JPH0428785Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案はプラテンに沿つて移動可能なキヤリ
ツジに印字ヘツドに装着し、その印字ヘツドと印
字リボンとの協働によりプラテン上の印字用紙に
印字を行うプリンタに係り、特に前記キヤリツジ
に対し印字リボンを支持するためのリボン支持装
置に関するものである。

（従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点） 従来、この種のプリンタにおいて、リボンカセ
ツトを交換する場合には、そのリボンカセツトか
ら露出する印字リボンの一部を印字ヘツド先端と
プラテンの印字面との間の狭い間隙内に挿入又は
離脱させて行わなければならず、その作業が大変
面倒であつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、前記のような問題点に着目してな
されたものであり、キヤリツジ３に設けられ、プ
ラテン１に近接する位置に起立片２９を突設した
支持部材１０と、前記支持部材１０に着脱可能に
設けられ、印字リボン１１をその長手方向に摺動
可能に支持するリボン案内体１２と、前記リボン
案内体１２と起立片２９のうちいずれか一方に設
けられた突起４２と、前記リボン案内体１２と起
立片２９のうち他方に設けられ、上下方向に開放
した開放部３０と、その開放部３０と連続してお
りプラテン１に近接する方向へ延びる嵌合部３１
とから構成されるとともに、前記突起４２を前記
開放部３０から挿入することにより前記嵌合部３
１にて嵌合可能な溝３２と、前記リボン案内体１
２と支持部材１０のうちいずれか一方に設けら
れ、前記溝３２に突起４２を嵌合した状態におい
て前記リボン案内体１２を前記支持部材１０に着
脱可能に掛止する掛止部材３４とから構成したこ
とをその要旨としている。

（作用） 従つて、この考案のリボン支持装置において
は、印字リボン１１の交換に際し、プラテン１か
ら離間した開放部３０に対し突起４２を挿入した
後、その突起４２を嵌合部３１に嵌合させること
により、印字リボン１１がプラテン１に接近した
所定位置に配置されるとともに、掛止部材３４に
よりリボン案内体１２が支持部材１０上にて所定
位置から移動しないよう自動的に掛止される。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて説明する。

第１図に示すように、プリンタの図示しないフ
レームにはプラテン１が回転可能に支持されると
ともに、このプラテン１の前方にはそれと平行に
延びるように金属製のガイド軸２が配設されてい
る。このガイド軸２には金属材料により有底浅箱
状に構成されたキヤリツジ３が後端部（プラテン
１側）の軸挿通部４にて移動可能に支持され、前
端の摺動片５はガイドレール６により下側から受
承されている。キヤリツジ３には図示しないモー
タにより駆動される歯付駆動ベルト７が連結さ
れ、同ベルト７の周回駆動に伴いキヤリツジ３が
プラテン１に沿つて往復移動されるようになつて
いる。

前記キヤリツジ３上には複数の印字ワイヤを有
するドツトマトリツクス型の印字ヘツド８が着脱
可能に装着されている。又、この印字ヘツド８と
前記プラテン１との間においてキヤリツジ３上に
は、リボンマスク９を介して支持部材１０が取着
され、その支持部材１０には図示しないリボンカ
セツトから露出する印字リボン１１をその長手方
向に摺動可能に支持するリボン案内体１２が着脱
可能に装着されている。そして、前記キヤリツジ
３と印字ヘツド８とをそれぞれ駆動して、印字ヘ
ツド８と印字リボン１１との協働によりプラテン
１上の印字用紙（図示しない）に所定の印字を行
うようになつている。

次に、この考案の要部である前記リボンマスク
９、支持部材１０及びリボン案内体１２の構成に
ついて詳述する。

前記リボンマスク９は金属製の薄板材により断
面略Ｌ字状に構成され、プラテン１に近接する垂
立部１４の中央部には印字ヘツド８の前記印字ワ
イヤが通過する透孔１５が形成されるとともに、
左右両側部には折曲片１６が前方に向かつて折曲
形成されている。又、リボンマスク９の水平部１
７の左右両側縁には、前記キヤリツジ３の後端部
上面に載置される取付片１８が一体形成され、各
取付片１８にはキヤリツジ３の位置決め突起２２
が嵌入する位置決め孔１９と、キヤリツジ３のね
じ孔２３と対応するねじ挿通孔２０がそれぞれ透
設されている。なお、２１は一方の取付片１８に
一体形成された接触片であつて、組付時には前記
ガイド軸２に対し上方から接触して印字動作に伴
つてリボン支持部及びキヤリツジ３に発生した静
電気をガイド軸２を介してアースするようになつ
ている。

