JPH04287887A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーシング内の潤滑油
を旋回スクロールと固定スクロールとの間に供給するこ
となく空気、冷媒等の気体を圧縮するようにしたスクロ
ール式圧縮機に関し、特に圧縮運動初期における旋回ス
クロールの浮き上がりを防止するようにしたスクロール
圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、スクロール圧縮機には給油式（
油冷式）スクロール圧縮機と無給油式スクロール圧縮機
とがある。

【０００３】このうち、給油式スクロール圧縮機はケー
シング内に潤滑油を貯え、この潤滑油を軸受、旋回スク
ロールと固定スクロールとの間の摺動部等に供給しつつ
空気を圧縮するものであり、潤滑性、冷却性に優れてい
る。また、給油式スクロール圧縮機は旋回スクロールに
背圧導入孔を穿設し、圧縮途中の圧縮空気を旋回スクロ
ールの背面に作用させて該旋回スクロールに押圧力を与
え、圧縮室内の圧縮空気によって旋回スクロールに作用
する開離力とバランスさせる構成とすることができ、圧
縮効率を高めることができるという利点もある。

【０００４】しかし、給油式スクロール圧縮機は圧縮室
内に潤滑油が供給され、吐出ポートから圧縮空気と一緒
に油分も吐出されるため、油分離器等を用いても完全に
清浄な空気を得ることが出来ないという欠点がある。

【０００５】一方、無給油式スクロール圧縮機は、油分
離器、オイルクーラ、温度調節弁等が不要であるから、
給油式スクロール圧縮器に比較して構成が簡単であり、
また完全に清浄な圧縮空気を得ることができるという利
点がある。

【０００６】しかし、無給油式スクロール圧縮機は、潤
滑性、冷却性に劣っており、軸受、旋回スクロールと固
定スクロールとの間の摺動部等の早期摩耗や焼付きを起
こしやすいという欠点がある。また、無給油式スクロー
ル圧縮機は、圧縮作用時の圧縮熱によって旋回スクロー
ル、固定スクロールが熱膨張するのを見越し、駆動軸を
支持する軸受、旋回スクロールを支持する旋回軸受にス
ラスト・ラジアル軸受を使用する構成とすると共に、鏡
板の歯底とラップ部の歯先との間に適正なスラストクリ
アランスを確保する構成としているが、ラップ部が熱膨
張してスラストクリアランスが減少するまでの間、圧縮
効率の低下を招き、またスラストクリアランスを小さく
した場合には、カジリ現象を起こすという欠点がある。

【０００７】そこで、前述した給油式、無給油式スクロ
ール圧縮機の欠点を改良し、潤滑油を用いて潤滑と冷却
を行ないつつ、油分を含まない完全に清浄な圧縮空気を
得ることができるようにした半給油式のスクロール圧縮
機も知られている。

【０００８】以下、図４により、この半給油式のスクロ
ール圧縮機について述べる。

【０００９】図４において、１は筒状のケーシング、２
は後述の前側ケーシング３と共に該ケーシング１を構成
するケーシング本体を示し、該ケーシング本体２は円板
状の底部２Ａと、該底部２Ａの内周側からケーシング本
体２内へ延びた軸受部２Ｂと、底部２Ａの外周側から前
側ケーシング３の方向に延びた円筒部２Ｃとから有底筒
状に形成されている。

【００１０】３は前記ケーシング本体２の円筒部２Ｃの
先端に固着された段付筒状の前側ケーシングで、該前側
ケーシング３の内周側には径方向内向きにスラスト受部
３Ａが一体に突設され、該スラスト受部３Ａは後述する
旋回スクロール６の背面に摺接してスラスト方向の荷重
を受承するようになっている。

【００１１】４はケーシング本体２の軸受部２Ｂに軸受
５，５を介して回転可能に支持された駆動軸を示し、該
駆動軸４の先端側はケーシング１内へと伸長してクラン
ク軸４Ａとなり、該クランク軸４の軸線は駆動軸の軸線
に対して所定寸法ｄだけ偏心している。また、該駆動軸
４の基端側はケーシング１外で電動モータ（図示せず）
に連結され、該電動モータにより駆動されるようになっ
ている。

