JPH04280976A - 改良されたマイクロ波導入窓を有するマイクロ波プラズマcvd装置 - Google Patents

改良されたマイクロ波導入窓を有するマイクロ波プラズマcvd装置

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JPH04280976A
JPH04280976A JP6366691A JP6366691A JPH04280976A JP H04280976 A JPH04280976 A JP H04280976A JP 6366691 A JP6366691 A JP 6366691A JP 6366691 A JP6366691 A JP 6366691A JP H04280976 A JPH04280976 A JP H04280976A
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alumina
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JP6366691A
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Yasuyoshi Takai
康好 高井
Tetsuya Takei
武井 哲也
Hirokazu Otoshi
大利 博和
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状基体上に堆
積膜、とりわけ機能性膜、特に半導体デバイス、電子写
真用感光体デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像
デバイス、光起電力デバイス等に用いるアモルファス堆
積膜をマイクロ波プラズマCVD法により形成する堆積
膜形成装置に関し、さらに詳述すればマイクロ波導入誘
電体窓材料にマイクロ波の透過損失の小さいアルミナ−
ジルコニア系セラミックスを使用したプラズマCVD装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス
、光起電力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子
、光学素子等に用いる素子部材として、アモルファスシ
リコン、例えば水素又は/及びハロゲン(例えば弗素、
塩素等)で補償されたアモルファスシリコン等のアモル
ファス堆積膜が提案され、その幾つかは実用に付されて
いる。
【0003】こうした堆積膜の形成方法として従来、ス
パッッタリング法、熱により原料ガスを分解する方法(
熱CVD法)、光により原料ガスを分解する方法(光C
VD法)、プラズマにより原料ガスを分解する方法(プ
ラズマCVD法)等、多数知られている。中でも、プラ
ズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流又は高周波、
マイクロ波グロー放電等によって分解し、ガラス、石英
、耐熱性合成樹脂フィルム、ステンレス、アルミニウム
等の基体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法は電子写真
用アモルファスシリコン堆積膜の形成方法等、現在実用
化が非常に進んでおり、そのための装置も各種提案され
ている。特に、近年堆積膜形成方法としてマイクロ波グ
ロー放電分解を用いたプラズマCVD法すなわちマイク
ロ波プラズマCVD法(以下MW−PCVD法と記す)
が工業的にも注目されている。
【0004】MW−PCVD法は、他の方法に比べ高い
デポジション速度と高い原料ガス利用効率という利点を
有している。こうした利点を生かしたマイクロ波プラズ
マCVD技術の1つの例が、米国特許4,504,51
8号に記載されている。該特許に記載の技術は、0.1
Torr以下の低圧下でMW−PCVD法により高速の
堆積速度で良質な堆積膜を得るものである。
【0005】さらに、MW−PCVD法により原料ガス
の利用効率を改善するための技術が特開昭60−186
849号公報に記載されている。該公報に記載の技術は
、概要、マイクロ波エネルギーの導入部を取り囲むよう
