JPH04305250A - 炭化水素油の水素化処理用触媒組成物ならびにその製法 - Google Patents

炭化水素油の水素化処理用触媒組成物ならびにその製法

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JPH04305250A
JPH04305250A JP3093202A JP9320291A JPH04305250A JP H04305250 A JPH04305250 A JP H04305250A JP 3093202 A JP3093202 A JP 3093202A JP 9320291 A JP9320291 A JP 9320291A JP H04305250 A JPH04305250 A JP H04305250A
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JP
Japan
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catalyst
group
metal
metals
concentration
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Application number
JP3093202A
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English (en)
Inventor
Ichiji Usui
薄井 一司
Shigenori Nakashizu
茂徳 中静
Kentaro Ishida
健太郎 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触媒組成物及びその製造
法に関する。詳しくは、本発明は微細孔を有するアルミ
ナ及びアルミナ含有担体に周期律表第6B族金属である
活性金属を触媒粒子最外表面部よりも触媒粒子中心部分
に、より高濃度で担時することにより、高活性を長期間
に亘って維持できる炭化水素油の水素化処理用触媒組成
物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原油を常圧蒸留または減圧蒸留する事に
よって得られる常圧残油、減圧軽油、減圧残油には多く
の硫黄化合物と金属が含有されており、その含有量は原
油の種類によって異なる。これらの重質炭化水素油成分
を燃焼に供した場合、硫黄酸化物などの有害物質を発生
し、燃焼炉を腐蝕し、大気を汚染する原因となる。また
、軽質化や高品質化等の高次処理時には硫黄化合物や窒
素化合物、さらに金属が触媒を不活性化させ、重質炭化
水素油を有効利用するための操作を妨げる大きな原因と
なっている。このため多量の硫黄化合物や金属を含有す
る重質炭化水素油を周期律表第6B族金属、例えばモリ
ブデン、クロム、タングステン、及び第8族金属、例え
ば鉄、コバルト、ニッケル、白金、の金属成分をアルミ
ナあるいはアルミナ含有担体に担持させた触媒と水素加
圧下で接触させ、硫黄化合物中の硫黄及び金属を除去す
る操作が行われている。
【0003】しかし、未だ充分満足する結果は得られて
いない。すなわち、炭化水素油中に含まれる炭素質類や
金属類の分解、析出、特に金属類の析出によって触媒活
性が阻害され、脱硫活性が著しく低下し、結果として充
分な脱硫率が得られていないのが現状である。そこで炭
化水素油中に含まれる炭素質類や金属類、特に金属類に
よって活性が阻害されにくい水素化処理用触媒の開発が
要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、炭化水素油中に含まれる金属類によって触媒が被
毒されにくく、長期間に亘って脱硫活性を維持すること
ができるような新規な炭化水素油の水素化処理用触媒組
成物を提供することである。
【0005】そして、本発明の第2の目的は、上記目的
を達成しうる触媒組成物を製造するための工業化に適す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するため、約1年間に亘り使用された炭化水素