【００１２】６は前側ケーシング３のスラスト受部３Ａ
と後述する環状板１２のスラスト受部１２Ａとの間に位
置してクランク軸４Ａに回転可能に設けられた旋回スク
ロールを示し、該旋回スクロール６は、円盤状に形成さ
れた鏡板６Ａと、該鏡板６Ａの前面側に立設されたうず
巻き状のラップ部６Ｂと、該ラップ部６Ａの径方向外側
に位置して円筒状に立設され、該ラップ部６Ａよりも軸
方向に大きく突出した筒状部６Ｃと、鏡板６Ａの背面側
中央に設けられたボス部６Ｄとから構成されている。そ
して、前記ボス部６Ｄ内にはクランク軸４Ａが旋回軸受
７を介して旋回可能に取付けられている。

【００１３】ここで、前記旋回スクロール６の鏡板６Ａ
の背面外周側には図示しないキー溝が周方向に所定間隔
をもって形成され、該各キー溝と前側ケーシング３のス
ラスト受部３Ａとの間には自転防止機構としてのオルダ
ム継手（図示せず）が配設されている。そして、旋回ス
クロール６は駆動軸４を回転駆動するときに、クランク
軸４Ａにより寸法ｄの旋回半径をもった円運動が与えら
れ、オルダム継手によって自転が防止され、駆動軸４の
軸線を中心にして旋回（公転）し続けるようになってい
る。

【００１４】８はケーシング１の先端側を施蓋するよう
に前側ケーシング３の前端面に衝合して設けられ、旋回
スクロール６と対向した固定スクロールを示し、該固定
スクロール８は、中心が駆動軸４の軸線と一致するよう
にして中央部側に配設された鏡板８Ａと、該鏡板８Ａに
旋回スクロール６のラップ部６Ｂと同様に立設されたう
ず巻き状のラップ部８Ｂと、鏡板８Ａの外周側に位置し
て断面コ字状に形成され、内部に旋回スクロール６の筒
状部６Ｃ，後述のシール部材１３等が収容されるように
なった円環状の収容部８Ｃとから構成されている。

【００１５】ここで、前記固定スクロール８のラップ部
８Ｂは旋回スクロール６のラップ部６Ｂと所定角度だけ
ずらして重なり合うように配設され、旋回スクロール６
が旋回する間に、連続的に縮小する複数の圧縮室９，９
，…を画成するようになっている。また、１０，１１は
固定スクロール８に設けられた吸気ポート，吐出ポート
をそれぞれ示し、該吸込ポート１０は最外周側（低圧側
）の圧縮室９と連通するように収容部８Ｃの外周側に穿
設され、吐出ポート１１は最中央側（高圧側）の圧縮室
９と連通するように鏡板８Ａの中心部に穿設されている
。

【００１６】１２は固定スクロール８の収容部８Ｃ開口
部側に固定され、前側ケーシング３または固定スクロー
ル８の一部を構成した環状板を示し、該環状板１２の内
周側には、旋回スクロール６の鏡板６Ａに摺接すること
によりスラスト方向の荷重を受承するスラスト受部１２
Ａが形成され、該スラスト受部１２Ａは前側ケーシング
３のスラスト受部３Ａと対向している。また、前記環状
板１２には固定スクロール８の収容部８Ｃ内に突出した
円筒状の筒状部１２Ｂが立設され、該筒状部１２Ｂは旋
回スクロール６の筒状部６Ｃよりも径方向外側に位置し
ている。

【００１７】１３は旋回スクロール６の筒状部６Ｃ外周
面と環状板１２の筒状部外周面との間に気液密に固定さ
れたシール部材を示し、該シール部材１３は可撓性材料
等からなるパッキン材料を用いて断面Ｕ字形状に形成さ
れている。ここで、前記シール部材１３は固定スクロー
ル８の収容部８Ｃ内に吸込ポート１０と連通する空間と
しての吸込室Ａを画成している。そして、前記シール部
材１３は吸込室Ａが旋回スクロール６と環状板１２のス
ラスト受部１２Ａおよび前側ケーシング３のスラスト受
部３Ａとの間を介してケーシング１内の油室Ｂと連通す
るのを確実に遮断し、これら吸込室Ａと油室Ｂ間をシー
ルする構成となっている。

【００１８】１４はケーシング１の油室Ｂ内に収容され
た潤滑油、１５はケーシング１内に位置して駆動軸４に
嵌合固着され、潤滑油１４を該ケーシング１内に掻き上
げるための円板、１６は該円板１５に設けられたカウン
タウエイトを示し、該カウンタウエイト１６は旋回スク
ロール６の旋回運動にバランスをとるようになっている
。

