JPH04305820A - 固定磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

固定磁気ディスクの製造方法

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JPH04305820A
JPH04305820A JP6826291A JP6826291A JPH04305820A JP H04305820 A JPH04305820 A JP H04305820A JP 6826291 A JP6826291 A JP 6826291A JP 6826291 A JP6826291 A JP 6826291A JP H04305820 A JPH04305820 A JP H04305820A
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JP
Japan
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magnetic disk
organometallic compound
fixed magnetic
film
compound containing
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JP6826291A
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English (en)
Inventor
Akiyuki Fujii
映志 藤井
Hideo Torii
秀雄 鳥井
Masaki Aoki
正樹 青木
Masuzo Hattori
服部 益三
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性に優れ、高密度
磁気記録対応を可能にする固定磁気ディスクの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会において、記憶す
べき情報の量は年々増加の一途をたどり、記憶装置の大
容量化、高密度化に対する要望も高まっている。
【0003】このような状況のもと、コンピュ−タ周辺
機器として用いられる固定磁気ディスクに用いられる記
録媒体は、従来のアルミディスク基板上にガンマ酸化鉄
系の針状磁性粉などをを塗布した塗布型から、めっき法
やスパッタ法などによるCo−Ni/Cr合金の薄膜型
へと変化し、高密度化が図られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Co−Ni/
Cr薄膜は合金であるがゆえ耐久性などに問題があるた
め、磁気ディスクの構造としては、(潤滑層/保護層/
Co−Ni磁性層/Cr層/Ni−Pめっき層/アルミ
ニウム基板)の5層構造になっており、製造工程が複雑
であるといった欠点がある。
【0005】(図6)は従来の固定磁気ディスクである
Co−Ni/Cr合金の薄膜型の固定磁気ディスクの断
面を示すものである。図において、1はアルミニウム基
板、2はNi−Pめっき層、3はCr層、4はCo−N
i磁性層、5は保護層、6は潤滑層である。
【0006】また、上記固定磁気ディスクはCo−Ni
磁性層4が面内記録媒体であるため、さらに記録密度を
上げるために記録波長を短くしていくと減磁界の影響で
記録が困難になってくる。
【0007】そこで、磁気記録方式の上で、上記欠点を
改善した記録方式である垂直記録を可能とする磁気記録
媒体として、磁気ヘッドと媒体が接触状態ではあるがC
o−Cr薄膜媒体の研究が盛んになされてきた。しかし
、(図6)に示すCo−Ni/Cr合金の薄膜型の記録
媒体の場合と同様Co−Cr媒体にも合金であるがゆえ
、信頼性に問題があるためCo−Cr薄膜表面にアモル
ファスカ−ボン膜やCo酸化物の保護層5を設けなくて
はならないという課題がある。
【0008】一方、固定磁気ディスク装置において、磁
気ヘッドの磁気ディスクに対する走行高さ(フライング
ハイト)をできるだけ低くすることは、磁気ヘッドと磁
気ディスクスペ−シングによる出力の損失(スペ−シン
グ損失)を軽減するため、記録密度向上につながるもの
であり、最近では高記録密度を可能にするために、0.
