JPH04289265A - 引箔織物の品質改善法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は引箔織物、即ち引箔を箔
入れ（緯入れと同義）して製織した織物の品質改善法に
関する。

【０００２】本明細書において、本発明に関し「引箔」
とは、織物の幅より長めに裁断した箔、そのような箔を
箔入れされる順に接続し長尺化したものを指す。このこ
とは、特許請求の範囲についても同じである。

【０００３】引箔織物は、引箔が模様箔の場合、箔入れ
により緯絣り的に模様が織り出される。

【０００４】引箔の特性は、その素材である平箔または
平箔様のシートつまり原反に表す模様に制約を受けない
ので、絣りで表現できない絵画調や繊細及び／または優
美な模様でも、これを織り出し得るにある。

【０００５】

【従来の技術】しかし従来、引箔の前記特性を旨く生か
した引箔織物は開発されていない。

【０００６】従来の引箔織物では、引箔が表面に多く出
た織りの場合、これを用いて作られた帯、和服の着用中
、折り曲げや引つ張りのため織物中で引箔がずれ動き、
ちりめんようにささくれた感じに小さく折れて浮上った
り、裏返しになったりする。この傾向は、引箔に立体模
様があるとき、立体模様の凹凸によるテンション班のた
め特に大である。また紗織、半越（緯一本飛ばしの箔入
れで織る）などとする場合も傾向が強い。織物中の引箔
の前記折れ浮上がり、裏返しは、織り傷として目にうつ
り、商品価値を殆どなくしてしまう。

【０００７】織物中の引箔の折れ浮上り、裏返しを防止
するため、三原組織即ち畝織、斜文織、繻子織りの組織
下、引箔の前後に細い緯糸を入れ、これを経糸と組織し
て固定したり、経糸で引箔を縛るように固定する組織と
したり、経糸の本数をできるだけ多くすることが行われ
ている。かかる織りの引箔織物は、引箔の多くの部分が
組織内に隠れてしまい、引箔の模様が欠落するため、織
物の絵柄は主体的な図柄表現を紋織りや刺しゅう、金彩
加工に依存し、引箔による模様表現は絵柄全体のベース
として抽象的な図柄を受け持つに過ぎないのが実状であ
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、引箔に立体模様がある場合、表面に引箔が多く出る
織りの場合、紗織、半越の場合でも、引箔の折れ浮き上
がり、裏返りが起こらないよう引箔織物の品質を旨く改
善する、換言すれば引箔の前示特性を旨く生かした引箔
織物を得る方法を開発するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
発明の引箔織物の品質改善法は、和紙、布の少なくとも
何れかを基材シートとして包含するものであって、該和
紙或いは布の下面である裏面に熱融着性樹脂を施した平
箔或いは平箔様シートから得られた裏面熱融着性の引箔
を箔入れして織物を製織し、得られた引箔織物を引箔裏
面の熱融着性樹脂の融点以上の温度で加熱して、加圧す
ることを特徴としている。

【００１０】

【作用】上記のように本発明では、引箔に裏面熱融着性
のものを使用するので、これを箔入れして得られた引箔
織物を引箔裏面の熱融着性樹脂の融点以上の温度で加熱
して、加圧することにより、引箔裏面の経糸と交差する
点を経糸に融着できる。このため、本発明の引箔織物は
、引箔に立体模様がある場合、表面に引箔が多く出る織
りの場合、紗織、半越の場合でも、引箔の折れ浮き上が
り、裏返りは起らない。従って本発明によれば、引箔の
前述した特性を旨く生かした引箔織物を得ることができ
る。

【００１１】本発明において、裏面熱融着性の引箔とし
て和紙、布の少なくとも何れかを基材シートとして包含
するものであって、該和紙或いは布の下面である裏面に
熱融着性樹脂を施した平箔或は平箔様シートから得られ
たものを適用することは、次の好ましい結果をもたらす
。