【００１９】従来技術によるスクロール圧縮機は上述の
如き構成を有するもので、駆動軸４を回転駆動すると、
この回転はクランク軸４Ａから旋回軸受７を介して旋回
スクロール６に伝えられ、該旋回スクロール６は駆動軸
４を中心とし、寸法ｄの旋回半径をもって旋回運動する
。そして、この旋回運動によって各圧縮室９は連続的に
縮小し、吸込口１０から吸込んだ空気を圧縮し、この圧
縮空気を吐出口１１から外部の空気タンク（図示せず）
等に吐出する。

【００２０】この際、駆動軸４に設けた円板１５は、ケ
ーシング１内の潤滑油１４を掻き上げ、旋回スクロール
６背面はもとより、軸受５，旋回軸受７，前側ケーシン
グ３のスラスト受部３Ａ，環状板１２のスラスト受部１
２Ａ，オルダム継手等にこの潤滑油を供給し、潤滑、冷
却等を行なう。

【００２１】一方、吸込室Ａはシール部材１３によって
ケーシング１の油室Ｂと画成されているから、吸込ポー
ト１０から吸込み、吐出ポート１１から吐出される圧縮
空気に油分が混入することはなく、清浄な圧縮空気が得
られる。

【００２２】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した半
給油式のスクロール圧縮機は、各圧縮室９内には潤滑油
が供給されることはないから、無給油式スクロール圧縮
機の場合と同様に、各圧縮室９内で発生した圧縮熱は、
旋回スクロール６，固定スクロール８に伝導し、各ラッ
プ部６Ｂ，８Ｂが熱膨張する。このため、前記旋回スク
ロール６，固定スクロール８は、その鏡板６Ａ，８Ａの
歯底とラップ部６Ｂ，８Ｂとの間に適正なスラストクリ
アランスを確保し、該ラップ部６Ｂ，８Ｂが熱膨張した
場合のカジリ現象の発生を防止している。

【００２３】しかし、両スクロール６，８のラップ部６
Ｂ，８Ｂが熱膨張する分だけ予めスラストクリアランス
を確保しておくと、該各ラップ部６Ｂ，８Ｂが熱膨張し
て適正な長さとなるまで長時間必要とする。

【００２４】この間、各圧縮室９では吸込んだ空気の圧
縮作用を行なっているから、該各圧縮室９内の圧縮空気
は、旋回スクロール６を固定スクロール８から離間させ
るような開離力を発生し、該旋回スクロール６は浮き上
がって前側ケーシング３のスラスト受部３Ａに押圧され
ることになる。この結果、各圧縮室９間の圧力洩れが大
きく、圧縮効率が低下し、空気圧縮機としての立上がり
特性が大幅に低下するという問題点がある。

【００２５】本発明は前述した従来技術による問題点に
鑑みなされたもので、圧縮運転初期における旋回スクロ
ールの浮き上りを防止し、立上り特性を良好ならしめる
ようにしたスクロール圧縮機を提供することを目的とす
る。

【００２６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明が採用する構成の特徴は、ケーシングには旋
回スクロールの背面側に位置してシリンダ穴を設け、該
シリンダ穴には旋回スクロールの背面を押圧する押圧ピ
ストンを摺動可能に設け、圧縮室または吐出ポートとシ
リンダ穴との間を接続して該シリンダ穴に圧縮気体を供
給する気体供給流路を設けたことにある。

【００２７】

【作用】このように構成することにより、圧縮運転を開
始すると、圧縮室内または吐出ポートからの圧縮空気は
気体供給流路を介してシリンダ穴に供給され、該シリン
ダ穴に設けられた押圧ピストンを旋回スクロールの背面
に向けて摺動変位させ、該旋回スクロールを固定スクロ
ール側に押圧する。これにより、旋回スクロールに作用
する開離力をバランスさせ、または当該開離力を減少さ
せ、起動時の立上り特性を良好とし、早期に定格圧縮運
転を可能とする。

【００２８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１ないし図３を参
照しつつ、詳細に説明する。なお、前述した従来技術と
同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する
。同図において、２１は従来技術によるケーシング１に
代えて本実施例に適用されるケーシングで、該ケーシン
グ１はケーシング本体２２と前側ケーシング２３とから
構成され、該ケーシング本体２２は従来技術のケーシン
グ本体２と同様に底部２２Ａ，軸受部２２Ｂ，円筒部２
２Ｃ等からなっている。一方、前側ケーシング２３はケ
ーシング本体２２の円筒部２２Ｃ先端に固着されている
ものの、従来技術による前側ケーシング３のようにスラ
スト受部３Ａは存在せず、前側ケーシング２３の内周側
には旋回スクロール６の背面と離間した状態で対向した
円環状のシリンダハウジング２３Ａが形成されている点
で異なる。

