JPH0429310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は本体ケースの上面に蒸発皿を収納状
態に設置した加湿装置を有する温風暖房機に関す
るものである。

〔従来の技術〕

第２図及び第３図は従来の温風暖房機の加湿装
置を示す断面図で、図において、１は燃焼器、２
は燃焼筒、３は亜鉛メツキ鋼板の表面にアクリル
塗装してなる本体ケースで、その背面に送風フア
ン４が取り付けられている。５は風洞で、本体ケ
ース３に固定されている。

６は本体ケース３の上面に形成した凹所、７は
この凹所の中央部に設けた開口で、銅製の蒸発皿
８が収納状態に設置される。９は蒸発皿８の上端
フランジ部で、前記開口７の周縁部にステンレス
製のネジ１０により取り付けられている。１１は
蒸発皿８の上面開口を覆つているフタで、蒸発孔
１２が形成されている。

１３は熱伝導率のきわめて大きい熱伝導管で、
その一端は前記燃焼筒２内に突出し、他端部は前
記蒸発皿８の底部にロウ付けによつて取り付けら
れている。１４は蒸発皿８内に入れられた蒸発用
の水である。

次に動作について説明する。蒸発皿８内に水を
入れ、燃焼器１を燃焼させると、燃焼筒２内に突
出している熱伝導管１３の一端が燃焼器１で発生
した燃焼熱を燃焼筒２内で受熱し、他端部へ熱輸
送して蒸発皿８にその熱が伝えられる。蒸発皿８
に伝えられた熱は該蒸発皿８内に入れられた水１
４と熱交換を行い、水の温度を上昇させるて蒸発
させ、フタ１１に形成されている蒸気孔１２より
室内等に放出される。なお、蒸発皿８内へ注水は
フタ１１を取り除いた状態で行われる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の加湿装置は以上のように構成されている
ので、本体を持ち運ぶ時や蒸発皿８への注水時に
誤つて溢水させると、この水が本体ケース３と蒸
発皿８との取り付け部分に侵入し、異種金属部材
からなる本体ケース３と蒸発皿８との間で蒸発皿
８を固定しているステンレス製のネジ１０を通し
て両者間に微小電流が流れ、このため本体ケース
３が電食反応によつて犯され、サビとなつて表面
に現れるという問題点があつた。また、こぼれた
水が両者間の隙間から本体内部に入り、電気部品
等にかかるなどの問題点があつた。

この考案は上記のような従来の問題点を解消す
るためになされたもので、本体ケースと蒸発皿間
の電気導通をなくし、異種金属間に発生する電食
反応を防止すると同時に、本体内部への水の浸入
を確実に防止することができる温風暖房機の加湿
装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係わる温風暖房機の加湿装置は、蒸
発皿の上端フランジ部を本体ケースの開口周縁部
に対してネジあるいはネジ座の少なくともいずれ
か一方を電気絶縁性のものを使用することにより
電気的に絶縁して取り付けるとともに、前記フラ
ンジ部と開口周縁部間の気密を保つパツキンを設
け、このパツキンには少なくともその下面内周部
に前記本体ケースの開口端面よりも本体ケース内
に突出する環状の凸部を一体に形成したものであ
る。

〔作用〕

この考案における加湿装置は、蒸発皿の上端フ
ランジ部を本体ケースの開口周縁部とは、電気絶
縁性を有するネジあるいはネジ座の少なくともい
ずれか一方とパツキンとによつて電気的に絶縁さ
れて取り付けられているので、本体の持ち運び時
や蒸発皿への注水時に誤つて蒸発皿内の水を溢れ
させても、零れた水によつて両者間に微小電流が
流れることがなく、異種金属間の電食反応による
材料の腐食を防止する。また前記フランジ部と開
口周縁部間に設けたパツキンがこぼれた水の本体
内部への浸入を防止する。

〔実施例〕 以下、この考案の一実施例について説明する。

第１図はこの考案の一実施例を示すもので、図
中、１〜１４は前記従来例と同一又は相当部分を
示している。１５は本体ケース３の開口周縁部と
蒸発皿８の上端フランジ部９との間に設けた例え
ばエチレン・プロピレン・ゴム等からなる電気絶
縁性を有するパツキンで、上面にはその内外周部
に、前記蒸発皿８の上端フランジ部９の下面に当
接する環状の凸部１６，１７が一体に形成してあ
り、また下面にはその内周部に本体ケース３の開
口７より下方に突出する環状の凸部１８が一体に
形成してある。１９は前記蒸発皿８の上端フラン
ジ部９を本体ケース３の開口周縁部に取り付けて
いるネジ１０のネジ座であり、ナイロン等の電気
絶縁材料から形成され、本体ケース３の凹所６内
に固定されている。

以上のように実施例の加湿装置は構成されてお
り、本体ケース３と蒸発皿８との間がパツキン１
５環状の凸部１６，１７，１８及びネジ座１９に
よつて電気的に絶縁されているので、蒸発皿８内
の水が溢水しても、本体ケース３と蒸発皿８間に
微小電流が流れる心配がなく、本体ケース３を電
食反応による腐食から防止することができる。ま
たパツキン１５は蒸発皿１５の上端フランジ部９
と本体ケース３の開口周縁部間の気密を保つ機能
を保有しているため、こぼれた水が本体内部へ入
り込むことも防止できる。

なお、上記実施例ではネジ座１９を電気絶縁性
を有するナイロン等で形成し、ネジ１０はステン
レス製のものを使用しているが、ネジ１０自体に
電気絶縁性をもたせることにより、本体ケース３
にネジタツプ立てをして直接取り付けても前記実
施例と同様の効果が得られるものであり、この考
案は上記実施例に限定されるものでないことはい
うまでもない。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、本体ケース
と蒸発皿間を電気絶縁性を有するパツキンとネジ
あるいはネジ座の少なくともいずれか一方とによ
つて電気的に絶縁してかつ気密に取り付けるとと
もに、前記パツキンの下面内周部には本体ケース
の開口端面よりも本体ケース内に突出する環状の
凸部を形成したので、本体ケースと蒸発皿とが異
種金属材料から構成されていても、溢水した水に
よる両者間の電食反応をおさえることができ、サ
ビの発生を防止できると同時に、本体内部への水
の入り込みを防止でき、品質の高いものが得られ
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す加湿装置の
要部拡大断面図、第２図は従来の温風暖房機の加
湿装置を示す断面図、第３図はその要部拡大断面
図である。 ３は本体ケース、７は開口、８は蒸発皿、９は
上端フランジ部、１５はパツキン、１９はネジ座
である。なお、図中、同一符号は同一又は相当部
分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に開口が設けられた本体ケースと、上記本
   体ケースとは異種金属材料よりなり上端部にフラ
   ンジ部を有する蒸発皿とを備え、上記蒸発皿のフ
   ランジ部を上記本体ケースの開口の周縁部に取り
   付けることにより上記蒸発皿を上記本体ケースの
   開口内に収納状態に設置したものにおいて、前記
   蒸発皿と本体ケースの開口周縁部との間に電気絶
   縁性を有するパツキンを設けるとともに、前記蒸
   発皿の上端フランジ部は本体ケースの開口周縁部
   に対してネジあるいはネジ座の少なくともいずれ
   か一方を電気絶縁性のものを使用することにより
   電気的に絶縁して取り付け、かつ前記パツキンの
   下面内周部には前記本体ケースの開口端面よりも
   本体ケース内に突出する環状の凸部を一体に形成
   したことを特徴とする温風暖房機の加湿装置。