05〜0.1μm程度のフライングハイト量での走行が
必要とされている。
【0009】しかしながら、上記従来のCo−Ni/C
r合金の薄膜記録媒体、Co−Cr薄膜型記録媒体いず
れにおいても、耐久性などに問題があるため、信頼性確
保のため薄膜表面に保護膜5(数10nm)を形成しな
ければならず、したがってどうしてもスペ−シング損失
が増えてしまうという課題が残る。
【0010】また、固定磁気ディスクの場合、高速で磁
気ディスクを回転(3600回転/分)させるため、磁
性層の硬度が高いことも信頼性確保と言った点では非常
に重要である。しかしCo−Cr薄膜のような合金の場
合どうしても硬度的に問題がある。
【0011】本発明は上記問題点を解決するものであり
、信頼性に優れ、かつ高密度磁気記録対応が可能である
垂直磁気記録の成分を持った固定磁気ディスクの製造方
法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ディスク基板上に(100)に優先配向し
たNaCl型結晶構造を有する酸化物薄膜を形成し、さ
らに柱状構造を有するコバルトを含むスピネル型結晶構
造の酸化鉄薄膜を形成した構造の固定磁気ディスクを、
プラズマの活性さとCVD反応を利用した製造方法によ
り作製するといった構成を備えたものである。
【0013】
【作用】したがって本発明によれば、反応ガスに用いる
オゾンやN20や水蒸気がプラズマ中で活性なラジカル
を生成するため、耐久性や硬度などの信頼性に優れ、か
つ高密度磁気記録ができる固定磁気ディスクを、比較的
容易にかつ低温で製造できる。
【0014】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の一実施例のプラ
ズマCVD法による固定磁気ディスクの製造方法につい
て図面を参照しながら説明する。
【0015】(図1)は本発明の製造方法により作製し
た固定磁気ディスクの構成を示すものであり、図におい
て7はディスク基板、8はNiO膜、9はCoフェライ
ト膜、10は潤滑層である。
【0016】(図2)は本発明の一実施例におけるプラ
ズマCVD装置の概略図を示すものである。
【0017】(図2)において11は反応チャンバ−、
12は電極、13は反応チャンバ−内を低圧に保つため
の排気系で、14は下地基板(ガラスディスク基板)、
15は高周波電源(13.56MHz)、16、17、
18は原料の入った気化器で、19、20、21はキャ
リアガスの気化器内への導入の有無を制御するためのバ
ルブ、22、23、24は原料ガスとキャリアガスの反
応チャンバ−内への導入の有無を制御するためのバルブ
、25はキャリアガスボンベ(窒素)、26は酸素ボン
ベ、27はオゾナイザー、28はN2Oボンベ、29は
水の入った気化器、30は基板回転機構のついた基板加
熱ヒ−タ−である。
【0018】出発原料には、鉄アセチルアセトナ−ト〔
Fe(C5 H7 O2 )3 〕,ニッケルアセチル
アセトナ−ト〔Ni(C5 H7 O2 )2 ・2H
2 O〕,コバルトアセチルアセトナ−ト〔Co(C5
 H7 O2 )3 〕をもちいた。
【0019】気化器16に脱水処理を行ったニッケルア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、17
にコバルトアセチルアセトナ−ト、18に鉄アセチルア
セトナ−トを入れ、それぞれ180℃、130℃、13
0℃に加熱し保持しておく。バルブ19およびバルブ2
2を開き窒素キャリア(流量30SCCM)とともにニ
ッケルアセチルアセトナ−トの蒸気と、反応ガスとして
オゾナイザー27より発生させたオゾン(流量6SCC
M)を排気系13により減圧された反応チャンバ−11
内に導入し、プラズマを発生(電力1.5W/cm2)
させ、5分間減圧下(0.10Torr)で反応を行い
、350℃に加熱したガラスディスク基板(120回転
/分)上にNiO膜を成膜し、バルブ19およ22を閉
じた。
【0020】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
0、21、23、24を開き、キャリアガス(気化器1
7側に流量3SCCM、気化器18側に流量8SCCM
)とともに、コバルトアセチルアセトナ−トおよび鉄ア
セチルアセトナ−トの蒸気を反応チャンバ−11内に導
入し、プラズマ中(電力1.5W/cm2)で10分間
減圧下(0.08Torr)で反応を行い、NiO膜上
にCoフェライト膜を成膜し、Coフェライト/NiO
の二層膜を作製した。そして、二層膜を形成したガラス
ディスク基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも
同様の方法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面
をもつCoフェライト/NiOディスクを作製した。
【0021】次に、このディスクを300℃の空気中で
3時間熱処理を行った後、フッソ系有機物の潤滑剤の入