油の水素化処理用触媒を分析した結果、炭化水素油中に
主に含まれている金属、すなわちバナジウムとニッケル
が触媒に堆積し活性低下の原因になっており、特に活性
金属種を被毒するバナジウムは触媒粒子表面部に堆積し
、触媒粒子の中心部に至る程、その堆積濃度が低下して
いることを見い出した。そこで、さらに鋭意検討を重ね
た結果、バナジウムの堆積濃度分布とは逆に触媒粒子中
の周期律表第6B族金属である活性金属の濃度分布が触
媒表面部に比べ触媒中心部の方が高くなるように担持す
れば活性金属の濃度分布を持たない従来の触媒に比して
長期間に亘り、脱硫活性を維持できることを見い出し、
本発明の触媒組成物を完成するに至った。そしてさらに
、周期律表第6B族金属の担持濃度分布にこう配を有す
る上記触媒組成物は、上記金属を担持せしめる際に、リ
ン化合物を特定の割合で共存せしめることにより工業的
に容易に製造されうることも見い出した。
【0007】すなわち、第1の発明の要旨は、触媒粒子
の周期律表第6B族金属担持濃度分布が触媒最外表面部
から触媒中心部に向けて高濃度となるような濃度こう配
を有し、かつ該濃度分布が次式で示され、そして触媒基
準で該周期律表第6B族金属担持量が酸化物換算で5〜
30重量%であり、かつ周期律表第8族金属担持量が酸
化物換算で1〜10重量%であることを特徴とする炭化
水素油の水素化処理用触媒組成物 0.77>h2/h1≧0 (ここで、h1は触媒粒子の中心部における周期律表第
6B族金属担持濃度をいい、h2は触媒粒子最外表面部
における周期律表第6B族金属の担持濃度をいう。)に
存する。
【0008】そして、第2の発明の要旨は、周期律表第
6B族金属の中から選ばれる1種以上を含む水溶液を用
いて、前記金属を触媒担体に担持せしめる際に、前記水
溶液に次式で示される割合でリン化合物を存在せしめて
、含浸担持させることを特徴とする上記炭化水素油の水
素化処理用触媒組成物の製法 P/XO3=0.01〜0.5 (Xは周期律表第6B族金属の中から選ばれる1種以上
で、PおよびXO3は、触媒基準の重量%である。)に
存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
炭化水素油の水素化処理用触媒組成物は、電子プローブ
マイクロアナライザー(以下、「EPMA]という。)
による金属分析をその粒子断面で中心を通る直線上で行
う(以下、「線分析」という。)と、周期律表第6B族
金属(以下、「第6B族金属」という。)の担持濃度分
布が触媒最外表面部から触媒中心部に向けて、高濃度と
なるような濃度こう配を有し、かつ触媒粒子最外表面部
の濃度をh2、触媒粒子中心部の濃度をh1としたとき
、h2/h1が0または0から約0.77、好ましくは
約0.71までのものである。
【0010】h2/h1=0とは、第6B族金属の濃度
がその最外表面部から触媒中心部に向けて高濃度となり
、かつその最外表面部の濃度が0であるものをいう。そ
して本発明触媒においては、その濃度の総和が第6B族
金属をXとしたとき、XO3で示される酸化物換算で触
媒の約5〜30重量%となるものである。
【0011】また、0.77>h2/h1とは、触媒中
心部の濃度が触媒最外表面部の濃度の1.3倍以上のも
のを意味する。触媒中心部の濃度がそれより小さい値を
とると優れた効果が得られない。
【0012】本発明の触媒組成物の分析に用いたEPM
Aは日本電子製JXA−8600MXで、加速電圧20
kV、加速電流0.1mAで測定を行った。第6B族金
属担持濃度分布は、上記要件を満足していれば良く、そ
の分布形状は、放物線型、台形型等種々の形状を採りう
る。 第6B族金属担持濃度が触媒最外表面部から、触媒中心
部に向けて高濃度となるような態様としては、台形型の
ような、触媒中心近傍で濃度の変化しない平坦な分布を
示すものも含まれる。
【0013】周期律表第8族金属(以下、「第8族金属
」という。)は、通常の濃度分布、すなわち触媒最外表
面部から触媒中心部に向けて濃度が変化しない平坦な濃
度分布を示すものでよく、特別な濃度分布を有する必要
