JPH04283302A - 微粉炭燃焼法およびその装置 - Google Patents
微粉炭燃焼法およびその装置Info
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- JPH04283302A JPH04283302A JP4682191A JP4682191A JPH04283302A JP H04283302 A JPH04283302 A JP H04283302A JP 4682191 A JP4682191 A JP 4682191A JP 4682191 A JP4682191 A JP 4682191A JP H04283302 A JPH04283302 A JP H04283302A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭の燃焼装置に係り、
特に微粉炭燃焼時において灰分が溶融して生成されるス
ラグの成長(スラッギング)を抑止するのに好適な微粉
炭燃焼法およびその装置に関する。
特に微粉炭燃焼時において灰分が溶融して生成されるス
ラグの成長(スラッギング)を抑止するのに好適な微粉
炭燃焼法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭の燃焼方法として、近年では流動層
燃焼やCWMとして燃焼させる方法もあるが、最も一般
的な燃焼法としては水分を乾燥させながら微粉砕した石
炭を空気と共に炉内へ気流搬送して燃焼させる浮遊燃焼
法である。また、石炭の種類も近年、多様化の一途をた
どり、炭化度の異なる石炭や、最近では石炭燃焼時に生
成される灰分が燃焼熱によって溶融され易い、いわゆる
スラグが生成(スラッギング…slagging)し易
い石炭を国内においても使わざるを得ない状況にある。 このような石炭を用いて燃焼させると、生成したスラグ
がバーナのガイドスリーブ上やボイラ伝熱管などに付着
してボイラの熱効率を低下させるという問題が生じる(
例えば、特開昭63−70009号公報)。
燃焼やCWMとして燃焼させる方法もあるが、最も一般
的な燃焼法としては水分を乾燥させながら微粉砕した石
炭を空気と共に炉内へ気流搬送して燃焼させる浮遊燃焼
法である。また、石炭の種類も近年、多様化の一途をた
どり、炭化度の異なる石炭や、最近では石炭燃焼時に生
成される灰分が燃焼熱によって溶融され易い、いわゆる
スラグが生成(スラッギング…slagging)し易
い石炭を国内においても使わざるを得ない状況にある。 このような石炭を用いて燃焼させると、生成したスラグ
がバーナのガイドスリーブ上やボイラ伝熱管などに付着
してボイラの熱効率を低下させるという問題が生じる(
例えば、特開昭63−70009号公報)。
【0003】ここで、従来の石炭燃焼装置の一例を、図
2に示す。図2は、微粉炭バーナおよび起動・助燃用油
バーナの一例を示す側断面である。微粉炭(d)は、空
気により搬送され円形断面を有する微粉炭バーナノズル
1より炉内へ噴射投入される。一方、燃焼用の空気(c
)は、風箱2より微粉炭バーナノズル1の外周に設けら
れたエアレジスタ3を通って、水壁管4の内側の円環状
通路を通り旋回しながら炉内へ投入される。炉内に投入
された微粉炭(d)は、燃焼用空気(c)と混合燃焼さ
れ、微粉炭バーナノズル1の先端部に設けられた保炎リ
ング11により火炎10が形成されて燃焼する。微粉炭
バーナノズル1の中心部には、油バーナノズル5が設け
られていて、微粉炭着火迄の炉のウォーミングや微粉炭
燃焼時の助燃が可能である。油(a)は油止弁13およ
び油フレキシブルホース8を通って、油バーナガン6の
固定と液体接続用のカップリング7を経由して油バーナ
ガン6に供給される。一方、蒸気(b)は蒸気止弁14
を通って、さらに蒸気フレキシブルホース9を通り、上
記と同様にカップリング7を経由して油バーナガン6へ
供給される。油(a)と蒸気(b)とは、カップリング
7および油バーナガン6の内部の別々の通路を通って、
油バーナガン6の先端部へ導かれ、油バーナノズル5の
噴出孔付近で合流し、油が蒸気によって噴霧微粒化され
て炉内へ噴射される。油を微粉炭投入前の起動(ウォー
ミング)用に使用するには、まず、蒸気止弁14および
油止弁13を開とし、別置の点火トーチにより噴霧微粒
化されて油バーナノズル5から噴出した油に着火され燃
焼が行われる。次に、起動(ウォーミング)が完了し、
