JPH043030Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は磁石選針編機用部品に関する。特に、
バツト部分が改良されたジヤツク、編針、シンカ
等の編機用部品に関する。

［従来の技術］ ジヤツク、編針、シンカ等の編機用部品は、編
機に装備された磁石（電磁石、永久磁石）の作用
を受けるバツト部を備えている。

このバツト部は、通常鋼板から編機用部品を打
ち抜くときに同時に形成される。したがつて、そ
の厚みは、バツト部以外の部分と同じ厚みであ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ バツト部は断面積が小さいものであるから、磁
化の強さに限界がある。即ち、すぐに磁気飽和に
達するため磁石によつてバツト部を吸引する力を
増加させることができない。

そこで、本考案は、磁力を及ぼしやすくしたバ
ツトを有する編機用部品を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、鋼鉄からなる補強部材をバツト部分
に溶着して、磁気飽和に達しにくく、かつ、磁力
を及ぼしやすくしたことを特徴とする磁石選針編
機用部品である。

補強部材は、バツト部の片面のみに取付ること
もできるし、両面に取り付けることもできる。

補強部材の厚みは、編機のシリンダーの直径及
びゲージ（針本数／インチ）によつて異なる 補強部材を片面のみに取付る場合には、シリン
ダー溝の１ピツチから針厚の寸法を差し引いた残
りの寸法よりやや小さくした寸法が好ましい厚み
である。

補強部材を両面に取付ける場合には、片面に取
り付ける場合の補強部材の厚み寸法の約1/2にな
る。

バツト突出方向における補強部材の幅について
は、幹部から突出するバツトの高さ以下であるこ
とを除き、特に制限はない。

補強部材は鋼鉄である。取付方法は溶着であ
る。特にレーザーまたはメーザー溶着が好まし
い。１点溶着よりは２点ないし４点溶着が好まし
い。

［作用］ 本考案の構成によれば、バツトには補強部材が
取り付けられているので、磁気を及ぼしやすくす
ることができる。その結果、磁石選針編機におい
てバツト吸引力が増大する。

［実施例］ 以下、添附の図面に基づき本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案の第１実施例である。この実施
例では、編機用部品は丸編機用のジヤツク１０で
ある。

このジヤツク１０も従来技術と同様に、一端に
編針との接触端部１１、他端に揺動遊端１２を備
えた細長い幹部１３を有する。ほぼ中央部には回
動の軸部１４と、その反対には編機内部に設けら
れたカム溝と係合するバツト１５が設けられてい
る。バツト１５の下側には磁石１６によつて吸引
されるバツト１７が設けられている。

このバツト部１７の片面には、磁力を及ぼしや
すくするために補強部材１８が取り付けられてい
る。補強部材１８は両面に取り付けることもでき
る。

補強部材１８の厚みは、編機のシリンダーの直
径及びゲージ（針本数／インチ）によつて異な
る。

補強部材１８を片面のみに取付る場合には、第
２図に示すように、シリンダーＣの溝の１ピツチ
Ｐから針厚みの寸法ｔを差し引いた残りの寸法Ｔ
１よりやや小さくした寸法Ｔ２が好ましい厚みで
ある。例えば、30インチ、28ゲージの機械では、
ジヤツク厚は0.42mm、バツト厚みｔは0.42mm、補
強部材Ｔ２の厚みは0.40mmとなる。

補強部材１８を両面に取付る場合には、第３図
に示すように、上記補強部材の厚み寸法Ｔ２の約
１／２になる。

バツト突出方向における補強部材の幅について
は、幹部から突出するバツトの高さ以下である。

補強部材の材料は、磁性体であることが要求さ
れる。この実施例では、鋼鉄が使用されている。

補強部材の取付方法は、この実施例では２点で
レーザ溶着されている。

第４図は本考案の第２実施例である。この実施
例では、編機用部品は丸編機用のシンカ２０であ
る。

このシンカの従来技術と同様にノーズ２１を有
する前部分２２と、制御カムと接触するバツト２
３を有する後部分２４からなる。前部分２２と後
部分２４は、中間部分２５によつて連結されてい
る。

バツト２３には、本願考案の特徴である補強部
材２６が取付られている。補強部材２６自体の構
造は第１実施例と同様である。

第５図は本考案の第３実施例である。この実施
例では、編機用部品は丸編機用のベラ針３０であ
る。

このベラ針も通常のベラ針と同様に、先端にフ
ツク３１を有する細長い幹部３２を備えている。
フツク部分３１には、ベラ溝３３が穿設されてお
り、この溝内でベラ３４が回動自在に軸支されて
いる。幹部３５は弾性を与えるために幹部３２と
互いにずらされている。幹部３５の上下部には編
機内部に設けられたカム溝と係合する上下バツト
３６，３７が形成されている。

下バツト３８には、本願考案の特徴である補強
部材３９が取付られている。補強部材３９自体の
構造は第１実施例と同様である。

［考案の効果］ 本考案の補強部材を取り付けたジヤツク５本
（本考案第１実施例の製品）と従来のジヤツク５
本（バツト部分を除き他の部分は本考案第１実施
例と同一の製品）をそれぞれ磁石との〓間を代え
て磁石の吸引力を電流値で測定した。結果は、
0.06mmの〓間を与えた場合、ジヤツク５本の平均
測定値が従来の製品では0.53Aであつたが、本願
考案の製品では0.98Aであつた。また、0.12mmの
〓間を与えた場合、従来の製品では0Aであつた
が、本願考案の製品では0.88Aであつた。

この結果から明らかなように本願考案の製品は
従来の製品に較べ約２倍弱、磁力が及びやすい。
したがつて、ジヤツクと磁石との間の〓間に余裕
を与えることができるので、その取り付け調整が
簡単に実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係るジヤツクの
斜視図である。第２図は片面に補強部材を取付け
たバツトを有する編針を編機に装着した状態の平
面図である。第３図は両面に補強部材を取付けた
バツトを有する編針を編機に装着した状態の平面
図である。第４図は本考案の第２実施例に係るシ
ンカの斜視図である。第５図は本考案の第１実施
例に係る編針の斜視図である。 １０……ジヤツク、１５……バツト、１８……
補強部材、２０……シンカ、２３……バツト、２
６……補強部材、３０……ベラ針、３６，３８…
…バツト、３９……補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 鋼鉄からなる補強部材をバツト部に溶着し
   て、磁気飽和に達しにくく、かつ、磁力を及ぼ
   しやすくしたことを特徴とする磁石選針編機用
   部品。 ２ バツト部の片面のみに補強部材が溶着されて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載の磁石
   選針編機用部品。 ３ バツト部の両面に補強部材が溶着されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の磁石選針
   編機用部品。