はない。
【0014】ここで、触媒粒子は種々の形状を採りえて
、例えば円柱状のもの、柱状成型で断面が小円を二つ連
ねたダンベル型のもの、小円を三つ葉状に重ねたもの、
小円を四つ葉状に重ねたものが好都合であるが、これら
の小円は真円である必要はなく、長円形のもの、あるい
は長方形、正方形、ひし形に近くても差し支えない。
【0015】また、断面が中空円柱状のもの、断面がT
、I、C、E、口型のような文字型の柱状のものでもよ
い。また、断面が3角、4角、5角、6角、8角状のハ
ニカム、柱状成型でもかまわない。勿論、触媒粒子は球
状でも良い。
【0016】触媒粒子の断面は、長手方向に直角な断面
をいい、触媒中心部とは、その断面が真円、長円形、長
方形、正方形、ひし形等の対称形のものは、その対称中
心部分をいい、断面が中空円柱状、T、C、Eのような
文字型のものは、その断面で互いに面する触媒最外表面
を最短で結んだその線上の中点をいう。
【0017】次に、本発明の触媒組成物の製法について
述べる。前記触媒組成物は、前記した第2の発明の要旨
に示したとおり、第6B族金属を特定の条件で含浸担持
させるという方法により得ることができる。
【0018】第6B族金属は水溶液となりうるものであ
れば使用できるが、好ましくはCr、MoまたはWの化
合物であり、特に重クロム酸アンモニウム((NH4)
2Cr2O7)、パラモリブデン酸アンモニウム四水和
物((NH4)6Mo7O24・4H2O)、タングス
テン酸(H2WO4)が挙げられ、殊にパラモリブデン
酸アンモニウム四水和物を用いるのがよい。
【0019】触媒担体は、アルミナあるいはアルミナ含
有物が用いられる。アルミナとしては、γ−アルミナ、
χ−アルミナ又はη−アルミナのいずれか1種又はこれ
らの混合物が好適である。
【0020】また、アルミナ含有物とは、アルミナに他
の担体物質を配合することにより得られる組成物をいい
、例えば、シリカ、マグネシア、酸化カルシウム、ジル
コニア、チタニア、ボリア、ハフニア等のアルミナ以外
の耐火性無機酸化物の1種又は2種以上をアルミナに配
合することにより得られる。
【0021】リン化合物としては、水溶液中でリン酸イ
オンを生じるもので、かつ触媒毒にならないものならい
ずれも用いることができる。リン酸およびリン酸コバル
ト、リン酸ニッケル等のリン酸塩、好ましくはリン酸が
用いられる。
【0022】第6B族金属、例えばCr、MoまたはW
を触媒担体に担持せしめる場合、第6B族金属水溶液と
リン化合物の量は、P/XO3が約0.01〜約0.5
、好ましくは約0.02〜約0.2(Xは、第6B族金
属の中から選ばれる1種以上で、PおよびXO3は、触
媒基準の重量%である。)とする。P/XO3が小さす
ぎても大きすぎても第6B族金属である活性金属の所望
の濃度分布は得られない。
【0023】一つの好ましい実施態様を示せば、Mo換
算で約0.05mol/l以上の濃度を有するモリブデ
ン酸アンモニウム水溶液にP換算で約0.01mol/
l以上の濃度を有するリン酸を加えアルミナ等の担体の
細孔容積より過剰の量の含浸液を調製する。次に担体で
あるアルミナあるいはアルミナ含有物を上記含浸液に浸
漬する。所定時間後含浸液をロ別し、速やかに乾燥し、
焼成する。
【0024】含浸液の温度は限定されないが、約0℃〜
80℃が適当であり、含浸時間は約15分以上である。 温度が高い程より短時間で担持金属の担持が完了する。 また、含浸時間はあまり長くとってもそれ程金属の担持
は進まない。
【0025】第6B族金属成分を担体に担持させる方法
は、特に上記に限定されるものではなく、種々の方法が
採用されうる。例えば、第6B族金属成分とリン成分を
溶解した溶液を担体粒子上に噴霧する噴霧含浸法も用い
ることができる。
【0026】触媒担体は、通常の方法により得ることが
できる。すなわち使用する原料としては、アルミニウム
の水溶性化合物、例えば水溶性酸性アルミニウム化合物
又は水溶性アルカリ性アルミニウム化合物、具体的には
、アルミニウムの硫酸塩、塩化物、硝酸塩、アルカリ金
属アルミン酸塩、アルミニウムアルコキシド、その他の
