JPH04290833A - 芳香族化合物のアルカリ溶融反応方法 - Google Patents

芳香族化合物のアルカリ溶融反応方法

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JPH04290833A
JPH04290833A JP7571991A JP7571991A JPH04290833A JP H04290833 A JPH04290833 A JP H04290833A JP 7571991 A JP7571991 A JP 7571991A JP 7571991 A JP7571991 A JP 7571991A JP H04290833 A JPH04290833 A JP H04290833A
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JP
Japan
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reaction
alkali
aromatic
aromatic compound
melt
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Withdrawn
Application number
JP7571991A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yanai
箭内 裕志
Hiroshi Okazaki
博 岡崎
Mahito Soeda
眞日止 副田
Koichi Hasebe
浩一 長谷部
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族スルホン酸類、
芳香族イミド類、芳香族ハロゲン化物等の芳香族化合物
のアルカリ溶融反応方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族化合物のアルカリ溶融反応は、工
業上極めて重要であることは言うまでもなく、古くから
研究され、工業的にも実施されている。中でも、芳香族
スルホン酸類からフェノールへの製造や芳香族イミド類
の縮合化反応などを中心に種々の反応、用途にアルカリ
溶融反応が利用されている。しかしながら、通常のアル
カリ溶融反応では、そのほとんどが無溶媒下にアルカリ
と反応原料を高温に加熱して反応させることから、反応
原料、そのアルカリ塩又は反応生成物等の融点が反応温
度以上に高い場合では、溶融形態が極めて粘性の高いス
ラリーとなる。また、反応原料によっては反応物全体が
固まり団塊となって、攪拌が困難又は不可能となる。つ
まり、反応形態が均一で無いと加熱が局部的にオーバー
ヒートしてポリマー化及びピッチ化等の副反応が進行し
て所望のアルカリ溶融生成物の収率を低下させることが
知られている。
【0003】また、反応原料あるいはそのアルカリ塩の
粉体の嵩密度が大きい場合には、アルカリ使用量が理論
量程度の少量では、反応形態を溶融化させるには不十分
であるため、粉体が反応壁に付着して溶融物を効率よく
均等に攪拌することができず、反応収率が低下する。よ
って、溶融物を均等に攪拌するためには、アルカリを化
学量論以上に、大過剰添加しなければならない。また、
反応終了後の生成物とアルカリの分離は、大量の水を加
えることで行われるが、アルカリの処理を効率良く行う
ためには、溶融生成物の流動性を保持しておかなければ
ならない。しかし、溶融物が高粘性である場合、低温で
は、固まってしまうので、生成物とアルカリの分離が容
易でない。従って、高温に加熱して、流動性を保持させ
た状態でアルカリ処理を行わなければならない。しかし
、高温状態での高濃度アルカリ物に水を添加するという
危険な作業をしなければならない問題があるので、安全
な処理方法が望まれる。
【0004】これらの問題点を改善するため、これまで
に数多くの報告が行われている。例えば、次のような報
告がある。ジスルホ安息香酸のアルカリ溶融反応におい
て、アルカリを50%水酸化ナトリウムと水酸化カリウ
ムの混合使用によって溶融物の粘度を低下させる方法(
PBレポート74051(G56−3)) 。原料のス
ルホン酸類とアルカリを加熱して溶融させた後、原料に
相当する反応生成物であるフェノール類を添加して、流
動性の良い均一な溶融反応にする方法(特許昭60−3
9250公報)。ジスルホン酸のアルカリ溶融の流動性
