JPH04282279A - インパクトドットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインパクトドットプリン
タに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にインパクトドットプリンタは、印
字ワイヤを駆動することによって印字紙面上のインクリ
ボンを介して印字ワイヤ端部を衝突させドットを形成す
ることによって印字を行なう。

【０００３】インパクトドットプリンタ用のインクリボ
ンの構成としては２種類に大別され、合成繊維の基布に
インクを含浸させたファブリックリボンと、プラスチッ
ク製のフィルム状シート（以下ベースフィルムと呼ぶ）
にインクを塗布したフィルムリボンがある。ファブリッ
クリボンは基布に含浸されたインクのうち印字に使用さ
れなかったインクが印字によりインクが転写された部分
に毛細管現象により拡がるため繰り返し使用することが
できる反面、基布は１００μｍ以上の厚みを持ちインク
は流動性を有するため輪郭がぼやけ印字品質は良好でな
い。これに対し、フィルムリボンは流動性の少ない顔料
系のインクを用い、ベースフィルムは数十μｍ以下の薄
いものが使われ、輪郭の鮮明な印字を行なえる。

【０００４】このため近年、高印字品質を要求されるよ
うなインパクトドットプリンタではフィルムリボンを採
用しているものが多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
ムリボンはその特徴である輪郭の鮮明な印字を得るため
にベースフィルム厚を極力薄くしなくてはならず、結果
として印字ワイヤによる印字力によって印字ワイヤがベ
ースフィルムを突き破り、ドット抜けを生ずるという問
題点を有していた。

【０００６】本発明は従来のこのような問題点を解決す
るもので、フィルムリボン使用時においてもフィルムリ
ボン破れに起因するドット抜けのない、優れた印字品質
が得られるインパクトドットプリンタを提供するところ
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明のインパクトドットプリンタは、フィルム状の
基材にインクを塗布したインクリボンを有するインパク
トドットプリンタにおいて、印字時に前記インクリボン
と紙面とのなす角度が１０°以下となるようなリボン走
行経路としたことを特徴とする。

【０００８】また、印字ワイヤを摺動自在に支持する先
端ガイドと、該先端ガイドを保持するノーズを有し、前
記インクリボンを前記ノーズにより支持するインパクト
ドットヘッドを有するインパクトドットプリンタにおい
て、印字時に前記インクリボンと紙面のなす角度が１０
°以下となるように前記ノーズのインクリボン走行方向
の長さを設定したことを特徴とする。

【０００９】また、フィルム状の基材にインクを塗布し
たインクリボンと、布状の基布にインクを含浸させたイ
ンクリボンとを有し、２種類のインクリボンを使い分け
るインパクトドットプリンタにおいて、前記印字紙を支
持するプラテンと前記印字ワイヤ先端との空隙寸法を、
布状インクリボン使用時に比べフィルム状インクリボン
使用時に小さくなるように設定し、印字時の前記フィル
ム状インクリボンと紙面のなす角度を１０°以下とした
ことを特徴とする。

【００１０】また、インパクトドットヘッドを搭載し印
字桁方向に移動するキャリッジに突起部を設け、印字時
に前記インクリボンと紙面のなす角度が１０°以下とな
るように前記突起部でインクリボンを支持したことを特
徴とする。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明する
。図１は本発明のインパクトドットヘッドを用いたイン
パクトドットプリンタの平面図である。キャリッジ１に
搭載された印字ヘッド２はプラテン３上の印字紙４に向
かって印字ワイヤ８を突出させ、フィルムリボン５に塗
布されたインクを印字紙４に転写して文字や図形を構成
する。

【００１２】フィルムリボン５はリボンカートリッジ６
に収納されており、引き出されたフィルムリボン５は印
字ワイヤ８先端に接触しながら通過し、リボンカートリ
ッジ６に戻るという経路をたどる。ここで、フィルムリ
ボン５が余分に引き出され、走行中にたるんで印字不良
を起こすことのないようフィルムリボン５の引出し側は
板バネ等によりブレーキ力を与える構造となっている。 印字時にはブレーキ力に抗して、印字ワイヤ８の印字力
によりフィルムリボン５がリボンカートリッジ６から引
き出され印字紙４上にドットを形成するが、図２に示し
たようにフィルムリボン５をリボンカートリッジ６から
引き出すのに必要な力（以下、リボン引出し力Ｆと呼ぶ
）の印字ワイヤ８突出方向の分力ａが大きい場合フィル
ムリボン破れが発生し、ドット抜けに至る。フィルムリ
ボン５が印字紙４に到達した際、印字紙４とフィルムリ
ボン５のなす角度をθとすると分力ａはａ＝Ｆｓｉｎθ
で表わされ、Ｆを一定としたとき、θが大きいほど分力
ａは大きくなりフィルム破れは発生しやすくなる傾向が
ある。