に基体を配置して内部チャンバー(すなわち放電空間)
を形成することにより、原料ガス利用効率を非常に高め
るようにしたものである。
【0006】これらの従来の技術により比較的厚い光導
電性材料を、ある程度高速の堆積速度と原料ガスの利用
効率で製造することが可能となった。このようにして改
良された従来の堆積膜形成装置の代表例を図4(A),
(B)に部分断面略図で示す。
【0007】図において401は反応容器であり、真空
気密化構造を成している。また、402は、マイクロ波
電力を反応用器内に効率よく透過し、かつ真空気密を保
持し得るような材料(例えば石英ガラス、アルミナセラ
ミックス等)で形成されたマイクロ波導入誘電体窓であ
る。403はマイクロ波電力の伝送を行なう導波管であ
り、マイクロ波電源から反応容器近傍までの断面が矩形
の部分と、反応容器にその一部が挿入された断面が円筒
形の部分から成っている。導波管403はスタブチュー
ナー(図示せず)、アイソレーター(図示せず)と共に
マイクロ波電源(図示せず)に接続されている。誘電体
窓402は反応容器401内の雰囲気を保持するために
導波管403の円筒形の部分の内壁に気密封止されてい
る。404は一端が反応容器401内に開口し、他端が
排気装置(図示せず)に連通している排気管である。4
08,409は原料ガス供給管である。406は円筒状
基体405により囲まれた放電空間を示す。407は加
熱ヒーター、410は回転軸、411は回転用モーター
である。なお、反応容器401は放電トリガー等を用い
ることなく自励放電にて放電を開始せしめるため、該マ
イクロ波電源(図示せず)の発振周波数に共振するよう
な空洞共振器構造とするのが一般的である。こうした従
来の堆積膜形成装置による電子写真感光体の堆積膜形成
は概略、以下のようにして行なわれる。
【0008】まず、堆積膜形成用の円筒状基体405を
洗浄し基体上の油、ダスト等の表面の汚れを取り除き清
浄な状態にする。また、マイクロ波導入用誘電体窓40
2等の部品も充分洗浄しておく。そして、無塵室内で反
応容器401を開けて大気圧状態にする。次いで、堆積
膜形成用反応容器内に、円筒状基体405及び誘電体窓
402等を設置する。再び反応容器401を閉じて真空
ポンプ(図示せず)により排気管404を介して、反応
容器401内を排気し、反応容器401内の圧力を1×
10−7Torr以下に調整する。次いでヒータ407
により、基体405の温度を膜堆積に好適な温度に加熱
保持する。次いで、原料ガス供給管408,409を介
して、例えばアモルファスシリコン堆積膜を形成する場
合であればシランガス等の原料ガスを反応容器401内
に導入する。それと同時併行的にマイクロ波電源(図示
せず)により周波数500MHz以上の好ましくは2.
45GHzのマイクロ波を発生させ、導波管403を通
じ、誘電体窓402を介して反応容器401内にマイク
ロ波エネルギーを導入する。かくして基体405により
囲まれた放電空間406において、原料ガスはマイクロ
波のエネルギーにより励起されて解離し、中性ラジカル
粒子、イオン粒子、電子等が生成され、それらが相互に
反応し、基体405表面に堆積膜が形成される。この時
、基体405が設置された回転軸410をモーター41
1により回転させ、基体405を基体母線方向中心軸の
回りに回転させることにより、基体405全周にわたっ
て均一に堆積膜を形成する。
【0009】このような従来の堆積膜形成装置において
、従来技術の欠点として、以下に示す問題があった。
【0010】従来マイクロ波電力導入窓としては、透過
損失を極力防ぐために、誘電率(E)、誘電体損失角(
tanδ)の小さな材料が使用されている。この誘電率
、誘電体損失角の観点より選定される材料としてベリリ
ア(BeO)、テフロン、アルミナセラミックス等が挙
げられる。またさらに導入窓材料として具備すべき特性
としては、放電熱輻射、あるいはマイクロ波の吸収によ
る窓の昇温に対する耐熱性、耐熱衝撃性、さらに反応容
器内を真空に保つための真空保持特性が必要である。 このような厳しい条件を満たす窓材料としては従来は実
質的なアルミナ100%の導入窓を用いていたが、今後
、膜質の向上及びコストダウンのために成膜速度をさら
