JPH04289184A - 複極式フィルタープレス型電解槽 - Google Patents

複極式フィルタープレス型電解槽

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JPH04289184A
JPH04289184A JP3052560A JP5256091A JPH04289184A JP H04289184 A JPH04289184 A JP H04289184A JP 3052560 A JP3052560 A JP 3052560A JP 5256091 A JP5256091 A JP 5256091A JP H04289184 A JPH04289184 A JP H04289184A
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chamber
electrolytic cell
gas
cathode
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Yasuhide Noaki
康秀 野秋
Saburo Okamoto
三郎 岡本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ金属塩化物水
溶液を電解し塩素とアルカリ金属水酸化物を生産するた
めの、イオン交換膜法塩化アルカリ電解用複極式フィル
タープレス型電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】高電流効率で高純度のアルカリ金属水酸
化物を生産するためのイオン交換膜法複極式電解槽につ
いては、従来より多数提案されている。例えば隣接セル
の電気接続をチタン−鉄爆発圧着板によって行なってい
る特開昭51−43377号、隣接セルの電気接続をバ
ネ性を有するコネクターで行なっている特開昭53−1
49174号、電解槽材料にプラスチックを用いて隣接
セルの電気接続をボルトとナットで行なっている特開昭
51−72973号、隣接セルの接続をチタン−銅−ス
テンレスを超音波溶接等で接合して行なっている特開昭
54−90079号、ダクトを設けた特開昭59−91
85号、単極式及び複極式どちらでも用いることのでき
る特開昭61−44189号等がある。
【0003】特開昭62−96688号では、陽極室用
鍋状体と陰極室状鍋状体を2つ背中あわせに配置し、そ
れぞれの鉤型フランジ部と周壁部とにより形成される空
間に棒状フレームを挿入した電解槽ユニットを提案して
いる。この電解槽は確かに溶接部が少なくセル内圧を高
くしても電解液のリークもなく、加工が簡単で安価であ
る。しかし、例えば加圧状態から減圧状態までの広い範
囲の運転条件で安定した電解をしようとする場合、ある
いは40A/dm2 以上の高電流密度で電解する場合
には、セル内部の流動や振動の点で改良の余地が残され
ている。
【0004】また特開昭61−19789号には、電極
板と電極シートの間に導電性スペーサーを配置し電解液
の下降流路としたもの、特開昭63−11686号には
、電解液の下降流路となる筒状の電流分配部材を取り付
けているものがある。これらの方法では、内部の液の流
動は改善されているが、高電流密度において液とガスの
抜き出し口付近での振動発生や、セル内圧を高くしよう
とすると電解槽の強度が不足したり、電解液のリークが
ある等の不都合が生じる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術は、イオン交換膜法塩化アルカリ電解用電解槽として
適するように各種の工夫がなされているが、組み立てが
複雑であったり、加工がしにくかったり、電解使用中に
おける振動や、電解液のリークが生じやすかったり、あ
るいは高価であったり、最近の省力化、高効率化の点か
らいまだ十分満足ゆくものではない。
【0006】かくして、本発明の目的は、加工が簡単で
安価に製作できる複極式フィルタープレス型電解槽を提
供することにある。また本発明の別の目的は、電解液の
リークがないだけでなく、電解時の電解槽内部圧力が加
圧状態でも減圧状態でも電解槽内部の電解液の流動が十
分確保できるとともに、高電流密度、高濃度アルカリに
おいても、振動がなく安定した電解ができる電解槽を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉤型フランジ