った液槽に沈めて塗布することによって、固定磁気ディ
スク(A)を作製した。
【0022】作製した本発明の固定磁気ディスク(A)
は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック幅(T
w)が10μm、のMIGヘッドを用いて、50mAの
ヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った。固
定磁気ディスク(A)を3600回転/分 の速度で回
転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周トラッ
クで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(A)と磁
気ヘッドの相対速度は、7.5m/secであり、磁気
ヘッドのフライングハイトは0.15μmであった。
【0023】次に、比較のために、Hc=1000Oe
で、Ms=800emu/ccの磁性層膜厚が80nm
で、その上に保護層としてカ−ボン膜を60nm形成し
、本発明と同様の潤滑剤被膜層を設けた従来のCo−N
i/Cr合金薄膜の固定磁気ディスク(B)(アルミ基
板で面内方向に磁化配向)と、本発明と同様の条件(基
板温度350℃)で、反応ガスとして酸素を用いて、C
oフェライト/NiOディスク(固定磁気ディスク(C
))を作製し、本発明の固定磁気ディスク(A)と同じ
条件で電磁変換特性の評価を行った。
【0024】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(A)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(B)および反応ガスに酸素のみを用いて作製し
た固定磁気ディスク(C)の記録密度と再生出力の関係
を(図3)に示す。
【0025】(図3)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。またaが本発明の製
造方法による固定磁気ディスク(A)、bが比較のため
のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)、
cが比較のための固定磁気ディスク(C)の特性を示し
ている。
【0026】(図3)から、本発明の製造方法による固
定磁気ディスク(A)は、Co−Ni/Cr合金薄膜固
定磁気ディスク(B)より、短波長域の高記録密度側で
、再生出力が高い値を示すことがわかる。また、固定磁
気ディスク(C)より、前波長域において高い再生出力
を示した。
【0027】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0028】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層を取り除き固定磁気ディスク(A)のX
線回折による結晶構造の解析を行った。
【0029】比較のために、ガラスディスク基板上に本
成膜方法における上記成膜条件でNiO膜のみを成膜し
た試料膜(1)および同様に上記条件でガラスディスク
基板上にCoフェライト膜のみを成膜した試料膜(2)
をそれぞれ作製しX線回折により結晶構造の解析を行っ
た。その結果、上記条件で成膜したNiO膜はX線的に
(100)に完全配向していた。下地層としてNiOの
(100)完全配向膜を用いることにより、磁性層であ
るCoフェライト膜の(100)配向性は、下地層の結
晶配向性の影響をうけ、直接ガラスディスク上に成膜し
た場合に比較して向上していた。
【0030】また、固定磁気ディスク(C)についても
X線回折による解析を行った。その結果、結晶性や(1
00)配向性は固定磁気ディスク(A)と比べ劣ってい
た。
【0031】固定磁気ディスク(A)を破壊して高分解
能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面および
破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層膜は柱
状構造を有し、膜厚約450nmでコラム径は40〜8
0nmであることがわかった。
【0032】さらに、X線マイクロアナライザ−により
Coフェライト/NiOディスクの組成を分析した結果
、Co/Fe=5/95であった。
【0033】次に、固定磁気ディスク(A)および固定
磁気ディスク(C)の磁気特性について振動試料型磁力
計(VSM)により測定を行った。その結果、固定磁気
ディスク(A)の膜面に垂直方向の保磁力はHc=12
00Oe、面内方向の保磁力はHc=780Oeであり
、Msは238emu/ccであった。また、固定磁気
ディスク(C)の膜面に垂直方向の保磁力はHc=12
00kOe、面内方向の保磁力はHc=920Oeであ
り、Msは205emu/ccであった。
【0034】本発明の固定磁気ディスク(A)がCo−
Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)より短波長