微粉炭に切り換える際に油バーナは消火される。この時
、油止弁13が閉となり、次にパージ蒸気止弁15が開
となって油止弁13以降の油配管および油バーナガン6
内の残油が蒸気にてパージされる。パージが完了すると
、次にパージ蒸気止弁15および蒸気止弁14が閉とな
り、油バーナガン6への流体の供給は停止される。この
後、微粉炭(d)が微粉炭バーナノズル1を通って供給
され、微粉炭燃焼が行われる。この時、油バーナノズル
5が微粉炭の火炎に長時間曝されることにより焼損され
る。これを防ぐため、油バーナガン6を引き抜いたり、
冷却用の媒体を供給したりする。図2ではクーリング蒸
気弁17を常時開となし、ノズルの冷却に必要な最少の
蒸気量が供給できる開度にあらかじめ調整しておく。
2に示す。図2は、微粉炭バーナおよび起動・助燃用油
バーナの一例を示す側断面である。微粉炭(d)は、空
気により搬送され円形断面を有する微粉炭バーナノズル
1より炉内へ噴射投入される。一方、燃焼用の空気(c
)は、風箱2より微粉炭バーナノズル1の外周に設けら
れたエアレジスタ3を通って、水壁管4の内側の円環状
通路を通り旋回しながら炉内へ投入される。炉内に投入
された微粉炭(d)は、燃焼用空気(c)と混合燃焼さ
れ、微粉炭バーナノズル1の先端部に設けられた保炎リ
ング11により火炎10が形成されて燃焼する。微粉炭
バーナノズル1の中心部には、油バーナノズル5が設け
られていて、微粉炭着火迄の炉のウォーミングや微粉炭
燃焼時の助燃が可能である。油(a)は油止弁13およ
び油フレキシブルホース8を通って、油バーナガン6の
固定と液体接続用のカップリング7を経由して油バーナ
ガン6に供給される。一方、蒸気(b)は蒸気止弁14
を通って、さらに蒸気フレキシブルホース9を通り、上
記と同様にカップリング7を経由して油バーナガン6へ
供給される。油(a)と蒸気(b)とは、カップリング
7および油バーナガン6の内部の別々の通路を通って、
油バーナガン6の先端部へ導かれ、油バーナノズル5の
噴出孔付近で合流し、油が蒸気によって噴霧微粒化され
て炉内へ噴射される。油を微粉炭投入前の起動(ウォー
ミング)用に使用するには、まず、蒸気止弁14および
油止弁13を開とし、別置の点火トーチにより噴霧微粒
化されて油バーナノズル5から噴出した油に着火され燃
焼が行われる。次に、起動(ウォーミング)が完了し、
微粉炭に切り換える際に油バーナは消火される。この時
、油止弁13が閉となり、次にパージ蒸気止弁15が開
となって油止弁13以降の油配管および油バーナガン6
内の残油が蒸気にてパージされる。パージが完了すると
、次にパージ蒸気止弁15および蒸気止弁14が閉とな
り、油バーナガン6への流体の供給は停止される。この
後、微粉炭(d)が微粉炭バーナノズル1を通って供給
され、微粉炭燃焼が行われる。この時、油バーナノズル
5が微粉炭の火炎に長時間曝されることにより焼損され
る。これを防ぐため、油バーナガン6を引き抜いたり、
冷却用の媒体を供給したりする。図2ではクーリング蒸
気弁17を常時開となし、ノズルの冷却に必要な最少の
蒸気量が供給できる開度にあらかじめ調整しておく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いては、微粉炭燃焼時におけるスラッギング対策が十分
に考慮されておらず、例えば、灰の軟化・溶融点が他の
炭種と比較して低い石炭を燃焼した場合には、バーナ保
炎リング11部や、バーナスロートの水壁管4の部分に
スラグ(灰の溶融付着した塊)12が付着し成長するこ
とがある。特に、最近の高温還元炎による低NOx燃焼
方法では、NOxの還元剤を生成させるのに、できるだ
け高温の火炎をバーナ保炎部に形成させる必要がある。 このため、高温火炎により灰が溶融され易く、バーナ近
傍に燃焼ガスの停滞部がわずかでも存在すると、溶融し
た灰が付着してスラグの成長が促進されスラッギングが
生じる。したがって、スラッギングを起こし易い炭種を
使用する場合には石炭の燃焼量(負荷)を下げて、炉内
の火炎全体の温度が低下するようにしたり、スラッギン
グし難い炭種と混炭したりするという対策がとられてき
た。すなわち、ディレーティング(負荷制限)や混焼率
制限等を行わねばならなかった。また、新たにボイラを
設計する場合には、火炉の断面積や容積を大きくし、石
炭の燃焼量を下げるのと同様に熱負荷を下げる必要があ
り、非常に不経済なボイラ構造となる欠点があった。