前記リボンマスク９の上方に配置される前記支
持部材１０は合成樹脂材料により形成されてい
て、その左右両側には位置決め孔２５及びねじ挿
通孔２６を有する正面形ほぼ横Ｌ字型の取付部２
７がそれぞれ一体成形され、各取付部２７の後縁
部には、第３図に示すようにその前面にて前記印
字リボン１１の摺動を案内するリボン案内片２８
がそれぞれ立設されている。

前記リボン案内片２８間において支持部材１０
の上面には左右一対の起立片２９が突設され、第
２図に示すように各起立片２９には、上端におい
て上下方向に開放した開放部３０と、その開放部
３０の下端と連続してプラテン１側に向かつて水
平に延びる嵌合部３１とから側面略Ｌ字状に構成
された溝３２がそれぞれ形成されている。さら
に、第１，３図に示すように両起立片２９の外側
において支持部材１０には孔３３を打抜くことに
よつて左右一対の掛止部材３４がそれぞれ弾性変
形可能に一体形成され、それらの前端には傾斜面
３５を有する掛止突起３６がそれぞれ突設されて
いる。

そして、前記リボンマスク９と支持部材１０と
は、それらの前記位置決め孔１９，２５にてキヤ
リツジ３の前記位置決め突起２２に対し嵌合係止
されるとともに、前記ねじ挿通孔２０，２６を挿
通してキヤリツジ３のねじ孔２３に螺合する一対
のねじ３７によりキヤリツジ３の後端部上面に装
着固定されている。この状態においてリボンマス
ク９の垂立部１４は支持部材１０の案内片２８間
に位置する。なお、第１図に示すようにリボンマ
スク９及び支持部材１０の左方の前記位置決め孔
１９，２５は取付位置を微調整し得るようにそれ
ぞれ長孔状に形成されている。

この実施例における前記リボン案内体１２は、
リボンカセツトより露出する印字リボン１１にあ
らかじめ挿通されているものであり、左右一対の
小箱状の脚部３８と、両脚部３８の上端間を連結
する連結部３９とから合成樹脂材料により正面略
門型に構成されている。第３図に示すように各脚
部３８の後側部には上下に延びるリボン挿通孔４
０を有する案内部４１が設けられ、両案内部４１
間においてリボン案内体１２の後側外部に露出す
る印字リボン１１がリボンマスク９の前記透孔１
５の直前に配置されるようになつている。又、支
持部材１０の前記起立片２９と対向する各脚部３
８の内側面には、前記溝３２に嵌合可能な突起４
２が形成され、その突起４２と溝３２との嵌合及
び離脱によつてリボン案内体１２が支持部材１０
に対し着脱可能に支持されている。

次に、以上のように構成されたリボン支持装置
の作用について説明する。

さて、印字リボン１１をキヤリツジ３に装着す
る場合には、リボン案内体１２の突起４２を支持
部材１０の溝３２に対し上方から嵌入し、第２図
に鎖線で示すようにリボン案内体１２を溝３２の
開放部３０に沿つて下方移動させたのち、それを
溝３２の嵌合部３１に沿つて後方へ移動させる
と、同時に実線で示すように突起４２が嵌合部３
１の後端内周面により位置決めされて、リボン案
内体１２の後方移動及び上下移動がそれぞれ阻止
される。また、リボン案内体１２の下方移動に伴
い、その下側面が掛止部材３４の係止突起３６に
係合して、その掛止突起３６が掛止部材３４の弾
性に抗して支持部材１０の上面より没入配置さ
れ、この状態でリボン案内体１２が後方へ移動さ
れると、掛止部材３４の弾力によつて掛止突起３
６が支持部材１０の上面から自動的に突出され、
その傾斜面３５がリボン案内体１２の脚部３８の
前側面下端部に係合して、リボン案内体１２の前
方への移動が阻止される。そして、このときリボ
ン案内体１２の各脚部３８が支持部材１０の各起
立片２９に側方から当接して、リボン案内体１２
の左右方向（リボン送り方向）への移動が規制さ
れているため、支持部材１０上におけるリボン案
内体１２の各方向への移動がそれぞれ防止され
て、リボン案内体１２が所定の装着位置に正確か
つ確実に保持される。従つて、キヤリツジ３に対
する印字リボン１１の装着作業をワンタツチで容
易に行うことができる。しかも、前記溝３２が側
ほぼＬ字状に構成されているので、プラテン１か
ら前方へ離れた位置より、リボン案内体１２をプ
ラテン１に接近する方向へ簡単かつ円滑に送り込
むことができ、印字部近傍の狭いスペース内にお
ける印字リボン１１の装着作業をより簡単に行う
ことができる。

