JPH04304326A - 焼結鉱製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は焼結鉱製造方法に関する
ものであり、詳しくは表層部への焼結促進剤添加による
焼結鉱製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ドワイト・ロイド式焼結機などの下方吸
引式焼結機における焼結鉱製造方法は、粉鉄鉱石等にコ
ークスを混合した配合原料をパレット上に充填し、これ
の表面に点火炉で点火して下方に空気を吸引しながら配
合原料中のコークスを燃焼させ、上層から下層へ焼結反
応を進めていく。このような焼結鉱製造方法プロセスに
おいては、原料充填層の上層部は熱が不足し原料が十分
溶融しないため焼結鉱の品質低下傾向がある。その対策
として、パレット上の配合原料表層に高燃料配合層を形
成すると共に配合原料表層を高密化する技術が知られて
いる（特公平２−４５６９２）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記特公平２−４５６
９２号記載の技術には以下のような解決すべき課題があ
る。粉コークスを焼結原料充填層表層に点火前に散布す
ることにより、上層の層内最高温度上昇、高温保持時間
延長は可能になると考えられる。しかし、焼結原料充填
層上部の化学組成が高温域（１３００度Ｃ以上）でのみ
しか融液を生成しない場合や、焼結原料充填層上部に融
液を形成する副原料（石灰石粉等）が不足している場合
には、粉コークスの添加によるヒートパターン改善だけ
では、シンターケーキ上部の強度歩留改善効果は減少す
る。

【０００４】また、多量に粉コークス（たとえば厚さ２
から１００ミリメートルで添加層内中の燃料含有率を望
ましくは１０パーセント以上）を原料充填層表層に散布
することは、その直下の原料充填層に局所的な酸素不足
による粉コークスの不完全燃焼を誘発し、未焼成原料の
発生による焼結鉱の強度、歩留低下を招く恐れがある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記従来技術の
問題点を有利に解決するためになされたものであって、
ＣａＯ／ＳｉＯ　２が３以上、ＣａＯ／Ｆｅ　２Ｏ　３
が０．２５から０．４３の組成を有し、１１９０から１
２１０度Ｃで融液を生成する低融点組成物に粉コークス
あるいは石炭粉等の熱源を１．０から４．０パーセント
の割合で加えてなる粒度１ミリメートル以下の焼結促進
剤を点火前の焼結原料充填層の表層に配合原料に対し０
．１から０．４パーセントの割合で添加して該表層部と
の混合を行った後その混合部の圧密化を行い、しかる後
該圧密化された表層へ点火し焼結することを特徴とする
焼結鉱製造方法を要旨とするものである。

【０００６】

【作用】以下、本発明を図面に基づいて説明する。焼結
原料充填層上部は供給空気の雰囲気温度が低いため層内
最高到達温度が中、下層部に比較して低いこと、またフ
ァイバースコープ（本発明者等の開発したボンドエキス
プローラー）を利用した焼結反応過程の観察によれば、
溶融過程で生成された融液が上方から下方へ流動する現
象が認められており、そのためシンターケーキ上層部の
歩留、強度は中下層部に比較して低くなるものと考えら
れる。したがって、融液の補給を上方より受けることが
困難な焼結原料充填層上部に低融点の焼結促進剤を添加
することは、シンターケーキ上層部の強度、歩留改善に
有効である。

【０００７】図３のＦｅ　２Ｏ　３−ＣａＯ−ＳｉＯ　
２系状態図によれば、比較的低融点（１１９０から１２
１０度Ｃ）で融液を生成する化学組成は、ＣａＯ／Ｓｉ
Ｏ　２≧３かつＣａＯ／Ｆｅ　２Ｏ　３＝０．２５から
０．４３の領域（図３斜線部分）である。この化学組成
領域は、カルシウムフェライト系融液の生成領域であり
、従来からの知見によればカルシウムフェライトは焼結
鉱の強度発現に適した鉱物組成である。したがって、本
発明においては、これらの化学組成領域内となるように
Ｆｅ２Ｏ　３源（鉄鉱石粉、スケール粉）、ＣａＯ源（
石灰石粉、生石灰粉）を配合し、そして、カルシウムフ
ェライト系融液が生成開始する温度（最低１１９２度Ｃ
）まで層内温度を上昇させるのに必要な最小限の粉コー
クスあるいは石炭粉等の熱源（焼結促進剤中配合比１．
０から４．０パーセント）を加え焼結促進剤とした。ま
た、焼結促進剤の溶融反応性を高めるためその粒度構成
は−１ｍｍ＝１００パーセントとした。

