JPH04300899A - ペプチド複合体及び癌転移阻害剤 - Google Patents

ペプチド複合体及び癌転移阻害剤

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JPH04300899A
JPH04300899A JP3091305A JP9130591A JPH04300899A JP H04300899 A JPH04300899 A JP H04300899A JP 3091305 A JP3091305 A JP 3091305A JP 9130591 A JP9130591 A JP 9130591A JP H04300899 A JPH04300899 A JP H04300899A
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ala
glx
peptide
lys
gly
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Atsushi Isoai
礒合 敦
Hiromichi Kumagai
博道 熊谷
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なペプチド複合体
、及びそれを有効成分として含む癌転移阻害剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】癌の治療には主として外科的療法、放射
線および化学療法が行われている。しかし、癌の再発、
転移の点では満足すべき治療効果を挙げられていない。 現在用いられている多くの制癌剤は、核酸や蛋白質の生
合成系を阻害することによって癌細胞を死に至らしめる
ものである。しかしながら、これら制癌剤の作用におい
ては正常細胞と癌細胞は区別されず、そのため正常細胞
に対する作用により副作用が生じ易いという大きな問題
があった。
【0003】また、これらの制癌剤は原発巣を縮小させ
治療するものであった。しかし、癌の治療において常に
問題になっていたことは癌細胞の転移であった。即ち、
癌細胞が原発巣から離れて他の臓器に転移し、そこで増
殖することにより致命的な結果を招いていた。従って、
癌の根本的治療のために、癌細胞の増殖抑制とともに浸
潤転移に対して有効な抑制効果を示す制癌剤の開発が望
まれている。
【0004】癌転移の機構としては多くの研究がなされ
、転移の抑制に関する物質の検索も広くなされてきた。 癌細胞は、原発巣から遊離した後血管中に侵入する。そ
して癌細胞は、血管壁に接着後血管内皮細胞層の下に潜
り込み、細胞外基質を破壊して標的臓器の実質中に浸潤
侵入する。このようにして癌細胞は他の臓器に転移する
と考えられている(L.A.Liotta et al
.,Lab.Invest.,49,636−649,
(1983))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】癌転移阻害剤開発のた
めには、上に示した各ステップの何れかを抑制するもの
が開発されればよいと考えられる。例えば、癌細胞が細
胞外基質と接着するのを阻害するもの(例えば、N.J
.Humphries et al.,Science
,223,467−470,(1986))、中皮細胞
層や血管内皮細胞層下への浸潤を阻害する物質(例えば
、Isoai et al.,Jpn.J.Cance
r Res.,81,909−914,(1990))
、細胞外基質の分解を阻害する物質(例えば、R.M.
Schultz et al.,Cancer Res
.,48,5539−5545,(1988)) 、等
が挙げられる。しかし、これらの物質は必ずしも十分な
効果を有していない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、癌細胞の浸潤を抑制する物質について鋭
意研究を重ねた結果、下記ペプチド複合体とそれを有効
成分とする癌転移阻害剤を見出すに至った。本発明は、
下記式 (1)〜(13)で示されるペプチドから選ば
れる少なくとも1種の癌転移抑制活性を有するペプチド
と生体高分子とを化学的に結合してなるペプチド複合体
、及びそれを有効成分とする癌転移阻害剤である。
【0007】(1)Ala−Glx−Lys−Ala−
Glx−Gly(2)Ala−Glx−Lys−Ala
−Glx−Gly−Ala(3)Ala−Glx−Ly
s−Ala−Glx−Gly−Ala−Gly(4)A
la−Glx−Lys−Ala−Glx−Gly−Al
a−Gly−Asx(5)Ala−Glx−Lys−A
