JPH04301008A - 金属粉末の製造方法及びこれに用いる誘導炉 - Google Patents

金属粉末の製造方法及びこれに用いる誘導炉

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JPH04301008A
JPH04301008A JP6661691A JP6661691A JPH04301008A JP H04301008 A JPH04301008 A JP H04301008A JP 6661691 A JP6661691 A JP 6661691A JP 6661691 A JP6661691 A JP 6661691A JP H04301008 A JPH04301008 A JP H04301008A
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JP
Japan
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furnace
molten metal
induction furnace
metal powder
nozzle
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JP6661691A
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Senji Fujita
藤田 宣治
Kiyoshi Suzuki
喜代志 鈴木
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高速度鋼(ハイ
ス)等の製造に採用される金属粉末の製造方法及びこれ
に用いる誘導炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高合金粉末ハイスは、溶製材
に比べて凝固偏折が少なく、炭化物粒度も2〜4μm前
後と小さいので、靱性,耐摩性に優れており、高級エン
ドミル,ホブカッターを始めとした広範囲の工具鋼に用
途が拡大されつつある。また、高硬度,耐摩耗性の特徴
を生かして、熱間ロール,冷間ロールの分野にも粉末ハ
イス,ダイス系を始めとした各種材料が、HIPー鍛造
,HIPーNNS(ニアネットシェイプ)プロセス等を
用いて、実用化されつつある。
【0003】この様な粉末冶金においては、金属粉末を
形成する方法として、誘導炉を使用した噴霧法が行われ
ていた。この噴霧法とは、図8に示す様に、誘導炉(又
は真空誘導炉)P1で粉末用合金を溶解し、誘導炉P1
からタンディッシュP2に溶湯P3を注ぎ込み、タンデ
ィシュP2の底に開いた出湯孔P4より溶湯P3を落下
させ、ガス、又は水を用いて粉化させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た噴霧法では、下記の様な問題があり必ずしも好適では
なかった。
【0005】つまり、従来の噴霧法によると、誘導炉P
1内に僅かに浮遊するスラグP5が、タンディシュP2
内に混入し、そのうち大部分はタンディッシュP2内の
溶湯P3とスラグP5の密度差により急速に浮上するが
、ごく少量のスラグP5は乱流によるショートサーキッ
トにより、タンデイッシュP2の底の出湯孔P4を通り
抜けることがあった。その結果、出湯孔P4を通り抜け
て粉化されたスラグP5は、粉末に混入してしまうので
、このスラグP5が混入した粉末を用いて鋼材を製造す
ると、鋼材中において、硫化物系,アルミナ系及びその
他の酸化物系等の非金属介在物となることがあった。
【0006】この種の介在物は、工具鋼等の品質に大き
な影響を与え、特に品質要求が厳しい冷間ロールにおい
ては、10μm以上の大型の介在物を大巾に低減するこ
とが粉末プロセスの主要な課題となっていた。
【0007】また、上記従来の方法では、金属粉末中に
多くの酸素が含まれることがあり、それによって、金属
粉末から製造される部材の抗折力が低下するという問題
もあった。
【0008】本発明は、上記課題を解決し、上記の介在
物及び酸素を低減することができる金属粉末の製造方法