部、周壁部および側壁部からなり、周壁部と側壁部が空
間を構成し、側壁部には該空間内に延びる導電リブを介
して陽極が固着されている陽極室用鍋状体(A)と、鉤
型フランジ部、周壁部および側壁部からなり、周壁部と
側壁部が空間を構成し、側壁部には該空間内に延びる導
電リブを介して陰極が固着されている陰極室用鍋状体(
B)を2つ背中合わせに配置し、それぞれの鉤型フラン
ジ部と周壁部とにより形成される空間に棒状フレームを
挿入することにより陽極室と陰極室を構成せしめた電解
槽ユニットを陽イオン交換膜を介して多数配列せしめて
なるフィルタープレス型電解槽において、(a)陽極室
上部の非通電部分及び陰極室上部の非通電部分の各々に
気液分離室を設け、(b)陽極室及び/又は陰極室の側
壁部と電極との間には電解液の内部循環流路となる筒状
のダクトを少なくとも1個有することを特徴とするフィ
ルタープレス型電解槽に関する。
【0008】本発明の複極式フィルタープレス型電解槽
によって電解できるアルカリ金属塩化物としては、例え
ば食塩、塩化カリウム、塩化リチウム等があるが、工業
上最も重要なもの食塩である。以下、本発明を食塩を例
として、図面を参照にしつつ詳細に説明するが本発明は
、これらに限定されるものではない。図1及び図2は本
発明の電解槽のユニット(単位セル)の正面図とA−A
’線における断面図であり、図3は鍋状体の構成図、図
4は本発明の複極式電解槽の組み立て図である。図中番
号はそれぞれに対応しており、同一番号のものは同一物
を示す。
【0009】電解槽は、図1及び図2に示すように、外
縁部を構成している棒状フレーム1、陽極室および陰極
室を構成する鍋状体2、気液分離室を形成するL型の仕
切り板6、導電リブ3、電極4からなる。鍋状体2には
導電リブ3と仕切り板6が溶接されており、導電リブ3
には電極4が溶接されている。鍋状体2は図3に示すご
とく、鉤型フランジ部7、周壁部8、側壁部9、より構
成される。周壁部8及び側壁部9で構成される空間は、
陽極室または陰極室となる。背中合わせに組合せられた
鉤型フランジ部7と周壁部8で構成される空間に棒状フ
レーム1が挿入される。周壁部8の長さは陽極室、陰極
室の室厚みに相当する。側壁部9の高さは通電部分と陽
極側気液分離室の合計高さ、または通電部分と陰極側気
液分離室の合計高さとなる。側壁部横幅は、陽極室、陰
極室の横幅に相当する。
【0010】図2に示すように陽極室用鍋状体と陰極室
用鍋状体は、背中合わせに配置されている。これら2つ
の鍋状体は、例えば溶接により一体化されていてもよく
、又一体化されていなくてもよいが、溶接により一体化
した方が電気抵抗が小さいので好ましい。一体化する溶
接方法は、直接超音波溶接法で溶接してもよいし、チタ
ンと鉄の爆発圧着板16をはさんで、スポット溶接して
もよい。
【0011】鍋状体2および導電リブ3を製作するため
の材料は、電解条件下で耐蝕性があればよく、例えば陽
極用鍋状体にはチタン、およびチタン合金、また、陰極
室鍋状体には鉄、ニッケル、ステンレス等が使用できる
。鍋状体2の厚みは、折り曲げ加工ができ、セル内圧に
耐え、かつ導電リブ3を溶接しうる厚みであればよく1
〜3mm程度が好ましい。導電リブ3は、鍋状体2に溶
接されており、電解液および電解生成物の通路となる液
ガス流通用孔5が設けられている。導電リブの厚みは、
鍋状体2の周壁部8の長さ、シール用ガスケット20、
21の厚み、電極4の厚み等を考慮して膜−電極間隔が
ゼロまたはゼロに近くになるように調整される。鍋状体
2および導電リブ3を製作するための材料は、電解条件
下で耐蝕性があればよく、例えば陽極室用鍋状にはチタ
ンおよびチタン合金が使用できる。
【0012】棒状フレーム1の断面形状は鉤型フランジ
部7、周壁部8で構成される空間形状と同一である。ま
た、棒状フレーム1の周囲はゴムライニング、エポキシ
系樹脂等で保護されていることが電気絶縁上あるいは防
蝕上好ましい。棒状フレーム1の材料は、鉄、ステンレ
ス等の金属の他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニール等のプラスチックも用いることができるが
、金属製であれば電解槽の強度向上の点から好ましい。 また、その断面は中実でも中空でも良いが、中実であれ
ば棒状フレームの強度上好ましい。