に上げるためには、導入するマイクロ波の電力を増大せ
ざるを得ない。従来の窓材料においてはこのようにより
大きいマイクロ波電力を連続的に導入し、プラズマ放電
を励起、維持させた場合、導入窓に堆積した堆積膜によ
るマイクロ波の吸収による昇温、あるいは導入窓自体の
マイクロ波の吸収による昇温等により短時間内に窓材料
の融解あるいは破壊を生じた。
【0011】例えばアモルファスシリコン感光体の生産
の場合、ドラム上の堆積膜の膜厚として通常30ミクロ
ン以上が堆積される。この時マイクロ波導入のための導
入窓の反応容器側表面にも同様に堆積膜が形成される。 特に原料ガス利用効率を上げるために図4(A)及び図
4(B)に示すように円筒状基体が放電空間を取り囲む
ように配置された堆積膜形成装置の場合には、円筒状基
体は表面全体に堆積膜を形成するために回転しており、
一方導入窓は静止しているため、導入窓に堆積する膜の
厚さは円筒状基体の表面に堆積する膜の数倍の厚さにな
ってしまう。
【0012】ところで導入窓表面に厚く堆積膜が形成さ
れた場合、通常以下のような問題点が発生する。 (1)導入窓表面に堆積した堆積膜により導入窓を通過
するマイクロ波が反射、吸収され、マイクロ波の透過率
が低下し、反応容器内にマイクロ波電力が十分に入らな
くなる。 (2)導入窓表面に堆積した堆積膜によりマイクロ波が
吸収されて発熱し、導入窓の融解、破壊の原因になる。 (3)導入窓表面に堆積した膜が厚くなると、その内部
応力で堆積した膜が剥れて飛散して成膜雰囲気を汚染し
、基体上の堆積膜の欠陥の原因となる。
【0013】これらの問題は導入窓の耐久性の問題と同
様にマイクロ波の電力を増大させた条件では特に顕著な
ものとなる。
【0014】このようにマイクロ波の電力を増大させた
条件における連続使用に対し高耐久性導入窓材料がなく
、生産性を考慮した場合実用に全く耐えられないことが
問題になってきた。これらの問題に対して従来より種々
の検討が行なわれてきた。例えば、導入窓の耐久性の問
題に対して特開昭64−56873号公報では、その対
策としてアルミナセラミックスに、SiO2 ,CaO
,MgO等のガラス質成分を少量添加することにより、
該導入窓の耐熱性、耐熱衝撃性、マイクロ波の透過性等
を向上させる技術が開示されている。これにより導入窓
の耐久性は従来よりもある程度向上した。また導入窓表
面に堆積する堆積膜によるマイクロ波の透過率の低下の
問題に対しては、特開昭63−145781号公報にそ
の対策の1つが開示してある。該特許に記載の技術は、
導入窓表面を粗面で構成することにより、導入窓に堆積
した堆積膜の低抵抗化を抑制し、マイクロ波の透過率の
低下を抑制するものである。
【0015】このような堆積膜形成方法の進歩により、
ある程度の堆積速度では実用的な特性と均一性を有する
堆積膜を得ることが可能になった。しかし、さらなる膜
質の向上及びコストダウンのために、導入するマイクロ
波の電力を増大し、堆積速度を高速にした条件のもとに
おいては、まだ不十分なものであった。
【0016】さらに市場からの複写機の高性能化、及び
高画質化の要求は年々その度合いを強め、また同時に市
場の拡大に伴い大量でかつ安定して安価に堆積膜を生産
する技術の要求が高まりつつある。このため以前なら認
められた画像欠陥に起因する画質のレベルも現在はその
評価が厳しくなり、その結果製品の歩留まりが低下する
こととなる。特に問題になっているのは、導入窓からの
膜剥れに起因する画像欠陥であり、これは、導入窓から
剥れた堆積膜の破片が、円筒状基体表面に付着すると、
その付着した破片が核となり、堆積膜中に球状突起とよ
ばれる球状の異常成長が発生し、それが画像欠陥の原因
となる。したがって従来の課題である導入窓の耐久性向
上と、マイクロ波の透過率の低下抑制のみでは、現在の
品質の規格内に納めるのは困難になりつつある。すなわ
ち高性能、高画質化が要求される現在の規格において、
堆積速度の速い領域では、例えば電子写真感光体のよう
に大面積の比較的厚い堆積膜が要求される製品の製造に
ついては、均一膜質で光学的及び電気的諸特性の要求を
満足し、かつ電子写真プロセスにより画像形成時に画像
欠陥の少ない堆積膜を定常的に安定して高収率(高歩留