いては、微粉炭燃焼時におけるスラッギング対策が十分
に考慮されておらず、例えば、灰の軟化・溶融点が他の
炭種と比較して低い石炭を燃焼した場合には、バーナ保
炎リング11部や、バーナスロートの水壁管4の部分に
スラグ(灰の溶融付着した塊)12が付着し成長するこ
とがある。特に、最近の高温還元炎による低NOx燃焼
方法では、NOxの還元剤を生成させるのに、できるだ
け高温の火炎をバーナ保炎部に形成させる必要がある。 このため、高温火炎により灰が溶融され易く、バーナ近
傍に燃焼ガスの停滞部がわずかでも存在すると、溶融し
た灰が付着してスラグの成長が促進されスラッギングが
生じる。したがって、スラッギングを起こし易い炭種を
使用する場合には石炭の燃焼量(負荷)を下げて、炉内
の火炎全体の温度が低下するようにしたり、スラッギン
グし難い炭種と混炭したりするという対策がとられてき
た。すなわち、ディレーティング(負荷制限)や混焼率
制限等を行わねばならなかった。また、新たにボイラを
設計する場合には、火炉の断面積や容積を大きくし、石
炭の燃焼量を下げるのと同様に熱負荷を下げる必要があ
り、非常に不経済なボイラ構造となる欠点があった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消するものであって、石炭の燃焼時に生成する灰の溶
融によるスラグの生成(スラッギング)を抑止し、かつ
低NOx燃焼が行える微粉炭の低NOx、低スラッギン
グ燃焼方法およびその装置を提供することにある。
解消するものであって、石炭の燃焼時に生成する灰の溶
融によるスラグの生成(スラッギング)を抑止し、かつ
低NOx燃焼が行える微粉炭の低NOx、低スラッギン
グ燃焼方法およびその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、微粉炭バーナから微粉炭を火炉に供給して
浮遊燃焼させる微粉炭燃焼方法において、微粉炭バーナ
ノズルの中心部近傍もしくは微粉炭バーナの燃焼用空気
供給ポート内に、水を噴射させる水噴射ノズルを設置し
て微粉炭燃焼火炎内に水を噴霧拡散させ、低NOxおよ
び低スラッギング燃焼を行うものである。本発明の微粉
炭燃焼法において、火炎内に噴射する水中に、微粉炭の
燃焼により生成する灰の軟化・溶融点を上昇させる作用
を持つ薬剤を添加するとスラグの生成をいっそう抑制す
る効果が生じる。
するために、微粉炭バーナから微粉炭を火炉に供給して
浮遊燃焼させる微粉炭燃焼方法において、微粉炭バーナ
ノズルの中心部近傍もしくは微粉炭バーナの燃焼用空気
供給ポート内に、水を噴射させる水噴射ノズルを設置し
て微粉炭燃焼火炎内に水を噴霧拡散させ、低NOxおよ
び低スラッギング燃焼を行うものである。本発明の微粉
炭燃焼法において、火炎内に噴射する水中に、微粉炭の
燃焼により生成する灰の軟化・溶融点を上昇させる作用
を持つ薬剤を添加するとスラグの生成をいっそう抑制す
る効果が生じる。
【0007】本発明の微粉炭燃焼装置は、微粉炭を火炉
内に供給して浮遊燃焼させる微粉炭バーナノズルと、上
記微粉炭バーナ火炎の中に、水、または微粉炭燃焼によ
り生成する灰の軟化・溶融点を上昇させる薬剤を添加し
た水を噴射させる水噴射ノズルを配設するものであって
、微粉炭を火炉内に供給して浮遊燃焼させる微粉炭バー
ナノズルと、油もしくは他の助燃可能な燃料を燃焼させ
る助燃バーナノズルを有する微粉炭燃焼装置においては
、上記助燃バーナの管路の一部に、水、または灰の軟化
・溶融点を上昇させる薬剤を添加した水を導入する管路
を接続し、上記助燃バーナノズルを水噴射ノズルに兼用
できる管路構成とすることも可能である。すなわち、助
燃バーナノズルへの助燃料供給管路に設けられている油
止弁の下流側に、水を導入する管路を接続して助燃バー
ナノズルを水噴射ノズルに兼用すると設備上有利である
。
内に供給して浮遊燃焼させる微粉炭バーナノズルと、上
記微粉炭バーナ火炎の中に、水、または微粉炭燃焼によ
り生成する灰の軟化・溶融点を上昇させる薬剤を添加し
た水を噴射させる水噴射ノズルを配設するものであって
、微粉炭を火炉内に供給して浮遊燃焼させる微粉炭バー
ナノズルと、油もしくは他の助燃可能な燃料を燃焼させ
る助燃バーナノズルを有する微粉炭燃焼装置においては
、上記助燃バーナの管路の一部に、水、または灰の軟化
・溶融点を上昇させる薬剤を添加した水を導入する管路
を接続し、上記助燃バーナノズルを水噴射ノズルに兼用
できる管路構成とすることも可能である。すなわち、助