を向上させるために、原料のナトリウムの代わりに高価
なカリウムを用いる方法(特許昭59−43935公報
) 。しかしながら、これらの方法では、溶融物の流動
性を向上させるために、目的のヒドロキシ化合物類をわ
ざわざ添加する必要があり、そのヒドロキシ化合物の塩
類の融点が高い場合では、流動性が上がらないなどから
、特定の反応だけが適用されるものである。また、使用
するアルカリの種類に関係なくアルカリの使用量を大過
剰とすることを必要としており、その結果、アルカリの
廃液量が大きくなり、その処理費とともに、製造コスト
等で不利となるので、汎用的に使用可能で、経済的に有
利な方法が望まれる。
【0005】このような問題点を解決すべく、芳香族ス
ルホン酸類のアルカリ溶融反応に水素化トリフェニル、
白油、1−フェニル−1−(2,3−ジメチルフェニル
)−エタンといった溶剤を反応媒体として添加する方法
が報告されている( 特許平2−35732 公報) 
。しかし、これらの溶剤を添加して流動性を与える方法
にしても、使用する溶剤の化学構造がパラフィン側鎖を
持ちその芳香族指数が高くないことから、アルカリ溶融
といった過酷な反応に耐えうる耐アルカリ、耐酸化性及
び熱安定性等の物性を十分保持している分けではなく、
溶剤自身がアルカリ溶融反応の影響を受けて副反応及び
分解が起こり、副生成物が生成して目的生成物の純度を
下げてしまう問題がある。従って、工業的な観点からも
、簡単にアルカリ溶融物の流動性を上げられ、低モル比
のアルカリ量で済み、高品質の溶融生成物が安全に製造
できるアルカリ溶融する方法が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、芳香族化合物類のアルカリ溶融反応において、アル
カリ使用量を少量とすることができ、また、通常の簡単
な反応装置で高品質の溶融生成物を安全に製造すること
が可能であり、反応の連続化も比較的容易となる工業的
及び経済的に有利である芳香族化合物をアルカリ溶融す
る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記のような問題点を解決するため鋭意研究を行い、公
知のアルカリ溶融反応の方法に関して、コールタールよ
り分離される高沸点油は耐アルカリ、耐酸化及び耐熱に
優れており、反応系内において安定に存在することを見
出すとともに、これを加えることによりアルカリ溶融反
応系に良好な流動性を与えることができることを見出し
、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芳香族化合
物のアルカリ溶融反応をするに当たり、  芳香族化合
物のアルカリ溶融反応をするに当たり、コールタール中
の200〜400℃の沸点範囲に含まれる成分又はこれ
らの成分を主体とする留分からなる高沸点油であって、
常温付近で液状を示し、酸性を示さない高沸点油を反応
系に存在させることにより、アルカリ溶融反応原料又は
反応生成物の流動性を向上させることを特徴とする芳香
族化合物のアルカリ溶融方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
溶融物の流動性を向上させるために反応系内に加える高
沸点油は、反応基質である芳香族化合物とアルカリに対
しての溶解性の有無に係わらず、沸点が200℃〜40
0℃の範囲で、常温において液状で、更に、アルカリ溶
融反応を妨げるような酸性物質以外である必要がある。
【0009】一般に、コールタールから分離される高沸
点油は、多環芳香族化合物を成分としているので、芳香
族指数が極めて高いために、高温下においてもアルカリ
及び酸化に対して優れた物性を示すものが多く、アルカ
リ溶融反応の反応媒体として非常に好ましい。また、高
沸点油中に含まれる多環芳香族化合物はあくまでも溶剤
として使用するので、アルカリ溶融反応生成物とアルカ
リの分離等を考慮すれば、常温で液体であるものが望ま
しい。しかし、一般に高沸点を示す芳香族化合物は融点
が高く、常温で結晶であるものが多いが、コールタール
から分離される多環芳香族化合物は、タール蒸留で沸点
温度の近い物が混合物として分留できるので、常温でも
液体である多環芳香族化合物の混合物、留分を得ること
ができる。
【0010】つまり、コールタールから分離される高沸
点油は多環芳香族化合物を成分としているので、アルカ
リ溶融反応に対し安定性に優れており、分散溶剤として