まり)で得るのは難しいという解決すべき問題点が残存
している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき従来のMW−PCVD法による堆積膜形成装置
における諸問題を克服して、半導体デバイス、電子写真
用感光体デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像デ
バイス、光起電力デバイス、その他の各種エレクトロニ
クス素子、光学素子に用いる素子部材として特性の良い
堆積膜を、MW−PCVD法により、安価に安定して歩
留まりよく高速形成し得る堆積膜形成装置を提供するこ
とにある。
【0018】本発明の目的は特に10ミクロン以上の比
較的厚いアモルファスシリコン堆積膜形成時に高品質の
堆積膜を、MW−PCVD法により、高速形成し得る堆
積膜形成装置を提供することにある。具体的には、マイ
クロ波導入窓として、第1に耐熱性に優れた高耐久マイ
クロ波導入窓材料を提供することにある。
【0019】第2に耐熱衝撃性に優れた高耐久マイクロ
波導入窓材料を提供することにある。
【0020】第3に耐機械的強度に優れた高破壊靱性を
もつマイクロ波導入窓を提供することにある。
【0021】第4に真空保持特性に優れたマイクロ波導
入窓を提供することにある。
【0022】第5に膜剥れに強いマイクロ波導入窓を提
供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意研究を重ねたところ、高堆積速度と
高ガス利用効率の利点を持つ従来のマイクロ波CVD装
置において、アモルファスシリコン機能性堆積膜を効率
よく安定に堆積させるには、マイクロ波発振器から供給
されるマイクロ波電力を反応容器内に効率よくかつ安定
に伝送できるマイクロ波導入窓が必要不可欠であるとの
結論に達した。
【0024】本発明者らはマイクロ波導入窓材料として
アルミナ−ジルコニア系複合材料を用いることによりM
W−PCVD法における耐熱性、耐熱衝撃性の向上、さ
らに導入窓に堆積した堆積膜の膜剥れの抑制に優れた高
耐久マイクロ波導入窓を得ることができるという知見を
得たものである。
【0025】本発明は該知見に基づいて完成せしめたも
のであり、その骨子とするところは、気密に形成した反
応容器と、前記反応容器の壁に形成したマイクロ波導入
部と、反応容器内部に複数の円筒状基体を配設して形成
した放電空間と、前記放電空間にマイクロ波導入部を介
してマイクロ波を導入してマイクロ波放電プラズマを生
成させる手段と、プラズマの原料ガスを供給する手段と
、反応容器内を排気する手段とを有する堆積膜形成用マ
イクロ波プラズマCVD装置であって、前記マイクロ波
導入部がマイクロ波の導波管と、前記反応容器の壁の一
部を気密に構成してなるマイクロ波透過性材料とを有し
てなると共に、前記マイクロ波透過性材料が未安定ジル
コニア(ZrO2 )を1〜40重量%(但し、Al2
 O3 +ZrO2 を100重量%とする)含有し、
他の成分が実質的にα−アルミナ(Al2O3 )であ
るアルミナ−ジルコニア系複合セラミックスであること
を特徴とするものである。
【0026】マイクロ波導入窓は耐熱性、耐熱衝撃性、
真空保持性、及びマイクロ波透過特性に優れた性質を具
備したものでなくてはならない。従来の窓材料は、マイ
クロ波電力の吸収発熱及びプラズマ放電空間よりの輻射
熱による熱衝撃に対してはアルミナセラミックスにSi
O2 ,CaO,MgO等のガラス質成分を少量添加す
ることによりある程度耐久性が向上した。しかし従来以
上の高速成膜時においては、まだその耐久性が不十分な
ものであった。特に誘電体窓からの膜剥れの問題に対し
ては必ずしも満足できるものではなかった。これに対し
て本発明では、アルミナ−ジルコニア系複合セラミック
ス材料をマイクロ波導入窓材として使用することにより
、導入窓の耐久性を従来以上に向上し、さらに導入窓か
らの膜剥れを抑制し、連続的に安定して、欠陥の少ない
堆積膜を形成可能とした。
【0027】以下、本発明を詳細に説明するが、まず本
発明者らの行なった実験例により本発明を説明する。 [実験例1]アルミナ(A−16SG  アルコア社)