【００１３】そこで角度θとフィルム破れの発生率の特
性をフィルムリボンの引出し力Ｆおよびフィルムリボン
のベース厚ｔというパラメータについて調べた。図３は
パラメータをフィルムリボンの引出し力Ｆとした場合、
図４はパラメータをフィルムリボンのベース厚ｔとした
場合での角度θとフィルム破れの発生率の関係を示すグ
ラフである。ここで図３における試験条件としてはフィ
ルムリボン５は現在において印字品質が最も優れ、一方
破れに対しては弱い性質を持つベースフィルム厚が５μ
ｍの極薄ＰＥＴよりなるものを使用した。試験環境温度
はベースフィルムの性質上、弾性が低下し破れやすくな
る５℃の低温環境とし、印字ヘッド２の印字ワイヤ８径
は漢字プリンタの主流である０．２ｍｍ品で、１億スト
ローク印字後の印字ワイヤ先端が尖ったものを使用した
。リボン送りスピードは、印字ドットのかすれがない範
囲でできるだけ遅くしランニングコストを抑える必要か
ら、連続印字時に１／２ドット重なる印字痕がベースフ
ィルムにつくような標準的な送りスピードとした。リボ
ンの引出し力はリボンカートリッジ内のブレーキ板バネ
のバネ力を変えて１０、２０、３０、４０ｇｆの４水準
について罫線印字を行ない、総印字ライン数に対する破
れ発生ライン数を調べ、フィルム破れ発生率とした。 また、図５に示すようにノーズ７先端に斜線部で表した
アダプタを取り付け、アダプタをプラテンに対して近づ
けたり遠ざけたりすることで角度θを可変した。

【００１４】図３より角度θとフィルム破れ発生率の傾
向として、角度θの増加に伴ってフィルム破れ発生率は
増加しており、またリボン引出し力が大きいほどフィル
ム破れ発生率が高くなっている。ここでフィルムリボン
の引出し力が１０ｇｆの場合、印字汚れが発生し、２０
ｇｆ以上は印字汚れが発生しなかった。これは、フィル
ムリボンの引出し力、即ちリボンに作用するブレーキ力
が不足したため印字時の衝撃力によって余分にフィルム
リボンが引き出され、たるんだフィルムリボンが紙面上
に引きずられたためである。従ってリボン引出し力は２
０ｇｆ以上必要であり、２０ｇｆ時を基準として用いた
。

【００１５】図４はリボン引出し力Ｆを２０ｇｆとし、
ベースフィルム厚５、１０、１５μｍの３水準について
角度θとフィルムリボン破れ発生率の特性を示すもので
、傾向としてはベースフィルム厚ｔが薄いほどフィルム
破れ発生率は高くなっている。高品位印字用フィルムリ
ボンは印字ワイヤの輪郭をそのまま印字ドットとして紙
面上に印字できることが理想であり、ベースフィルム厚
が厚いと輪郭がぼやけやすくなることから、一般にベー
スフィルム厚ｔは５μｍ以下が好ましい。

【００１６】以上から、印字ドットの輪郭が鮮明な高品
位印字用フィルムリボン使用時に、フィルムリボン破れ
に起因するドット抜けのない、優れた印字品質が得られ
るインパクトドットプリンタを実現するためには、印字
時にフィルムリボンと紙面のなす角度θが１０゜以下に
設定すればよい。

【００１７】従って以下に印字紙４とフィルムリボン５
のなす角度を１０°以下にする実施例を示す。

【００１８】図２はフィルムリボン５を印字ヘッド２の
ノーズ７先端部で案内し、角度θを１０°以下となるよ
うノーズ７のリボン走行方向の幅寸法を大きくした実施
例である。寸法の具体例を示すと、例えばノーズ７の先
端部のリボン走行方向の幅寸法は７．５ｍｍであり、印
字ワイヤは１２本づつ２列に配置されている。各々の印
字ワイヤ列は印字ヘッドの中心線から１．１９ｍｍ偏さ
れた位置にあるためノーズ７先端のエッジ部からは２．
５６ｍｍの位置にあることになる。印字ワイヤ８先端か
らプラテン３までの距離（以下、プラテンギャップと呼
ぶ。）を０．４５ｍｍとするとインクリボン５と印字紙
４のなす角度θは１０．０°となるので、フィルムリボ
ン使用時において、フィルム破れに起因するドット抜け
のない優れた印字品質が得られるインパクトドットプリ
ンタが可能となる。