la−Glx−Gly−Ala−Gly−Asx−Al
【0008】 (6)Ala−Glx−Lys−Ala−Glx−Gl
y−Ala−Gly−Asp−Ala−Lys(7)A
sx−Ala−Lys−Thr−Asx−Glx−Al
a−Glx−Lys−Ala−Glx−Gly(8)A
la−Lys−Thr−Asx−Glx−Ala−Gl
x−Lys−Ala−Glx−Gly(9)Lys−T
hr−Asx−Glx−Ala−Glx−Lys−Al
a−Glx−Gly(10)Thr−Asx−Glx−
Ala−Glx−Lys−Ala−Glx−Gly
【0
009】(11)Asx−Glx−Ala−Glx−L
ys−Ala−Glx−Gly(12)Glx−Ala
−Glx−Lys−Ala−Glx−Gly(13)A
sx−Glx−Ala−Glx−Lys−Ala(ただ
し、式中、 Glxは Gluあるいは Glnを表わ
し、 Asxは Asnあるいは Aspを表わす。)
【0010】上記式 (1)から(13)で示されるペ
プチド[以下、それぞれを「式 (1)ペプチド」〜「
式(13)ペプチド」という]は新規であり、本発明者
らが見出したものである。これらのペプチドは、それ自
身で浸潤阻害活性ならびに転移阻害活性[以下、これら
の活性を、特に言及しない限り、転移阻害活性と総称す
る。転移阻害剤についても同様]を有する。本発明のペ
プチド複合体は、これら単独ペプチドに比較して、転移
阻害活性の向上及び生体内での安定性向上の面で優れて
いる。
【0011】本発明の複合体を構成する式 (1)から
(13)で示されるペプチドが癌転移阻害活性を有する
ことは、本発明者らによって確認されている。しかしな
がら、転移阻害活性の向上や体内での安定性向上の面で
は、蛋白質等生体高分子と結合させた複合体はペプチド
単独に比較して優れている。本発明における生体高分子
としては、種々のものを使用できる。この生体高分子と
しては、生体由来の蛋白質が好ましいが、これのみに限
られず、例えば合成蛋白質や多糖類であっても良い。
【0012】生体由来の蛋白質としては、利用可能であ
ればいかなるものであってもよいが、望ましくは、血中
での安定性が高く、安価でかつ大量に入手できるものが
よい。例えば、血獎成分であるプレアルブミン、アルブ
ミン、アルファーグロブリンタンパク、ベータグロブリ
ンタンパク、イムノグロブリンタンパク、アンチトロン
ビン、補体タンパク、フィブリノーゲン、フィブロネク
チン、コラーゲン、などが挙げられる。また、医薬とし
て許容し得る酵素タンパクであってもよい。
【0013】蛋白質の由来は、望ましくはヒトであるが
、その他の動物由来であってもよい。特に好ましい生体
由来の蛋白質は、上記のようなアルブミン類やグロブリ
ン類である。
【0014】本発明の複合体はペプチドと蛋白質とを化
学的に結合させてなるものである。かかる結合の様式と
しては、カルボジイミド縮合法、臭化シアン活性化法(
Axen& Ernback (1971)Eur.J
.Biochem.,18, 351) 、または、プ
ロトン化シッフ塩基に続くイソシアン化合物との反応に
よるリアレンジメント(Ugi) 反応(Axen e
t al., (1971) Acta Chem. 
Scand., 25,1129) 等により得られる
共有結合等が挙げられる。
【0015】かかる結合手段の適用に当たっては、水系
で反応することを求められる物質の縮合に適用する水溶
性カルボジイミドを用いる方法、多糖類の化学的修飾、
活性化を経て蛋白、ペプチド等を高分子担体に結合せし
める固定化酵素、アフィニティークロマト担体調製等の
技術を適応した方法などを使用することができる。
【0016】本発明において特に好ましい上記結合の手
段は、カルボジイミド縮合法である。これに用いるカル
ボジイミド類としては、例えば、下記のカルボジイミド
類が挙げることができる。カルボジイミド類としては、
特に水溶性のカルボジイミド類が好ましい。
【0017】ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピル
カルボジイミド、メチルプロピルカルボジイミド、ジシ
クロロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレンカルボ
ジイミド、ヘプタメチレンカルボジイミド、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル) カルボジイミ
ド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル
