JPH0430461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粉粒体の輸送装置用の仕切弁とか、
風量の遮断に用いる遮断弁等に用いて好適な高シ
ールタイプのスライドゲートに関する。

〔従来の技術〕

上記の仕切弁とか遮断弁としては、従来よりボ
ール弁とかシート弁ト云つた高シールタイプの各
種弁が用いられているが、これ等高シールタイプ
の弁はいずれも構造が複雑で高価格であり、ま
た、弁板のスライド面に粉体が進入して開閉作動
に影響を与えたり、進入した粉体によつて弁板が
摩耗してシール洩れを起すと云つた問題があつ
た。

そこで、弁板をシート面（弁座）に対してカム
で押し上げる方式の弁が考えられ、上記弁板をス
ライドすることによつて生じる各種問題の解決が
図られた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

所が、上記カムによつて弁板を押し上げる方式
の弁は、シート面に対して弁板を水平に昇降作動
（開閉作動）する技術が面倒で、シート面全体に
対して同じ力で弁板を均等に押接させることが難
しく、〓々シール洩れが発生して精度が悪いと
か、弁板の全面に粉粒体の圧力が全て加わるた
め、弁板の開閉操作には可成りの力を必要とする
とか、更に、粉粒体の通路上に上記弁板開閉用の
カムが設けられているため、輸送中の粉粒体がこ
のカムに当つて輸送に悪影響を及ぼすと云つた各
種の問題があつた。

従つて、本考案の技術的課題は、弁板を少ない
力で円滑にスライドさせてシート面側を均一な力
で完全に密閉シールできると共に、この弁板の開
閉を粉粒体の輸送に悪影響を与えることなく行え
る様にすることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の技術的課題を解決するために本考案に於
いて講じた手段は以下の如くである。

(1) 送りネジ軸の回転に送られた水平に進退作動
する弁板の先端面を傾斜面と成し、この弁板の
先端側通路上で、而も、流通路から外れた位置
に、進行して来る弁板の傾斜面に接して弁板の
先端部側を上方に押上げ、且つ、この押上げた
先端部側の上面を流通路のシート面側に押接で
きるように構成したガイドローラを取付けるこ
と。

(2) 上記送りネジ軸と弁板の間を、送りネジ軸の
水平方向への送り力を垂直力に変換して弁板の
根端部側の上面を上記のシート面側に押接でき
るように構成したリンクによつて連結するこ
と。

〔作用〕

上記の手段は以下の如く作用する。

上記(1)の要素は、送りネジ軸の回転に送られ
て進行して来る弁板の先端に形成した傾斜面を
ガイドローラ上に乗り上げさせ、この傾斜面に
沿つて先端部側の上面を流通路のシート面に押
接させて、シート面を略半分程シールする。

上記(2)の要素は、上記ガイドローラによつて
先端部側をシート面に押接した状態で弁板の前
進が停止されると、次に、弁板の根端部側の上
面をリンクの垂直方向への押上げ力によつてシ
ート面側に押接して、シート面を完全シールす
るため、弁板の閉動操作を少ない力で行うこと
ができると共に、弁板はガイドローラとリンク
の押上げによつてシート面をシールするもので
あるから、粉体等の噛込みの問題が発生する心
配がなく、開閉作動を円滑に行うことができ、
更に、ガイドローラとリンクはシート面から外
れた弁板の両端側に設けられているから、粉粒
体の輸送をこれ等に邪魔されずに円滑に行うこ
とを可能にする。

以上の如くであるから、上記の手段によつて上
述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の
問題点を解消することができる。

〔実施例〕

以下に、上述した本考案に係るスライドゲート
の好適な実施例を添付した図面と共に詳細に説明
する。

第１図は本考案に係るスライドゲートを粉粒体
輸送装置の仕切弁に使用している状態の正面図で
あつて、図中、符号１で全体的に示した本考案の
スライドゲートは、粉粒体供給用ホツパ２と、輸
送用配管３を連結する連結筒４の部分に設けられ
ていて、弁板５によつて上記ホツパ２の下端口に
設けたシート面２ａを開閉して流通路を開閉する
仕組に成つている。

添付した各図に於いて、６は前記連結筒４の一
側に横向きに突設したケース体で、７はこのケー
ス体６内に回転自在に架設した送りネジ軸、８は
この送りネジ軸７を正逆回転するハンドルを示
す。

また、９は上記ケース体７内にスライド自在に
嵌込んだネジブロツク体で、このブロツク体９の
内部に上記の送りネジ軸７が螺合されていて、送
りネジ軸７をハンドル８で回転すると、ネジブロ
ツク体９がケース体６内を水平に進退移動する仕
組に成つている。