非常に好ましい。具体的に、コールタールから分離され
る高沸点の油は、芳香環を2環以上有する多環芳香族化
合物であるが、アルカリ溶融反応に対する安定性及び溶
剤としての流動性を考慮すれば、多環芳香族化合物の中
でもアルキル置換ナフタレン化合物が好ましい。特に、
メチルナフタレン留分がアルカリに対し熱安定性が良く
、溶融物の流動性に優れた物性を示し、常温でも液体で
あるので分離精製が容易であり、溶剤としてより好まし
い。また、コールタールから分離されるキノリン、キナ
ルジン、イソキノリンといった含窒素芳香族化合物も高
沸点であり、アルカリ溶融反応の溶剤として優れた物性
を示すので好ましい。これらのコ−ルタ−ル中に含まれ
る成分は単独であってもよいが、常温で固体である場合
などは、混合物として融点を下げて使用してもよい。
【0011】そして、アルカリ溶融物の流動性を保持、
向上させるために使用する高沸点油の使用量としては、
反応に使用するアルカリ溶融される芳香族化合物(以下
、原料ということがある)の嵩密度などの性状及び高沸
点油の種類により左右されるが、通常、原料に対して0
.3〜10重量倍である。高沸点油の使用量を必要以上
に大過剰にすると反応時間が長くなり経済的でなく、高
沸点油が関与する副反応が起こり、溶融生成物の純度が
下がるので好ましくない。
【0012】本発明で使用するアルカリの種類は、通常
、アルカリ溶融で使用されている水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物であればいずれ
でもよいが、反応原料によりその種類が限定される場合
がある。使用するアルカリ水酸化物の濃度は、原料によ
って影響されるが、固体あるいは水溶液の状態で使用す
ることができ、通常濃度が50%以上とすることが望ま
しい。50%濃度の水溶液を用いる場合で、高濃度のア
ルカリが反応に必要であれば、反応器中で加熱して水を
留去しながら反応してもよい。本発明の方法によると溶
融物の流動性が増すことにより、通常無溶媒でのアルカ
リ溶融反応よりも、アルカリ金属水酸化物の使用量を減
らすことができる。その使用量は、反応に使用する原料
の種類によって異なるが、原料に対して0.5〜10重
量倍であり、特に1〜3重量倍が好ましい。
【0013】本発明で使用される原料の芳香族化合物は
、目的とするアルカリ溶融反応の反応種であれば、何ら
制限はなく、芳香族化合物(アルカリ塩を含む)が高融
点で反応時に溶融せず常に粉体状態であってもよい。 代表的な芳香族化合物としては、芳香族スルホン酸類、
芳香族イミド類、芳香族ハロゲン化物類及びそれらのア
ルカリ塩類が挙げられる。特に、本発明で使用する原料
の芳香族化合物としては、アルカリ溶融反応を行えるも
のであれば、特定の物に限定されないが、アルカリ溶融
物の流動性が悪い芳香族化合物が本発明の主旨に合致し
て好ましい。
【0014】具体的な原料の芳香族化合物としては、ア
ルカリ溶融反応によりヒドロキシ体に誘導される芳香族
スルホン酸又はその塩類が挙げられる。これらは、芳香
族の核置換スルホン酸基を少なくとも1個以上有するも
のであればよい。例えば、ベンゼンスルホン酸、アルキ
ルベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ナフタレンス
ルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、アルキルナフタレ
ンスルホン酸、スルホナフトエ酸、スルホ無水ナフタル
酸、ビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸、
スルホビフェニルカルボン酸、ビフェニルヒドロキシス
ルホン酸、フェノールスルホン酸、ピリジンスルホン酸
、キノリンスルホン酸、キナルジンスルホン酸、イソキ
ノリンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などの単
環、多環、縮合多環、ヘテロ環芳香族スルホン酸とその
塩類が挙げられる。
【0015】また、アルカリ溶融反応により、縮合カッ
プリング化される芳香族イミド類も原料として挙げるこ
とができる。例えば、1,8−ナフタルイミド及びその
塩類が例示できる。芳香族ハロゲン化物もアルカリ溶融
によりヒドロキシ化されるので、本発明の原料として挙
げることができる。芳香族の核置換ハロゲンは、少なく
とも1個以上有するものであればよい。ハロゲンとして