無機塩及び有機塩が使用できる。また、アルミニウム以
外の金属成分の水溶性化合物を、上記のような原料溶液
中に加えても良い。具体的に示せば、酸性アルミニウム
水溶液(濃度約0.3〜2mol/l)及びアルミン酸
アルカリ溶液に水酸化アルカリ溶液を添加し、pH約6
.0〜11.0、好ましくは約8.0〜10.5の範囲
でヒドロゲル又はヒドロゾルを生成させるか、あるいは
アンモニア水、硝酸又は酢酸等を適宜添加し、pHを調
整しながら、この懸濁液を約50〜90℃に加熱して少
なくとも2時間保持する。次いで、沈澱をフィルターで
ロ別し、炭酸アンモニウム及び水で洗浄して不純物イオ
ンを除去する。
【0027】アルミナゲルの調製は、アルミナ又はアル
ミナ含有物が水素化処理用触媒として必要な平均細孔径
、及び細孔分布を得るように、アルミナあるいはアルミ
ナ含有物の水和物の沈澱及び熟成における温度、時間等
の調製条件を調節しながら行う。
【0028】次にアルミナゲルを押し出し成型機にて所
望の形状に成型する。成型は、所望の平均細孔径と細孔
分布を得るため、成型圧力を調整しつつ行う。成型物は
、約100〜140℃で数時間乾燥し、更に約200〜
700℃で数時間焼成して担体に仕上げる。
【0029】水素化活性金属成分を担持する順序は、第
6B族金属と第8族金属のどちらが先でも良いし、また
同時でも良いが、第6B族金属を先にするのが好ましい
【0030】担持させる第6B族金属は、クロム、モリ
ブデン、タングステン等の第6B族金属の群から選ばれ
る1種又は2種以上が選択して使用される。好ましくは
、モリブデンである。また、所望に応じて、下記する第
8族金属の他に第3の金属を添加することも可能である
【0031】また、担持させる第8族金属は、鉄、コバ
ルト、ニッケル、パラジウム、白金、オスミウム、イリ
ジウム、ルテニウム、ロジウム等の第8族金属の群の中
の1種又は2種以上が選択して使用される。好ましくは
、ニッケル又はコバルトの単独又は両者の組み合わせで
ある。
【0032】上記第6B族及び第8族の水素化活性金属
成分は、酸化物及び/又は硫化物として担持させること
が好適である。
【0033】このような水素化活性金属成分の担持量は
、酸化物として触媒基準で、第6B族金属はXO3とし
て約5〜30重量%、好ましくは約7〜25重量%、よ
り好ましくは約10〜20重量%であり、第8族金属は
該金属をMとしたときMOxとして約1〜10重量%、
より好ましくは約2〜8重量%である。
【0034】第6B族金属が5重量%未満では好ましい
活性が得られず、また30重量%を超えると分散性が低
下すると同時に、第8族金属の助触媒効果が発揮されに
くい。
【0035】一方、第8族金属が1重量%未満であると
充分な効果が得られず、また10重量%を超えると担体
と結合しない遊離の水素化活性金属成分が増加する。
【0036】水素化活性金属成分を担持した担体は、含
浸溶液から分離した後、水洗、乾燥及び焼成を行う。乾
燥及び焼成条件は、上記した担体の場合の条件と同一で
よい。
【0037】また、本発明の触媒は、上記金属の他、リ
ンを元素として計算して約0.1〜4重量%、好ましく
は約0.2〜3重量%有し、比表面積が約200〜40
0m2/g、全細孔容積が約0.4〜0.9ml/g、
かさ密度が約0.5〜1.0g/ml、側面破壊強度が
約0.8〜3.5Kg/mmであるのが殊に好ましい。 このような本発明触媒組成物は、炭化水素油の良好な水
素化処理用触媒である。
【0038】本発明触媒は、水素化処理を行うにあたり
、固定床、流動床又は移動床のいずれの形式でも使用で
きるが、装置面または操作上からは固定床反応塔を使用
することが好ましい。
【0039】本発明触媒は、水素化反応に使用するに先
立ち、予備硫化を行うことが好ましい。予備硫化は、反
応塔のその場において行うことができる。すなわち、本
発明触媒を、含硫炭化水素油(例えば、含硫留出油)と
、温度約150〜400℃、圧力(全圧)約15〜15
0Kg/cm2、液空間速度約0.3〜8.0hr−1
で、約50〜1500l/l油比の水素含有ガスの存在