【0013】かくして、本発明の電解槽は陽極室用鍋状
体および陰極室用鍋状体を2つ背中合わせに配置し、そ
れぞれの鉤型フランジ部と周壁部とにより形成される空
間に棒状フレームを挿入することによって本体を構成す
るので、組み立てがきわめて簡単である。また、それぞ
れの鍋状体の製作は1枚の板から製作できるために、溶
接部が少なく加工歪みおよび電解液のリークを防止でき
、電解槽内部の圧力が高くても十分耐えられる強度を持
ったきわめて安価に製作できる電解槽である。
【0014】本発明の陽極室上部及び陰極室上部の気液
分離室14は、通電部で発生した気泡と液をガスと液に
分離し、この両方をスムーズに抜き出す目的で通電部上
部の非通電部に設けたものである。気液分離室14はボ
ックス構造のものであれば何でも良いが最も作りやすく
安価な方法を選べば良い。気液分離室の断面積(周壁部
8、側壁部9、及び仕切り板6で囲まれる面)は5cm
2 以上で、L型に折り曲げた金属板の片側の面に気ー
 液を通電部分から気液分離室へ導くために多数の開口
部を設けた仕切り板によって通電部と仕切られているこ
とが好ましい。
【0015】気液分離室内は発生ガス及び液が排出ノズ
ルに向かって流れており、気液分離室の両端ではその圧
力損失によって圧力差が生じ、液面の高さが変わってい
る。そのため気液分離室の断面積があまりにも小さいと
、両端の液面の高さに大きな違いが生じ、排出ノズル1
3側の反対側の液面は通電部まで下がってしまい、通電
部にガスゾーンが形成されイオン交換膜に悪影響を与え
る場合がある。
【0016】本発明者は、気液分離室の断面積と気液分
離室両端の液面差について詳しく検討した結果、通常予
想される圧力損失以上に気液分離室両端での液面の高さ
に差があること、及びガスの流れのため気泡や液が波立
ちガス流路の閉塞、排出ノズルの閉塞が生じ、振動が発
生しやすくなることを見いだした。セル内の振動が激し
いと、イオン交換膜が電極との間でこすれ破損する場合
がある。またこれらの傾向は、電解電流が大きくなれば
なるほどガス発生量も多くなるため顕著になってくる。 したがって、気液分離室断面積は設計電流密度や通電面
積によっても違うが5cm2 以上とればよく、好まし
くは10cm2 、さらに高電流密度で大きな通電面積
の電解槽であれば15cm2 以上であることが好まし
い。しかし、断面ー 積が大きすぎると電解槽が大きく
なり製作コストが高くなったり電解槽の重量が重くなる
等の不都合が生じる場合があるので、この点も勘案して
決める必要がある。
【0017】通電部と気液分離室との間の仕切り板6に
は液とガスが圧力損失なく通過できるような開口部15
を有する。開口部としては、例えば丸型、楕円型、角型
の穴やスリット状等いずれでも良い。開口部の開口率と
しては、電流密度や通電面積によっても異なるが、5%
以上が好ましい。この開口率が小さすぎると気液分離室
へ気液が抜ける際、圧力損失を生じてガスが通電部上部
に滞留し、ガスゾーンを形成してイオン交換膜へ悪影響
を与える場合がある。図4の場合はL型の仕切り板6と
鍋状体から形成され仕切り板6の非通電部との境界部分
にはガスと液の通路となる直径10mmの液ガス流出孔
15を横に一定間隔で開けたものを用いている。
【0018】ガスや液の排出は排出ノズル13を通して
行なうが、この際、気液が混じり合って振動が発生する
ことがよくあり、この防止を図ることが必要である。最
も良い方法は、排出ノズル内の壁面を液が流れ、ガスが
中央部分を流れるような環状流で、圧力損失なく排出さ
せ気液が混相で流れないようにすることである。このた
めには、気液分離室から液とガスを外部へ取り出すため
のノズルは、できるだけ圧力損失が少なく気液が分離し
た状態で抜き出せることが好ましい。即ち、ノズルの向
きが水平方向より下向きであると、気液が混相となるこ
となく振動を防止しうるので好ましい。又、ノズル径が
小さすぎると、ノズルの向きがたとえ水平方向より下向
きであっても気液が混相になりやすく脈流を生じてやは
り振動が発生する。この傾向も、電流が増せば増すほど
顕著になる。このようなことを防止し、高電流密度でも
安定した電解をするためには水平より下向きで、好まし
くは15mm以上で電解槽の厚みより小さい範囲で十分
に大きな径を有している排出ノズルが好ましい。
【0019】電解液の内部の流動は、セル内部の電解液
の濃度分布に大きな影響を及ぼす。一般的に、電解槽に