及びこれに用いる誘導炉を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1の発明は、誘導炉にて所定組成の金属を溶解
するとともに、炉内を所定の圧力状態に制御し、上記炉
底より加熱したノズルを介して一定流量の溶湯を落下さ
せ、この落下する溶湯を冷却・噴霧して粉末化すること
を特徴とする金属粉末の製造方法を要旨とする。
【0010】また、請求項2の発明は、上記請求項1の
炉内の圧力状態を制御するために、炉内を真空状態ない
し減圧状態にし、又は不活性ガスを供給することを特徴
とする金属粉末の製造方法を要旨とする。
【0011】更に、請求項3の発明は、上記請求項1記
載の金属粉末の製造方法に使用される誘導炉であって、
上記ノズルが取り付けられる炉底の出湯孔の位置を、該
炉底の中心より炉底半径の10%以上偏心させたことを
特徴とする誘導炉を要旨とする。
【0012】請求項4の発明は、上記請求項3のノズル
の下方に、1或は複数の孔が形成されたスライディング
ノズルを設けたことを特徴とする誘導炉を要旨とする。
【0013】
【作用】請求項1の発明では、まず、誘導炉にて所定組
成の金属を溶解して溶湯とし、更に、炉底に設けられた
ノズルを溶湯が落下し易いように加熱する。そして、例
えば溶湯の量の減少に応じて炉内の圧力を減圧状態から
加圧状態にする様に、炉内を所定の圧力状態に制御し、
それによって、ノズルから一定流量の溶湯を落下させる
。その後、落下する溶湯の周囲より、溶湯に対して例え
ばガスを吹き付けて、溶湯を冷却・噴霧するとともに溶
湯金属の粉末化を行なう。
【0014】この様に、本発明では、ノズルを加熱する
とともに炉内の圧力制御を行なうので、スラグの炉の底
部への混入が防止され、炉底付近の溶湯が炉底のノズル
を介して常に一定流量落下し、それによって、形成され
る金属粉末へのスラグの混入が防止される。また、それ
にともなって、金属粉末に含有される酸素量も低減され
る。
【0015】特に請求項2の発明では、真空ないし減圧
、又は不活性ガスの炉内への加圧化供給によって、溶湯
にかかる圧力が制御されるので、酸素量の低減や炉内圧
力の調節が簡易化される。
【0016】また、請求項3の発明は、上記請求項1の
発明に使用される誘導炉に関するものであり、溶湯が流
出する出湯孔の位置が、炉底の中心より炉底半径の10
%以上偏心している。つまり、出湯孔の位置は炉の中心
から若干ずれているので、溶湯がノズルに吸い込まれる
際に、溶湯の液面をも巻き込む様な大きな渦となること
がない。それによって、形成される金属粉末へのスラグ
の混入が一層防止される。
【0017】特に、請求項4の発明では、ノズルの下方
にスライディングノズルを設けることによって、溶湯の
落下及びその停止の制御が簡易化される。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例の金属粉末の製造方法及
びこれに用いる誘導炉について、図に基づいて説明する
【0019】まず、誘導炉について、図1及び図2に基
づいて説明する。図1に示す様に、本実施例の誘導炉1
は、炉本体3の周囲に加熱用の誘導コイル5が設けられ
たものであり、溶湯7が入れられた溶融室9の上部を覆
って気密用の蓋11がかぶせられている。尚、溶融室9
の上部の空間12は、真空ポンプにて真空ないし減圧状
態、又はアルゴンガスが充填された適当な加圧状態とな
っている。
【0020】また、誘導炉1の炉底11には、炉底11
の中央から僅かに偏心した位置に、出湯孔13が設けら
れており、この出湯孔13の下端に、溶湯7を取り出す
ためのノズルとして機能する耐火物ランナー15が取り
付けられている。つまり、耐火物ランナー15が取り付
けてある出湯孔13の位置(ノズル位置)は、炉底11
の中心より炉底11半径の10%以上(例えば15%)
偏心している。
【0021】この耐火物ランナー15は、その代表特性
値を下記表1に示す様に、小さな熱膨張率を有しかつヒ
ートショックに強く、耐溶損性に優れた例えばBN(ボ
ロンナイトライド)等の素材からなるものである。
【0022】
【表1】
【0023】上記耐火物ランナー15の周囲には、耐火