【００２９】２４，２４，…は前側ケーシング２３のシ
リンダハウジング２３Ａに等間隔で形成された複数のシ
リンダ穴で、該各シリンダ穴２４の先端は小径な開口部
２４Ａとなって旋回スクロール６の背面に向けて開口し
ている。

【００３０】２５は前記各シリンダ穴２４の奥部側に位
置してシリンダハウジング２３Ａ内に形成された環状空
気通路で、該環状空気通路２５には径方向外向きに穿設
された単一の空気流入口２６を介して後述の空気供給管
３０から圧縮空気が供給されるようになっている。

【００３１】２７，２７，…は前記各シリンダ穴２４に
それぞれ摺動可能に設けられた押圧ピストンで、該各押
圧ピストン２７の基端側には一対の鍔部２７Ａ，２７Ａ
間に位置してシールリング２８が設けられ、また該各押
圧ピストン２７の先端側は開口部２４Ａから旋回スクロ
ール６の背面に向けて突出し、先端部には耐摩耗性が高
く、低摩擦係数をもった摺接部材２７Ｂが固着されてい
る。

【００３２】２９，２９，…は各シリンダ穴２４内に位
置して押圧ピストン２７の鍔部２７Ａと開口部２４Ａと
の間に張設された圧縮ばねで、該各圧縮ばね２９は押圧
ピストン２７をシリンダ穴２７内に後退させるように作
用している。従って、圧縮運転を停止しているときには
、押圧ピストン２７は図２の状態にあり、旋回スクロー
ル６の前面と環状板１２のスラスト受部１２Ａとの間に
は所定のクリアランスＬが確保され、起動時の負荷軽減
を図っている。

【００３３】さらに、３０は空気供給管を示し、該空気
供給管３０はケーシング２１と固定スクロール８の外周
を迂回するように配設されている。そして、前記空気供
給管２４の一端は固定スクロールの鏡板８Ａに穿設した
空気流出口３１に接続され、その他端はケーシング本体
２２の円筒部２２Ｃに設けた挿通穴３２を介して前述し
た空気流入口２６と接続されている。ここで、本実施例
において、前記空気流出口３１は各圧縮室９のうち、圧
縮途中にある所定の圧縮室と連通するように鏡板８Ａに
穿設され、シリンダ穴２４に中間圧を導入するようにな
っている。

【００３４】本実施例はこのように構成されるが、スク
ロール圧縮機としての基本的作動については従来技術の
ものと格別変わるところがない。

【００３５】然るに、本実施例においては、駆動軸４を
回転駆動し、圧縮運転を開始すると、各圧縮室９内で吸
込口１０から吸込んだ空気を圧縮し、圧縮途中にある圧
縮空気は空気流出口３１，空気供給管３０，空気流入口
２６，環状空気通路２５を順次介して、各シリンダ穴２
４に供給される。

【００３６】これにより、各押圧ピストン２７は圧縮ば
ね２９に抗して変位し、その先端側は旋回スクロール６
の背面を押圧し、図２の状態から図３の状態となり、早
期に定格圧縮運転を行なわせることができる。

【００３７】ここで、起動直後から定格運転までの間を
詳細に検討する。

【００３８】まず、圧縮運転を開始した起動直後は、シ
リンダ穴２４に圧縮空気が供給されることはなく、押圧
ピストン２７は図２の状態にある。この結果、旋回スク
ロール６の前面と環状板１２のスラスト受部１２Ａとの
間には所定のクリアランスＬが確保され、良好な油膜が
形成された状態で旋回スクロール６が旋回運動を行なう
と共に、押圧ピストン２７の先端にある摺動部材２７Ｂ
と旋回スクロール６の背面との間にも油膜が確保され、
起動負荷を軽減し、容易に起動することができる。

【００３９】次に、圧縮運転が開始され、各圧縮室９内
で圧縮作用が行なわれると、該各圧縮室９内の圧力は徐
々に上昇し、この圧縮空気は前述したように空気流出口
３１，空気供給管３０，空気流入口２６，環状空気通路
２５を順次介して、各シリンダ穴２４に供給され、各押
圧ピストン２７は旋回スクロール６の背面を押圧する。 この際、各圧縮室９内の圧縮空気により、旋回スクロー
ル６に開離力が作用するが、この開離力は各押圧ピスト
ン２７の押圧力とバランスさせ、または少なくともこの
開離力を減少させることができる。

