JPH0430329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関の排気ガス中に含まれるパテ
イキユレート（微粒子）を補集し燃焼させるパテ
イキユレート補集用ハニカムフイルタに関する。

〔従来技術と問題点〕

内燃機関のパテイキユレート補集用フイルタ材
には、従来よりセラミツク質のフオームフイルタ
やハニカムフイルタ、更にはセラミツクフアイバ
ー、金属フアイバー、メタルメツシユ等種々のフ
イルタ材があるがこの内、ハニカムフイルタは、
優れた耐熱性、耐熱衝撃性を有すること並びに高
い補集性能が得られることから有望視されてい
る。

ところで、これらのフイルタ材は長期間使用す
ると補集したパテイキユレートにより目詰まりを
生じる。そこで、定期的にパテイキユレートを燃
焼して除去することによりフイルタ材の再生を行
う必要が生じる。このハニカムフイルタの再生に
関しては、バーナ、ヒータ等の外部着火手段によ
りフイルタの上流側端面でパテイキユレートに着
火し、排気ガスの流れを利用してフイルタの下流
側へ燃焼を伝播する方法が一般的である。しかし
ながら、従来のハニカムフイルタは、セルの入口
側端面か出口側端面のうちいずれか一方が交互に
閉塞されており、入口側が開口したセル内に導入
された排気ガスはセル壁を通つて出口側が開口し
ている隣のセルへ入り外部へ排出される構造のた
め、外部着火手段によりフイルタ上流部で発生し
た燃焼熱は、その大部分がセルの下流側に到達す
る前にセル壁を通過し、隣接するセルに流出す
る。この結果、これまでのハニカムフイルタは燃
焼伝播性に劣るという問題があつた。

かかる燃焼伝播性を改善するために、本出願人
は先にハニカムフイルタの出口側端面の栓部材に
捕集率に影響しない程度の貫通孔を設け、従来の
ものに比べ捕集率をほぼ同等に確保しつつ、排気
ガスの流れにおいて、セル壁を透過して隣りのセ
ルに入るものだけでなく、そのまま貫通孔を通つ
て系外へ排出される流れを生じさせ、この貫通孔
を通る排気ガスの流れにより、ハニカムフイルタ
の入口側端面で得られた燃焼熱をセルの下流側へ
と伝達させた構造のハニカムフイルタを出願し
た。（実開昭61−62216号） しかしながら、上記ハニカムフイルタにおいて
も長時間使用すると、上記貫通孔にパテイキユレ
ートが付着し、結果的には目詰まりを生じるた
め、再生の際、貫通孔を通つて系外に排出される
ガス流れ効果は不十分となり、良好な燃焼伝播が
達成できず十分な再生率が得られない。又、これ
に加え貫通穴の部分パテイキユレート燃え残りに
より背圧の上昇やフイルタ自体の溶損等の可能性
がある。

このため再生の際、貫通孔を通るガス流れ効果
が充分確保される様なハニカムフイルタが望まれ
ていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決するためになされた
もので本考案によれば、 柱状をなし、内部に排気ガスの入口側から出口
側に向けて軸方向に多数のセルを形成し、このセ
ルの排気ガス入口側か出口側、いずれか一方を栓
部材で交互に閉塞せしめ、 上記排気ガス出口側に設けられた栓部材に貫通
穴を形成したパテイキユレート捕集用ハニカムフ
イルタにおいて、上記貫通穴を有する栓部材に発
熱手段を具備せしめることを特徴とするハニカム
フイルタが提供される。

〔実施例〕

本考案による実施例を添付図面を参照して、以
下、説明する。

第１図はパテイキユレート捕集用ハニカムフイ
ルタ（以下、ハニカムフイルタと呼ぶ）の概略構
成図であつて本実施例ではハニカムフイルタ１０
は例えば円柱等の柱形状を呈する。又、図中矢印
は排気ガスの流動方向を示しており、従つてハニ
カムフイルタ１０の左側は上流側（入口側）とな
り、右側は下流側（出口側）となる。

ハニカムフイルタ１０は上記入口側から出口側
へと軸方向に延びる多数のセル１から構成され、
このセル１の入口側端部あるいは出口側端部のい
ずれか一方には栓部材３が装着され、一セルと隣
接する他のセルの入口側端部と出口側端部とが交
互に閉塞される様に配置される。そして以上の様
にして配設された栓部材３の内、排気ガス出口側
に位置する栓部材３ａには貫通穴５が形成される
ことによりガス流れ効果を確保し、ハニカムフイ
ルタ１０のより良好なる再生を可能にしている。
７はハニカムフイルタ再生用の電気ヒータであつ
て排気ガス入口側に設けられている。

