JPH0428202B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、射出成形機等に用いる型締装置とし
て、装置全体のよりコンパクト化とシンプル化と
を可能としたものに関する。

（従来の技術） 横型射出成形機等に用いる型締装置として、従
来は固定金型を支持する固定プラテンと、型締シ
リンダを支持するシリンダプラテンとを複数本の
タイロツドによつて連結し、型締シリンダにおけ
るラムにエジエクタシリンダを内蔵させるととも
に、同ラムに移動金型を支持する移動盤を連結
し、移動盤をタイロツドに摺動可能に保持させ、
型の開閉、型締を行つていたのであるが、かかる
直圧型における機械重量の大型化、据付面積の大
を避け、近来は移動金型を支持する移動盤を型開
閉用シリンダで行い、移動盤を強圧して型締を行
う型締シリンダを別箇に設ける方式が用いられて
おり、かかる分割方式の１つとして例えば特公昭
51−29865号、同昭51−29978号がある。

即ち特公昭51−29865号に開示されたものは、
その詳細は同号公報記載に譲るが、第４図乃至第
６図に亘つて示されるように、固定金型３１を支
持するとともに型締シリンダ３５を有する固定ダ
イプレート３０と、移動金型３３を支持するとと
もに摺動可能なロツクナツト４１を設けた移動ダ
イプレート３２と、一端を前記型締シリンダ３５
内で作動するピストン３６に形成しそのほぼ中央
部に溝３９を設けるとともに支持プレート４２に
他端を連結して前記移動プレート３２を案内する
タイバ３４と、同タイバ３４の溝３９に取付けた
ストツプリング４０と、前記移動ダイプレート３
２を前記固定ダイプレート３０に接近あるいは後
退可能にすべくピストンロツド３８を移動ダイプ
レート３２に連結し、シリンダを固定ダイプレー
ト３０に取付けたブーストシリンダ３７とから成
り、型締に当り先ずブーストシリンダ３７を作動
して前記移動ダイプレート３２を前記固定ダイプ
レート３０に接近させ、その移動中に、前記移動
ダイプレート３２は前記ストツプリング４０に衝
合することによりタイバ３４とともに移動し、こ
の移動中に前記ロツクナイト４１を前記タイバ３
４に噛合させて移動ダイプレート３２とタイバ３
４とを係合させるようにしたものであり、型開閉
用のブーストシリンダ３７のストローク途中にお
いて移動ダイプレート３２をタイバ３４に係合さ
せるためのロツクナイト４１を前進させ、ブース
トシリンダ３７のストローク終了時には移動ダイ
プレート３２をタイバ３４と完全に係合させ、直
ちに型締シリンダ３５を作動させ、連続型締動作
を中断なく行わせ、その生産性を高めるようにし
たものであり、また特公昭51−29978号に開示さ
れたものは、第７図に示されるように、第４図乃
至第５図において示されたタイバ３４を連結した
支持プレート４２に、移動ダイプレート３２より
突出した移動用軸４３を貫通させ、該軸４３に溝
３９およびストツプリング４０を設けたものであ
る。

（発明が解決しようとする課題） 上記した従来例による型開閉用ブーストシリン
ダ３７と型締シリンダ３５により分割シリンダ型
式のものは、直圧型式のものに比し、コンパクト
化およびシンプル化において改善されたものでは
あるが、機構的には次の点において尚問題点が残
る。

即ちタイロツド（タイバ）３４を型締シリンダ
３５のピストンロツドとして兼用させているため
に、タイロツドのための支持プレート４２が別箇
に必要とされ、結局タイロツド上には従来の直圧
型と同様に固定ダイプレート３０、移動ダイプレ
ート３２および支持プレート４２の３枚のプラテ
ン乃至プレート構造物が存在することとなつて、
重量軽減、小型化の上で尚問題が残るとともに、
型締シリンダ３５も従来の分割方式のものより大
ストロークが必要とされるのみならず、タイロツ
ドの移動は荷重下に行われることになつて、荷重
の不均一を生じ易く、タイロツドの長大化ととも
に折損や歪曲事故を生じ易いおそれもある。