)カルボジイミドメソ−p− トルエンスルホネート、
1−t−ブチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
 カルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、4,4
’− ジニトロジフェニルカルボジイミド、ジ−p− 
トリカルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボ
ジイミド。
【0018】具体的な複合体の製法としては、前記種々
の方法に応じて適宜採用しうる。例えば、水溶性カルボ
ジイミドによる縮合法では、蛋白質とその1−60当量
の式 (1)〜(13)ペプチドのいずれかとを水性溶
媒に溶解し、pHを7.5 〜8.5 付近に調整し、
蛋白質に対して重量にして等量程度の水溶性カルボジイ
ミドを添加して反応を行う方法を採用することができる
。この方法により容易に本発明のペプチド−蛋白質複合
体が得られる。得られた複合体は、透析、アルコール沈
殿、ゲル濾過、イオン交換、逆相クロマトグラフィー等
により精製することが好ましい。
【0019】本発明のペプチド−蛋白質複合体において
、蛋白質1分子当たり結合したペプチドの数は1分子以
上であり、特に1〜10分子程度が好ましい。
【0020】本発明において,癌細胞浸潤抑制物質の探
索方法としては、例えば、明渡らにより開発された系(
Cancer Res.,46,2416−2422,
(1986))、または、Albiniらの系(Can
cerRes.,47,3239−3245,(198
7))が可能である。
【0021】明渡らの方法は、初代培養により得たラッ
ト中皮細胞シートの上に、高浸潤性の浮遊細胞を添加し
20−40 時間後に、中皮細胞シートの下に潜り込ん
だ癌細胞の数を測定する方法である。
【0022】Albiniらの方法は、8μの穴があい
たポリカーボネート製のフィルターで上下2層からなる
トランスウエルチャンバー(ボイデンチャンバーの改良
型)を用いる方法である。この方法では、フィルターの
上面に50μのマトリゲル(コラボレーテブ社製)を塗
布し乾燥させ、下層には走化性因子としてフィブロネク
チンなどの細胞外基質の成分を入れ、上層に転移性癌細
胞を加え、20−40 時間後フィルターの下面に移動
した癌細胞の数を計測する。
【0023】本発明において、動物を用いた癌転移評価
としては、通常用いられている実験的肺転移系を用いる
。即ち、B16 メラノーマやルイス肺癌などの転移性
癌細胞をマウス尾静脈に注射し、2−3 週間後に肺を
摘出し、肺表面に見える転移巣の数を数えることで癌転
移を評価する。
【0024】このようにして得られる本発明の、式 (
1)〜(13)で示されるペプチドから選ばれる少なく
とも1種の癌転移抑制活性を有するペプチドと生体高分
子とを化学的に結合してなるペプチド複合体は、強い癌
細胞浸潤阻害活性および癌転移阻害活性を示し、癌転移
阻害剤として有望であることが確認された。
【0025】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例により説明する
が本発明はこれら実施例に限定されるものではない。参
考例において、ペプチドの合成はMerrifield
の固相合成法により行なった。なお、ペプチドを表わす
ために用いた略号は次の意味を有する。Ala:アラニ
ン、Glu:グルタミン酸、Gln:グルタミン、As
p:アスパラギン酸、Asn:アスパラギン、Gly:
グリシン、Lys:リジン、Thr:スレオニン。
【0026】[参考例1]式(7) ペプチド(Asp
−Ala−Lys−Thr−Asp−Gln−Ala−
Glu−Lys−Ala−Glu−Gly)の合成
【0
027】ミリジェン社製自動合成機モデル9050によ
って上記式(7) ペプチドを合成した。次いでこれを
高速クロマトグラフィーで次のような条件で精製した。 カラム:ウォーターズ社製C18カラム、マイクロボン
ダスフェアーC18カラム(1.9×15cm、粒子直
径5μm)。溶出液A:0.1%トリフルオロ酢酸を含
む水。溶出液B:0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセ
トニトリル。流速:10ml/分で、0から30分の間
に溶出液Bの濃度を0から40%になるよう直線濃度勾
配をかけペプチドを溶出させる。
【0028】溶出させたペプチドを回収し凍結乾燥にか
けた。その一部をアミノ酸分析に供した結果、Asx:
 0.98, Ala: 4.10, Lys: 1.