は電解液が下から供給され上部の一方の端から抜き出さ
れるが、電解中に電解液の濃度は徐々に低下してゆくた
め、セル内部での電解液の水平方向及び垂直方向での流
動による攪拌が不十分であると、電解液の濃度差が生じ
やすい。イオン交換膜の性能は電解液の濃度によっても
大きな影響をうけるため、このような場合には、期待ど
おりの性能が発揮できなくなる場合がある。
【0020】この点の改善を図るには、一つの方法とし
て、電解液の循環用タンクを外部に設け、強制的に大量
の電解液を電解槽との間で循環しつつ電解する方法も有
効である。しかし、この方法では大量の電解液を循環す
るためのポンプ、タンク等の付帯設備が必要となり、設
備面で不利である。また塩化アルカリの電解を行なう際
に発生した塩素中の酸素の増加防止、あるいはクロレー
トの生成防止を図るため、塩酸を供給塩水中に添加して
電解槽にフィードする場合がある。この場合電解槽への
供給塩水流入口付近の塩水pHが低くなりすぎるとイオ
ン交換膜の電圧が高くなる等の不都合を生ずることがあ
る。
【0021】本発明では、電解槽に電解電流に応じた必
要最低限の電解液を供給しつつ、セル内部に設置した電
解液の循環流路となる筒状内部循環ダクト17により、
電解で発生するガスの上昇によって生ずる流動を上下左
右方向の循環に利用し、セル内部の攪拌に利用する方法
を用いている。具体的には液の流入口としての筒状内部
循環ダクトの上端開口部27を通電部上端より下方に設
け、セル下部に設けた液の流出口としての下端開口部2
8からセル上部の液を流出させることにより循環する方
法である。本発明者は、この循環をより効率的に行なう
ために種々検討した結果、上端開口部がセル通電部の高
さの95%〜40%、好ましくは80%〜50%の位置
にあると十分な循環が得られることを見いだした。この
理由は、セル内のガスと液の比が通電部上部程大きくな
るため、上端開口部が高すぎると気泡により筒状内部循
環ダクト上端からの液の吸い込みが不十分となること、
また低すぎると気泡の上昇による内部流動の推進力が不
足し、十分な循環が得られないためと考えられる。
【0022】塩化アルカリの電解を行なう際に、発生し
た塩素中の酸素の増加防止あるいはクロレートの生成防
止を図るため、塩酸を供給塩水中に添加してセルにフィ
ードする場合、セルの供給塩水流入口付近の塩水pHが
低くなりすぎて、イオン交換膜の電圧が高くなる等の不
都合を防止するためには、セル内部の供給電解液流入口
に供給電解液とセル内部循環液を混合するためのボック
スを設け、筒状内部循環ダクトの下端開口部を接続する
ことにより内部循環している電解液と混合し、塩酸の濃
度を薄める方法が好ましい。流入電解液と内部循環液と
の混合を行なうことは、濃度分布を均一にするためにも
有効な手段である。
【0023】電解液の内部循環流路となる筒状内部循環
ダクト17は、種々の形式が考えられるが、例えば図1
の如く排出ノズル13に近い所に電解液の流入する開口
部を持ち、液の流出口が、混合ボックス18につなぎ込
まれて供給電解液と混合しセル内へ流れ出る形式のもの
が好ましい。筒状内部循環ダクトの材質は陽極室であれ
ば、樹脂、チタン等の中から選択できるが加工性や耐久
性の点からチタンが好ましい。又、陰極室にも取り付け
る場合であれば、樹脂、ステンレススチール、ニッケル
等耐蝕性のあるものの中から選択できる。
【0024】筒状内部循環ダクト17の形状は丸型、角
型等いずれでも液の流動のしやすいものであれば良い。 又、筒状内部循環ダクトの断面積は大きいもの程内部循
環量が多くなるため有利であるが、セルの厚みや構造に
よって制限を受け、筒状内部循環ダクト1本当たり10
cm2 〜50cm2 あれば十分である。筒状内部循
環ダクトの本数も多ければ多い程内部循環量も多くなる
が、多すぎれば製作コストの点で不利となるので、セル
内の電解液の濃度バラツキが目標とする範囲以内の最小
本数を選択すれば良い。
【0025】筒状内部循環ダクト17は陽極室、陰極室
いずれに用いても良いが、陽極側が陰極側に較べガスと
液との比が大きく気泡により液の内部流動が阻害されや
すいので陽極側に取り付けると効果的である。電極4に
は、エキスパンデッドメタル、有孔平板、棒状、網状等
の多孔性電極が使用できる。電極材料としては、陽極で
あれば通常の塩化アルカリ金属水溶液の電解に使用され
るものでよい。すなわち、チタン、ジルコニウム、タン