下において接触させ、この処理の終了後、上記の含硫留
出油を原料油(含留炭化水素油)に切替え、該原料油の
脱硫に適当な運転条件に設定して、運転を開始する。
【0040】本発明触媒の硫化処理の方法としては、上
記のような方法の他に、硫化水素、その他の硫黄化合物
を直接触媒と接触させるか、あるいはこれらの硫黄化合
物を適当な留出物に添加したものを触媒と接触させる方
法等も適用できる。
【0041】本発明における炭化水素油とは、原油の常
圧蒸留あるいは減圧蒸留で得られる軽質留分や常圧蒸留
残渣及び減圧蒸留残渣を意味し、勿論、コーカー軽油、
溶剤脱瀝油、タールサンド油、シェールオイル、石炭液
化油をも包含するものである。
【0042】また、本発明方法における水素化処理条件
は、原料油の種類、脱硫率等により適宜選択することが
できるが、温度約300〜500℃、水素圧力約50〜
200Kg/cm2、水素含有ガス/油比約50〜10
000l/l、液空間速度約0.1〜10hr−1とす
ることが好ましい。なお、水素含有ガス中の水素濃度は
、約60〜100%の範囲が好ましい。
【0043】なお、本発明における「水素化処理」とは
、上記したように、炭化水素油と水素との接触による処
理を総称し、比較的反応条件の苛酷度の低い水素化精製
、比較的苛酷度の高い若干の分解反応を伴う水素化精製
、水添異性化、水素化脱アルキル化、その他の水素の存
在下における炭化水素油の反応を包含するものである。
【0044】例えば、常圧蒸留または減圧蒸留の留出液
および残渣油の水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金
属、水素化分解を含み、また灯油留分、軽油留分、ワッ
クス、潤滑油留分の水素化精製等をも包含する。
【0045】本発明の水素化処理用触媒組成物において
、担持されているNi等の第8族金属は助触媒として有
効に機能しているが、炭化水素油の水素化処理に際して
、Vと共に除去されるNiは担持されているNiとは異
なり、助触媒効果を有さない。これは炭化水素油から除
去されたNiは担持されているNiとは異った状態で触
媒中に存在するためであり、助触媒効果を示さないのみ
ならず、触媒中の細孔を閉塞して炭化水素油の触媒中へ
の進行を阻害し、触媒活性を低下せしめる一因となる。
【0046】
【作用】本発明では、第6B族金属を含む水溶液を用い
、触媒担体に第6B族金属を担持させる際に、該水溶液
にリン化合物、特にリン酸を共存せしめ、かつリン量と
第6B族金属である水素化活性金属の酸化物量との比を
触媒基準で特定値をとるようにさせたため、第6B族金
属のイオンあるいは第6B族金属を含むイオンとリン酸
イオンの担体への吸着速度の差から、触媒粒子中心部に
向けて第6B族金属の濃度が高くなる濃度分布を示した
ものと思われる。すなわち、アルミナあるいはアルミナ
含有担体は固体塩基性を持つため、モリブデン酸アンモ
ニウム等の活性金属を含む水溶性に比べリン酸等の強い
酸の性質を持つ化合物の方が早く吸着する性質を持って
いる。
【0047】また、モリブデン酸イオン等やリン酸イオ
ンは共にアニオン性であるため静電的な反発により、一
旦リン酸が吸着したところにはモリブデン酸イオン等は
吸着されにくくなるため、初期にリン酸イオンが触媒最
外表面部に吸着すると、その後モリブデン酸イオン等は
触媒外表面部に吸着せずに中心部分に吸着することにな
り上記した様な濃度分布を生じたものと思われる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって説
明する。 実施例1 2000ccのビーカーに蒸留水1000ccを計り取
りパラモリブデン酸アンモニウム四水和物35.3g及
び濃リン酸9.8gを加え、パラモリブデン酸アンモニ
ウム四水和物が完全に溶解するまで攪拌し含浸液とした
。含浸液を25℃とした後、γ−アルミナ100.0g
を加え攪拌した。2時間含浸させた後、含浸液をロ別し
た。 その後速やかに120℃で乾燥を行い、500℃で2時
間焼成した。焼成して得られた触媒100.0gに硝酸
ニッケル四水和物5.0g、硝酸コバルト四水和物5.