域の高記録密度側で、再生出力が高い値を示す原因は、
垂直磁気記録成分を有しているからである。また、固定
磁気ディスク(C)より再生出力が高い値を示す原因は
、反応ガスにオゾンを用いたことにより、酸素を用いた
場合と比べ、より結晶性や(100)配向性が良好とな
り、Msが向上することが最も大きな原因であると考え
られる。
【0035】また、NaCl型結晶構造の酸化物薄膜と
してCoO薄膜やMnO薄膜を用いた場合においても、
NiO薄膜の場合と同様の結果が得られた。
【0036】(実施例2)以下、本発明の一実施例のプ
ラズマCVD法による固定磁気ディスクの製造方法につ
いて(図2)を参照しながら説明する。
【0037】出発原料には、鉄アセチルアセトナ−ト〔
Fe(C5 H7 O2 )3 〕,ニッケルアセチル
アセトナ−ト〔Ni(C5 H7 O2 )2 ・xH
2 O〕,コバルトアセチルアセトナ−ト〔Co(C5
 H7 O2 )3 〕をもちいた。
【0038】気化器16に脱水処理を行ったニッケルア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、17
にコバルトアセチルアセトナ−ト、18に鉄アセチルア
セトナ−トを入れ、それぞれ180℃、130℃、13
0℃に加熱し保持しておく。バルブ19およびバルブ2
2を開き窒素キャリア(流量30SCCM)とともにニ
ッケルアセチルアセトナ−トの蒸気と、反応ガスとして
N2O(流量7SCCM)を排気系13により減圧され
た反応チャンバ−11内に導入し、プラズマを発生(電
力1.4W/cm2)させ、5分間減圧下(0.12T
orr)で反応を行い、350℃に加熱したガラスディ
スク基板(120回転/分)上にNiO膜を成膜し、バ
ルブ19および22を閉じた。
【0039】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
0、21、23、24を開き、キャリアガス(気化器1
7側に流量3SCCM、気化器18側に流量8SCCM
)とともに、コバルトアセチルアセトナ−トおよび鉄ア
セチルアセトナ−トの蒸気を反応チャンバ−11内に導
入し、プラズマ中(電力1.4W/cm2)で10分間
減圧下(0.09Torr)で反応を行い、NiO膜上
にCoフェライト膜を成膜し、Coフェライト/NiO
の二層膜を作製した。そして、二層膜を形成したガラス
ディスク基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも
同様の方法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面
をもつCoフェライト/NiOディスクを作製した。
【0040】次に、このディスクを300℃の空気中で
3時間熱処理を行った後、フッソ系有機物の潤滑剤の入
った液槽に沈めて塗布することによって、固定磁気ディ
スク(D)を作製した。
【0041】作製した本発明の固定磁気ディスク(D)
は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック幅(T
w)が10μm、のMIGヘッドを用いて、50mAの
ヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った。固
定磁気ディスク(A)を3600回転/分 の速度で回
転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周トラッ
クで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(D)と磁
気ヘッドの相対速度は、7.5m/secであり、磁気
ヘッドのフライングハイトは0.15μmであった。
【0042】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(D)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(B)および反応ガスに酸素のみを用いて作製し
た固定磁気ディスク(C)の記録密度と再生出力の関係
を(図4)に示す。
【0043】(図4)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。またdが本発明の製
造方法による固定磁気ディスク(D)、bが比較のため
のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)、
cが比較のための固定磁気ディスク(C)の特性を示し
ている。
【0044】第4図から、本発明の製造方法による固定
磁気ディスク(D)は、Co−Ni/Cr合金薄膜固定
磁気ディスク(B)より、短波長域の高記録密度側で、
再生出力が高い値を示すことがわかる。また、固定磁気
ディスク(C)より、前波長域において高い再生出力を
示した。
