JPH04332913A - 固定磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

固定磁気ディスクの製造方法

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JPH04332913A
JPH04332913A JP10241991A JP10241991A JPH04332913A JP H04332913 A JPH04332913 A JP H04332913A JP 10241991 A JP10241991 A JP 10241991A JP 10241991 A JP10241991 A JP 10241991A JP H04332913 A JPH04332913 A JP H04332913A
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JP
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organometallic compound
compound containing
fixed magnetic
magnetic disk
vapor
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JP10241991A
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Akiyuki Fujii
映志 藤井
Hideo Torii
秀雄 鳥井
Masaki Aoki
正樹 青木
Masuzo Hattori
服部 益三
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性に優れ、高密度
磁気記録対応を可能にする固定磁気ディスクの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会において、記憶す
べき情報の量は年々増加の一途をたどり、記憶装置の大
容量化、高密度化に対する要望も高まっている。
【0003】このような状況のもと、コンピュ−タ周辺
機器として用いられる固定磁気ディスクに用いられる記
録媒体は、従来のアルミディスク基板上にガンマ酸化鉄
系の針状磁性粉などをを塗布した塗布型から、めっき法
やスパッタ法などによるCo−Ni/Cr合金の薄膜型
へと変化し、高密度化が図られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Co−Ni/
Cr薄膜は合金であるがゆえ耐久性などに問題があるた
め、磁気ディスクの構造としては、(潤滑層/保護層/
Co−Ni磁性層/Cr層/Ni−Pめっき層/アルミ
ニウム基板)の5層構造になっており、製造工程が複雑
であるといった欠点がある。
【0005】(図6)は従来の固定磁気ディスクである
Co−Ni/Cr合金の薄膜型の固定磁気ディスクの断
面を示すものである。図において、1はアルミニウム基
板、2はNi−Pめっき層、3はCr層、4はCo−N
i磁性層、5は保護層、6は潤滑層である。
【0006】また、上記固定磁気ディスクはCo−Ni
磁性層4が面内記録媒体であるため、さらに記録密度を
上げるために記録波長を短くしていくと減磁界の影響で
記録が困難になってくる。
【0007】そこで、磁気記録方式の上で、上記欠点を
改善した記録方式である垂直記録を可能とする磁気記録
媒体として、磁気ヘッドと媒体が接触状態ではあるがC
o−Cr薄膜媒体の研究が盛んになされてきた。しかし
、(図6)に示すCo−Ni/Cr合金の薄膜型の記録
媒体の場合と同様Co−Cr媒体にも合金であるがゆえ
、信頼性に問題があるためCo−Cr薄膜表面にアモル
ファスカ−ボン膜やCo酸化物の保護層5を設けなくて
はならないという課題がある。
【0008】一方、固定磁気ディスク装置において、磁
気ヘッドの磁気ディスクに対する走行高さ(フライング
ハイト)をできるだけ低くすることは、磁気ヘッドと磁
気ディスクスペ−シングによる出力の損失(スペ−シン
グ損失)を軽減するため、記録密度向上につながるもの
であり、最近では高記録密度を可能にするために、0.