燃バーナノズルへの助燃料供給管路に設けられている油
止弁の下流側に、水を導入する管路を接続して助燃バー
ナノズルを水噴射ノズルに兼用すると設備上有利である
。
【0008】
【作用】火炎内に噴射された水は、急激に噴霧拡散され
ると同時に火炎の温度をその蒸発潜熱によって低下させ
る。これによって、石炭燃焼時の灰が軟化・溶融点に達
するのを防ぐことができ、バーナ近傍への灰付着が防止
できる。また、蒸発した水蒸気が、燃焼する微粉炭粒子
の表面と反応し、NH3やCO等のNOx還元性物質を
多く生成するので、火炎温度低下によるサーマル(Th
ermal)NOxと同時にフユエル(Fuel)NO
xも低減される。さらに、石炭中の炭素と水蒸気とが火
炎内で水添ガス化反応を起こすことにより燃焼率も向上
して、煤や未燃分の生成も抑制される。そして、上記の
火炎内に噴射する水に、灰の軟化・溶融点を上昇させる
薬剤を添加することによって、灰付着量をいっそう低減
させることができる。また、上記水の噴射は石炭バーナ
ノズルの中央部に位置した、休止の助燃用の油バーナガ
ンとノズルを流用することにより、噴射した水を火炎内
に効率よく均一に拡散させることができ、新たに水噴射
ノズルを設ける必要もなく、設備費が安価となる。
ると同時に火炎の温度をその蒸発潜熱によって低下させ
る。これによって、石炭燃焼時の灰が軟化・溶融点に達
するのを防ぐことができ、バーナ近傍への灰付着が防止
できる。また、蒸発した水蒸気が、燃焼する微粉炭粒子
の表面と反応し、NH3やCO等のNOx還元性物質を
多く生成するので、火炎温度低下によるサーマル(Th
ermal)NOxと同時にフユエル(Fuel)NO
xも低減される。さらに、石炭中の炭素と水蒸気とが火
炎内で水添ガス化反応を起こすことにより燃焼率も向上
して、煤や未燃分の生成も抑制される。そして、上記の
火炎内に噴射する水に、灰の軟化・溶融点を上昇させる
薬剤を添加することによって、灰付着量をいっそう低減
させることができる。また、上記水の噴射は石炭バーナ
ノズルの中央部に位置した、休止の助燃用の油バーナガ
ンとノズルを流用することにより、噴射した水を火炎内
に効率よく均一に拡散させることができ、新たに水噴射
ノズルを設ける必要もなく、設備費が安価となる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施を挙げ、図面を用いてさ
らに詳細に説明する。 <実施例1>図1は、本発明の微粉炭燃焼装置の構成の
一例を示す模式図である。なお、微粉炭バーナおよび燃
焼用空気(c)の供給構成は、図2に示す従来の微粉炭
燃焼装置と全く同一である。また、油バーナおよび油・
蒸気の供給系統の構成もほぼ同一である。相違点は、燃
料の供給系統の構成の一部で水(e)の供給部である。 水(e)は水量調整弁18および水止弁19を経由し、
さらに水逆止弁20を通った後、油(a)管路の油止弁
13の出口側に管路にて連結されている。油の燃焼によ
るウォーミング状態から石炭燃焼に切り換える時、図2
に示す従来技術と同様の弁操作を行う。すなわち、油(
a)は油止弁13が閉となって休止し、パージ蒸気止弁
15の開により油止弁13の下流側の残油がパージされ
た後、パージ蒸気止弁15および蒸気止弁14が閉とな
り、油バーナは休止状態となる。そして、微粉炭(d)
が微粉炭バーナノズル1に供給されて石炭燃焼状態とな
る。微粉炭は、保炎リング11により燃焼用空気と共に
、小さな渦流を形成し燃焼火炎が保炎リング11の部分
から炉内に向かって形成される。ここで、石炭燃焼時に
生じる灰の軟化付着性の強い、いわゆる高スラッギング
性がある場合には、保炎リング11の部分やバーナスロ
ート周囲の水壁管4の部分(管外表面を着火性向上、焼
損防止用のキャスタで覆うこともある)に溶融灰が付着
成長して燃焼状態が不安定になったり、炉内の熱吸収が
悪くなったりする。そこで、このような場合には、水止
弁19を開とし、油フレキシブルホース8、油バーナガ
ン6を通って水(e)を油バーナノズル5より火炎10
内に噴射させる。油バーナノズル5は、油燃焼時に微粉
炭と同一の炉内空間に、ほぼ同一形状の火炎を形成する
ように油バーナノズル5の広がりが配慮されているため
、微粉炭の火炎中に均一に水を分散させるのに非常に都
合が良い。この時、水の噴射量が多過ぎると燃焼が不安
定になったり、あるいは火炎が消えてしまうので、水量
