化合物
サンプル5mgを2規定のトリフルオロ酢酸1mlに溶
解し、100℃で2時間加水分解した。放冷却後、トリ
フルオロ酢酸をエバポレーターで除去し、得られた乾燥
物に純水0.5mlを加えて溶解し、上記したHPLC
−1の方法によって分析した。その結果、化合物の構成
糖はキシロースとアラビノースのみであり、且つキシロ
ースとアラビノースの面積比は約2:1であった。この
結果を上記(1)の結果と合わせると、化合物はキシロ
ース4分子およびアラビノース2分子からなるオリゴ糖
であることがわかる。
【0048】(3) 希酸による部分加水分解:化合物
サンプル5mgを0.1規定の硫酸1mlに溶解し、1
00℃で2時間加水分解した後、炭酸バリウムで中和し
た。次いで、遠心分離し、その上澄液を孔径0.45μ
mのミクロフィルターに通し、濾液を上記したHPLC
−1の方法で分析したところ、リテンションタイム8.
5分のところにキシロテトラオースのピークが現れるこ
とを確認した。このことから、上記(1)および(2)
により確認されたキシロース4分子およびアラビノース
2分子からなる該オリゴ糖が、キシロテトラオースにア
ラビノース2分子が結合したオリゴ糖であることがわか
った。
【0049】(4) メチル化分析:化合物サンプル2
mgを箱守法でメチル化した後、エバポレーターで濃縮
乾固した。生成した乾燥物を88%ギ酸および1規定の
トリフルオロ酢酸を使用して加水分解した。これをエバ
ポレーターで濃縮乾固した後、水素化ホウ素ナトリウム
で還元し、次いでアセチル化してガスクロマトグラフィ
ー分析した。その結果、2,3,4−トリメチルキシリ
トールモノアセテート、2,3,5−トリメチルアラビ
ニトールモノアセテート、2,3−ジメチルキシリトー
ルジアセテートおよびキシリトールテトラアセテートを
得た。
【0050】更に、上記化合物サンプルを水素化ホウ素
ナトリウムで還元して還元サンプルを調製し、この還元
サンプル2mgを使用して、上記と同様にしてメチル化
、加水分解、還元およびガスクロマトグラフィー分析を
行った。その結果、1,2,3−トリメチルキシリトー
ルモノアセテート、2,3,4−トリメチルキシリトー
ルモノアセテート、2,3,5−トリメチルアラビニト
ールモノアセテート、2,3−ジメチルキシリトールジ
アセテートおよびキシリトールテトラアセテートを得た
【0051】以上のことから、還元末端および非還元末
端のキシロースのいずれにもアラビノースが結合してい
ないこと、キシロースの2位および3位にアラビノース
が結合していることがわかった。
【0052】(5) 13C−NMR分析:上記化合物
中のアラビノースが結合したキシロースの位置を決定す
るために、キシロテトラオースと上記化合物の13C−
NMRスペクトルを測定し、両スペクトルを比較した。
【0053】すなわち、90mgのキシロテトラオース
と30mgの上記化合物の夫々を0.6mlの重水に溶
かしたのち、内部標準として、ジオキサンを加えた。こ
れを、直径5mmの試料管に入れて、NMR分析計(J
EOL GSX−270W;日本電子株式会社製)を用
いて、共鳴周波数67.9MHz、磁場強度6.3T、
温度27℃の条件で分析を行った。
【0054】その結果、キシロテトラオースについて図
2の13C−NMRスペクトルを、上記化合物について
図3の13C−NMRスペクトルを得た。
【0055】この13C−NMRスペクトルについて、
キシロテトラオースの還元末端から1番目のキシロース
の1位の炭素(■−C1と表記する)、同2番目のキシ
ロースの1位の炭素(■−C1と表記する)、同3番目
のキシロースの1位の炭素(■−C1と表記する)、お
よび同4番目のキシロースの1位の炭素(■−C1と表
記する)についてのNMRシグナルと、対応する上記化
合物のキシロースの夫々の1位の炭素についてNMRシ
グナルとを比較すると表2のとおりである。
【0056】
【表2】
【0057】差の絶対値の大きい順番に並べると、■>
>■>■>■になるが、これは、アラビノースが還元末
端から3番目のキシロースに結合していることを示して
いる。
【0058】上記の(1)〜(5)の結果を総合すると
、図1におけるピーク1として単離された化合物は下記
の構造を有する新規なアラビノキシロオリゴ糖であるこ
とがわかった。
【0059】
【化3】
【0060】また、該アラビノキシロオリゴ糖の収率は
、原料として用いた水不溶性ヘミセルロースの重量に基
づいて4%であった。
【0061】実施例2 水不溶性ヘミセルロースの代わりに上記の参考例2で調
製した60%エタノール不溶ヘミセルロースを使用した
以外は実施例1と同様にして処理、分析および構造決定
を行ったところ、実施例1で得たのと同じキシロテトラ
オース主鎖の還元末端から3番目のキシロースにアラビ
ノース分子が2個結合した上記アラビノキシロオリゴ糖
を得た。
【0062】このアラビノキシロオリゴ糖の収率は原料
として用いた60%エタノール不溶ヘミセルロースの重
量に基づいて約3%であった。
【0063】実施例3 水不溶性ヘミセルロースの代わりに上記の参考例3で調
製した陰イオン交換体非吸着ヘミセルロースを使用した
以外は実施例1と同様にして処理、分析および構造決定
を行ったところ、やはり実施例1で得たのと同じキシロ
テトラオース主鎖の還元末端から3番目のキシロースに
アラビノース分子が2個結合したアラビノキシロオリゴ
糖を得た。
【0064】このアラビノキシロオリゴ糖の収率は原料
として用いた陰イオン交換体非吸着ヘミセルロースの重
量に基づいて約3%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造されるオリゴ糖混合物のHLP
C分析により得られる各フラクションのクロマトグラム
を示す図である。
【図2】キシロテトラオースの13C−NMRスペクト
ルを示す図である。
【図3】実施例1で製造されるオリゴ糖混合物フラクシ
ョンのうちピーク1の画分を精製して単一性が確認され
た化合物の13C−NMRスペクトルを示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の式; 【化1】 で表されるアラビノキシロオリゴ糖。
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