は、沃素、臭素、塩素のいずれでもよいが、経済的に安
い塩素と沃素が好ましい。例えば、ハロゲノナフタル酸
類、ハロゲノインドール類及びその塩類が挙げられる。 特に、4−ブロモナフタル酸無水物と5−ブロモインド
ールが代表として挙げることができる。
【0016】本発明の反応は、使用するアルカリ金属水
酸化物が溶融する温度以上に反応系を加熱する必要があ
り、原料及び添加する溶剤の種類によって異なるが、反
応温度は通常180〜300℃である。また、反応時間
も原料の種類及び溶剤の量、アルカリ金属水酸化物の量
並びに反応温度に影響されるが、通常、0.5〜24時
間である。
【0017】反応終了後の生成物とアルカリの分離に関
して、本発明による方法では、低温下においても、反応
系の流動性が保持されているので安全にアルカリ処理を
することができる。つまり、温度を100℃以下あるい
は常温に戻してから、水を添加してアルカリの処理を行
うが、具体的な生成物の分離精製は、反応生成物及び溶
剤の性状により方法が異なる。例えば、使用した溶剤が
非水溶性で、反応生成物が塩として生成して水に溶解す
る場合、水を加えて固液分離をした後、アルカリ水溶液
と溶剤に分離させてアルカリ水溶液から塩あるいは酸の
形で取り出す。芳香族スルホン酸等のように溶融生成物
がアルカリ水溶液に溶ける状態で生成する場合では、反
応終了後に水を加えて、不溶分を分離した後、溶剤とア
ルカリ水溶液を分離させてアルカリ水溶液から酸処理等
により生成物である芳香族ヒドロキシ化合物等を単離さ
せる。回収した溶剤は再使用できる。
【0018】次に、1,8−ナフタルイミド等の芳香族
イミド類のアルカリ溶融生成物のように、反応生成物が
アルカリ水溶液に溶けずに固体として生成してくる場合
では、水を加えた後に固液分離を行って、生成物を単離
し、母液のアルカリ水溶液と溶剤を分離回収する。この
場合、アルカリ金属水酸化物の回収可能になるよう加え
る水の量を調節して添加すれば、アルカリ金属水酸化物
は、回収されて再使用時に水を留去して所定のアルカリ
濃度にしてから再び反応を行うことができ、回収した溶
剤も再使用可能である。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明方法を具体
的に説明する。
【0020】実施例1 コールタールから蒸留分離したメチルナフタレン留分(
組成αーメチルナフタレン44.2%,βーメチルナフ
タレン22.9%,キノリン2.3%,アセナフテン2
.3%,フルオレン2.2%)100gに水酸化ナトリ
ウム20gとキノリン−8− スルホン酸20gを加え
た後、この反応スラリー物を220℃に加熱して4時間
攪拌した。反応終了後、25℃まで冷却してから水を加
えて、溶融物を水に溶かし、不溶分を濾過した。メチル
ナフタレン層と水層を分液させ、水層が中性になるよう
に濃塩酸を加えて粗結晶を析出させた。結晶を濾過して
、結晶を水洗浄して8−オキシキノリンの結晶を得ると
ともに、母液をクロロホルムで抽出し、留去させ残った
結晶と併せて、水蒸気蒸留を行って8−オキシキノリン
12.8gを得た。収率90.1%、純度98%。
【0021】実施例2 メチルナフタレン留分100gに水酸化ナトリウム20
gとイソキノリン−5−スルホン酸20gを加えた後、
この反応スラリー物を220℃に加熱して4時間攪拌し
た。反応終了後、25℃まで冷却してから水を加えて、
溶融物を水に溶かし、不溶分を濾過した。メチルナフタ
レン層と水層を分液させ、水層が中性になるように濃塩
酸を加えて粗結晶を析出させた。結晶を濾過して、結晶
を水洗浄して5−オキシキノリンの結晶を得るとともに
、母液をクロロホルムで抽出し、留去させ残った結晶と
併せて5−オキシイソキノリン11.8gを得た。収率
83.2%、純度97.6%。
【0022】実施例3 メチルナフタレン留分100gに水酸化ナトリウム20
gとキナルジン−8− スルホン酸20gを加えた後、
この反応スラリー物を220℃に加熱して4時間攪拌し
た。 反応終了後、25℃まで冷却してから水を加えて、溶融
物を水に溶かし、不溶分を濾過した。メチルナフタレン
層と水層を分液させ、水層が中性になるように濃塩酸を
加えて粗結晶を析出させた。結晶を濾過して、結晶を水
洗浄して8−オキシキノリンの結晶を得るとともに、母
液をクロロホルムで抽出し、留去させ残った結晶と併せ
て8−オキシキナルジン11.8gを得た。収率79.