物ランナー15を加熱するために、8000Hzの高周
波コイルである出湯用コイル17が配置され、耐火物ラ
ンナー15の下端には、溶湯7の出し入れを調節するス
ライディングノズル19が取り付けられている。
【0024】このスライディングノズル19は、溶湯7
の粉体化を行なうチャンバ21内の上部に配置されてお
り、スライディングノズル19の下方には、落下する溶
湯7に対して窒素(又はアルゴン等)のガス噴霧を行な
う噴霧ノズル23が取り付けられている。
【0025】また、上記スライディングノズル19は、
図2に示す様に、耐火物ランナー15の下端に接触する
とともに、シリンダ25等の駆動部によって左右に移動
するノズルであって、そのスライディングノズル19の
先端のスライディングゲート20には、耐火物ランナー
15の貫通孔27と連通可能な小孔29が設けられてい
る。
【0026】ここで、上記誘導炉1における出湯孔13
の位置の決定方法について説明する。本実施例では、水
モデルを用いて溶融室9と出湯孔13との位置関係を決
定した。この水モデル実験は、誘導炉1と同一形状で実
施した。溶湯7の旋回現象は、慣性力と重力とに支配さ
れるため、フルード数が一致していれば実機との対応が
とれる。
【0027】 Fr (フルード数)=V2 /GL…(1)式V:流
速(cm/sec ) G:重力加速度(cm/sec2) L:代表長さ(cm) 従って、1:1モデルでは、うず巻現象がほぼ再現され
ることになる。そして、実験では、水流を分かり易くす
るために、水中にインクを滴下させ、旋回状況を観察し
た。
【0028】その結果、誘導炉1の出湯孔13の位置を
、半径の10〜20%偏心させることにより、旋回、即
ちスラグ巻き込みが発生しないことを確認した。次に、
上記構造の誘導炉1を使用した金属粉末の製造方法につ
いて説明する。
【0029】まず、材料の金属として、表2に示す組成
の様な合金鋼を、誘導炉1の溶融室9内に入れ、誘導コ
イル5に通電を行なって加熱することにより、材料を溶
解して溶湯7とした。その後、出湯用コイル17に通電
を行なって、耐火物ランナー15を加熱した。
【0030】この時、スライディングノズル19は、図
2(ロ)示す様に、矢印B方向に移動されているので、
耐火物ランナー15の貫通孔27とスライディングゲー
ト20の小孔29とは連通されていない。つまり、溶湯
7はスライディングゲート20によってせき止められて
いるので、チャンバー21内に落下することはない。
【0031】そして、耐火物ランナー15が十分に暖め
られた後に、スライディングノズル19が、図2(イ)
示す様に、矢印A方向に移動されて、耐火物ランナー1
5の貫通孔27とスライディングゲート20の小孔29
とが連通されるので、溶湯7はその小孔29を通って、
チャンバー21内に落下する。
【0032】この溶湯7の落下の際には、溶湯7を所定
の圧力に制御するために、溶融室9の上部の空間12を
、真空ないし減圧状態、又はアルゴンガスが供給された
適当な加圧状態としているので、例えば溶湯7が落下し
始めてからの経過時間或は低下する液面の高さ等に対応
して、空間12内のアルゴンガスの圧力が減圧状態から
加圧状態へ増加する様に制御され、溶湯7は一定流量で
落下する。
【0033】また、この落下に際しては、誘導炉1の炉
底11の出湯孔13から溶湯7が流出するが、出湯孔1
3は炉底11の中心から所定距離だけずれた位置に設け
られているので、溶湯7は従来の様に渦になることなく
、溶融室9の底部付近のものから順に流出してゆく。
【0034】そして、チャンバー21内に落下した溶湯
7は、噴射ノズル23から噴射される窒素ガスによって
、瞬間的に凝固して粉体化される。この様に、本実施例
では、金属の原料を誘導炉1内で溶融するとともに、耐
化物ランナー15を加熱し、そのまま炉底11の出湯孔
13から耐火物ランナー15及びスライディングノズル
19を介してチャンバー21内に落下させているので、
溶湯7の上部に滞留しているスラグは、チャンバー21
内に落下することが殆どない。つまり、チャンバー21
内で粉化される溶湯7には、スラグが殆ど含まれていな
いので、極めて純度の高い金属粉末を製造することが可