05〜0.1μm程度のフライングハイト量での走行が
必要とされている。
【0009】しかしながら、上記従来のCo−Ni/C
r合金の薄膜記録媒体、Co−Cr薄膜型記録媒体いず
れにおいても、耐久性などに問題があるため、信頼性確
保のため薄膜表面に保護膜5(数10nm)を形成しな
ければならず、したがってどうしてもスペ−シング損失
が増えてしまうという課題が残る。
【0010】また、固定磁気ディスクの場合、高速で磁
気ディスクを回転(3600回転/分)させるため、磁
性層の硬度が高いことも信頼性確保と言った点では非常
に重要である。しかしCo−Cr薄膜のような合金の場
合どうしても硬度的に問題がある。
【0011】本発明は上記問題点を解決するものであり
、信頼性に優れ、かつ高密度磁気記録対応が可能である
垂直磁気記録の成分を持った固定磁気ディスクの製造方
法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ディスク基板上にスピネル型結晶構造の酸
化鉄軟磁性膜を形成し、さらに柱状構造を有するコバル
トを含むスピネル型結晶構造の酸化鉄膜を形成した構造
の固定磁気ディスクを、プラズマの活性さとCVD反応
を利用した製造方法により作製するといった構成を備え
たものである。
【0013】
【作用】したがって本発明によれば、反応ガスに用いる
オゾンやN20や水蒸気がプラズマ中で活性なラジカル
を生成するため、耐久性や硬度などの信頼性に優れ、か
つ高密度磁気記録ができる固定磁気ディスクを、比較的
容易にかつ低温で製造できる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例のプラズマCVD
法による固定磁気ディスクの製造方法について図面を参
照しながら説明する。
【0015】(図1)は本発明の製造方法により作製し
た固定磁気ディスクの構成を示すものであり、図におい
て7はディスク基板、8はMn−Znフェライト膜、9
はCoフェライト膜、10は潤滑層である。
【0016】(図2)は本発明の一実施例におけるプラ
ズマCVD装置の概略図を示すものである。
【0017】(図3)において11は反応チャンバ−、
12は電極、13は反応チャンバ−内を低圧に保つため
の排気系で、14は下地基板(ガラスディスク基板)、
15は高周波電源(13.56MHz)、16、17、
18、19は原料の入った気化器で、20、21、22
、23はキャリアガスの気化器内への導入の有無を制御
するためのバルブ、24、25、26、27は原料ガス
とキャリアガスの反応チャンバ−内への導入の有無を制
御するためのバルブ、28はキャリアガスボンベ(窒素
)、29は酸素ボンベ、30はオゾナイザー、31はN
2Oボンベ、32は水の入った気化器、33は基板回転
機構のついた基板加熱ヒ−タ−である。
【0018】出発原料には、鉄アセチルアセトナ−ト〔
Fe(C5H7O2)3〕、マンガンアセチルアセトナ
−ト〔Mn(C5H7O2)2・2H2O〕、亜鉛アセ
チルアセトナ−ト〔Zn(C5H7O2)2・H2O〕
、コバルトアセチルアセトナ−ト〔Co(C5H7O2
)3〕をもちいた。
【0019】気化器16に脱水処理を行ったマンガンア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、気化
器17に脱水処理を行った亜鉛アセチルアセトナ−ト(
空気中100℃で2時間)、気化器18にコバルトアセ
チルアセトナ−ト、気化器19に鉄アセチルアセトナ−
トを入れ、それぞれ180℃、70℃、120℃、13
5℃に加熱し保持しておく。
【0020】バルブ20、21、23,24、25,2
7を開き、窒素キャリア(気化器16側に流量7SCC
M、気化器17側に流量3SCCM、気化器19側に流
量15SCCM)とともにマンガンアセチルアセトナ−
トの蒸気と亜鉛アセチルアセトナ−トの蒸気と鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気を、反応ガスとしオゾナイザーよ
り発生させたオゾン(流量5SCCM)とともに、排気
系13により減圧された反応チャンバ−11内に導入し
、プラズマを発生(電力1.4W/cm2)させ、6分
間減圧下(0.09Torr)で反応を行い、350℃
に加熱したガラスディスク基板(120回転/分)上に
Mn−Znフェライト膜を成膜し、バルブ20、21、
24、25を閉じた。
【0021】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
2、26を開き、キャリアガス(流量8SCCM)とと
もに、コバルトアセチルアセトナ−トの蒸気を鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気とともに反応チャンバ−1内に導
入し、プラズマ中(電力1.4W/cm2)で10分間
減圧下(0.07Torr)で反応を行い、Mn−Zn
フェライト膜上にCoフェライト膜を成膜し、Coフェ
ライト/Mn−Znフェライトの二層膜を作製した。
【0022】そして、二層膜を形成したガラスディスク