【0045】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0046】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層を取り除き固定磁気ディスク(D)のX
線回折による結晶構造の解析を行った。
【0047】比較のために、ガラスディスク基板上に本
成膜方法における上記成膜条件でNiO膜のみを成膜し
た試料膜(3)および同様に上記条件でガラスディスク
基板上にCoフェライト膜のみを成膜した試料膜(4)
をそれぞれ作製しX線回折により結晶構造の解析を行っ
た。その結果、上記条件で成膜したNiO膜はX線的に
(100)に完全配向していた。下地層としてNiOの
(100)完全配向膜を用いることにより、磁性層であ
るCoフェライト膜の(100)配向性は、下地層の結
晶配向性の影響をうけ、直接ガラスディスク上に成膜し
た場合に比較して向上していた。また、固定磁気ディス
ク(C)と比較して、結晶性や(100)配向性は固定
磁気ディスク(D)は優れていた。
【0048】固定磁気ディスク(D)を破壊して高分解
能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面および
破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層膜は柱
状構造を有し、膜厚約440nmでコラム径は40〜8
0nmであることがわかった。
【0049】さらに、X線マイクロアナライザ−により
Coフェライト/NiOディスクの組成を分析した結果
、Co/Fe=5/95であった。
【0050】次に、固定磁気ディスク(D)の磁気特性
について振動試料型磁力計(VSM)により測定を行っ
た。その結果、膜面に垂直方向の保磁力はHc=120
0Oe、面内方向の保磁力はHc=800Oeであり、
Msは245emu/ccであった。
【0051】本発明の固定磁気ディスク(D)がCo−
Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)より短波長
域の高記録密度側で、再生出力が高い値を示す原因は、
垂直磁気記録成分を有しているからである。また、固定
磁気ディスク(C)より再生出力が高い値を示す原因は
、反応ガスにN2Oを用いたことにより、酸素を用いた
場合と比べ、より結晶性や(100)配向性が良好とな
り、Msが向上することが最も大きな原因であると考え
られる。
【0052】また、NaCl型結晶構造の酸化物薄膜と
してCoO薄膜やMnO薄膜を用いた場合においても、
NiO薄膜の場合と同様の結果が得られた。
【0053】(実施例3)本発明の一実施例のプラズマ
CVD法による固定磁気ディスクの製造方法および電磁
変換特性について(図2)を参照しながら説明する。
【0054】出発原料には、鉄アセチルアセトナ−ト〔
Fe(C5 H7 O2 )3 〕,ニッケルアセチル
アセトナ−ト〔Ni(C5 H7 O2 )2 ・xH
2 O〕,コバルトアセチルアセトナ−ト〔Co(C5
 H7 O2 )3 〕をもちいた。
【0055】気化器16に脱水処理を行ったニッケルア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、17
にコバルトアセチルアセトナ−ト、18に鉄アセチルア
セトナ−トを入れ、それぞれ180℃、130℃、13
0℃に加熱し保持しておく。バルブ19およびバルブ2
2を開き窒素キャリア(流量30SCCM)とともにニ
ッケルアセチルアセトナ−トの蒸気と、反応ガスとして
酸素(流量5SCCM)および水蒸気(分圧0.008
Torr)を排気系3により減圧された反応チャンバ−
1内に導入し、プラズマを発生(電力1.5W/cm2
)させ、5分間減圧下(0.12Torr)で反応を行
い、350℃に加熱したガラスディスク基板(120回
転/分)上にNiO膜を成膜し、バルブ19および22
を閉じた。
【0056】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
0、21、23、24を開き、キャリアガス(気化器7
側に流量3SCCM、気化器8側に流量8SCCM)と
ともに、コバルトアセチルアセトナ−トおよび鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気を反応チャンバ−1内に導入し、
プラズマ中(電力1.5W/cm2)で10分間減圧下
(0.08Torr)で反応を行い、NiO膜上にCo
フェライト膜を成膜し、Coフェライト/NiOの二層
膜を作製した。そして、二層膜を形成したガラスディス
ク基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも同様の
方法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面をもつ
Coフェライト/NiOディスクを作製した。
【0057】次に、このディスクを300℃の空気中で
3時間熱処理を行った後、フッソ系有機物の潤滑剤の入