、未安定ジルコニア(TZ−0  東ソー社)、分散剤
(ポリアクリル酸アンモニウム塩)及び純水を表1に示
す組成比で配合し、アルミナ製ボールミルに入れ、25
φ,15φ,5φのアルミナ製球石をそれぞれ重量比1
:1:1の割合で原料粉体と同重量用いて100rpm
の回転速度で48時間湿式混合して泥漿を得た。この泥
漿を真空脱泡した後30メッシュのフィルターに通しプ
レス成形した後電気炉で焼成した。1500kg/cm
2 の圧力でプレス成形し、1000℃で仮焼した後面
取り加工を行ないその後1600℃で本焼成を行ない本
発明のアルミナ−ジルコニア系複合セラミックスマイク
ロ波電力導入窓を得た。以上の条件で作製したマイクロ
波電力導入窓と図1に示すMW−PCVD装置を用いて
、表2に示す放電条件により、連続放電を実施し、放電
の安定性とアルミナ−ジルコニア系複合セラミックスが
破壊により放電続行不可能になるまでの放電維持時間と
を測定した。結果を表3に示した。表3より明らかなよ
うに、本発明によるアルミナ−ジルコニア系複合セラミ
ックスは、アルミナ/ジルコニアの組成比が重量基準(
以下同様)で99/1〜60/40の範囲で放電安定性
及び耐熱性が優れており、特に95/5〜70/30の
範囲で放電安定性及び耐熱性が極めて優れていることが
判明した。発明者らは、これはアルミナマトリックス中
に分散されたジルコニア粒子が、正方晶のまま常温でも
存在可能なため、外部からの応力に対して応力誘起転移
により、外部からの応力を緩和し、それによって破壊靱
性値が向上したためであるものと考えている。 [実験例2]図1に示すMW−PCVD装置に、表1に
示す実験例1に示した条件で作製したアルミナ−ジルコ
ニア系複合セラミックスマイクロ波電力導入窓を用いて
、表4に示す放電条件により、連続放電を実施し、円筒
状基体上へ堆積膜を形成した。堆積膜形成後に、導入窓
と円筒状基体を反応容器から取り出し、導入窓の反応容
器側に堆積した堆積膜の状態と、円筒状基体の表面を光
学顕微鏡で観察し、堆積膜上に発生した球状突起の数を
測定した。その結果を表5及び図5に示す。表5におい
て◎は膜剥れなし、○は端部の一部に膜剥れ有り、△は
部分的に膜剥れ有り、×は全面膜剥れを意味している。 また図5において横軸は表1における試料の番号、縦軸
は円筒状基体表面3×3cm2 における球状突起の数
を示している。表5から明らかなように、アルミナ−ジ
ルコニア系複合セラミックスは膜剥れに対しても良好な
結果を得た。これは、アルミナにジルコニアを添加する
ことにより、導入窓の熱膨脹が抑制され、その結果、堆
積膜との間の熱膨張率の差が小さくなり、膜剥れが抑制
されたものと考えている。 [実験例3]セラミックス材料はその焼成条件により特
性が変化する。そこで導入窓の作製温度の特性に対する
影響を調べるためにプレス成形体の仮焼温度を600〜
1400℃まで変化させ、仮焼体は外観上の評価をし、
良好な仮焼体のみ、さらに1100〜1700℃まで変
化させ本焼成し導入窓を得た。作製した導入窓を図1に
示すMW−PCVD装置に用いて、実験例2と同様に評
価をした。但し、アルミナ−ジルコニアの組成比はサン
プル5(アルミナ/ジルコニア=90/10)の条件で
配合し、泥漿の調整条件は実験例1に準じた。結果を表
6−1及び2に示す。
【0028】表6−1はプレス成形後の成形体の仮焼温
度と仮焼後の仮焼体の評価を示す。ここでは○は良好、
△は仮焼が不十分あるいは端部に微細なクラックの発生
、×は仮焼が大幅に不十分あるいは部分的に大きなクラ
ックの発生を意味している。また表6−2において◎は
膜剥れなし、○は端部の一部に膜剥れ有り、△は部分的
に膜剥れ有り、×は全面膜剥れを意味している。表6−
1及び2から明らかなように、本発明におけるマイクロ
波導入窓の仮焼温度及び本焼成温度はそれぞれ700〜
1200℃、1200〜1700℃、好ましくはそれぞ
れ800〜1200℃、1300〜1700℃、最適に
それぞれ900〜1100℃、1300〜1600℃の
範囲であることがわかる。さらに表1に示す組成のサン
プル3からサンプル7に対しても同様の操作と同様の評
価を行なったところ同様に良好な結果を得た。
【0029】以下、本実験に用いた導入窓の作製条件は