基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも同様の方
法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面をもつC
oフェライト/Mn−Znディスクを作製した。
【0023】次に、このディスクをフッソ系有機物の潤
滑剤の入った液槽に沈めて塗布することによって、固定
磁気ディスクを作製した。
【0024】作製した本発明の固定磁気ディスク(Aタ
イプ)は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック
幅(Tw)が10μmのMIGヘッドを用いて、50m
Aのヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った
。 固定磁気ディスク(Aタイプ)を3600回転/分の速
度で回転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周
トラックで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(A
タイプ)と磁気ヘッドの相対速度は、7.5m/sec
であり、磁気ヘッドのフライングハイトは0.15μm
であった。
【0025】次に、比較のために、Hc=1000Oe
で、Ms=800emu/ccの磁性層膜厚が80nm
で、その上に保護層としてカ−ボン膜を60nm形成し
、本発明と同様の潤滑剤被膜層を設けた従来のCo−N
i/Cr合金薄膜の固定磁気ディスク(Bタイプ)(ア
ルミ基板で面内方向に磁化配向)と、本発明と同様の条
件(基板温度370℃)で、反応ガスとして酸素を用い
て、Coフェライト/Mn−Znフェライトディスク(
固定磁気ディスク(Cタイプ))を作製し、本発明の固
定磁気ディスク(Aタイプ)と同じ条件で電磁変換特性
の評価を行った。
【0026】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(Aタイプ)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定
磁気ディスク(Bタイプ)および反応ガスに酸素のみを
用いて作製した固定磁気ディスク(Cタイプ)の記録密
度と再生出力の関係を(図3)に示す。
【0027】(図3)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。また(a)が本発明
の製造方法による固定磁気ディスク(Aタイプ)、(b
)が比較のためのCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(Bタイプ)、(c)が比較のための固定磁気デ
ィスク(Cタイプ)の特性を示している。
【0028】(図3)から、本発明の製造方法による固
定磁気ディスク(Aタイプ)は、Co−Ni/Cr合金
薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ)および固定磁気ディ
スク(Cタイプ)より、高い再生出力を示した。
【0029】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0030】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層10を取り除き固定磁気ディスク(Aタ
イプ)のX線回折による結晶構造の解析を行った。
【0031】その結果、下地層としてMn−Znフェラ
イト膜を用いることにより、磁性層であるCoフェライ
ト膜の結晶性や(100)配向性は、直接ディスク上に
成膜した場合に比較して向上していた。
【0032】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)につ
いてもX線回折による解析を行った。その結果、結晶性
や(100)配向性は固定磁気ディスク(Aタイプ)と
比べ劣っていた。
【0033】固定磁気ディスク(Aタイプ)を破壊して
高分解能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面
および破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層
膜は柱状構造を有し、膜厚約360nmでコラム径は4
5〜80nmであることがわかった。
【0034】本発明の固定磁気ディスク(Aタイプ)が
Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ
)より再生出力が高い値を示す原因は、垂直磁気記録成
分を有しているとと、下地層として軟磁性材料を用いて
いることから、Coフェライト磁性層と馬蹄形の磁路を
形成することにより、反磁界の影響が低減されているか
らである。
【0035】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)より
再生出力が高い値を示す原因は、反応ガスにオゾンを用
いたことにより、酸素を用いた場合と比べ、より結晶性
や(100)配向性が良好となることが最も大きな原因