またタイロツドのロツクを移動ダイプレート３
２側で行うために、移動ダイプレート側の必要構
造が複雑化するのみならず、可動部分が長大化
し、メンテナンス上の不利を招来し、固定ダイプ
レート３０および移動ダイプレート３２に取付け
る金型３１，３３においても、タイロツド内寸法
のみに制約されるし、タイロツドの抜取りは不可
能である等の不利があり、型締装置全体のよりコ
ンパクト化とシンプル化、操作、取扱いの点にお
いて尚改善の余地が存するのである。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記の諸問題を解決し、かかる分割シ
リンダ型式における型締装置の、よりコンパクト
化とシンプル化とを実現するために、重量構造物
としては固定金型を支持する固定盤と、移動金型
を支持する移動盤のみとし、タイロツドを移動盤
に一体化するとともに、必要な進退可動並びにロ
ツク構造を固定盤側に集約配置するようにしたも
のであり、具体的には、 固定金型１２を支持した固定盤２と、前記固定
金型１２に対向する移動金型１３を支持している
とともに型開閉シリンダ９を介して前記固定盤２
に対して移動可能に設けた移動盤１と、型合せし
た両金型１２，１３に型締力を付与する型締シリ
ンダ７と、を備えている型締装置において、前記
型締シリンダ７は流体圧で型締方向に進退するラ
ム６を有して前記固定盤２に備えられ、前記移動
盤１に固定したタイロツド３を前記ラム６の軸心
上で前記固定盤２を摺動自在に貫挿して設け、前
記ラム６の型締力をタイロツド３を介して移動金
型１３に伝えかつ両金型１２，１３の型締状態で
ラム６とタイロツド３との相対移動を阻止するロ
ツク部材５を備えていることを第１の特徴とす
る。

また、本発明は、固定金型１２を支持した固定
盤２と、前記固定金型１２に対向する移動金型１
３を支持しているとともに型開閉シリンダ９を介
して前記固定盤２に対して移動可能に設けた移動
盤１と、型合せした両金型１２，１３に型締力を
付与する型締シリンダ７と、を備えている型締装
置において、前記型締シリンダ７は流体圧で型締
方向に進退するラム６を有して前記固定盤２に備
えられ、前記移動盤１に固定したタイロツド３を
前記ラム６の軸心上で前記固定盤２を摺動自在に
貫挿して設け、前記ラム６の型締力をタイロツド
３を介して移動金型１３に伝えかつ両金型１２，
１３の型締状態でラム６とタイロツド３との相対
移動を阻止するロツク部材５を備え、該ロツク部
材５と前記ラム６との間にロツクプレート８を設
け、前記移動盤１に固定した同調バー１０を前記
ロツクプレート８に摺動自在に貫挿して設け、前
記ロツクプレート８とその係合位置可調整に係止
される係止カラー１１を備えていることを第２の
特徴とする。

（作用） 本発明の前記した技術的手段によれば、第１図
に示すように、ベースフレーム４に固定金型１２
を支持する固定盤２を設けるとともに、同フレー
ム４に前記固定金型１２と対向する移動金型１３
を支持する移動盤１を、型開閉シリンダ９のピス
トンロツド９ａに連結することによつて、固定盤
２に対して移動可能に設け、同移動盤１の等方位
置に列設した複数本のタイロツド３を前記固定盤
２に貫挿するとともに、前記各タイロツド３を同
心に囲んで型締シリンダ７を固定盤２に設置し、
同型締シリンダ７の進退ラム６を移動させるとと
もに、前記タイロツド３の外周面に形成したネジ
その他による係合部１４に系脱可能に係合される
ハーフナツト等のロツク部材５を設け、また、前
記移動盤１にタイロツド３と平行に突設した同調
バー１０を前記ロツクプレート８に摺動可能に貫
挿され、同バー１０に前記ロツクプレート８に衝
当して係止されるカラー１１を、バー１０の周面
に形成した複数個の係止溝１５の何れかに係止さ
せることによつて、以下のようにしてその型締が
行われることになる。即ち第１図は両金型１２，
１３が開放状態であり、固定の金型１２に対し移
動金型１３は型開閉シリンダ９によつて最後退位
置に止められている。型閉合に当つては、第１図
状態から型開閉シリンダ９を作動して移動盤１を
固定盤２に寄せるのであり、このさいタイロツド
３および同調バー１０はそれぞれ固定盤２、ロツ
クプレート８およびロツクプレート８を自由に貫
挿移動し、第２図に示すように同調バー１０のカ
ラー１１がロツクプレート８に係合し、固定盤２
の固定金型１２の端面に移動盤１の移動金型１３
の端面が密着するまで、ロツクプレート８を同行
押動することになり、第３図に示すように両金型
が密着閉合した状態で、ロツク部材５を移動させ
てタイロツド３の係合部１４に係止させてから、
固定盤２における型締シリンダ７のラム６のヘツ
ド側に圧油等の加圧流体を供給することにより、
型締力を発生するのである。両金型１２，１３の
開放に当つては、第３図状態からロツク部材５の
シリンダ３に対するロツクを解除して後、型締シ
リンダ７のラム６のテーブル側へ圧油を供給する
ことにより、移動金型１３は固定金型１２から若
干開放されるので、以後は型開閉シリンダ９によ
つて移動盤１、移動金型１３を第１図状態に復動
させて完全な開放状態とするのである。以上のよ
うにして型開閉シリンダ９、型締シリンダ７によ
る型開閉および型締が従来と同様に得られるが、
本発明においてはタイロツド３を移動盤１に一体
に設けるとともに、これを単に固定盤２側に摺動
可能に貫挿させ、固定盤２側に型締シリンダ７、
その進退ラム６′と一体でかつロツク部材５を具
備したロツクプレート８を設け、主要な型締機構
を固定盤側に集約させたので、装置全体は従来の
直圧型や第４図乃至第７図に亘つて示したものよ
りも、更に顕著にコンパクト化され、シンプルな
構造が得られるものである。