また、１０は上記弁板５の先端側進行通路上で
而も、粉粒体等の流通路から外れた位置（具体的
にはシート面２ａから外れた前記連結筒４内の一
側）に設けたガイドローラで、送りネジ軸７の回
転に従つてネジブロツク体９に押されて進行して
来た弁板５は、第３図の如くその先端部に形成し
た傾斜面５ａの部分をガイドローラ１０上に乗り
上げて、この傾斜面５ａに沿つて先端側上面をシ
ート面２ａに押接する様に構成されている。

一方、１１は上記弁板５の根端部５ｂと上記ネ
ジブロツク体９の間を上下作動自在に連結したリ
ンクで、このリンク１１は弁体５の先端傾斜面５
ａの部分が第３図の如くガイドローラ１０に乗り
上げて進行が停止された後、更に、送りネジ軸７
の回転が続けられてネジブロツク体９の移動が進
められると、第４図の如く全体が時計回転方向に
回動して弁体５の根端部５ｂ側を垂直方向へ押上
げ、その上面をシート面２ａに押接する仕組に成
つている。

尚、図中７ａは送りネジ軸７の先端側を回転自
在に支持する支持板である。

本考案に係るスライドゲートは以上述べた如き
構成であるから、ハンドル８の操作により送りネ
ジ軸７を正回転してネジブロツク体９を第２図に
於いて左方向に進行させると、これに押されて弁
板５がシート面２ａの下側を一定の間隔をあけて
左方向にスライドし、その先端傾斜面５ａの部分
をガイドローラ１０上に乗り上げてシート面２ａ
を第３図の如く略半分程度シールする。

次いで、送りネジ軸７の正回転を続けると、傾
斜面５ａの部分がガイドローラ１０とシート面２
ａとの間に挟まつて弁板５の水平方向への移動が
停止される関係で、今度はリンク１１が回動して
弁板５の根端部５ｂ側をシート面２ａの方向に垂
直に押上げるから、これでシート面２ａは第４図
の如く完全にシールされて流通とが閉鎖されるた
め、ホツパ２からの粉粒体の供給は停止される。

以上の如くシールされたシート面２ａを開いて
流通路を解放するには、前記の送りネジ軸７をハ
ンドル８で逆回転すれば、ネジブロツク体９が図
面上右方向に復帰スライドするから、これにて弁
板５は第２図の位置に引込まれてシート面２ａが
開いて流通路が開放され、粉粒体の輸送を可能に
する。

〔効果〕

本考案に係るスライドゲートは以上述べた如く
であつて、送りネジ軸の回転に従つて弁板を進退
スライドさせて、シート面（弁座）を開閉できる
のであるが、本考案では特に、ガイドローラと弁
板の先端に形成した傾斜面、並びに、リンクの押
し上げ作用によつて、先ず弁板の先端部側をシー
ト面に押接し、次いで根端部側を序々にシート面
側に押上げて密着シールするように構成したか
ら、流通路内を流れる粉粒体等による加圧をあま
り受けずに弁板をスムーズに閉じることができ、
また、粉粒体の噛込みによるシール不完全の問題
も発生せず、シート面を完全にシールできる利点
を発揮できると共に、上記ガイドローラとリンク
による押上げは流通路から外れた弁板の両端部に
て行われるから、シート面の中央流通路の部分を
流通する粉粒体がこれ等ガイドローラとかリンク
に当つて輸送に支障が生じる心配もなく、輸送を
円滑に行える利点も発揮できるものであつて、構
造が簡単で安価に製造でき、且つ、シート面に対
する弁板の開閉作動を送りネジ軸の正逆回転だけ
で簡単に操作できる点と相俟つて、粉粒体輸送装
置の仕切弁とか、風量の遮断弁等に実施して誠に
実用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライドゲートを実施し
た粉粒体輸送装置の部分正面図であつて、第２図
は弁体を開いた状態の本考案の正断面図で、第３
図は同じく一部閉じた状態の正断面図、第４図は
完全にシールした状態の正断面図である。 １はスライドゲート、２はホツパ、２ａはシー
ト面、５は弁板、７は送りネジ軸、９はネジブロ
ツク体、１０はガイドローラ、１１はリンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送りネジ軸の回転に送られて水平に進退作動す
   る弁板の先端面を傾斜面と成し、この弁板の先端
   側通路上で、而も、流通路から外れた位置に、進
   行して来る弁板の傾斜面に接して弁板の先端部側
   を上方に押上げ、且つ、この押上げた先端部側の
   上面を流通路のシート面側に押接できるように構
   成したガイドローラを取付け、また、上記送りネ
   ジ軸と弁板の間を、送りネジ軸の水平方向への送
   り力を垂直力に変換して弁板の根端部側の上面を
   上記のシート面側に押接できるように構成したリ
   ンクによつて連結したことを特徴とするスライド
   ゲート。