であると考えられる。
【0036】また同様の成膜方法を用いて、下地膜にN
i−Znフェライト、Mnフェライト、Niフェライト
、Znフェライトを成膜し、Coフェライト/Ni−Z
nフェライト、Coフェライト/Mnフェライト、Co
フェライト/Niフェライト、Coフェライト/Znフ
ェライトの2層膜ディスクを作製し、電磁変換特性の評
価を行った結果、Coフェライト/Mn−Znフェライ
トの2層よりなる固定磁気ディスクの場合と同様に、従
来のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスクや反応
ガスに酸素のみを用いて作製した場合と比べ、再生出力
が高くなった。
【0037】(実施例2)以下、本発明の一実施例のプ
ラズマCVD法による固定磁気ディスクの製造方法につ
いて図3を参照しながら説明する。
【0038】気化器16に脱水処理を行ったマンガンア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、気化
器17に脱水処理を行った亜鉛アセチルアセトナ−ト(
空気中100℃で2時間)、気化器18にコバルトアセ
チルアセトナ−ト、気化器19に鉄アセチルアセトナ−
トを入れ、それぞれ180℃、70℃、120℃、13
5℃に加熱し保持しておく。
【0039】バルブ20、21、23,24、25,2
7を開き、窒素キャリア(気化器16側に流量7SCC
M、気化器17側に流量3SCCM、気化器19側に流
量15SCCM)とともにマンガンアセチルアセトナ−
トの蒸気と亜鉛アセチルアセトナ−トの蒸気と鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気を、反応ガスとしてのN2O(流
量8SCCM)とともに、排気系13により減圧された
反応チャンバ−11内に導入し、プラズマを発生(電力
1.4W/cm2)させ、6分間減圧下(0.09To
rr)で反応を行い、350℃に加熱したガラスディス
ク基板(120回転/分)上にMn−Znフェライト膜
を成膜し、バルブ20、21、24、25を閉じた。
【0040】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
2、26を開き、キャリアガス(流量8SCCM)とと
もに、コバルトアセチルアセトナ−トの蒸気を鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気とともに反応チャンバ−1内に導
入し、プラズマ中(電力1.4W/cm2)で10分間
減圧下(0.07Torr)で反応を行い、Mn−Zn
フェライト膜上にCoフェライト膜を成膜し、Coフェ
ライト/Mn−Znフェライトの二層膜を作製した。
【0041】そして、二層膜を形成したガラスディスク
基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも同様の方
法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面をもつC
oフェライト/Mn−Znディスクを作製した。
【0042】次に、このディスクをフッソ系有機物の潤
滑剤の入った液槽に沈めて塗布することによって、固定
磁気ディスク(Dタイプ)を作製した。
【0043】作製した本発明の固定磁気ディスク(Dタ
イプ)は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック
幅(Tw)が10μmのMIGヘッドを用いて、50m
Aのヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った
。 固定磁気ディスク(Dタイプ)を3600回転/分の速
度で回転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周
トラックで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(A
タイプ)と磁気ヘッドの相対速度は、7.5m/sec
であり、磁気ヘッドのフライングハイトは0.15μm
であった。
【0044】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(Dタイプ)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定
磁気ディスク(Bタイプ)および反応ガスに酸素のみを
用いて作製した固定磁気ディスク(Cタイプ)の記録密
度と再生出力の関係を(図4)に示す。
【0045】(図4)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。また(d)が本発明
の製造方法による固定磁気ディスク(Dタイプ)、(b
)が比較のためのCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(Bタイプ)、(c)が比較のための固定磁気デ
ィスク(Cタイプ)の特性を示している。
【0046】(図4)から、本発明の製造方法による固
定磁気ディスク(Dタイプ)は、Co−Ni/Cr合金
薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ)および固定磁気ディ
スク(Cタイプ)より、高い再生出力を示した。
【0047】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0048】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層10を取り除き固定磁気ディスク(Aタ
イプ)のX線回折による結晶構造の解析を行った。
【0049】その結果、下地層としてMn−Znフェラ
イト膜を用いることにより、磁性層であるCoフェライ
ト膜の結晶性や(100)配向性は、直接ディスク上に
成膜した場合に比較して向上していた。
【0050】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)につ
いてもX線回折による解析を行った。その結果、結晶性
や(100)配向性は固定磁気ディスク(Aタイプ)と
比べ劣っていた。
【0051】固定磁気ディスク(Aタイプ)を破壊して
高分解能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面
および破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層
膜は柱状構造を有し、膜厚約360nmでコラム径は4
5〜80nmであることがわかった。
【0052】本発明の固定磁気ディスク(Aタイプ)が
Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ
)より再生出力が高い値を示す原因は、垂直磁気記録成
分を有しているとと、下地層として軟磁性材料を用いて
いることから、Coフェライト磁性層と馬蹄形の磁路を
形成することにより、反磁界の影響が低減されているか
らである。
【0053】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)より
再生出力が高い値を示す原因は、反応ガスにオゾンを用
いたことにより、酸素を用いた場合と比べ、より結晶性
や(100)配向性が良好となることが最も大きな原因
であると考えられる。
【0054】また同様の成膜方法を用いて、下地膜にN
i−Znフェライト、Mnフェライト、Niフェライト
、Znフェライトを成膜し、Coフェライト/Ni−Z
nフェライト、Coフェライト/Mnフェライト、Co
フェライト/Niフェライト、Coフェライト/Znフ
ェライトの2層膜ディスクを作製し、電磁変換特性の評
価を行った結果、Coフェライト/Mn−Znフェライ
トの2層よりなる固定磁気ディスクの場合と同様に、従
来のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスクや反応
ガスに酸素のみを用いて作製した場合と比べ、再生出力
が高くなった。
【0055】(実施例3)以下、本発明の一実施例のプ
ラズマCVD法による固定磁気ディスクの製造方法につ
いて図3を参照しながら説明する。
【0056】気化器16に脱水処理を行ったマンガンア
セチルアセトナ−ト(空気中100℃で2時間)、気化
器17に脱水処理を行った亜鉛アセチルアセトナ−ト(
空気中100℃で2時間)、気化器18にコバルトアセ
チルアセトナ−ト、気化器19に鉄アセチルアセトナ−
トを入れ、それぞれ180℃、70℃、120℃、13
5℃に加熱し保持しておく。
【0057】バルブ20、21、23、24、25、2
7を開き、窒素キャリア(気化器16側に流量7SCC
M、気化器17側に流量3SCCM、気化器19側に流
量15SCCM)とともにマンガンアセチルアセトナ−
トの蒸気と亜鉛アセチルアセトナ−トの蒸気と鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気を、反応ガスとしての酸素(流量
3SCCM)および水蒸気(分圧0.009Torr)
とともに、排気系13により減圧された反応チャンバ−
11内に導入し、プラズマを発生(電力1.4W/cm
2)させ、6分間減圧下(0.11Torr)で反応を
行い、350℃に加熱したガラスディスク基板(120
回転/分)上にMn−Znフェライト膜を成膜し、バル
ブ20、21、24、25を閉じた。
【0058】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ2
2、26を開き、キャリアガス(流量8SCCM)とと
もに、コバルトアセチルアセトナ−トの蒸気を鉄アセチ
ルアセトナ−トの蒸気とともに反応チャンバ−1内に導
入し、プラズマ中(電力1.4W/cm2)で10分間
減圧下(0.10Torr)で反応を行い、Mn−Zn
フェライト膜上にCoフェライト膜を成膜し、Coフェ
ライト/Mn−Znフェライトの二層膜を作製した。
【0059】そして、二層膜を形成したガラスディスク
基板を真空チャンバ−から取り出し、裏面にも同様の方
法で、同じ二層膜を形成し、両面に磁性薄膜面をもつC
oフェライト/Mn−Znディスクを作製した。
