JPH0429351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は糊付機の乾燥装置、更に詳しくは乾
燥室内に熱風を供給する形式の乾燥装置に関する
ものである。尚、乾燥室内熱風供給形式と乾燥シ
リンダ方式を併用しているものにおける、熱風供
給部にも応用できるものである。

《従来技術及びその問題点》 糊付機の乾燥装置としては、例えば実公昭38−
9246号に示されたような、ガイドロールによつて
乾燥室内に導かれた糊付糸に熱風送風機からの熱
風を吹き付けるダクトが１個設けられているもの
がある。このダクトは糊付済み経糸シートの上方
に平行に離間延在しており、ダクト下面に形成さ
れた噴射口から熱風を経糸シートに吹き付けてや
るものである。

ところで、このようなダクトが１個しか形成さ
れていないものにあつては、経糸シートが熱風域
をすぐ通過するので、乾燥度が充分でない。乾燥
度を充分にするためには、熱風を供給するダクト
の長さを長くし、経糸シートが長い距離熱風を受
けるようにする必要がある。しかし、これでは乾
燥を完了させるまでの長さが長くなり、装置全体
の大きさも大きくならざるを得ない。短いダクト
を使用した場合には乾燥度が充分でないので、実
公昭38−9246号に示されたもののように別途乾燥
シリンダを必要とする。この場合でも乾燥シリン
ダを設ける点において構造的に大型化するといつ
たことはいなめない。

また特公昭29−8236号に示されたもののよう
に、異なる形状の複数のダクトを経糸シート進行
方向に配設せしめている形式のものがある。この
場合においても乾燥室の容積に比して乾燥効率が
悪いばかりでなく、乾燥工程域長が長くなり、装
置的にも大型化せざるを得ないといつた欠点があ
る。

その他にも構造の小型化を意図した提案として
特公昭38−13926号の熱風式経糸糊付機がある。
この糊付機にあつてはそれぞれ熱風供給源に接続
されたダクトが上下に複数個離間配置されてお
り、各ダクトには熱風を噴射する噴射口が形成さ
れており、経糸シートを各ダクトの噴射口に対応
する区域を順次通過させる配置でガイドロールが
設けられている。

上記のような配置の故にこの先願考案の場合に
は全体の寸法の割には乾燥効率が高くなつてい
る。しかし経糸シートの進行方向にしたがつて噴
射口と経糸シートとの距離を変更しているので、
小型化という点からするとまだ充分とはいえない
のである。

《問題点を解決するための手段》 この考案は上記した様な形式の乾燥装置の欠点
に鑑みて提案されたもので、乾燥装置が小型化で
き、しかも乾燥効率の極めて良い糊付機の乾燥装
置を提供することを目的とする。

このためこの考案においては上記先願考案の基
本的構成は踏襲したものの、各ダクトの噴射口を
熱風の吹出し量が経糸シートの進行方向下流に行
くにしたがつて徐々に大となるように形成したこ
とを要旨とするものである。

《作用》 糊付された経糸シートYSは上側のダクト１の
熱風噴射口が形成された下面と離間平行して走行
するように案内され、上側のダクト１の終端まで
行つたら第１及び第２のガイドロールGR１，
GR２によつて下側ダクト２の噴射口が形成され
た下面側を平行に離間走行するように導かれる。
これらダクト１，２からの熱風を受けて乾燥され
た糊付シートYSは第３、第４等の適宜なガイド
ロールGR３，GR４等によつて次工程へと導か
れるのである。

《実施例》 前記したようにこの考案においては、各ダクト
の噴射口を熱風の吹出し量が経糸シートの進行方
向下流に行くにしたがつて徐々に大となるように
形成したものである。

さらに具体的には第１の実施態様にあつては、
各ダクトの噴射口を、各ダクトの経糸シート進行
方向下流に行くにしたがつてその大きさを大とな
るように形成したものである。