【００４０】この結果、旋回スクロール６と固定スクロ
ール８との間のスラストギャップを適正に確保した状態
で定格圧縮運転に移行することができ、起動時に旋回ス
クロール６が浮き上る事態を防止し、起動直後の立上が
り特性を良好にすることができる。

【００４１】なお、実施例では固定スクロール８に空気
流出口３１を穿設し、圧縮途中の圧縮空気を各シリンダ
穴２４に供給するものとして述べたが、吐出ポート１１
から吐出された圧縮空気を各シリンダ２４に供給する構
成としてもよい。この場合には、空気供給管３０の一端
を吐出ポート１１に分岐して接続し、または吐出配管（
図示せず）から分岐して接続すればよい。

【００４２】また、実施例では前側ケーシング２３のシ
リンダハウジング２３Ａに複数のシリンダ穴２４を設け
、該各シリンダ穴２４にそれぞれ押圧ピストン２７を摺
動可能に設けるものとして述べたが、前記シリンダ２４
，押圧ピストン２７の個数は適宜に選択することができ
るものである。また、前記シリンダハウジング２３Ａに
円環状のシリンダ穴を形成することにより、円環状をし
た単一の押圧ピストンとすることもできる。

【００４３】さらに、シール部材３は実施例のものに限
ることなく、ベローズ等の可撓性部材としてもよく、一
方特開平２−１１２６９０号に示されるような筒状体と
して形成してもよいものである。

【００４４】

【発明の効果】本発明に係るスクロール圧縮機は以上詳
細に述べた如くであって、旋回スクロールの背面側を押
圧する押圧ピストンをシリンダ穴に摺動可能に設け、該
シリンダ穴に圧縮気体を導入する構成としたから、半給
油式のスクロール圧縮機においても、圧縮運転初期から
自己の圧縮気体を用いて旋回スクロール背面に押圧力を
作用させ、該旋回スクロールの浮き上がりを防止し、早
期に安定した定格運転に移行させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例によるスクロール圧縮機の縦断面図で
ある。

【図２】図１中のシリンダ穴、押圧ピストン等を作動前
の状態で示す要部拡大図である。

【図３】図１中のシリンダ穴、押圧ピストン等を作動後
の状態で示す要部拡大図である。

【図４】従来技術によるスクロール圧縮機の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

４　　駆動軸 ４Ａ　　クランク軸 ６　　旋回スクロール ６Ａ　　鏡板 ６Ｂ　　ラップ部 ８　　固定スクロール ９　　圧縮室 １０　　吸込ポート １１　　吐出ポート １３　　シール部材 １４　　潤滑油 ２１　　ケーシング ２２　　ケーシング本体 ２３　　前側ケーシング ２４　　シリンダ穴 ２５　　環状空気通路 ２７　　押圧ピストン ２８　　シールリング ２９　　圧縮ばね ３０　　空気供給管 ３１　　空気流出口 Ａ　　吸込室（空間） Ｂ　　油室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　内部に潤滑油を収納する筒状のケーシ
   ングと、該ケーシングに回転可能に支持され、該ケーシ
   ング内に伸びる先端側がクランク軸となった駆動軸と、
   該駆動軸のクランク軸に旋回可能に支持され、鏡板にう
   ず巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋
   回スクロールと対向して前記ケーシングに固着され、鏡
   板に該旋回スクロールのラップ部との間で圧縮室を形成
   するうず巻状のラップ部が立設された固定スクロールと
   、該固定スクロールに径方向外側に位置して穿設された
   吸込みポートおよび軸中心側に位置して穿設された吐出
   ポートと、該吸込みポートと連通する前記固定スクロー
   ルと旋回スクロールとの間の空間を前記ケーシング内に
   対して遮断するため、前記固定スクロールと旋回スクロ
   ールとの間に設けられたシール部材とからなるスクロー
   ル圧縮機において、前記ケーシングには前記旋回スクロ
   ールの背面側に位置してシリンダ穴を設け、該シリンダ
   穴には前記旋回スクロールの背面を押圧する押圧ピスト
   ンを摺動可能に設け、前記圧縮室または吐出ポートとシ
   リンダ穴との間を接続して該シリンダ穴に圧縮気体を供
   給する気体供給流路を設けたことを特徴とするスクロー
   ル圧縮機。