【0060】次に、このディスクをフッソ系有機物の潤
滑剤の入った液槽に沈めて塗布することによって、固定
磁気ディスク(Eタイプ)を作製した。
【0061】作製した本発明の固定磁気ディスク(Eタ
イプ)は、ギャプ長(GL)が0.25μm,トラック
幅(Tw)が10μmのMIGヘッドを用いて、50m
Aのヘッド電流値を選んで電磁変換特性の評価を行った
。 固定磁気ディスク(Dタイプ)を3600回転/分の速
度で回転させ、ディスクの中心から20.0mmの円周
トラックで評価を行った。なお、固定磁気ディスク(E
タイプ)と磁気ヘッドの相対速度は、7.5m/sec
であり、磁気ヘッドのフライングハイトは0.15μm
であった。
【0062】得られた本発明の製造方法による固定磁気
ディスク(Eタイプ)、Co−Ni/Cr合金薄膜固定
磁気ディスク(Bタイプ)および反応ガスに酸素のみを
用いて作製した固定磁気ディスク(Cタイプ)の記録密
度と再生出力の関係を(図5)に示す。
【0063】(図5)において、横軸が記録密度(記録
波長)で、縦軸が再生出力である。また(e)が本発明
の製造方法による固定磁気ディスク(Eタイプ)、(b
)が比較のためのCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気デ
ィスク(Bタイプ)、(c)が比較のための固定磁気デ
ィスク(Cタイプ)の特性を示している。
【0064】(図5)から、本発明の製造方法による固
定磁気ディスク(Eタイプ)は、Co−Ni/Cr合金
薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ)および固定磁気ディ
スク(Cタイプ)より、高い再生出力を示した。
【0065】なお、本発明の固定磁気ディスクの記録信
号の再生波形をオシロスコ−プで観察すると、垂直磁気
記録成分を含むことの特徴であるダイパルス波形を示し
ていた。
【0066】電磁変換特性の測定終了後、有機溶剤を用
いて、潤滑膜層10を取り除き固定磁気ディスク(Aタ
イプ)のX線回折による結晶構造の解析を行った。
【0067】その結果、下地層としてMn−Znフェラ
イト膜を用いることにより、磁性層であるCoフェライ
ト膜の結晶性や(100)配向性は、直接ディスク上に
成膜した場合に比較して向上していた。
【0068】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)につ
いてもX線回折による解析を行った。その結果、結晶性
や(100)配向性は固定磁気ディスク(Eタイプ)と
比べ劣っていた。
【0069】固定磁気ディスク(Eタイプ)を破壊して
高分解能の走査型電子顕微鏡を用いて、ディスクの表面
および破断面を観察した。その結果、本ディスクの二層
膜は柱状構造を有し、膜厚約360nmでコラム径は4
5〜80nmであることがわかった。
【0070】本発明の固定磁気ディスク(Eタイプ)が
Co−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスク(Bタイプ
)より再生出力が高い値を示す原因は、垂直磁気記録成
分を有しているとと、下地層として軟磁性材料を用いて
いることから、Coフェライト磁性層と馬蹄形の磁路を
形成することにより、反磁界の影響が低減されているか
らである。
【0071】また、固定磁気ディスク(Cタイプ)より
再生出力が高い値を示す原因は、反応ガスにオゾンを用
いたことにより、酸素を用いた場合と比べ、より結晶性
や(100)配向性が良好となることが最も大きな原因
であると考えられる。
【0072】また同様の成膜方法を用いて、下地膜にN
i−Znフェライト、Mnフェライト、Niフェライト
、Znフェライトを成膜し、Coフェライト/Ni−Z
nフェライト、Coフェライト/Mnフェライト、Co
フェライト/Niフェライト、Coフェライト/Znフ
ェライトの2層膜ディスクを作製し、電磁変換特性の評
価を行った結果、Coフェライト/Mn−Znフェライ
トの2層よりなる固定磁気ディスクの場合と同様に、従
来のCo−Ni/Cr合金薄膜固定磁気ディスクや反応
ガスに酸素のみを用いて作製した場合と比べ、再生出力
が高くなった。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明は、ディスク基板上
に、下地層としてMn−ZnフェライトやNi−Znフ
ェライトなどのスピネル型の結晶構造をした酸化鉄軟磁
性薄膜を形成し、さらに磁性層として柱状構造を有する
Coを含むスピネル型酸化鉄磁性薄膜を形成した、高信
頼性でかつ高記録密度化が可能となる構造の固定磁気デ
ィスクの製造方法に、反応ガスにオゾンやN2Oや水蒸
気を用いたプラズマCVD法を用いているため、簡単な
原料供給の制御を行うだけで、二層膜を簡単に、比較的
低温で、かつ連続的に製造できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により作製した固定磁気ディ
スクの要部拡大図である。
【図2】本発明のの製造方法を実施するために使用する
プラズマCVD装置の概略図である。