、アルミナ/ジルコニアの組成比90/10、プレス圧
力1500kg/cm2 、仮焼温度1000℃、本焼
成温度1600℃とした。
【0030】本発明によるアルミナ−ジルコニア系複合
セラミックスの特徴は、主原料であるα−アルミナに対
して未安定ZrO2 が最適な範囲で存在する必要があ
ることを示している。すなはち、未安定ZrO2 が組
成比において40%を越えて存在する場合は、焼成後の
冷却時にジルコニアの正方晶から単斜晶への転移の割合
が大きくなり、強度が低下するため好ましくない。一方
未安定ZrO2 が組成比において1%未満すなわちα
−アルミナ成分が組成比において99%を越えて存在す
る場合、高温焼成することにより一般用途としては使用
可能であるが、本発明の目的を達成し得るマイクロ波導
入窓材料としては、アルミナ粒子同志の結合が弱く、マ
イクロ波吸収発熱及びプラズマ輻射熱による熱衝撃に耐
えられなく、破壊されてしまうため、好ましくない。し
たがって本発明の特徴であるα−アルミナに混合する未
安定ZrO2の組成比の有効な範囲は1%以上40%以
下、好ましくは5%以上30%以下である。
【0031】このような本発明のアルミナ−ジルコニア
系複合セラミックス材料は、マイクロ波導入窓材料とし
てまぬがれることのできない、マイクロ波の吸収による
アルミナセラミックスの内部発熱、反応容器内で生起さ
せたプラズマからの輻射による外部熱の双方からの特徴
のある極めて過酷な熱衝撃に対して、極めて安定であり
、かつ長時間の連続使用を可能とし、さらに導入窓表面
に堆積する堆積膜の密着性も向上し、膜剥れにより生じ
る基体上の堆積膜の欠陥の発生の問題も大幅に軽減した
【0032】本発明におけるマイクロ波導入窓材のアル
ミナとしては、粒径0.01〜10μmの好ましくは0
.05〜3.0μmのα−アルミナが適している。また
同様にジルコニアとしては、粒径0.001〜5.0μ
mの好ましくは0.005〜3.0μmの未安定ジルコ
ニアが適している。また窓材の破壊靱性を強化する目的
で、CeO2 ,CaO,MgO,Y2 O3 等の安
定化剤により安定化又は部分安定化させたジルコニアを
用いることも有効である。この場合、CeO2 等の配
合量はジルコニアに対して0.1〜30mol%となる
ことが好ましい。さらに未安定ジルコニアと安定化又は
部分安定ジルコニアを併用することも同様に有効である
。粉体の混合方法としては、乾式混合でも湿式混合でも
問題はなく、アルミナとジルコニアが均一に分散すれば
よい。 成形方法としては、鋳込み成形法、加圧成形法、熱間加
圧成形法、熱間静水圧成形法等の成形法においても有効
である。また本発明のマイクロ波導入窓の反応容器側表
面を荒らすことも有効である。
【0033】本発明におけるマイクロ波導入窓形状は矩
形、円形を問わないが本実施例では円形すなわち円盤状
窓材を使用した。図2においてマイクロ波導入窓単体2
10及び導入窓材料211の形状を示した。マイクロ波
電力200は矩形導波管201、円形導波管202を通
じ導入窓203を介して導入される。矩形導波管201
と円形導波管202は、図2においてホーン型にて変換
しているが、ホーン型変換部を使用せず直接矩形型より
円形導波管へ変換してもよい。また、導入窓203まで
円形変換せずに、直接矩形導波管で導いてもよい。マイ
クロ波導入窓203は、使用するマイクロ波モードがT
E11モードの場合、公知の次式により設計される。
【0034】       λ=2π/(1.84/(a√ε)2 +
(π/d√ε)2 )1/2 式中においてλは共振波
長(2.45GHzマイクロ波の場合は12.245c
m)、aは円形導入窓の半径(cm)、εは比誘電率を
表わす。そこで、アルミナセラミックスの比誘電率ε≒
10、半径a=101.6cm、厚さd=1.91cm
で共振条件を満たすことができる。
【0035】ここでd=1.91cmの長さは、アルミ
ナセラミックス内を伝搬するマイクロ波の波長の1/2
の長さに相当する。
【0036】アルミナセラミックスの形状半径a=10
1.6cm、厚さd=1.91cmは厚さ方向に対し1
枚構成が好ましいが、厚さ方向に分割し、多数枚構成で
あっても何ら支障はない。本実験例では厚さ方向に1.