った液槽に沈めて塗布することによって、固定磁気ディ
スク(E)を作製した。
【0058】作製した本発明の固定磁気ディスク(E)
は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック幅(T
w)が10μm、のMIGヘッドを用いて、50mAの
ヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った。固
定磁気ディスク(E)を3600回転/分 の速度で回
転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周トラッ
クで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(E)と磁
気ヘッドの相対速度は、7.5m/secであり、磁気
ヘッドのフライングハイトは0.15μmであった。
【0059】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(E)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(B)および反応ガスに酸素のみを用いて作製し
た固定磁気ディスク(C)の記録密度と再生出力の関係
を第5図に示す。
【0060】(図5)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。またeが本発明の製
造方法による固定磁気ディスク(E)、bが比較のため
のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)、
cが比較のための固定磁気ディスク(C)の特性を示し
ている。
【0061】(図5)から、本発明の製造方法による固
定磁気ディスク(E)は、Co−Ni/Cr合金薄膜固
定磁気ディスク(B)より、短波長域の高記録密度側で
、再生出力が高い値を示すことがわかる。また、固定磁
気ディスク(C)より、前波長域において高い再生出力
を示した。
【0062】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0063】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層を取り除き固定磁気ディスク(E)のX
線回折による結晶構造の解析を行った。
【0064】比較のために、ガラスディスク基板上に本
成膜方法における上記成膜条件でNiO膜のみを成膜し
た試料膜(5)および同様に上記条件でガラスディスク
基板上にCoフェライト膜のみを成膜した試料膜(6)
をそれぞれ作製しX線回折により結晶構造の解析を行っ
た。その結果、上記条件で成膜したNiO膜はX線的に
(100)に完全配向していた。下地層としてNiOの
(100)完全配向膜を用いることにより、磁性層であ
るCoフェライト膜の(100)配向性は、下地層の結
晶配向性の影響をうけ、直接ガラスディスク上に成膜し
た場合に比較して向上していた。また、固定磁気ディス
ク(C)と比較して、結晶性や(100)配向性は固定
磁気ディスク(A)が優れていた。
【0065】固定磁気ディスク(E)を破壊して高分解
能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面および
破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層膜は柱
状構造を有し、膜厚約420nmでコラム径は40〜8
0nmであることがわかった。
【0066】さらに、X線マイクロアナライザ−により
Coフェライト/NiOディスクの組成を分析した結果
、Co/Fe=5/95であった。
【0067】次に、固定磁気ディスク(E)の磁気特性
について振動試料型磁力計(VSM)により測定を行っ
た。その結果、膜面に垂直方向の保磁力はHc=120
0Oe、膜面に面内方向の保磁力はHc=790Oeで
あり、Msは235emu/ccであった。
【0068】本発明の固定磁気ディスク(E)がCo−
Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(B)より短波長
域の高記録密度側で、再生出力が高い値を示す原因は、
垂直磁気記録成分を有しているからである。また、固定
磁気ディスク(C)より再生出力が高い値を示す原因は
、反応ガスに酸素と水蒸気を用いたことにより、酸素の
みを用いた場合と比べ、より結晶性や(100)配向性
が良好となり、Msが向上することが最も大きな原因で
あると考えられる。
【0069】また、NaCl型結晶構造の酸化物薄膜と
してCoO薄膜やMnO薄膜を用いた場合においても、
NiO薄膜の場合と同様の結果が得られた。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明は、ディスク基板上
に、下地層としてNaCl型結晶構造の(100)配向
酸化物膜を形成し、さらに磁性層として柱状構造を有す
るCoを含むスピネル型酸化鉄磁性薄膜を形成すること