能となる。
【0035】従って、この金属粉末を使用して各種の金
属製品を製造すると、アルミナ系,硫化物系及びその他
の酸化物系等の介在物が少ないので、強度等が高い品質
の優れたものとなる。
【0036】また、上記誘導炉1の炉底11に設けられ
た出湯孔13の位置が、炉1の中心より所定量だけずれ
ているので、溶湯7の流出の際に渦による巻き込みが起
こらず、よって溶湯7の表面付近に滞在するスラグが巻
き込まれてチャンバー21内に落下することが防止され
る。従って、この点からも、形成される金属粉末にスラ
グが少なく、よって製造される鋼材中に介在物が少ない
という効果がある。
【0037】更に、本実施例では、チャンバー21内に
溶湯7を落下させる場合には、その溶湯7の流量を一定
にする様に、溶融室9の上部の空間12の圧力を増加さ
せる制御を行っている。従って、溶湯7は一定の流量で
落下するので、粒径が揃った(即ち粒度分布の標準偏差
ρgが小さな)金属粉末が得られるという利点がある。
【0038】次に、本実施例の効果を確認するために行
った実験例1〜5について説明する。この実験において
は、下記表1に代表組成値を示す様な組成の異なる鋼材
(鋼種1,2)の試料を用いた。
【0039】
【表2】
【0040】そして、鋼材の試料は、粉末→缶重填→H
IP処理の後、直径17〜192mmまで各サイズに鍛
造又は圧延した。調査項目は、後述する様に、ガス成分
,介在物,抗折力等を調査したが、このうち抗折力試験
は、試料の熱処理(1190℃×3分、油冷→500〜
600℃×1時間、後徐冷)後、高さ3mm×幅5mm
×長さ30mmの試料片を切り出し、支点間距離を20
mmとしてインストロン型試験機により3点曲げ試験を
行い、その破壊応力を求めた。以下、各実験例について
詳細に説明する。
【0041】(実験例1)まず、形成される粉末の粒度
について測定を行った。この実験に使用する材料として
、上記表2に記載した鋼種1を採用した。そして、落下
流量が一定である本実施例と(加圧を行わないので)落
下流量が低減する比較例とによって、各々金属粉末を製
造し、その粒度分布を測定した。その結果を、図3のグ
ラフに示す。尚、図3の実線が本実施例を示し、点線が
比較例を示している。
【0042】この図3から明らかな様に、本実施例の方
法によって製造された金属粉末は、その標準偏差ρgが
小さく粒径が揃っており、鋼材の材料として好適なもの
となっている。それに対して、従来の方法による金属粉
末では、標準偏差ρgが大きく、粒径のばらつきが大き
いので望ましくない。
【0043】(実験例2)次に、抗折力に影響を及ぼす
金属粉末中の酸素量に関する実験を行った。尚、酸素量
は介在物の量に大きな影響を及ぼすことが一般的であり
、酸素量が少ないものほど抗折力が大きいと見なされる
【0044】この実験に使用する材料として、上記表2
に記載した組成の鋼種1,2を採用した。そして、本実
施例及び従来の方法によって各々金属粉末を製造し、鋼
種1及び鋼種2の試料の金属粉末に含まれている酸素量
を測定した。その結果を、図4のグラフに示す。尚、図
4(イ)が鋼種1の試料を示し、図4(ロ)が鋼種2の
試料を示している。
【0045】この図4から明らかな様に、本実施例の方
法によって製造された金属粉末では、殆ど全ての粒径に
わたって含有される酸素量が少なく好適なものとなって
いる。それに対して、従来の方法による金属粉末では、
酸素の含有量が多く望ましいものではない。
【0046】(実験例3)次に、鋼材中の10μm以上
の大型介在物に関する実験を行った。この実験に使用す
る材料として、上記の鋼種1を採用し、本実施例の方法
で6通り、従来の方法で4通りの金属粉末を製造し、こ
の金属粉末を用いて鋼材の試料を製造した。そして、そ
れらの試料に形成された硫化物系(A系),アルミナ系
(B系)及びその他の酸化物系(C系)の10μm以上
の介在物の長さを、顕微鏡を用いた観察によって測定し
た。
【0047】その結果を、図5のグラフに示すが、縦軸
は単位面積当りの介在物の長さの合計である。尚、図5
(イ)がB系及びC系の介在物を示し、図5(ロ)がA
系の介在物を示している。