以上説明したハニカムフイルタの構造は従来技
術のそれと同一であつて変わることはない。

本考案によれば以上の様にしてなるハニカムフ
イルタ１０の出口側に位置する貫通穴付き栓部材
３ａには発熱手段が設けられる。

第２図及び第４図は、上記発熱手段の実施例を
示すハニカムフイルタ後端部の部分拡大図であ
る。

第２図は発熱手段として栓部材自体を、例えば
窒化ケイ素（Si₃N₄）及び窒化チタン（TiN）等
から成る発熱セラミツク体３ｂにより構成して、
各栓部材３ｂを電気的に接続し通電することによ
り貫通穴５に付着・目詰りしたパテイキユレート
の燃焼することを目的とした実施例である。又第
３図は、第２図に示す発熱セラミツク体即ち栓部
材３ｂ同志の電気的接続例を示す図であつて本実
施例によれば各栓部材３ｂは電極９により対角線
方向（斜め方向）に接続される。この接続法に関
しては上述した斜め方向以外に第３図で見て横方
向あるいは縦方向でも良い。

第４図は第２図とは異なる発熱手段例を示す図
であつて、本実施例によれば各栓部材３ａの貫通
穴５に面する部位には例えば白金（Pt）等から
なる発熱抵抗体１１がコーテイングされ、第２図
に示す実施例同様、互いに電気的に接続され通電
される。本図ではこの発熱抵抗体１１は貫通穴５
に露出して配設されているが、場合によつては抵
抗体保護のため抵抗体１１の上に伝熱性セラミツ
ク等でさらにコーテイングしても良い。

本考案によるハニカムフイルタ１０の内燃機関
への装着例及びその再生手順例を第５図を参照し
て説明する。

第５図は本ハニカムフイルタ１０を、ターボチ
ヤージヤ付き内燃機関２０に装着した図であつ
て、排気通路２１はバイパス路２３と、ハニカム
フイルタ１０を装着した通路２５とから成り、バ
イパス路２３内にはハニカムフイルタ１０の再生
時作動するバイパス弁２７が設けられる。

本考案によるハニカムフイルタ１０を使用する
際のフイルタ再生作動を以下、説明する。

フイルタ再生の場合、最初にバイパス弁２７を
開弁してターボチヤージヤ３０からの排気ガスを
バイパス通路２３に流入することから始まる（点
線矢印方向）。次いで本考案によるハニカムフイ
ルタ１０の出口側栓部材３ａに設けられた発熱手
段に30〜60秒間通電し貫通穴５内に付着したパテ
イキユレートを燃却する。そして栓部材３ａのパ
テイキユレート燃却後、従来通り電気ヒータ７に
通電してセル１内に付着したパテイキユレートを
燃焼し、ハニカムフイルタ１０を再生する。ハニ
カムフイルタ１０再生後は再度バイパス弁２７を
閉じ、ターボチヤージヤ３０からの排気ガスが通
路２５内へと流入する様にしてハニカムフイルタ
１０内を通過させる様にする（実線矢印方向）。
以上の様にしてフイルタ再生工程が終了する。以
上の作動例からもわかる様に本考案によるハニカ
ムフイルタは、フイルタ着火に先立ち、排気ガス
出口側に設けられた栓部材を加熱し、貫通穴に付
着したパテイキユレートを焼却することにより、
貫通穴からのガス流れ効果を十分復帰させた上で
再生の際の燃焼伝播を良好にしている。

〔効果〕 本考案によればハニカムフイルタの排気ガス出
口側に装着された栓部材に発熱手段を設けること
で、栓部材の貫通穴に付着したパテイキユレート
を除去することができ、その結果ハニカムフイル
タ内のガス流れが改善され電気ヒータによるハニ
カムフイルタ再生率が向上する。

従つて、パテイキユレート燃え残りに寄因する
背圧の上昇や部分的蓄熱により溶損の防止が可能
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパテイキユレート捕集用ハニカムフイ
ルタを示す概略構成図；第２図は本考案によるハ
ニカムフイルタの一実施例を示す部分的拡大図；
第３図は第２図に示すハニカムフイルタを排気ガ
ス下流側より見た図；第４図は第２図とは異なる
別の実施例を示す部分的拡大図；第５図は本考案
によるハニカムフイルタをエンジンに装着した概
略図。 １……セル、３，３ａ……栓部材、３ｂ
……発熱セラミツク体（発熱手段）、５……貫通
穴、１０……ハニカムフイルタ、１１……発熱抵
抗体（発熱手段）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 柱状をなし、内部に排気ガスの入口側から出口
   側に向けて軸方向に多数のセルを形成し、このセ
   ルの排気ガス入口側か出口側、いずれか一方を栓
   部材で交互に閉塞せしめ、 上記排気ガス出口側に設けられた栓部材に貫通
   穴を形成したパテイキユレート補集用ハニカムフ
   イルタにおいて、上記貫通穴を有する栓部材に発
   熱手段を具備せしめることを特徴とするハニカム
   フイルタ。