98, Glx: 2.01, Gly: 2.08 
であり、理論値通りに各アミノ酸が回収された。また、
その一部をウォーターズ社製逆相カラム、マイクロボン
ダスフェアーC18 カラム (0.39×15cm)
 を使用し、高速液体クロマトグラフィー装置により分
析した結果、本ペプチド以外の不純物は全く見出されな
かった。
【0029】[参考例2]式(6) ペプチド(Ala
−Glu−Lys−Ala−Glu−Gly−Ala−
Gly−Asp−Ala−Lys )の合成
【0030
】ミリジェン社製自動合成機モデル9050によって上
記式(6) ペプチドを合成し、次いでこれを参考例1
と同一の装置及び条件で精製した。次いで、参考例1と
同様に、その一部をアミノ酸分析に供した結果、理論値
通りにアミノ酸が回収された。また、その一部を参考例
1と同様に分析した結果、合成した本ペプチド以外の不
純物はまったく見出されなかった。
【0031】[参考例3]式(9) ペプチド(Lys
−Thr−Asp−Gln−Ala−Glu−Lys−
Ala−Glu−Gly )の合成
【0032】ミリジ
ェン社製自動合成機モデル9050によって上記式(9
) ペプチドを合成し、次いでこれを参考例1と同一の
装置及び条件で精製した。次いで、参考例1と同様に、
その一部をアミノ酸分析に供した結果、理論値通りにア
ミノ酸が回収された。また、その一部を参考例1と同様
に分析した結果、合成した本ペプチド以外の不純物はま
ったく見出されなかった。
【0033】[参考例4]式(13)ペプチド(Asp
−Gln−Ala−Glu−Lys−Ala )の合成
【0034】ミリジェン社製自動合成機モデル9050
によって式(13)ペプチドを合成し、次いでこれを参
考例1と同一の装置及び条件で精製した。ただし、ペプ
チド溶出の条件を、流速:10ml/分で0から30分
の間に溶出液Bの濃度を0から20%になるよう直線濃
度勾配をかけることによって行なった。次いで、参考例
1と同様に、その一部をアミノ酸分析に供した結果、理
論値通りにアミノ酸が回収された。また、その一部を参
考例1と同様に分析した結果、合成した本ペプチド以外
の不純物はまったく見出されなかった。
【0035】[実施例1]式(7) ペプチド−血清ア
ルブミン複合体(i) の作製
【0036】参考例1で作製した式(7) ペプチドを
水溶性カルボジイミドによる縮合反応により、マウス血
清アルブミンに結合させた。式(7) ペプチド 10
0mgとマウス血清アルブミン 100mgを10ml
の蒸留水に溶解せしめ、1規定の水酸化ナトリウム溶液
でpHを 8.5に調整した。この溶液に 100mg
/ml の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル) カルボジイミド溶液を1ml加え、混合物を3
7℃で2時間、次いで4℃で12時間反応させた。1M
のグリシン溶液を加えることで反応を終了させ、次いで
、蒸留水5リットルに対して透析した。
【0037】得られた溶液を高速液体クロマトグラフィ
ー(逆相クロマト)に供し、複合体を精製した。精製条
件は、参考例1と同様であり、式(7) ペプチド−マ
ウス血清アルブミン複合体は、未反応またはペプチド同
士の複合体よりさらに遅れて溶出され、これらは、完全
に分離できる。溶出させた複合体を凍結乾燥にかけた。 得られた複合体の量は、90mgであった。
【0038】精製した複合体をSDS−ポリアクリルア
ミド電気泳動により分析した結果、複合体以外の不純物
は見出されなかった。マウス血清アルブミンの分子量は
 66000でり、上記の結合反応によりペプチドが結
合し、平均分子量が 69000に変化した。このこと
は、マウス血清アルブミン1分子に対し、式(7) ペ
プチドが平均 2.5分子結合したことを示している。
【0039】[実施例2]式(6) ペプチド−血清ア
ルブミン複合体(ii)の作製
【0040】参考例2で作製したペプチドを実施例1と
同様に水溶性カルボジイミドによる縮合反応により、マ
ウスアルブミンに結合させた。式(6) ペプチド−ア
ルブミン複合体の収量は、81mgであり、アルブミン
1分子に対し平均 3.1分子の式(6) ペプチドが
結合していた。
【0041】[実施例3]式(9) ペプチド−血清ア
ルブミン複合体(iii) の作製 参考例3で作製した式(9) ペプチドを実施例1と同
様に水溶性カルボジイミドにより複合体を作製した。複
合体の収量は84mgであり、アルブミン1分子につき
式(9) ペプチドが平均 2.8分子が結合していた
【0042】[実施例4]式(13)ペプチド−血清ア
ルブミン複合体(iv)の作製 参考例4で作製した式(13)ペプチドを実施例1と同
様に水溶性カルボジイミド法によりアルブミンと結合さ
せた。収量は91mgであった。アルブミン1分子につ
き、式(13)ペプチドは平均 5.2分子結合してい
た。
【0043】[実施例5]ペプチド−血清アルブミン複
合体 (i)〜(iv)の癌細胞浸潤阻害活性測定
【0
044】実施例1〜4で作製したペプチド−血清アルブ
ミン複合体について癌細胞の浸潤抑制効果を調べた。評
価方法はAlbiniらの方法に従って行った。8μの
ポアサイズを持つポリカーボネートフィルターを用い、
上層と下層に分けられたケモタキセル(グラボウ社製)
のフィルター上面に50μのマトリゲル(コラボレーテ
イブ社製)を塗布して室温で一晩乾燥させ、使用直前に