【図3】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図4】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図5】本発明の固定磁気ディスクの記録波長と再生出
力の関係を比較し示した特性図である。
【図6】従来例および実施例の固定磁気ディスクの要部
拡大図である。
【符号の説明】
1  アルミニウム基板 2  Ni−Pめっき層 3  Cr層 4  Co−Ni磁性層 5  保護層 6  潤滑層 7  ディスク基板 8  NiO膜 9  Coフェライト膜 10  潤滑層 11  反応チャンバ− 12  電極 13  排気系 14  ガラスディスク基板 15  高周波電源 16  気化器 17  気化器 18  気化器 19  気化器 20  キャリアガス供給バルブ 21  キャリアガス供給バルブ 22  キャリアガス供給バルブ 23  キャリアガス供給バルブ 24  原料ガス供給バルブ 25  原料ガス供給バルブ 26  原料ガス供給バルブ 27  原料ガス供給バルブ 28  窒素ボンベ 29  酸素ボンベ 30  オゾナイザー 31  N2Oボンベ 32  気化器 33  基板加熱ヒ−タ−

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  亜鉛を含む有機金属化合物、マンガン
    を含む有機金属化合物、ニッケルを含む有機金属化合物
    のうち少なくとも一種以上の有機金属化合物の蒸気と、
    鉄を含む有機金属化合物の蒸気と、オゾンの混合ガスを
    、プラズマを用いて分解し反応させることにより、ディ
    スク基板上にスピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性薄膜を
    化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金属化合物の蒸気とコ
    バルトを含む有機金属化合物の蒸気とオゾンの混合ガス
    を、プラズマを用いて分解し反応させることにより、前
    記スピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性薄膜上にコバルト
    を含むスピネル型結晶構造の酸化鉄磁性薄膜を化学蒸着
    することを特徴とする固定磁気ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】  亜鉛を含む有機金属化合物、マンガン
    を含む有機金属化合物、ニッケルを含む有機金属化合物
    のうち少なくとも一種以上の有機金属化合物の蒸気と、
    鉄を含む有機金属化合物の蒸気と、N2Oの混合ガスを
    、プラズマを用いて分解し反応させることにより、ディ
    スク基板上にスピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性薄膜を
    化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金属化合物の蒸気とコ
    バルトを含む有機金属化合物の蒸気とN2Oの混合ガス
    を、プラズマを用いて分解し反応させることにより、前
    記スピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性薄膜上にコバルト
    を含むスピネル型結晶構造の酸化鉄磁性薄膜を化学蒸着
    することを特徴とする固定磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】  亜鉛を含む有機金属化合物、マンガン
    を含む有機金属化合物、ニッケルを含む有機金属化合物
    のうち少なくとも一種以上の有機金属化合物の蒸気と、
    鉄を含む有機金属化合物の蒸気と、水蒸気と酸素の混合
    ガスを、プラズマを用いて分解し反応させることにより
    、ディスク基板上にスピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性
    薄膜を化学蒸着し、さらに鉄を含む有機金属化合物の蒸
    気とコバルトを含む有機金属化合物の蒸気と水蒸気と酸
    素の混合ガスを、プラズマを用いて分解し反応させるこ
    とにより、前記スピネル型結晶構造の酸化鉄軟磁性薄膜
    上にコバルトを含むスピネル型結晶構造の酸化鉄磁性薄
    膜を化学蒸着することを特徴とする固定磁気ディスクの
    製造方法。
  4. 【請求項4】  亜鉛を含む有機金属化合物およびマン
    ガンを含む有機金属化合物およびニッケルを含む有機金
    属化合物および鉄を含む有機金属化合物およびコバルト
    を含む有機金属化合物が、β−ジケトン系金属錯体であ
    ることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに
    記載の固定磁気ディスクの製造方法。
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