【００１９】図６の実施例は上述の実施例でノーズ７全
体を幅広としたのに対してノーズ７の先端部のみを幅広
としているためフィルム破れに起因するドット抜けのな
い優れた印字品質が得られるばかりでなく、軽量化でき
キャリッジ１の大きさを小さくできる。よって、キャリ
ッジを駆動するキャリッジモータのトルクが小さくでき
るため小型のモータでよく、電源部も小型化できるため
プリンタ全体の小型化、軽量化が可能になる。

【００２０】図７はノーズ７の代わりに先端ガイド９を
幅広とした実施例であり、前述のノーズ７先端部のみを
幅広とした場合と同様にフィルム破れに起因するドット
抜けのない優れた印字品質が得られるばかりでなく、先
端ガイドの材質を耐摩耗性の材料、例えばセラミックス
にすることでリボン案内部のリボン摺動に起因する摩耗
を低減することができ、長期の使用においてもフィルム
破れに起因するドット抜けのない優れた印字品質が得ら
れる。

【００２１】図８はキャリッジ１にフィルムリボン案内
用の突起１０を設けフィルムリボン５を案内する方式で
の実施例を示す。突起１０は角度θが１０°以下になる
よう印字紙に近接する位置に設けたので、フィルムリボ
ン破れに起因するドット抜けのない優れた印字品質が得
られる。本実施例では突起１０は円柱状のピンであるが
フィルムリボン５が上下方向にずれないようにピンの上
下にフランジを設けたり、リボン走行部中心部が小径と
なるようにピンの上下径をテーパ状に太くしたりするこ
とでリボンの走行安定性を向上させる効果も得られる。

【００２２】次に、フィルムリボン使用時に角度θが１
０°以下となるようにプラテンギャップを狭める実施例
について説明する。ファブリックリボンを併用する場合
、ファブリックリボンは構成上フィルムリボンに比べ厚
くなっており、プラテンギャップが狭いと紙面にリボン
が接触してしまい印字汚れが発生する。このためプラテ
ンギャップはリボンによってファブリックリボン使用時
は広く、フィルムリボン使用時は狭くというように切り
換える必要がある。図９は本実施例を示すブロック図で
、リボン種類検出手段１１は、電源投入時のリセット信
号かプリンタカバーオープン信号かのいずれかを受け、
リボン種類の検出を行なう。リボン種類の検出結果はプ
ラテンギャップ制御手段１２に送られ、キャリッジモー
タ１３を駆動してプラテンギャップをリボン種類に応じ
て可変する。

【００２３】図１０にプラテンギャップ可変機構の例を
示す。印字ヘッド２を搭載したキャリッジ１は偏心キャ
リッジガイド軸１４により桁方向に移動可能となってお
り、偏心キャリッジガイド軸１４はサイドフレーム１５
、１６にあけられた貫通穴に回転のみ可能な状態で支持
されている。前記偏心キャリッジガイド軸１４の左端に
はプラテンギャップ調整ギヤ１７が固定されており、駆
動ギヤ１８および伝達ギヤ１９を介してキャリッジモー
タ１３により回転する。依って前記キャリッジモータ１
３が正逆転すると、偏心キャリッジガイド軸１４は駆動
ギヤ１８、伝達ギヤ１９およびプラテンギャップ調整ギ
ヤ２０を介して正逆転し、前記偏心キャリッジガイド軸
１４の偏心作用により前後に移動する。プラテンギャッ
プ調整ギヤ２０の側面には基準位置検出部材２１が固定
されている。また、サイドフレーム１５の側面には投光
素子と受光素子を備えたフォトセンサ２２が設置され、
プラテンギャップの位置を検出する。電源投入時のリセ
ット信号かプリンタカバーオープン信号かのいずれかの
信号を受信すると、リボン種類検出手段１１がリボン種
類の検出を行ない、フィルムリボンであるかファブリッ
クリボンであるかの判定をし、フィルムリボン・ファブ
リックリボンの各々に対応して、キャリッジ１がプラテ
ン３に対して移動すべき距離をキャリッジモータ１３の
回転角の信号として出力し、キャリッジモータ１３を駆
動させ偏心キャリッジガイド軸１４を回転させて所定の
プラテンギャップに設定する。リボン種類検出手段とし
ては、リボンカートリッジ６にフィルムリボンとファブ
リックリボンの識別用の凹凸を設けておき、マイクロス
イッチやフォトセンサ等で検知する。