また、印字リボン１１をキヤリツジ３から取り
外す場合には、前記した装着状態においてリボン
案内体１２を前方へ操作移動すれば、その脚部３
８と掛止突起３６との係合が傾斜面３５の作用に
よつて自動的に解離されるため、この状態でリボ
ン案内体１２を上方へ移動して、それを支持部材
１０から容易に取り外すことができる。なお、前
記した印字リボン１１の着脱作業はリボン案内体
１２を摘んで操作されるので、作業者の手が印字
リボン１１によつて汚れるというおそれもない。

この考案は前記実施例の構成のみに限定される
ものではなく、例えば前記溝３２と突起４２と配
設位置を互いに逆にして構成したり、溝３２の形
状を適宜変形したりするなど、この考案の趣旨を
逸脱しない範囲で各部の構成や形状を任意に変更
して具体化することも可能である。

考案の効果 以上詳述したように、この考案によればリボン
案内体を溝と突起との嵌合案内によりプラテンに
対する離間位置から接近位置へ移動させて支持部
材に装着するようにしたので、印字部近傍の狭い
スペース内における印字リボンの着脱作業をより
簡単に行うことができるとともに、印字リボンが
プラテンや印字ヘツド等に引掛かることを防止で
き、また、溝の嵌合部に突起を嵌合させると自動
的にリボン案内体と支持部材とが掛止部材により
掛止されるので、印字リボンをキヤリツジの所定
位置に簡単かつ確実に支持することができるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す
リボン支持装置の分解斜視図、第２図は装着状態
を示す第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第２図
のＢ−Ｂ線断面図である。 図において１はプラテン、３はキヤリツジ、８
は印字ヘツド、１０は支持部材、１１は印字リボ
ン、１２はリボン案内体、２９は起立片、３０は
開放部、３１は嵌合部、３２は溝、３４は掛止部
材、４２は突起である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ プラテン１に沿つて移動可能なキヤリツジ３
   に印字ヘツド８を装着し、その印字ヘツド８と
   プラテン１との間に印字リボン１１を配置し、
   その印字リボン１１と印字ヘツド８との協働に
   よりプラテン１上の印字用紙に印字を行うプリ
   ンタにおいて、 前記キヤリツジ３に設けられ、プラテン１に
   近接する位置に起立片２９を突設した支持部材
   １０と、 前記支持部材１０に着脱可能に設けられ、前
   記印字リボン１１をその長手方向に摺動可能に
   支持するリボン案内体１２と、 前記リボン案内体１２と起立片２９のうちい
   ずれか一方に設けられた突起４２と、 前記リボン案内体１２と起立片２９のうち他
   方に設けられ、上下方向に開放した開放部３０
   と、その開放部３０と連続しておりプラテン１
   に近接する方向へ延びる嵌合部３１とから構成
   されるとともに、前記突起４２を前記開放部３
   ０から挿入することにより前記嵌合部３１にて
   嵌合可能な溝３２と、 前記リボン案内体１２と支持部材１０のうち
   いずれか一方に設けられ、前記溝３２に突起４
   ２を嵌合した状態において前記リボン案内体１
   ２を前記支持部材１０に着脱可能に掛止する掛
   止部材３４と から構成したことを特徴とするキヤリツジのリ
   ボン支持装置。 ２ 前記溝３２は側面ほぼＬ字状に構成されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のプリンタにおけるキヤリツジのリボ
   ン支持装置。 ３ 前記掛止部材３４を、支持部材１０における
   リボン案内体１２の支持面にて出没するように
   弾性部材により構成したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のプリンタにお
   けるキヤリツジのリボン支持装置。