【０００８】焼結促進剤の配合比は０．１から０．４パ
ーセントとした。これは、焼結促進剤の配合比０．１パ
ーセント未満においては、シンターケーキ上層部の歩留
、強度の改善効果が認められないためであり、一方焼結
促進剤の配合比０．４パーセント超においては、シンタ
ーケーキ上層部の歩留、強度の改善効果が飽和してしま
うからである。

【０００９】実際のドワイトロイド型焼結機における焼
結促進剤の添加方法を図１に示す。配合原料１は給鉱槽
２からドラムフィーダによる装入装置３により供給され
る。給鉱槽２と点火炉４の間に、焼結促進剤添加装置７
、表層混合装置６、成形プレスローラー８を設置する。 配合原料１は給鉱槽２より切り出されたのち焼結促進剤
添加装置７により、表層部に焼結促進剤を散布される。 表層混合装置６により焼結促進剤と配合原料１の混合を
実施したのち成形プレスローラー８により表層部の装入
密度の上昇を図ったのち点火炉４で点火される。点火さ
れた焼結原料は風箱５により下方に吸引された気流によ
り表面より反応が進行する。なお、表面混合装置は図１
に示すドラムに攪拌棒が植えられているものの他任意の
ものが適用しうる。

【００１０】焼結原料充填層上部に低融点の焼結促進剤
を添加することにより焼結時の融液生成を促進しシンタ
ーケーキ中下層部に比較して歩留、強度の脆弱なシンタ
ーケーキ上層部の強度、歩留改善を実現する。したがっ
て、焼結鉱品質を悪化させることなく高生産率、高歩留
焼結操業達成を可能にする。

【００１１】

【実施例】ドワイト・ロイド型焼結機の実物大装入シミ
ュレータにおいて本発明を実施した。その結果を図２に
示す。表１に示した諸元に基づき焼結促進剤を配合し、
焼結原料充填層上部に添加したのち表層混合（混合深さ
３０ｍｍ）、圧密化を図り焼成を実施した。

【表１】

【００１２】図２にその結果を示すが、Ａは歩留で粒径
５ｍｍ以上の製品焼結鉱の収率を示し、Ｂは落下強度で
落下試験後の収率を示している。この図からもわかるよ
うに焼結原料充填層上部に何も添加しない場合（ベース
）に比較して、焼結促進剤を添加するとシンターケーキ
上層部（全シンターケーキ層高（５００から６００ｍｍ
）の３分の１）の歩留、強度が改善される。また、焼結
促進剤中の粉コークス配合比が増加（１．０から４．０
パーセント）するとその効果が大きくなる。したがって
、焼結鉱の品質を一定に維持しながら焼結操業を行った
場合は、ベースに比較してさらなる高生産率、高歩留操
業達成が可能となる。

【００１３】

【発明の効果】焼結原料充填層上部に低融点の焼結促進
剤を添加することにより焼結時の融液生成を促進しシン
ターケーキ中下層部に比較して歩留、強度の脆弱なシン
ターケーキ上層部の強度、歩留改善を実現する。したが
って、本発明により焼結鉱の品質を悪化させることなく
高生産率、高歩留焼結操業達成が可能となり、最終的に
は高出銑比高炉操業の安定維持に顕著な効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の焼結機における実施方法を示す図

【図
２】本発明の実施結果である歩留、落下試験値のグラフ

【図３】Ｆｅ　２Ｏ　３−ＣａＯ−ＳｉＯ　２系状態図

【符号の説明】

１　　配合原料 ２　　給鉱槽 ３　　装入装置 ４　　点火炉 ５　　風箱 ６　　表面混合装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ＣａＯ／ＳｉＯ　２が３以上、ＣａＯ
   ／Ｆｅ　２Ｏ　３が０．２５から０．４３の組成を有し
   、１１９０から１２１０度Ｃで融液を生成する低融点組
   成物に粉コークスあるいは石炭粉等の熱源を１．０から
   ４．０パーセントの割合で加えてなる粒度１ミリメート
   ル以下の焼結促進剤を、点火前の焼結原料充填層の表層
   に配合原料に対し０．１から０．４パーセントの割合で
   添加して該表層部との混合を行った後その混合部の圧密
   化を行い、しかる後該圧密化された表層へ点火し焼結す
   ることを特徴とする焼結鉱製造方法。