タル、ニオブおよびそれらの合金を基材とし、その表面
に酸化ルテニウム等の白金属酸化物を主体とした陽極活
性物質を被覆した電極が使用される。陰極であれば、鉄
、ニッケル、およびそれらの合金をそのまま、または、
その表面にラネーニッケル、ロダンニッケル、酸化ニッ
ケル等の陰極活物質被覆して用いられる。
【0026】本発明に用いる陽イオン交換膜としては、
当業者にはことさら説明を要しない通常公知のものが用
いられる。電解条件の中で重要なものの一つに電解中の
セル内の圧力がある。本発明の電解槽は、鉤型フランジ
部と周壁部とにより形成される空間に棒状フレームを挿
入することによって構成されているので十分な強度を有
しており、大気圧以下から2kg/cm2 Gまでの広
い範囲での電解が可能である。加圧下で電解すると電解
電圧を低くできるので有利なことは良く知られているが
、本発明においてはこの他に電流密度を高くできる利点
も得られる。
【0027】一般に加圧下では発生ガス体積が減少しセ
ル内上部のガス液比が小さくなるため、大気圧以下での
電解より電解液の流動が起こりやすい。さらに本発明の
如く内部循環を行なうための筒状ダクトを設置している
電解槽では、電流密度を上げてもセル内部の電解液の濃
度分布が悪化することがない。又、本発明では十分な大
きさの断面積の気液分離室を有しており、発生ガス体積
が減少することは気液分離室の両端での圧力損失も少な
くなり、同時に液とガスを抜き出すノズル部分での振動
も減少する。従って、40A/dm2 以上の高電流密
度でも安定した電解ができることになる。
【0028】近年、イオン交換膜の性能向上が著しくN
aOH濃度の高濃度化が進んでいるが、本発明の陰極室
用鍋状体の材質は、ステンレス、高ニッケル鋼、ニッケ
ルなどいずれでもよく、電解するNaOH濃度に応じた
材質を選定できるだけでなく、KOH、LiOHなど電
解液にも対応した材質が選定できる。従って本発明の電
解槽は、50%程度の高濃度NaOHのようなきびしい
電解条件でも高電流密度で安定した電解ができる。
【0029】本発明の電解槽は以上の通り、1枚の板で
製作された陽極室鍋状体及び陰極室鍋状体と棒状フレー
ムとで構成されているため、セル内圧が加圧状態でも十
分耐えられる強度を有しており、加圧状態から減圧状態
迄の広い範囲で電解でき、安価で製作しやすい利点を有
するばかりでなく、通電部上部の非通電部に十分な大き
さの断面積の気液分離室を有しているので、40A/d
m2以上の高電流密度でも通電部にガスゾーンを形成す
ることもなく気液分離室での気泡や液の波立ちによる振
動も発生しない。さらに、水平より下向きに大きな断面
積を有する排出ノズルを有しているので排出の際に気液
混相流による圧力損失の変化による振動を発生すること
もない。又、セル内の濃度分布についても筒状内部循環
ダクトを設けているので均一で、供給塩水に塩酸も添加
できると言った多くの効果を持つ優れた電解槽である。
【0030】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例のみに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】5ケの単位セルおよび2ケの電流リード板2
4を付けたセルを用いて、図4に示した複極式電解槽を
組み立てた。電解セル25は、鉤型フランジと気液分離
室を有しており横幅が2400mm、高さが1280m
mのサイズで、図1、図2と同一構造に製作されている
。鍋状体の中央部には、電解液および電解生成物の通路
用として丸型の孔を設けた補強用リブ11を有しており
、陽極鍋状体、陽極側気液分離室、丸型の孔5を設けた
導電用リブ等の材料はチタンで製作され、陰極室鍋状体
、陰極側気液分離室、丸型の孔5を設けた導電用リブ等
はニッケルで製作した。
【0032】気液分離室断面積は、陽極側、陰極側どち
らも15cm2 で、陽極側気液分離ー 室はチタン板
をL型に折り曲げて仕切り板とし、陰極側気液分離室は
ニッケル板をL型に折り曲げて仕切り板とし、それぞれ
の仕切り板の通電部と非通電部の境に当たる部分には直
径10mmの液ガス流出孔15を多数設けている。また
、それぞれの気液分離室の一方の端には、25mmの内
径を有する排出ノズルを取り付けた。
【0033】電解液の内部循環流路となる筒状内部循環