調整弁18の開度を調整してサイトフロー21により流
量を確認しながら、以下に示す点に留意しながら最小流
量とする必要がある。まず、火炎10内に噴射された水
は、火炎の熱によって急激に蒸発し、その時の潜熱によ
って火炎は冷却される。火炎は、噴射された微粉炭の粒
子が燃えているものであるから、微粉炭の粒子も冷却さ
れることになる。つまり、仮に火炎温度が約1300℃
として、投入する微粉炭に対する水の重量比を約20%
とすると、約100〜150℃の火炎温度が低下する。 この結果、微粉炭の燃焼過程において生成した灰の加熱
温度も100〜150℃低下することになり、火炎の冷
却程度によって灰の溶融点以下に制御することができ、
したがって溶融灰の伝熱管等への付着を防止することが
できる。厳密には、火炎全体の温度と微粉炭粒子単体の
温度とは同一ではなく、微粉炭粒子の方が燃焼反応を自
ら行う点で温度は高いものと考えられるが、必ずしも火
炎内の温度を灰の溶融点以下とする必要はなく、スラッ
ギングは炉壁やバーナ構成部品表面近傍を通過する灰が
溶融していて付着するか否かで決まるため、火炎全体の
温度が低下するだけでスラグとしての付着性が弱まるこ
とは明らかである。したがって、水の注入量は炭種によ
り変えるべきで、注入量が多過ぎると大気へ排ガスと共
に放出される水蒸気による熱損失が増加するため、スラ
ッギングを防止できる最少の水量となるように水量調整
弁18にて最適に調節することが好ましい。
らに詳細に説明する。 <実施例1>図1は、本発明の微粉炭燃焼装置の構成の
一例を示す模式図である。なお、微粉炭バーナおよび燃
焼用空気(c)の供給構成は、図2に示す従来の微粉炭
燃焼装置と全く同一である。また、油バーナおよび油・
蒸気の供給系統の構成もほぼ同一である。相違点は、燃
料の供給系統の構成の一部で水(e)の供給部である。 水(e)は水量調整弁18および水止弁19を経由し、
さらに水逆止弁20を通った後、油(a)管路の油止弁
13の出口側に管路にて連結されている。油の燃焼によ
るウォーミング状態から石炭燃焼に切り換える時、図2
に示す従来技術と同様の弁操作を行う。すなわち、油(
a)は油止弁13が閉となって休止し、パージ蒸気止弁
15の開により油止弁13の下流側の残油がパージされ
た後、パージ蒸気止弁15および蒸気止弁14が閉とな
り、油バーナは休止状態となる。そして、微粉炭(d)
が微粉炭バーナノズル1に供給されて石炭燃焼状態とな
る。微粉炭は、保炎リング11により燃焼用空気と共に
、小さな渦流を形成し燃焼火炎が保炎リング11の部分
から炉内に向かって形成される。ここで、石炭燃焼時に
生じる灰の軟化付着性の強い、いわゆる高スラッギング
性がある場合には、保炎リング11の部分やバーナスロ
ート周囲の水壁管4の部分(管外表面を着火性向上、焼
損防止用のキャスタで覆うこともある)に溶融灰が付着
成長して燃焼状態が不安定になったり、炉内の熱吸収が
悪くなったりする。そこで、このような場合には、水止
弁19を開とし、油フレキシブルホース8、油バーナガ
ン6を通って水(e)を油バーナノズル5より火炎10
内に噴射させる。油バーナノズル5は、油燃焼時に微粉
炭と同一の炉内空間に、ほぼ同一形状の火炎を形成する
ように油バーナノズル5の広がりが配慮されているため
、微粉炭の火炎中に均一に水を分散させるのに非常に都
合が良い。この時、水の噴射量が多過ぎると燃焼が不安
定になったり、あるいは火炎が消えてしまうので、水量
調整弁18の開度を調整してサイトフロー21により流
量を確認しながら、以下に示す点に留意しながら最小流
量とする必要がある。まず、火炎10内に噴射された水
は、火炎の熱によって急激に蒸発し、その時の潜熱によ
って火炎は冷却される。火炎は、噴射された微粉炭の粒
子が燃えているものであるから、微粉炭の粒子も冷却さ
れることになる。つまり、仮に火炎温度が約1300℃
として、投入する微粉炭に対する水の重量比を約20%
とすると、約100〜150℃の火炎温度が低下する。 この結果、微粉炭の燃焼過程において生成した灰の加熱
温度も100〜150℃低下することになり、火炎の冷
却程度によって灰の溶融点以下に制御することができ、
したがって溶融灰の伝熱管等への付着を防止することが
できる。厳密には、火炎全体の温度と微粉炭粒子単体の
温度とは同一ではなく、微粉炭粒子の方が燃焼反応を自
ら行う点で温度は高いものと考えられるが、必ずしも火
炎内の温度を灰の溶融点以下とする必要はなく、スラッ