【００２４】従って、ファブリックリボン使用時にプラ
テンギャップを広げることにより印字汚れがなく、フィ
ルムリボン使用時にプラテンギャップを狭めフィルムリ
ボンと紙面のなす角度を１０°以下とすることでリボン
破れに起因するドット抜けのない優れた印字品質のイン
パクトドットプリンタが実現できる。

【００２５】以上キャリッジ１にリボンカートリッジ６
が搭載される方式を例に説明したが、リボンカートリッ
ジがプリンタ本体に固定される方式であっても適用でき
ることは明白である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば印
字時に印字ワイヤがフィルムリボンを印字紙に向かって
突き出した時、印字紙とフィルムリボンのなす角度が１
０°以下となるようにしたので、リボンたるみが生じな
い充分なリボン引出し力を維持しつつ、リボン破れによ
るドット抜けの発生しない高印字品質のインパクトドッ
トプリンタが実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインパクトドットプリンタの平面図。

【図２】本発明のインパクトドットプリンタの印字ヘッ
ドのリボン係合部を示す平面図。

【図３】リボン引出し力Ｆに対するフィルムリボンの破
れ発生率の特性を示す図。

【図４】ベースフィルム厚ｔに対するフィルムリボンの
破れ発生率の特性を示す図。

【図５】リボン破れ特性の実験装置を示す平面図。

【図６】本発明のインパクトドットプリンタの第２の実
施例を示す印字ヘッド斜視図。

【図７】本発明のインパクトドットプリンタの第３の実
施例を示す印字ヘッド斜視図。

【図８】本発明のインパクトドットプリンタの第４の実
施例を示すキャリッジ部斜視図。

【図９】本発明のインパクトドットプリンタの第５の実
施例を示すブロック図。

【図１０】本発明のインパクトドットプリンタの第５の
実施例を示すプラテンギャップ可変機構部平面図。

【符号の説明】

１　　キャリッジ ２　　印字ヘッド ３　　プラテン ４　　印字紙 ５　　フィルムリボン ６　　リボンカートリッジ ７　　ノーズ ８　　印字ワイヤ ９　　先端ガイド １０　　突起 １１　　リボン種類検出手段 １２　　プラテンギャップ制御手段 １３　　キャリッジモータ １４　　偏心キャリッジガイド軸 １５　　サイドフレーム １６　　サイドフレーム １７　　プラテンギャップ調整ギヤ １８　　駆動ギヤ １９　　伝達ギヤ ２０　　プラテンギャップ調整ギヤ ２１　　基準位置検出部材 ２２　　フォトセンサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　フィルム状の基材にインクを塗布したイ
   ンクリボンを有するインパクトドットプリンタにおいて
   、印字時に前記インクリボンと紙面とのなす角度が１０
   °以下となるようなリボン走行経路としたことを特徴と
   するインパクトドットプリンタ。
2. 【請求項２】　印字ワイヤを摺動自在に支持する先端ガ
   イドと、該先端ガイドを保持するノーズを有し、前記イ
   ンクリボンを前記ノーズにより支持するインパクトドッ
   トヘッドを有するインパクトドットプリンタにおいて、
   印字時に前記インクリボンと紙面のなす角度が１０°以
   下となるように前記ノーズのインクリボン走行方向の長
   さを設定したことを特徴とする請求項１記載のインパク
   トドットプリンタ。
3. 【請求項３】　フィルム状の基材にインクを塗布したイ
   ンクリボンと、布状の基布にインクを含浸させたインク
   リボンとを有し、２種類のインクリボンを使い分けるイ
   ンパクトドットプリンタにおいて、前記印字紙を支持す
   るプラテンと前記印字ワイヤ先端との空隙寸法を、布状
   インクリボン使用時に比べフィルム状インクリボン使用
   時に小さくなるように設定し、印字時の前記フィルム状
   インクリボンと紙面のなす角度を１０°以下としたこと
   を特徴とする請求項１記載のインパクトドットプリンタ
   。
4. 【請求項４】　インパクトドットヘッドを搭載し印字桁
   方向に移動するキャリッジに突起部を設け、印字時に前
   記インクリボンと紙面のなす角度が１０°以下となるよ
   うに前記突起部でインクリボンを支持したことを特徴と
   する請求項１記載のインパクトドットプリンタ。