0gを蒸留水100ccに完全に溶解させた含浸液を含
浸させた。室温で乾燥後、500℃で2時間焼成した。
【0049】得られた触媒の組成、物理性状及びh2/
h1を表1に示す。また、EPMA線分析の結果を図1
に示した。
【0050】実施例2、3 実施例1において濃リン酸9.8gを13.0g(実施
例2)、17.0g(実施例3)にした以外は、同様の
方法により行った。得られた触媒の組成、物理性状及び
h2/h1を表1に示す。また、EPMA線分析の結果
を図2(実施例2)及び図3(実施例3)に示した。
【0051】実施例4 実施例1において含浸液の温度25℃を60℃にした以
外は同様の方法により行った。得られた触媒の組成、物
理性状及びh2/h1を表1に示す。また、EPMA線
分析の結果は図1(実施例1)と類似のパターンを示し
た。
【0052】実施例5、6 実施例1においてパラモリブデン酸アンモニウム四水和
物35.3gの替わりにタングステン酸50.0g(実
施例5)、重クロム酸アンモニウム25.2g(実施例
6)を用いた以外は同様の方法により行った。得られた
触媒の組成、物理性状及びh2/h1を表1に示す。ま
た、EPMA線分析の結果は図2(実施例2)と類似の
パターンを示した。
【0053】比較例1 γ−アルミナ100.0gに、蒸留水100ccにパラ
モリブデン酸アンモニウム四水和物12.1gを完全に
溶解させた含浸液を含浸させ500℃で2時間焼成しM
oを担持した。その後、硝酸ニッケル四水和物5.0g
、硝酸コバルト四水和物5.0gを蒸留水100ccに
完全に溶解させた含浸液で含浸させ500℃で2時間焼
成しNi及びCoを担持した。得られた触媒の組成、物
理性状及びh2/h1を表1に示す。また、EPMA線
分析の結果を図4に示した。
【0054】比較例2 比較例1においてパラモリブデン酸アンモニウム四水和
物12.1gを16.1gとし、硝酸ニッケル四水和物
5.0gを6.6gとし、硝酸コバルト四水和物5.0
gを6.6gとした以外は同様の方法により行った。得
られた触媒の組成、物理性状及びh2/h1を表1に示
す。また、EPMA線分析の結果は図4(比較例1)と
類似のパターンを示した。
【0055】
【表1】
【0056】実施例及び比較例で得られた触媒組成物を
下記条件の水素化脱硫相対活性評価試験で評価した。結
果を表2および表3に示した。
【0057】(水素化脱硫の相対活性評価試験)常圧残
油(イラニアンヘビー)の性状 硫黄分    (重量%)        3.24バ
ナジウム(ppm)    119 ニッケル  (ppm)      39試験条件 反応温度        (℃);    390反応
圧力(Kg/cm2・G);    105液空間速度
    (hr−1);        1.0水素/
原料油 (Nl/l);  1068 (scf/bbl);  6000 装置                  ;  固定
床方式による高圧流通式反応装置
【0058】評価方法 上記運転条件下、20日目及び90日目の反応生成物の
残留硫黄分(重量%)、バナジウム(ppm)およびニ
ッケル(ppm)分を求め、次式に示す計算式により相
対値を求めた。
【0059】 90日後の脱硫活性相対値=K90/Kr90×100
K90;90日後の脱硫活性
【0060】
【数1】
【0061】Kr90;比較例における90日後の脱硫
活性
【0062】
【数2】
【0063】20日後の脱硫活性相対値も上記と同様に
して20日後の結果を用いて求めた。
【0064】脱金属活性相対値も上記と同様にして求め
たものであるが、上式において硫黄の替わりに金属(V
とNiとの合計値)を用い、かつ単位も重量%の替わり
