JPH0430858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はテレビカメラ用ビユーフアインダの支
持装置に関し、特に屋外用やスタジオ用の大型
VTRカメラに適用されるものである。

〔考案の概要〕

左右一対の四連リンクでもつてテレビカメラ用
ビユーフアインダを高さ及び角度調整自在に支持
するように成し、各四連リンクを構成する左右の
支持脚を連結部材で結合して支持の補強安定を図
つたものである。

〔従来の技術〕

第７図は従来の大型テレビカメラ用ビユーフア
インダで、カメラの高さが変わつてもオペレータ
に対して向きを調整できるように四連リンクを備
えるチルト機構が採用されている。即ち、ビユー
フアインダ本体１は、台座２に回転軸６，７を中
心に回転自在に取付けられた二つの支持脚３ａ，
３ｂ及びこれらの遊端を結合したアーム３ｃから
成る左右一対の四連リンクによつて支持されてい
る。支持脚３ａとアーム３ｃとの回転結合軸８ａ
は本体１の側面のガイドスリツト４内に延長さ
れ、また支持脚３ｂとアーム３ｃとの間の回転結
合軸８ｂにはロツクつまみ５が取付けられてい
て、摩擦により両者の自在回転を拘束して、ビユ
ーフアインダ本体１を所定高さ及び角度で固定し
得るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ビユーフアインダはかなりの重量があるので、
例えば第７図のＡ方向の力が加わつたとき、各支
持脚３ａに対し捩れる方向Ｂ、Ｃに力が加わる。
荷重点が支持脚３ａの回転軸６から遠いため大き
なモーメントが作用し、結合部のゆるみが生じ易
い。

またビユーフアインダ本体１の高さや角度を調
整するには、ロツクつまみ５をゆるめて、本体１
を手で動かすので、操作が容易でない。またロツ
クつまみ５をゆるめたとき、ビユーフアインダ本
体１が急下降して、カメラ本体に衝突し、破損す
ることもある。

なおロツクつまみ５はビユーフアインダ本体１
の重心に配置されているが、室内用や屋外用等の
各種の前面フード９を交換したり、或いはビユー
フアインダ本体１を白黒用やカラー用に交換した
ときに重心位置がずれて、ロツクつまみ５をゆる
めたときにバランスを失つて本体１が傾いてしま
う不都合が生じる。

本考案は上述の問題にかんがみ、ビユーフアイ
ンダの支持の安定性を簡単な構造で強化できるよ
うにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のテレビカメラ用ビユーフアインダの支
持装置は、台部（台座２）に回転自在に取付けた
略平行な二本の支持脚３ａ，３ｂの各遊端を回転
結合軸８ａ，８ｂを介してアーム３ｃで結合して
成る四連リンクを左右一対備える。

一対の四連リンク間で対応する支持脚３ａどう
しを連結する連結部材（連結ロツド１０）を各支
持脚の回転軸６と平行に取付けてある。

〔作用〕

横方向の力が加わつたとき、左右の支持脚３ａ
が、捩れ変形して回転軸６との結合部でゆるみが
生じ易いが、連結部材１０でもつて捩れに対する
構造強度が補強され、支持構造の安定性、信頼性
が増す。

〔実施例〕

第１図に実施例のビユーフアインダ支持装置を
示す。第７図の従来装置に対して改良が加えられ
た点は、左右の支持脚３ａを台座２に回転軸支す
る回転軸６と平行に連結ロツド１０を取付けた点
である。この連結ロツド１０は支持脚３ａの回転
軸６に近接して設けられたヒール部１１に固着さ
れ、ロツド１０の周囲にはゴム１２が巻装されて
いる。

この連結ロツド１０によつて、第７図に示した
ような支持脚３ａに加わる捩れ力Ｂ、Ｃをキヤン
セルする力が生じ、四連リンク構造が安定する。
従つて支持脚３ａの回転結合部のゆるみが生じな
くなり、ビユーフアインダ本体１のがたつきも減
る。

連結ロツド１０は、第２図の立上げ状態（側
面）から第３図のようにビユーフアインダを低位
置に収納したときにストツパとして働く。つまり
収納時には支持脚３ａは回転軸６を中心にして矢
印Ｄ方向に回転しようとするが、連結ロツド１０
のゴム１２が台座２に当たつて、衝撃を吸収する
と共に、その位置でビユーフアインダ本体１を支
持するストツパとなる。またゴム１２によりテレ
ビカメラの輸送時に振動が吸収され、ビユーフア
インダが保護される。

一方、台座２の後端部にはゴムローラ１３が取
付れられ、第３図の収納状態でビユーフアインダ
本体１の後部底面を支えている。第３図の状態か
ら第４図のように取手２０を持つてＥ方向にビユ
ーフアインダ本体１を引き起こす際には、ゴムロ
ーラ１３がビユーフアインダ本体１の底面に沿つ
て回転し、台座２との干渉を防ぐ。第５図に示す
最大チルト角位置では、連結ロツド１０が角度リ
ミツタとして作用し、その周囲のゴム１２が衝撃
及び振動の吸収を行う。