ダクト17は、20cm2 の断面積ー を有しており
、陽極室のみに設置している。筒状内部循環ダクト17
はチタンで製作され、図1に示すように、その上端開口
部はセル通電部高さの約70%の位置に設け、下端開口
部は電解液流入口に設けたチタン製混合ボックス18に
つなぎ込まれている。
【0034】陽極室鍋状体と陰極室鍋状体との間はチタ
ン−鉄の爆発圧着板16をそれぞれの鍋状体とスポット
溶接にて接合している。また棒状フレーム1が鉤型フラ
ンジ部7と周壁部8の間に差し込まれている。陽極は、
エクスパンデッドメッシュ状に加工したチタン板の表面
に、ルテニウム、イリジウム、チタンを成分とする酸化
を物被覆することにより作成した。
【0035】陰極は、エクスパンデッドメッシュ状に加
工したニッケル板の表面に、ニッケル酸化物を被覆する
ことにより作成した。この電解セルに、陽イオン交換膜
ACIPLEX(登録商標)4100を、陽極室ガスケ
ット20、陰極室ガスケット21を用いてはさみ、図4
に示した電解槽を組み立てた。  この電解槽に、出口
濃度が200g/lとなるように300g/lの食塩水
を供給し、陰極室には、出口にカセイソーダ濃度が33
重量%になるように希薄カセイソーダ水溶液を供給し、
電解温度90℃、電流密度40A/dm2 、セル内圧
0.02kg/cm2 Gで約1ケ月電解した。電流効
率は96.5%、槽電圧19.5V、出口ノズル付近で
の振動は5cm水柱以下、セル内の食塩水の濃度差は4
0g/l以下であった。また電解後イオン交換膜を取り
出して観察したが全く異常はみられなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の複極式フィルタープレス型電解
槽は、組み立て解体が簡単で、溶接部が少なく液リーク
がない、加工が簡単で安価である、といった従来からの
特徴をに加え、以下の効果があるので、塩化アルカリの
電解槽として好適である。a  セル内の振動がなく、
イオン交換膜が破損することがない。
【0037】b  セル内の電解液濃度分布が均一であ
る。c  高電流密度でも安定した電解ができる。d 
 減圧状態から加圧状態まで広い範囲での電解ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解槽を構成するユニットの、陽極室
側正面図。
【図2】図1のA−A’線における断面図。
【図3】本発明の気液分離室と鉤型フランジ部の詳細図
【図4】本発明のセルを用いた複極式電解槽の組み立て
図である。
【符号の説明】
1  棒状フレーム 2  鍋状体 3  導電リブ 4  電極 5  液ガス流通用孔 6  気液分離室仕切り板 7  鉤型フランジ部 8  周壁部 9  側壁部 11補強用リブ 12電解液供給ノズル 13排出ノズル 14気液分離室 15液ガス流出孔 16爆発圧着板 17筒状内部循環ダクト 18混合ボックス 19陽イオン交換膜 20陽極側ガスケット 21陰極側ガスケット 22陽極室 23陰極室 24リード板 25複極式電解セル 26締結体 27ダクト上端開口部 28ダクト下端開口部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  鉤型フランジ部、周壁部および側壁部
    からなり、周壁部と側壁部が空間を構成し、側壁部には
    該空間内に延びる導電リブを介して陽極が固着されてい
    る陽極室用鍋状体(A)と、鉤型フランジ部、周壁部お
    よび側壁部からなり、周壁部と側壁部が空間を構成し、
    側壁部には該空間内に延びる導電リブを介して陰極が固
    着されている陰極室用鍋状体(B)を2つ背中合わせに
    配置し、それぞれの鉤型フランジ部と周壁部とにより形
    成される空間に棒状フレームを挿入することにより陽極
    室と陰極室を構成せしめた電解槽ユニットを陽イオン交
    換膜を介して多数配列せしめてなるフィルタープレス型
    電解槽において、(a)陽極室上部の非通電部分及び陰
    極室上部の非通電部分の各々に気液分離室を設け、(b
    )陽極室及び/又は陰極室の側壁部と電極との間には電
    解液の内部循環流路となる筒状のダクトを少なくとも1
    個有することを特徴とするフィルタープレス型電解槽。
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