培養液で膨潤させて24穴のカルチャープレートにセッ
トした。癌細胞はB16 メラノーマ由来の高転移性ク
ローンB16FE7を使用した。
【0045】細胞を2μCi/cm3の[3H]チミジ
ン存在下で2日間培養した。使用直前にトリプシン溶液
で細胞を回収した後、 0.1%の牛アルブミンを含む
培養液に懸濁し細胞数と、取り込まれた[3H]チミジ
ンの放射能活性を計測した。ケモタキセルの下層には2
0μ/cm3のヒトフィブロネクチンを入れ、上層には
 5×104 の細胞を種々の濃度のペプチドと共にい
れ、 CO2インキュベータ中で20時間培養した。
【0046】培養終了後、フィルターの上面に残ってい
る細胞を綿棒でかきとり、フィルターをティッシュソル
ビライザー(アマシャム社製)で、下面に移動した細胞
と共に溶解した後、放射能を計測した。その結果を表1
に示す。作製した複合体により、癌細胞の浸潤が有意に
阻害されることが示された。
【0047】
【表1】
【0048】[実施例6]ペプチド−血清アルブミン複
合体 (i)〜(iv)の癌転移阻害活性
【0049】
実施例1から4で作製したペプチド複合体について癌細
胞の転移に対する抑制効果を調べた。C57BL/6j
マウス(7週令、雌)一匹当り 1.5×105 個の
高転移性マウス癌細胞Bl6FE7メラノーマを、複合
体 (i)〜(iv)各々と混合し尾静脈から注射した
。2週間後マウスを殺し、肺を摘出して肺表面上の転移
巣の数を、実体顕微鏡下で計測した。表2に示すように
、本発明のペプチドーアルブミン複合体 (i)〜(i
v)は強い転移阻害活性を有する事が判明した。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】このようにして得られる本発明の、式 
(1)〜(13)で示されるペプチドから選ばれる少な
くとも1種の癌転移抑制活性を有するペプチドと生体高
分子とを化学的に結合してなるペプチド複合体は、強い
癌細胞浸潤阻害活性および癌転移阻害活性を示し、癌転
移阻害剤として有望であることが確認された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 (1)〜(13)で示されるペプ
    チドから選ばれる少なくとも1種の癌転移抑制活性を有
    するペプチドと生体高分子とを化学的に結合してなるペ
    プチド複合体。 (1)Ala−Glx−Lys−Ala−Glx−Gl
    y(2)Ala−Glx−Lys−Ala−Glx−G
    ly−Ala(3)Ala−Glx−Lys−Ala−
    Glx−Gly−Ala−Gly(4)Ala−Glx
    −Lys−Ala−Glx−Gly−Ala−Gly−
    Asx(5)Ala−Glx−Lys−Ala−Glx
    −Gly−Ala−Gly−Asx−Ala(6)Al
    a−Glx−Lys−Ala−Glx−Gly−Ala
    −Gly−Asp−Ala−Lys(7)Asx−Al
    a−Lys−Thr−Asx−Glx−Ala−Glx
    −Lys−Ala−Glx−Gly(8)Ala−Ly
    s−Thr−Asx−Glx−Ala−Glx−Lys
    −Ala−Glx−Gly(9)Lys−Thr−As
    x−Glx−Ala−Glx−Lys−Ala−Glx
    −Gly(10)Thr−Asx−Glx−Ala−G
    lx−Lys−Ala−Glx−Gly(11)Asx
    −Glx−Ala−Glx−Lys−Ala−Glx−
    Gly(12)Glx−Ala−Glx−Lys−Al
    a−Glx−Gly(13)Asx−Glx−Ala−
    Glx−Lys−Ala(ただし、式中、 Glxは 
    Gluあるいは Glnを表わし、 Asxは Asn
    あるいは Aspを表わす。)
  2. 【請求項2】生体高分子
    が生体由来の蛋白質である、請求項1のペプチド複合体
  3. 【請求項3】生体由来の蛋白質がアルブミンあるいはグ
    ロブリンである、請求項2のペプチド複合体。
  4. 【請求項4】化学的に結合する手段がカルボジイミド縮
    合法である、請求項1のペプチド複合体。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2、請求項3、または請
    求項4のペプチド複合体を有効成分として含む癌転移阻
    害剤。
JP3091305A 1990-11-30 1991-03-29 ペプチド複合体及び癌転移阻害剤 Pending JPH04300899A (ja)

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CA002074945A CA2074945A1 (en) 1990-11-30 1991-11-29 Tumor cell invasion-inhibiting peptides, peptide complexes and cancer metastasis inhibitors
EP95107250A EP0671412A1 (en) 1990-11-30 1991-11-29 Tumor cell invasion-inhibiting peptides and cancer metastasis inhibitors
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