にppmを用いた。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】実施例1〜6の触媒は、リンを特定の方法
で特定量配合させたため、第6B族金属である活性金属
担持濃度は、触媒最外表面部から触媒中心部へ向けて高
くなる濃度分布が形成された。これに対し、比較例1、
2は、リンが存在しないため濃度分布は平坦な形を示し
た。
【0068】水素化処理の触媒活性評価において、20
日目の脱硫活性は実施例と比較例で変化しないものの、
脱金属活性は実施例の方が比較例より優れ、またh2/
h1が小さい程、すなわち触媒中心部の濃度が高い程9
0日目の脱硫活性および脱金属活性は共に優れている。 また、h2/h1が大きい触媒(実施例3)においても
、比較例に比して、90日目の脱硫・脱金属活性に優れ
た。
【0069】
【発明の効果】本触媒組成物は、第6B金属である活性
金属を含む水溶液を用いて、触媒担体に活性金属を担持
せしめる際に、該水溶液にリン化合物を存在せしめ、特
定条件下にて含浸担持させたため、触媒粒子に担持され
た第6B族金属である活性金属は、触媒中心部分付近に
密に分布する。このため、重質炭化水素油中に存在する
触媒毒となるニッケル、バナジウム等は表面部に付着す
るため、活性金属は被毒されることなく、長期間に亘り
脱硫活性に寄与することができる。
【0070】すなわち、本触媒組成物は、従来触媒に比
して、長期間に亘り脱硫活性及び脱金属活性を維持でき
る。
【0071】具体的には、例えば同じ使用年数で触媒を
交換する場合、従来の触媒に比して反応温度を高く維持
することができ脱硫率の高い生成物を得ることができる
【0072】更に、反応温度一定の場合には、従来触媒
に比して長期間に亘り脱硫・脱金属活性を維持すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた触媒における担持された第
6B族金属の濃度分布を示すグラフであり、縦軸は第6
B族金属の濃度そして横軸は触媒断面での位置を示す。
【図2】実施例2で得られた触媒についての図1と同様
なグラフである。
【図3】実施例3で得られた触媒についての図1と同様
なグラフである。
【図4】比較例1で得られた触媒についての図1と同様
なグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  触媒粒子の周期律表第6B族金属担持
    濃度分布が触媒最外表面部から触媒中心部に向けて高濃
    度となるような濃度こう配を有し、かつ該濃度分布が次
    式で示され、そして触媒基準で該周期律表第6B族金属
    担持量が酸化物換算で5〜30重量%であり、かつ周期
    律表第8族金属担持量が酸化物換算で1〜10重量%で
    あることを特徴とする炭化水素油の水素化処理用触媒組
    成物。 0.77>h2/h1≧0 (ここで、h1は触媒粒子の中心部における周期律表第
    6B族金属担持濃度をいい、h2は触媒粒子最外表面部
    における周期律表第6B族金属の担持濃度をいう。)【
    請求項2】  周期律表第6B族金属の中から選ばれる
    1種以上を含む水溶液を用いて、前記金属を触媒担体に
    担持せしめる際に、前記水溶液に次式で示される割合で
    リン化合物を存在せしめて、含浸担持させることを特徴
    とする請求項1記載の炭化水素油の水素化処理用触媒組
    成物の製法。 P/XO3=0.01〜0.5 (Xは周期律表第6B族金属の中から選ばれる1種以上
    で、PおよびXO3は、触媒基準の重量%である。)
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