【0048】この図5から明らかな様に、本実施例の方
法によって製造された試料は、介在物の総長さがあまり
なく好適であるが、従来の方法による試料では、介在物
の総長さがかなりあり望ましいものではない。
【0049】(実験例4)次に、抗折力に対する上記1
0μm以上の大型介在物の影響に関する実験を行った。
【0050】この実験に使用する材料として、上記の鋼
種1を採用し、本実施例及び従来の方法で金属粉末を製
造し、この金属粉末を用いて鋼材の試料を製造した。そ
して、この鋼材の圧延方向(L方向)及び圧延方向と垂
直方向(T方向)に伸びる試料片を切りだして、その抗
折力を測定した。
【0051】その結果を、図6のグラフに示すが、横軸
は単位面積当りのA系+B系+C系の介在物の長さの合
計である。尚、図6(イ)がL方向の試料を示し、図6
(ロ)がT方向の試料を示している。また、抗折力は鍛
錬比に関係するので、実験に用いた試料の鍛錬比は5と
した。
【0052】この図6から明らかな様に、本実施例の方
法によって製造された試料は、介在物の総長さが少ない
ので抗折力が大きく、特にT方向において効果が著しい
。それに対して、従来の方法による試料では、介在物の
総長さが大きいので、その抗折力が小さく望ましいもの
ではない。
【0053】つまり、本実施例の方法は、L方向及びT
方向の抗折力がともに約500kgf/cm2程度でL
方向及びT方向の抗折力の差が少なく、方向性が殆どな
いという顕著な効果を奏するものである。換言すると、
本実施例では、大型介在物の減少によって、圧延方向に
伸びるA系やC系の介在物が減少するので、異方性が極
端に少なくなるという優れた効果がある。
【0054】この異方性改善効果は、抗折力も高いこと
から、高靱性、耐摩耗性を要求されるすべての場合に有
利と考えられ、例えば工具鋼におけるホブカッター系の
材料に特に有効と考えられる。
【0055】(実験例5)次に、大型介在物による欠陥
として冷延ロールの表面欠陥に関する実験を行った。
【0056】この実験に使用する材料として、上記の鋼
種2を採用し、本実施例及び従来の方法で金属粉末を製
造した。次いでこの金属粉末を用いて鋼材を製造し、更
にこの鋼材を加工して冷延ロールを製造した。
【0057】そして、この冷延ロールに対して、5MH
zで被検面=4.080cm2の表面超音波試験を行な
い、その表面欠陥発生頻度を測定した。その結果を図7
に示すが、縦軸は単位面積当りの表面欠陥の数を示して
おり、横軸はロールの径を示している。
【0058】この図7に示す様に、直径30mm以下の
材料においては、本実施例及び従来の方法とも欠陥が少
ない。これは圧延による介在物の展伸によって分断が発
生し、小型化すなわち無害化が起ったためと推定される
【0059】また、本実施例では、直径30mm以上の
材料においても、殆んど欠陥が発生しないが、従来の方
法においては、かなりの頻度で超音波欠陥が発生してい
た。この欠陥の原因となる介在物の組成は、EPMA分
析によるとMnO,SiO2,Al2O3の複合酸化物
であるので、これはスラグの巻き込みにより発生した可
能性が強いと判断される。
【0060】この様に、本実施例によれば、鋼材中の大
型介在物が大巾に減少するので、特に冷延ロールの様に
、製品への転写による僅かな介在物欠陥も許容されない
材料の製造に好適に適用できる。
【0061】尚、上記本発明の実施例について説明した
が、本発明はこのような実施例に何等限定されるもので
はなく、この要旨を逸脱しない範囲内に於て種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。
【0062】例えば、スライディングゲートには、溶湯
が流出する小孔を1つだけではなく、多数設けてもよく
、その小孔の径も違えてもよい。また、出湯孔を設ける
位置は、炉底の中心からその半径の10%以上であれば
いいが、特に10%〜20%の範囲が好適である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ノズルを加熱するとともに溶湯を入れた炉内を
所定の圧力状態に制御して、誘導炉の炉底より溶湯を落