また第２の実施態様にあつては、各ダクトの噴
射口を、各ダクトの経糸シート進行方向下流に行
くにしたがつてその密度を大に形成したものであ
る。

上記説明においては、ダクト１，２の形状を経
糸シート進行方向の内空断面を長方形状とした
が、この考案はこれに限定されるものではなく、
第３図に示すように上側ダクト３の形状を経糸シ
ートが進入する方向（図中右方向）に向けて内空
断面積が増加するように設定し、下側ダクト５の
断面形状も上記第１のダクト３と同様に経糸シー
トが進行する方向（図中左方向）に内空断面積が
向けて増加するように形成しておいてやつても良
い。この場合には通常通り断面寸法が大の方から
小の方に向けて熱風を供給するものである。この
ように中空断面がテーパー状のものを組合せてや
るとスペース的にも極めて有利である。

上記実施例では、上側ダクト３の噴射口が形成
されている下面を水平方向に延在させ、下側ダク
ト５の上面を上側ダクトの下面と平行にしてある
が、これに限定されるものではない。第４図に示
すように上側ダクト３１の上面を水平方向に延在
させるとともに、図中右方向に向つていくほど断
面積が減少するように、即ち噴射口が形成された
下面が図中右上がり傾斜するように設定してお
き、下側ダクト３３を噴射口が形成されていない
上面を上記上側ダクトの下面と離間平行に延在さ
せ、噴射口が形成されている下面を水平方向に延
在させるように設定しておいても良い。

更に第５図に示すように上側ダクト３５を第１
図に示した内空断面長方形状のものを、下側ダク
ト３７を第３図に示した内空断面テーパー状のも
のを組合わせてやつてもよい。

上記各実施例においては熱風を噴射する噴射口
をダクトの下面に形成しおいてやつたが、これ
は、熱風を下側に向けて噴射させた方が風綿など
が舞上らないように考慮したものであるが、これ
に限定されるものではなく、各ダクトの上側面に
噴射口を形成しておいても良いことはいうまでも
ない。もつとも、この場合には経糸シートを各ダ
クトの上側面を離間走行させるようにガイドロー
ルを配置させておく必要があることはいうまでも
ない。

《考案の効果》 この考案によれば、同方向に熱風を吹き出す扁
平形状のダクトを上下２つ配し、経糸シートを連
続的にこれらのダクトからの熱風にさらすため、
熱風を受ける長さも長くなりスペース的に小さく
とも乾燥効率は極めてよい。また経糸シートの進
行方向下流に行くにしたがつて熱風の吹出し量が
徐々に多くなるので、糊付された経糸シートが進
行するに従つて無理なく徐々に乾燥され、それだ
け糊付糸の品質が向上する。しかも噴射口と経糸
シートとの間の距離は進行方向に全体に亙つて同
じに保たれているので、このために構造が大型化
するということもない。

また、第３，４図に示した２個の中空断面テー
パー状のものを組合せたものは、従来の長手方向
に連接させたものと同様の大きさのダクトを用い
たとしてもスペース的にも非常に効率良く配され
るので、乾燥室容積に対する乾燥効率が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図；この考案の糊付機の乾燥装置の実施例
を示した側面断面図。第２図；同斜視図。第３
図；この考案の第２の実施例を示す側面図。第４
図；この考案の第３の実施例を示す側面図。第５
図；この考案の第４の実施例を示す側面図。 １，２，３，５，３１，３３，３５，３７……
ダクト、１１，１２……噴射口、GR……ガイド
ロール、YS……経糸シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ［１］ それぞれ熱風供給源に接続されたダクト
   が上下方向に複数個離間配置されており、かつ
   各ダクトには熱風を噴射する噴射口が形成され
   ており、経糸シートを各ダクトの噴射口に対応
   する区域を順次通過させる配置でガイドロール
   設けられている形式であつて、 上記各ダクトの噴射口が、熱風の吹出し量が
   各ダクトの経糸シート進行方向下流に行くにし
   たがつて徐々に多くなるように、形成されてい
   る ことを特徴とする糊付機の乾燥装置。 ［２］ 上記各ダクトの噴射口が、各ダクトの経
   糸シート進行方向下流に行くにしたがつてその
   大きさを大とするように、形成されている ことを特徴とする請求項１に記載の装置。 ［３］ 上記各ダクトの噴射口が、各ダクトの経
   糸シート進行方向下流に行くにしたがつてその
   形成密度を大とするように、形成されている ことを特徴とする請求項１に記載の装置。