ギングは炉壁やバーナ構成部品表面近傍を通過する灰が
溶融していて付着するか否かで決まるため、火炎全体の
温度が低下するだけでスラグとしての付着性が弱まるこ
とは明らかである。したがって、水の注入量は炭種によ
り変えるべきで、注入量が多過ぎると大気へ排ガスと共
に放出される水蒸気による熱損失が増加するため、スラ
ッギングを防止できる最少の水量となるように水量調整
弁18にて最適に調節することが好ましい。
【0010】次に、燃焼時に重要となるNOxに対して
は、水噴射による火炎温度低下からサーマルNOxは低
下する。さらに、フユエルNOxに対しては、ガス中の
水蒸気分圧が高くなり、石炭粒子中に含まれるNやCと
の反応が活発となるため、水注入なしと比べて温度が低
いにもかかわらず火炎内にNOxの還元剤となるNH3
やCO,HCN等の生成量が増加する。したがって、二
段燃焼や火炎内脱硝を行う低NOxバーナにおいては還
元作用が強化され、より低NOx化をはかることができ
る。また、同時に燃焼時における石炭表面と水蒸気との
反応が活発になることから燃焼率も向上し、火炎温度が
下がるにもかかわらず、ばい塵や煤の少ない高効率燃焼
が達成できる。すなわち、水噴射を行っても燃焼効率は
低下せず、むしろ向上する。また、煤が少ない点から排
ガス中のO2、すなわち燃焼用空気過剰量も低下させる
ことができ、空気の供給用押込みファンや排ガスの誘引
ファン等の動力費の軽減も可能となる。灰の溶融付着防
止には、以上のように水だけで充分であるが、上述のボ
イラの熱損失の増加を少しでも小さく抑えるために、水
中に灰の融点上昇剤(例えば、カオリン系の無機物)を
若干添加することも効果がある。この場合には、石炭の
粒子表面、つまり石炭中の灰表面に到達しないと意味が
ないため、この粒子を含む水を極力火炎内に均一に分散
させる必要がある。つまり、場合によってはクーリング
蒸気弁17の開度をやや大きくし、ノズルからの噴射時
の微粒化を向上させることで、より効果を大きくするこ
とができる。以上のようにして、スラグの生成・成長を
防止することができるばかりでなく、低NOxで高効率
燃焼が同時に達成することができる。
は、水噴射による火炎温度低下からサーマルNOxは低
下する。さらに、フユエルNOxに対しては、ガス中の
水蒸気分圧が高くなり、石炭粒子中に含まれるNやCと
の反応が活発となるため、水注入なしと比べて温度が低
いにもかかわらず火炎内にNOxの還元剤となるNH3
やCO,HCN等の生成量が増加する。したがって、二
段燃焼や火炎内脱硝を行う低NOxバーナにおいては還
元作用が強化され、より低NOx化をはかることができ
る。また、同時に燃焼時における石炭表面と水蒸気との
反応が活発になることから燃焼率も向上し、火炎温度が
下がるにもかかわらず、ばい塵や煤の少ない高効率燃焼
が達成できる。すなわち、水噴射を行っても燃焼効率は
低下せず、むしろ向上する。また、煤が少ない点から排
ガス中のO2、すなわち燃焼用空気過剰量も低下させる
ことができ、空気の供給用押込みファンや排ガスの誘引
ファン等の動力費の軽減も可能となる。灰の溶融付着防
止には、以上のように水だけで充分であるが、上述のボ
イラの熱損失の増加を少しでも小さく抑えるために、水
中に灰の融点上昇剤(例えば、カオリン系の無機物)を
若干添加することも効果がある。この場合には、石炭の
粒子表面、つまり石炭中の灰表面に到達しないと意味が
ないため、この粒子を含む水を極力火炎内に均一に分散
させる必要がある。つまり、場合によってはクーリング
蒸気弁17の開度をやや大きくし、ノズルからの噴射時
の微粒化を向上させることで、より効果を大きくするこ
とができる。以上のようにして、スラグの生成・成長を
防止することができるばかりでなく、低NOxで高効率
燃焼が同時に達成することができる。
【0011】<実施例2>本発明の他の実施例として、
火炎内への水の噴射ノズルとして軽油等の油点火トーチ
を水噴射ノズルに兼用して利用する方法がある。この場
合には、点火トーチが微粉炭バーナノズル1とエアレジ
スタ3との間の円環状の空間より炉内側へ挿着されるケ
ースが多いため、微粉炭バーナノズル中心部ではないの
で火炎内への均一な水噴射が難しいが、点火トーチのノ
ズル噴出孔が中心部にある油バーナノズル5の噴出孔よ
りも小さいため、水を高圧で供給することができるので
噴霧微粒化が良好となる。つまり、水の微細化により火
炎内への均一分散が達成でき、図1に示す実施例と同様