下させるので、スラグが落下することがなく、よって介
在物が低減するという効果がある。また、落下させる溶
湯は一定の流量であるので、粒径の揃った金属粉末を製
造できるという利点がある。更に、本発明では噴霧時の
温度コントロールが容易であるという効果もある。
【0064】特に請求項2の発明では、真空ポンプによ
る真空ないし減圧化、又は不活性ガスの炉内への供給に
よって、溶湯にかかる圧力が制御されるので、溶湯に混
入する酸素量の低減や炉内の圧力の調節が簡易化される
という利点がある。
【0065】また、請求項3の発明によれば、炉底の出
湯孔の位置を、炉底の中心より炉底半径の10%以上偏
心させるので、溶湯を落下させる際に渦が発生すること
がなく、よってスラグの巻き込みによる落下を防止でき
る。その結果、製造される合金粉末の介在物が低減する
という効果がある。
【0066】特に、請求項4の発明では、ノズルの下方
にスライディングノズルを設けることによって、溶湯の
落下及びその停止の制御が簡易化されるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の誘導炉を示す説明図である。
【図2】耐火物ランナーの近傍を一部破断して示す断面
図である。
【図3】粉末の粒度分布を示すグラフである。
【図4】試料の粉末の粒径と酸素量との関係を示すグラ
フである。
【図5】試料の介在物の総長さを示すグラフである。
【図6】試料の介在物の総長さと抗折力との関係を示す
グラフである。
【図7】冷延ロールの直径と欠陥の数との関係を示すグ
ラフである。
【図8】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…誘導炉 5…誘導コイル 7…溶湯 9…空間 13…出湯孔 15…耐火物ランナー 17…出力湯コイル 19…スライディングノズル 21…チャンバー 23…噴射バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  誘導炉にて所定組成の金属を溶解する
    とともに、炉内を所定の圧力状態に制御し、上記炉底よ
    り加熱したノズルを介して一定流量の溶湯を落下させ、
    この落下する溶湯を冷却・噴霧して粉末化することを特
    徴とする金属粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】  上記請求項1の炉内の圧力状態を制御
    するために、炉内を真空状態ないし減圧状態にし、又は
    不活性ガスを供給することを特徴とする金属粉末の製造
    方法。
  3. 【請求項3】  上記請求項1記載の金属粉末の製造方
    法に使用される誘導炉であって、上記ノズルが取り付け
    られる炉底の出湯孔の位置を、該炉底の中心より炉底半
    径の10%以上偏心させたことを特徴とする誘導炉。
  4. 【請求項4】  上記請求項3のノズルの下方に、1或
    は複数の孔が形成されたスライディングノズルを設けた
    ことを特徴とする誘導炉。
JP6661691A 1991-03-29 1991-03-29 金属粉末の製造方法及びこれに用いる誘導炉 Pending JPH04301008A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06264115A (ja) * 1993-03-09 1994-09-20 Takeshi Masumoto 金属粉末製造装置
JP2019035125A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 株式会社東芝 アディティブマニュファクチャリング方法及び蒸気タービン部品の製造方法

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JPH06264115A (ja) * 1993-03-09 1994-09-20 Takeshi Masumoto 金属粉末製造装置
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