6%、純度97.4%。
【0023】実施例4 メチルナフタレン油775gに水酸化ナトリウム155
gと3−スルホ無水ナフタル酸155gを加えた後、2
30℃に加熱して4時間攪拌した。反応終了後、25℃
まで冷却してから、水1lを加えて溶融物を水に溶かし
た。不溶分を濾過して取り除いた後、メチルナフタレン
層と水層を分液し、水層に酸性になるまで濃塩酸を加え
て結晶を析出させた。結晶を2−プロパノール洗浄、水
洗浄して3−ヒドロキシナフタル酸の粗結晶物111g
を得た。収率84%、純度97%。この粗結晶物を、酢
酸で再結晶して3−ヒドロキシ無水ナフタル酸89gを
得た。 収率73.9%、純度99%。
【0024】実施例5 メチルナフタレン油200gに水酸化ナトリウム40g
と4−スルホ無水ナフタル酸40gを加えてから、23
0℃に加熱して4時間攪拌した。反応終了後、25℃ま
で冷却してから、水1lを加えて溶融物を水に溶かした
。 不溶分を濾過して取り除いた後、メチルナフタレン層と
水層を分液し、水層に酸性になるまで濃塩酸を加えて結
晶を析出させた。結晶を2−プロパノール洗浄、水洗浄
して4−ヒドロキシナフタル酸の粗結晶物23.3gを
得た。収率75.6%、純度82%。この粗結晶物を、
酢酸で再結晶して4−ヒドロキシ無水ナフタル酸18.
3gを得た。収率58.8%、純度99%。
【0025】実施例6 メチルナフタレン留分50gに水酸化カリウム30gと
4,4’− ビフェニルジスルホン酸ジナトリウム塩1
0gを加えた後、220℃に加熱して4時間攪拌した。 反応終了後、室温に戻してから、水100mlを加えて
溶融物を水に溶かした。不溶分を濾過して取り除いた後
、メチルナフタレン層と水層を分液し、水層に酸性にな
るまで濃塩酸を加えて結晶を析出させた。結晶を2−プ
ロパノール洗浄、水洗浄して4,4’− ビフェノール
5.03gを得た。収率92.1%、純度95.2%。
【0026】実施例7 メチルナフタレン留分24gに水酸化カリウム16gと
ナフタレン−1,5−ジスルホン酸ジナトリウム塩8g
を加えた後、220℃に加熱して4時間攪拌した。反応
終了後、室温に戻してから、水100mlを加えて溶融
物を水に溶かした。不溶分を濾過して取り除いた後、メ
チルナフタレン層と水層を分液し、水層に酸性になるま
で濃塩酸を加えて結晶を析出させた。結晶を2−プロパ
ノール洗浄、水洗浄して1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン4.78gを得た。収率93.3%、純度96.1%
【0027】実施例8 メチルナフタレン50gに86%KOH15gと1,8
−ナフタルイミド10gを加えて、220℃に加熱し、
空気を毎分200mlの割合で吹き込みながら4時間攪
拌し続けた。反応終了後、25℃まで冷却してから、水
70mlを加えて濾過して、母液の水酸化カリウム水溶
液とメチルナフタレンを分離回収した。濾上物を2−プ
ロパノール洗浄、水洗浄してペリレン−3,4,9,1
0−テトラカルボン酸ジイミド9.8gを得た。収率8
7.1%、純度88%。
【0028】実施例9 キノリン50gに86%KOH15gと1,8−ナフタ
ルイミド10gを加えて、220℃に加熱し、空気を毎
分200mlの割合で吹き込みながら4時間攪拌し続け
た。 反応終了後、25℃まで冷却してから、水70mlを加
えて濾過して、母液の水酸化カリウム水溶液とキノリン
を分離回収した。濾上物を2−プロパノール洗浄、水洗
浄してペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸
ジイミド9.9gを得た。収率82.0%、純度82%
【0029】実施例10 イソキノリン50gに86%KOH15gと1,8−ナ
フタルイミド10gを加えて、220℃に加熱し、空気
を毎分200mlの割合で吹き込みながら4時間攪拌し
続けた。反応終了後、25℃まで冷却してから、水70
mlを加えて濾過して、母液の水酸化カリウム水溶液と
イソキノリンを分離回収した。濾上物を2−プロパノー
ル洗浄、水洗浄してペリレン−3,4,9,10−テト
ラカルボン酸ジイミド9.6gを得た。収率80.5%
、純度83%。
【0030】実施例11 キナルジン50gに86%KOH15gと1,8−ナフ
タルイミド10gを加えて、220℃に加熱し、空気を
毎分200mlの割合で吹き込みながら4時間攪拌し続
けた。反応終了後、25℃まで冷却してから、水70m
lを加えて濾過して、母液の水酸化カリウム水溶液とキ
ナルジンを分離回収した。濾上物を2−プロパノール洗