の効果を得ることができる。さらに、この場合において
は点火トーチの水パージ洗浄を連続して行っていること
になり、点火トーチの詰まりやノズルの焼損を防止する
ことができる。つまり、従来の点火トーチは主バーナ火
炎によるノズルの焼損防止のため、点火動作完了後は炉
内から外向に引き抜いているが一般的であるが、本発明
においてはその必要がなくなるという利点がある。
火炎内への水の噴射ノズルとして軽油等の油点火トーチ
を水噴射ノズルに兼用して利用する方法がある。この場
合には、点火トーチが微粉炭バーナノズル1とエアレジ
スタ3との間の円環状の空間より炉内側へ挿着されるケ
ースが多いため、微粉炭バーナノズル中心部ではないの
で火炎内への均一な水噴射が難しいが、点火トーチのノ
ズル噴出孔が中心部にある油バーナノズル5の噴出孔よ
りも小さいため、水を高圧で供給することができるので
噴霧微粒化が良好となる。つまり、水の微細化により火
炎内への均一分散が達成でき、図1に示す実施例と同様
の効果を得ることができる。さらに、この場合において
は点火トーチの水パージ洗浄を連続して行っていること
になり、点火トーチの詰まりやノズルの焼損を防止する
ことができる。つまり、従来の点火トーチは主バーナ火
炎によるノズルの焼損防止のため、点火動作完了後は炉
内から外向に引き抜いているが一般的であるが、本発明
においてはその必要がなくなるという利点がある。
【0012】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の微
粉炭燃焼法によれば、水噴射ノズルまたは助燃バーナノ
ズルを兼用した水噴射ノズルから水を微粉炭火炎内に噴
射させることにより、以下に示す優れた効果が得られる
。■石炭中の灰の伝熱管やバーナ部へのスラッギングを
防止することができる。■低NOx・高効率燃焼が同時
に達成できる。■ボイラの改造を行うことなしに、高ス
ラッギング性の石炭を燃焼させることができるため、炭
種の拡大に対する適応性が向上し、混炭設備等の原炭供
給側の設備費の軽減も可能である。■新設ボイラの設計
に対して、火炉内熱負荷を小さくする必要がなくなるた
め、 火炉サイズがコンパクトとなり経済的なボ
イラ構造にすることができる。■低ばい塵・低未燃分(
煤)とすることができ、燃焼用空気(排ガス中のO2)
の低減をはかることができファン類の設備費、
動力費の低減が可能となり経 済性が向上する。
粉炭燃焼法によれば、水噴射ノズルまたは助燃バーナノ
ズルを兼用した水噴射ノズルから水を微粉炭火炎内に噴
射させることにより、以下に示す優れた効果が得られる
。■石炭中の灰の伝熱管やバーナ部へのスラッギングを
防止することができる。■低NOx・高効率燃焼が同時
に達成できる。■ボイラの改造を行うことなしに、高ス
ラッギング性の石炭を燃焼させることができるため、炭
種の拡大に対する適応性が向上し、混炭設備等の原炭供
給側の設備費の軽減も可能である。■新設ボイラの設計
に対して、火炉内熱負荷を小さくする必要がなくなるた
め、 火炉サイズがコンパクトとなり経済的なボ
イラ構造にすることができる。■低ばい塵・低未燃分(
煤)とすることができ、燃焼用空気(排ガス中のO2)
の低減をはかることができファン類の設備費、
動力費の低減が可能となり経 済性が向上する。
【図1】図1は本発明の実施例において例示した微粉炭
燃焼装置の構成を示す模式図。
燃焼装置の構成を示す模式図。
【図2】図2は従来の微粉炭燃焼装置の構成の一例を示
す模式図。
す模式図。
1…微粉炭バーナノズル
2…風箱
3…エアレジスタ
4…水壁管
5…油バーナノズル
6…油バーナガン
7…カップリング
8…油フレキシブルホース
9…蒸気フレキシブルホース
10…火炎
11…保炎リング
12…スラグ
13…油止弁
14…蒸気止弁
15…パージ蒸気止弁
16…パージ蒸気逆止弁
17…クーリング蒸気弁
18…水量調整弁
19…水止弁
20…水逆止弁
21…サイトフロー
Claims (5)
- 【請求項1】微粉炭バーナから微粉炭を火炉に供給して
浮遊燃焼させる微粉炭燃焼方法において、微粉炭バーナ
ノズルの中心部近傍もしくは微粉炭バーナの燃焼用空気
供給ポート内に、水を噴射させる水噴射ノズルを設置し
て微粉炭燃焼火炎内に水を噴霧拡散させ、低NOxおよ
び低スラッギング燃焼を行うことを特徴とする微粉炭燃
焼法。 - 【請求項2】請求項1において、水噴射ノズルから噴射
させる水中に、微粉炭の燃焼により生成する灰の軟化・