（実施例） 本発明による型締装置の適切な実施例を第１図
乃至第３図に亘つて説示する。ベースフレーム４
の一端に固定される固定盤２の一面には固定金型
１２が取付けられ、これに対し移動金型１３の取
付けられる移動盤１は、前記フレーム４の他端側
に図示省略してあるが、適宜のスライドガイド構
造を介し、固定盤２に向かつて直進進退可能に架
装され、移動盤１にはフレーム４または固定盤２
に設置された型開閉シリンダ９のピストンロツド
９ａが連結される。同移動盤１における金型取付
面側には、例えば金型１３を囲んで４隅等の等分
位置に４本のタイロツド３が、そのロツド一端を
固定することによつて各平行に突設され、各タイ
ロツド３の中途にはネジまたは溝等によるロツク
用係合部１４が外周面に沿つて形成されるととも
に、同ロツドの自由な他端は前記した固定盤２の
挿通孔１６を介して摺動可能に貫挿されるのであ
る。このタイロツド３を囲んで同心のかつ環筒状
の型締シリンダ７が固定盤２内に設置されるとと
もに、同シリンダ７の進退ラム６が同じく環筒状
に形成され、この進退ラム６のテール側は同シリ
ンダ７から固定盤２の反金型面側に進退可能に貫
挿され、各ラム６の突出端は共通のロツクプレー
ト８に一体化されるのである。同ブレート８は固
定盤２と平行であるとともに、ラム６の反取付面
側には同プレート８を摺動可能に貫挿するタイロ
ツド３を囲んで、同ロツド３のロツク用係合部１
４に係脱可能に係合してロツクするための、例え
ば既知のハーフナツト等のロツク部材５が、同ロ
ツド３に向つて可動的に設けられるのである。更
にこのロツクプレート８には、前記移動盤１側に
一端を固定した同調バー１０が摺動可能に貫挿さ
れ、同調バー１０には複数個の係止溝１５が適宜
間隔下に列設され、金型厚さに対応してその何れ
かの係止溝１５に選択係止できるように、係脱可
能なカラー１１が取付けられるのであり、これら
ロツク部材５がタイロツド３の係合部１４と噛み
合う位置を決定する同調装置であり、このさいタ
イロツド３における係合部１４とロツク部材５の
構造およびカラー１１の可調整取付構造は、図例
以外の構造も採用可能であり、また、前記実施例
においては、型締シリンダ７を固定盤２内に設け
たものを示したが、型締シリンダ７は、固定盤に
突出させて設けても良いことはいうまでもない。
そして、上記した実施例構造によつて、先に作用
の項で説示した一連の型開閉および型締動作が円
滑に行われる。