第１図及び第２図に示すように、四連リンクの
アーム３ｃの一端が延長され、その延長部１４と
支持脚３ａの中間部との間に引張りコイルバネ１
５が掛け渡されている。またアーム３ｃの中間部
と支持脚３ｂの中間部との間に引張りコイルバネ
１６が掛け渡されている。これらのコインバネ１
５，１６の張力により、ビユーフアインダ本体１
は第２図に示す立上げ方向に付勢される。従つて
ロツクつまみ５を解除しても、本体１の全重量を
手で支える必要が無いので、高さ及び角度調整の
操作は非常に容易である。

第３図に示す低位置収納状態にするには、各コ
イルバネ１５，１６を引張り力に逆つて伸長させ
るので、ビユーフアインダ本体１の急激な落下は
起こらない。またゴムローラ１３が収納下端での
衝撃吸収を行う。

台座２にはロツクピン１９を備える解除可能な
ロツク装置１８か左右一対取付けられていて、第
３図の下降位置ではロツクピン１９が支持脚３ｂ
のロツク孔１７ａに嵌まつている。この状態から
ロツク装置１８の解除操作を行うと、ロツク穴１
７ａに挿入されていたロツクピン１９が抜け、ビ
ユーフアインダは自由に回転できるようになり、
軽い力で第２図の立上げ方向に持上げることがで
きる。また第２図の立上げ状態では、ロツクピン
１９が支持脚３ｂの第２のロツク穴１７ｂに嵌ま
り、この位置で自動ロツクされる。

ロツク操作１８はロツクピンを遊端に持つバネ
付勢されたレバー装置であつてよい。

第６図はロツクつまみ５の断面図を示し、支持
脚３ｂとアーム３ｃとを結合している回転結合軸
８ｂはビユーフアインダ本体１の外側筐体２１の
内部に配された内側プレート２２に植設されてい
る。この結合軸８ｂの先端部にはネジ部２３が形
成され、そこにロツクつまみ５をネジ込むことが
できる。ロツクつまみ５を締めると、アーム３ｃ
及び支持脚３ｂが外側筐体２１とプレート２２と
の間で押え付けられて、ロツクされる。

一方、支持脚３ａとアーム３ｃとを結合する回
転結合軸８ａは同じく内側プレート２２に外側筐
体２１のガイドスリツト４を貫通して植設されて
いて、その一端には皿バネ２５を挿通させた状態
でネジ２６が嵌込まれている。皿バネ２５は常時
アーム３ｃ及び支持脚３ａを外側筐体２１に押し
付けているので、その摩擦器により、ロツクつま
み５をゆるめてもビユーフアインダ本体１がバラ
ンスを崩して回転してしまうことが無い。

第２図に示すように、回転結合軸８ａ，８ｂ間
の長さをＬ、ビユーフアインダ１の重心をＧ（重
量Ｗ）として軸８ｂからの距離をｌとしたとき、 Ｆ≧Wl／Ｌ となるように、結合軸８ａにおける摩擦力Ｆを定
めておけば、任意の位置でロツクつまみ５をゆる
めても静止させることができる。

なお重心位置Ｇは、フード９やビユーフアイン
ダ本体１を交換したときに、モーメントlWが最
大となるような位置に求めておく。摩擦力Ｆは回
転が生じない程度の微小量でよいから、ビユーフ
アインダの位置決め時に操作が重くなるようなこ
とは無く、スムースな操作ができる。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように構成したので、支持構造
に用いている四連リンクの捩れ耐力が連結部材を
追加することにより補強され、リンク結合軸部の
ゆるみや破損が防止されて、ビユーフアインダの
支持構造の安定性、信頼度が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したテレビカメラ用ビユ
ーフアインダの支持装置の全体の斜視図、第２図
は立上げ状態の側面図、第３図は下降収納状態の
側面図、第４図は引き起こし時の側面図、第５図
は最大角チルト状態の側面図、第６図はロツクつ
まみ部の断面図、第７図は従来の支持装置の略斜
視図である。 なお図面に用いた符号において、１……ビユー
フアインダ本体、２……台座、３ａ，３ｂ……支
持脚、３ｃ……アーム、４……ガイドスリツト、
５……ロツクつまみ、６，７……回転軸、８ａ，
８ｂ……回転結合軸、９……フード、１０……連
結ロツド、１１……ヒール部、１２……ゴム、１
３……ゴムローラ、１５，１６……引張りコイル
バネである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 台部に回転自在に取付けた略平行な二本の支持
   脚の各遊端を回転結合軸を介してアームで結合し
   て成る四連リンクを左右一対備えるテレビカメラ
   用ビユーフアインダの支持装置において、 一対の四連リンク間で対応する支持脚どうしを
   連結する連結部材を各支持脚の回転軸と平行に取
   付けたことを特徴とするテレビカメラ用ビユーフ
   アインダの支持装置。