溶融点を上昇させる作用を持つ薬剤を添加することを特
徴とする微粉炭燃焼法。 - 【請求項3】微粉炭を火炉内に供給して浮遊燃焼させる
微粉炭バーナノズルと、上記微粉炭バーナ火炎の中に、
水、または微粉炭燃焼により生成する灰の軟化・溶融点
を上昇させる薬剤を添加した水を噴射させる水噴射ノズ
ルを配設したことを特徴とする微粉炭燃焼装置。 - 【請求項4】微粉炭を火炉内に供給して浮遊燃焼させる
微粉炭バーナノズルと、油もしくは他の助燃可能な燃料
を燃焼させる助燃バーナノズルを備えた微粉炭燃焼装置
において、上記助燃バーナの管路の一部に、水、または
灰の軟化・溶融点を上昇させる薬剤を添加した水を導入
する管路を接続し、上記助燃バーナノズルを水噴射ノズ
ルに兼用できる管路構成とすることを特徴とする微粉炭
燃焼装置。 - 【請求項5】請求項4において、助燃バーナノズルと水
噴射ノズルとを兼用する管路は、助燃料供給管路に設け
られている油止弁の下流側に、水を導入する管路を接続
した構成とすることを特徴とする微粉炭燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4682191A JPH04283302A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 微粉炭燃焼法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4682191A JPH04283302A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 微粉炭燃焼法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04283302A true JPH04283302A (ja) | 1992-10-08 |
Family
ID=12758003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4682191A Pending JPH04283302A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 微粉炭燃焼法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04283302A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010235822A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Taihokohzai:Kk | 石炭用スラッギング防止剤及び石炭の燃焼方法 |
JP2015081703A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 中国電力株式会社 | 石炭灰生成割合制御方法 |
JP2017166706A (ja) * | 2016-03-14 | 2017-09-21 | サントイ株式会社 | 動物火葬用設備及び動物火葬用設備における燃焼温度の制御方法 |
-
1991
- 1991-03-12 JP JP4682191A patent/JPH04283302A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010235822A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Taihokohzai:Kk | 石炭用スラッギング防止剤及び石炭の燃焼方法 |
JP2015081703A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 中国電力株式会社 | 石炭灰生成割合制御方法 |
JP2017166706A (ja) * | 2016-03-14 | 2017-09-21 | サントイ株式会社 | 動物火葬用設備及び動物火葬用設備における燃焼温度の制御方法 |
KR20170106929A (ko) * | 2016-03-14 | 2017-09-22 | 산토이 가부시키가이샤 | 동물화장용 설비 및 동물화장용 설비에 있어서의 연소온도의 제어방법 |
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