（発明の効果） 本発明の型締装置は、図示実施例においても明
らかなように、ベースフレーム４上において重量
構造物としての固定盤２および移動盤１の２枚の
みを用い、移動盤１に固定したタイロツド３を固
定盤２側に貫挿するフリーなロツド構造とし、固
定盤２側にタイロツド３を囲んで同心のかつ進退
ラム６を具備する型締シリンダ７、型開閉シリン
ダ９を設け、また、更には前記進退ラム６と一体
とロツクプレート８を集中的に設置し、移動盤１
の同調バー１０をロツクプレート８に係脱同行可
能としたので、先に述べた従来の固定プラテン、
シリンダプラテンおよび移動盤による直圧式のも
のに比べては、２枚プレート構造として型締部長
さを半減させ、型締シリンダを著しく小型化し、
作動油量や電力消費等を大幅に低減し、装置の軽
量、小型化において著しく有利化されるのみなら
ず、先に第４図乃至第７図に亘つて説示した分割
２シリンダ方式のものに比べても、このコンパク
ト化とシンプル化の点で有利である。即ち、従来
の分割２シリンダ方式のものでは、タイロツドを
型締シリンダのピストンロツドとして兼用させ、
その移動盤側においてタイロツドのロツク操作を
行うようにしているのであり、このためタイロツ
ド荷重の不均一、荷重下におけるタイロツドの移
動、またタイロツド折損事故等の諸点において不
利を生じ、移動盤側の構造の複雑化、移動盤重量
の大と大型化の点においても不利を生じ易いので
ある。これに反し本発明ではタイロツド３をピス
トンロツドとして用いないことによつてタイロツ
ド荷重の均一化、無荷重下のロツド移動を可能と
し、またロツク構造のみのロツク構造によつてタ
イロツドの折損事故が生じるおそれがなく、更に
本発明では移動盤１の必要構造を著しくシンプル
として軽量化、小型化を可能とするのであり、固
定盤２側に型締機構、ロツク機構、更には同調機
構を集約的に設けることによつて、各機構の信頼
性を向上させるとともにその操作、メンテナンス
を著しく容易化できる点において有利であり、型
締シリンダのより小型化、型締ストロークの短縮
により、省エネルギー効果も得られ、かつ取付金
型も固定盤２、移動盤１における盤面一杯までの
形状、大きさのものが可能で、タイロツド内部寸
法のみに限定されず、分割２シリンダ方式の型締
装置全体機構のよりコンパクト化およびシンプル
化を可能とした点において優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の開放状態下の一部縦断
正面図、第２図は同型閉合状態下の同様正面図、
第３図は同型締状態下の同様正面図、第４図乃至
第７図は従来の分割２シリンダ方式の型締装置例
の各一部縦断正面図である。 １……移動盤、２……固定盤、３……タイロツ
ド、４……ベースフレーム、５……ロツク部材、
６……進退ラム、７……型締シリンダ、８……ロ
ツクプレート、９……型開閉シリンダ、１０……
同調バー、１１……カラー、１２……固定金型、
１３……移動金型、１４……係合部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定金型１２を支持した固定盤２と、前記固
   定金型１２に対向する移動金型１３を支持してい
   るとともに型開閉シリンダ９を介して前記固定盤
   ２に対して移動可能に設けた移動盤１と、型合せ
   した両金型１２，１３に型締力を付与する型締シ
   リンダ７と、を備えている型締装置において、 前記型締シリンダ７は流体圧で型締方向に進退
   するラム６を有して前記固定盤２に備えられ、前
   記移動盤１に固定したタイロツド３を前記ラム６
   の軸心上で前記固定盤２を摺動自在に貫挿して設
   け、前記ラム６の型締力をタイロツド３を介して
   移動金型１３に伝えかつ両金型１２，１３の型締
   状態でラム６とタイロツド３との相対移動を阻止
   するロツク部材５を備えていることを特徴とする
   型締装置。 ２ 両金型１２，１３の型締状態でラム６とタイ
   ロツド３との相対移動を阻止するロツク部材５
   を、固定金型１２と反対側の固定盤２側に設けて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の型締装置。 ３ 固定金型１２を支持した固定盤２と、前記固
   定金型１２に対向する移動金型１３を支持してい
   るとともに型開閉シリンダ９を介して前記固定盤
   ２に対して移動可能に設けた移動盤１と、型合せ
   した両金型１２，１３に型締力を付与する型締シ
   リンダ７と、を備えている型締装置において、 前記型締シリンダ７は流体圧で型締方向に進退
   するラム６を有して前記固定盤２に備えられ、前
   記移動盤１に固定したタイロツド３を前記ラム６
   の軸心上で前記固定盤２を摺動自在に貫挿して設
   け、前記ラム６の型締力をタイロツド３を介して
   移動金型１３に伝えかつ両金型１２，１３の型締
   状態でラム６とタイロツド３との相対移動を阻止
   するロツク部材５を備え、該ロツク部材５と前記
   ラム６との間にロツクプレート８を設け、前記移
   動盤１に固定した同調バー１０を前記ロツクプレ
   ート８に摺動自在に貫挿して設け、前記ロツクプ
   レート８とその係合位置可調整に係止される係止
   カラー１１を備えていることを特徴とする型締装
   置。