浄、水洗浄してペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸ジイミド9.7gを得た。収率81.3%、純
度83%。
【0031】実施例12 メチルナフタレン油50gに水酸化カリウム20gと4
−クロロ無水ナフタル酸10gを加えた後、240℃に
加熱して4時間攪拌した。反応終了後、室温に戻してか
ら、水200mlを加えて溶融物を水に溶かした。不溶
分を濾過して取り除いた後、メチルナフタレン層と水層
を分液し、水層に酸性になるまで濃塩酸を加えて結晶を
析出させた。結晶を2−プロパノール洗浄、水洗浄して
4−ヒドロキシナフタル酸の粗結晶物5.5gを得た。 収率53.6%、純度89.6%。
【0032】実施例13 メチルナフタレン油50gに水酸化カリウム20gと4
−ブロモ無水ナフタル酸10gを加えた後、240℃に
加熱して4時間攪拌した。反応終了後、室温に戻してか
ら、水200mlを加えて溶融物を水に溶かした。不溶
分を濾過して取り除いた後、メチルナフタレン層と水層
を分液し、水層に酸性になるまで濃塩酸を加えて結晶を
析出させた。結晶を2−プロパノール洗浄、水洗浄して
4−ヒドロキシナフタル酸の粗結晶物4.8gを得た。 収率55.5%、純度89%。
【0033】実施例14 メチルナフタレン油40gに水酸化カリウム16gと5
−ブロモインドール8gを加えた後、240℃に加熱し
て4時間攪拌した。反応終了後、室温に戻してから、水
200mlを加えて溶融物を水に溶かした。不溶分を濾
過して取り除いた後、メチルナフタレン層と水層を分液
し、水層にpH5になるまで濃塩酸を加えて結晶を析出
させた。水洗浄した後、乾燥して粗結晶7.0gが得ら
れた。液体クロマトグラフィー及びマススペクトルによ
り分析したところ、5−ヒドロキシインドールが収率1
5%及び5−(5− インドイルオキシ) インドール
が収率35%で得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アルカリ溶融反
応において溶融物の流動性を向上させることによって、
アルカリの使用量を減らすことができ、反応も特殊な装
置を使用する必要もなく、通常の反応器で、高品質の溶
融生成物を安全に製造することが可能となり、経済的に
有利に芳香族化合物をアルカリ溶融することができる。 また、流動性を向上させるために加える高沸点油は安定
であるため、反応に悪影響を及ぼすことがなく、再使用
も可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族化合物のアルカリ溶融反応をするに
    当たり、コールタール中の200〜400℃の沸点範囲
    に含まれる成分又はこれらの成分を主体とする留分から
    なる高沸点油であって、常温付近で液状を示し、酸性を
    示さない高沸点油を反応系に存在させることにより、ア
    ルカリ溶融反応原料又は反応生成物の流動性を向上させ
    ることを特徴とする芳香族化合物のアルカリ溶融反応方
    法。
  2. 【請求項2】高沸点油が多環芳香族化合物又はこれを主
    体とする留分である請求項1記載のアルカリ溶融反応方
    法。
  3. 【請求項3】多環芳香族化合物がアルキル置換ナフタレ
    ン又は含窒素多環芳香族化合物である請求項2記載のア
    ルカリ溶融反応方法。
  4. 【請求項4】多環芳香族化合物がメチルナフタレン、キ
    ノリン、イソキノリン、キナルジン又はこれらの1種若
    しくは2種以上を主体とする留分である請求項2記載の
    アルカリ溶融反応方法。
  5. 【請求項5】アルカリ溶融反応される芳香族化合物が芳
    香族スルホン酸類、芳香族イミド類又は芳香族ハロゲン
    化物である請求項1記載のアルカリ溶融反応方法。
  6. 【請求項6】アルカリ溶融反応される芳香族化合物がキ
    ノリン−8− スルホン酸類、イソキノリン−5− ス
    ルホン酸類、キナルジン−8− スルホン酸類、3−ス
    ルホ無水ナフタル酸、4−スルホ無水ナフタル酸、ビフ
    ェニル−4,4’−ジスルホン酸類、ナフタレン−1,
    5− ジスルホン、1,8−ナフタルイミド、4−クロ
    ロ無水ナフタル酸、4−ブロモ無水ナフタル酸又は5−
    ブロモインドールである請求項1記載のアルカリ溶融反
    応方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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