【００１２】和紙、布は熱融着性樹脂に対する含浸性が
ある。このため、本発明の引箔織物を所定の温度で熱圧
すると、該織物中の引箔裏面の熱融着性樹脂の一部が引
箔の和紙または布の繊維組織に浸透した形、即ちアンカ
ーリングした態様下で、経糸に引箔が融着することにな
り、経糸と引箔裏面の良好な融着が得られる。即ち、前
示品質の改善が旨く行われる。

【００１３】

【実施例】次に、本発明の実施様態を示す添付図面を参
照して、本発明を説明する。図１は本発明で使用される
引箔のための平箔または平箔様シート（以下、原反とい
う）の斜視図、図２は本発明に係る引箔織物の加熱、加
圧仕様の一例を示す立面図、図３は本発明引箔織物の加
熱、加圧仕様の他例を示す立面図、図４は本発明に係る
引箔織物の引箔と経糸の融着状態説明断面図である。

【００１４】符号１が引箔の原反であり、引箔原反１は
、和紙、布の少なくとも何れかを基材シート１ａとして
包含しており、その和紙或いは布の下面である裏面に熱
融着性樹脂２が施され、表面に模様（図示せず）が現さ
れている。

【００１５】前記引箔原反１から得られた引箔１１を箔
入れして織物をそれ自体公知の方法により製織し、得ら
れた引箔織物３を適当な方法、例えば図２に示すような
仕様或いは図３に示すような仕様で、加熱、加圧する。 加熱温度は引箔１１裏面の熱融着性樹脂の融点以上、例
えば熱圧部材の表面温度で１３０℃である。図２の様式
は、熱ロール４とゴムロール５とのニップの間を、引箔
織物３の表面に紙または布６を重ねて通過させる仕様で
ある。図２で７は引箔織物３のペイオフロール、８は巻
取りロール、９は紙または布６のペイオフロール、１０
はその巻取りロールを示している。図３の様式は、熱板
４´とゴム台５´とで、表面に紙または布６´を重ねた
引箔織物３を挾圧する仕様である。図３で７´が引箔織
物３のペイオフロール、８´が巻取りロールを示してい
る。

【００１６】こうして、引箔１１の経糸１２と交差する
部分の裏面が、それの熱融着性樹脂２による熱融着で接
合され、引箔に立体模様がある場合、表面に引箔が多く
出る織り、紗織、半越の場合でも、引箔の折れ浮き上が
り、裏返りが起らないよう品質を改善された引箔織物が
得られる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、引
箔に立体模様がある場合、表面に引箔が多く出る織り、
紗織、半越の場合でも、引箔の折れ浮き上がり、裏返り
が起らないよう品質を旨く改善された引箔織物の開発が
実現される。従って、本発明は引箔の前に述べた特性を
旨く生かした引箔織物を得ることをもたらす。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明で使用される引箔原反の斜視図である。

【図２】本発明に係る引箔織物の加熱、加圧仕様の一例
を示す立面図である。

【図３】本発明の引箔織物の加熱、加圧仕様の他例を示
す立面図である。

【図４】本発明に係る引箔織物の引箔と経糸の融着状態
説明断面図を示す。

【符号の説明】

１　　　　　　引箔原反 １ａ　　　　基材シート ２　　　　　　熱融着性樹脂 ３　　　　　　引箔織物 ４　　　　　　熱ロール ４´　　　　熱板 ５　　　　　　ゴムロール ５´　　　　ゴム台 ６　　　　　　紙または布 ６´　　　　紙または布 １１　　　　引箔 １２　　　　経糸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】和紙、布の少なくとも何れかを基材シート
   として包含するものであって、該和紙或いは布の下面で
   ある裏面に熱融着性樹脂を施した平箔或いは平箔様シー
   トから得られた裏面熱融着性の引箔を箔入れして織物を
   製織し、得られた引箔織物を引箔裏面の熱融着性樹脂の
   融点以上の温度で加熱して、加圧することを特徴とする
   引箔織物の品質改善法。