により、高信頼性でかつ高記録密度化が可能となる構造
の定磁気ディスクの製造方法に、反応ガスにオゾンやN
2Oや水蒸気を用いたプラズマCVD法を用いているた
め、簡単な原料供給の制御を行うだけで、二層膜を簡単
に、比較的低温で、かつ連続的に製造できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により作製した固定磁気ディ
スクの要部拡大図である。
【図2】本発明のの製造方法を実施するために使用する
プラズマCVD装置の概略図である。
【図3】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図4】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図5】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図6】従来例および実施例の固定磁気ディスクの要部
拡大図である。
【符号の説明】
1  アルミニウム基板 2  Ni−Pめっき層 3  Cr層 4  Co−Ni磁性層 5  保護層 6  潤滑層 7  ディスク基板 8  NiO膜 9  Coフェライト膜 10  潤滑層 11  反応チャンバ− 12  電極 13  排気系 14  ガラスディスク基板 15  高周波電源 16  気化器 17  気化器 18  気化器 19  キャリアガス供給バルブ 20  キャリアガス供給バルブ 21  キャリアガス供給バルブ 22  原料ガス供給バルブ 23  原料ガス供給バルブ 24  原料ガス供給バルブ 25  窒素ボンベ 26  酸素ボンベ 27  オゾナイザー 28  N2Oボンベ 29  気化器 30  基板加熱ヒ−タ−

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ニッケルを含む有機金属化合物、コバ
    ルトを含む有機金属化合物、マンガンを含む有機金属化
    合物のうちのいずれか一種の有機金属化合物の蒸気とオ
    ゾンの混合ガスを、プラズマを用いて分解し反応させる
    ことにより、ディスク基板上にNaCl型結晶構造の酸
    化物薄膜を化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金属化合物
    の蒸気とコバルトを含む有機金属化合物の蒸気とオゾン
    の混合ガスを、プラズマを用いて分解し反応させること
    により、前記NaCl型結晶構造の酸化物薄膜上にコバ
    ルトを含むスピネル型結晶構造の酸化鉄薄膜を化学蒸着
    することを特徴とする固定磁気ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】  ニッケルを含む有機金属化合物、コバ
    ルトを含む有機金属化合物、マンガンを含む有機金属化
    合物のうちのいずれか一種の有機金属化合物の蒸気とN
    2Oの混合ガスを、プラズマを用いて分解し反応させる
    ことにより、ディスク基板上にNaCl型結晶構造の酸
    化物薄膜を化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金属化合物
    の蒸気とコバルトを含む有機金属化合物の蒸気とN2O
    の混合ガスを、プラズマを用いて分解し反応させること
    により、前記NaCl型結晶構造の酸化物薄膜上にコバ
    ルトを含むスピネル型結晶構造の酸化鉄薄膜を化学蒸着
    することを特徴とする固定磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】  ニッケルを含む有機金属化合物、コバ
    ルトを含む有機金属化合物、マンガンを含む有機金属化
    合物のうちのいずれか一種の有機金属化合物の蒸気とと
    水蒸気と酸素の混合ガスを、プラズマを用いて分解し反
    応させることにより、ディスク基板上にNaCl型結晶
    構造の酸化物薄膜を化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金
    属化合物の蒸気とコバルトを含む有機金属化合物の蒸気
    と水蒸気と酸素の混合ガスを、プラズマを用いて分解し
    反応させることにより、前記NaCl型結晶構造の酸化
    物薄膜上にコバルトを含むスピネル型結晶構造の酸化鉄
    薄膜を化学蒸着することを特徴とする固定磁気ディスク
    の製造方法。
  4. 【請求項4】  ニッケルを含む有機金属化合物および
    鉄を含む有機金属化合物およびコバルトを含む有機金属
    化合物およびマンガンを含む有機金属化合物が、β−ジ
    ケトン系金属錯体であることを特徴とする請求項1、2
    、3のいずれかに記載の固定磁気ディスクの製造方法。
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