27cmと0.64cmの円板状セラミックスの2枚重
ね構造によりd=1.91cmとした。
【0037】本発明における円筒状基体の加熱方法は、
真空仕様である発熱体であればいずれのものでもよく、
具体的にはシース状の巻き付けヒーター、板状ヒーター
、セラミックスヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲン
ランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体、液体、
気体等を温媒とした熱交換手段による発熱体等が挙げら
れる。加熱手段の表面材質は、ステンレス、ニッケル、
アルミニウム、銅等の金属類、セラミックス、耐熱性高
分子樹脂等を使用することができる。また、それ以外に
も、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、加熱した後
、反応容器内に真空中で基体を搬送する等の方法も採用
することができる。さらにこれらの手段と併用して、又
は単独で、放電に使用するマイクロ波自身により(例え
ば、必要に応じて強度を変えることにより)基体温度を
制御することも可能である。
【0038】本発明で使用する堆積膜の原料ガスとして
は、例えばシラン(SiH4 )、ジシラン(Si2 
H6 )等のアモルファスシリコン形成用原料ガス、ゲ
ルマン(GeH4 )、メタン(CH4 )等の他の機
能性堆積膜形成原料ガス又はそれらの混合ガスが挙げら
れる。
【0039】希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴ
ン(Ar),ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等が挙
げられる。
【0040】また、堆積膜のバンドギャップ幅を変化さ
せる等の特性改善ガスとしては、アンモニア(NH3 
)、窒素(N2 )等の窒素原子を含む化合物、酸素(
O2 )、酸化窒素(NO)、酸化二窒素(N2 O)
等の酸素原子を含む化合物、メタン(CH4 )、エタ
ン(C2 H6 )、エチレン(C2 H4)、アセチ
レン(C2 H2)、プロパン(C3 H8 )等の炭
化水素、四弗化珪素(SiF4 )、六弗化二珪素(S
i2 F6 ),四弗化ゲルマニウム(GeF4 )等
の弗素化合物又はこれらの混合ガスも用いることができ
る。
【0041】さらにドーピングを目的としてジボラン(
B2 H6 )、フッ化ほう素(BF3)、ホスフィン
(PH3 )等のドーパントガスを同時に放電空間に導
入しても本発明は同様に有効である。
【0042】本発明では、放電空間の圧力がいずれの領
域でも効果が現われたが、特に100mTorr以下、
好ましくは50mTorr以下、0.1mTorr以上
で特に良好な結果が再現よく得られた。
【0043】本発明で用いられる円筒状基体の材料とし
ては、例えば、ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,
In,Nb,Te,V,Ti,Pt,Pd,Fe等の金
属、これらの合金又は表面を導電処理したポリカーボネ
ート等の合成樹脂、ガラス、セラミックス、紙等が本発
明では通常使用される。円筒状基体の直径は特に制限は
ないが実用的には20mm以上、500mm以下であり
、長さは10mm以上、1000mm以下が好ましい。
【0044】さらに本発明の円筒状基体同志の間隔は1
mm以上、50mm以下が放電空間を安定して維持する
上で好ましい。また円筒状基体の数は放電空間を形成で
きるならばいずれでもよいが3本以上、より好ましくは
4本以上が適当である。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明のマイクロ波導入窓の構造、MW−PCVD
による堆積膜形成装置はこれによって何ら限定されるも
のではない。
【0046】本発明実施例では、上記図2及び図1(A
)及び(B)の堆積膜形成装置を用い、導入窓材料とし
て本発明に係るアルミナ−ジルコニア系複合材料を使用
して、電子写真感光ドラムを作成し、この条件において
導入窓材料の評価を実施した。まず、図2に示す導入窓
を設置した図1で示す本発明の堆積膜形成装置を用いて
実際に堆積膜を形成する手順の一例を以下に示す。
【0047】まず真空ポンプ(図示せず)により排気管
104を介して、反応容器101を排気し、反応容器1
01内の圧力を1×10−7Torr以下に調整する。 次いでヒーター107により、円筒状基体105の温度
を最適な温度に加熱保持する。そこで例えばアモルファ
スシリコン堆積膜を作製するのであればシラン等の原料
ガスを原料ガス導入口109より入れ、原料ガス導入部
108より放電空間106へ放出する。それと同時併行
的にマイクロ波電源(図示せず)により周波数2.45
GHzのマイクロ波を発生させ、導波管103を通じ、
図中斜線で示してある本発明のマイクロ波電力導入誘電
体窓102を介して反応容器101内に導入する。かく
して円筒状基体105により囲まれた放電空間106に
おいて、原料ガスはマイクロ波のエネルギーにより励起
されて解離し、円筒状基体105の表面に堆積膜が形成
される。この時、回転軸110をモーター111により
回転させ、円筒状基体105を基体母線方向中心軸の回
りに回転させることにより、円筒状基体105の全周に
わたって均一に堆積膜が形成されることになる。[実施
例1]図2に示す本発明に係る導入窓(アルミナ/ジル
コニア=90/10、アルミナセラミックスの形状半径
a=101.6cm、厚さ方向に1.27cmと0.6
4cmの円板状セラミックスの2枚重ね構造によりd=
1.91cmとした。)を図1(A)、図1(B)に示
す堆積膜形成装置に設置し、表7の条件により、3層構
成よりなるアモルファスシリコン感光ドラムを作製した
。このようにして作製したアモルファスシリコン感光ド
ラムの電子写真特性を以下のように評価した。
【0048】作製した感光ドラムをキャノン社製複写機
、NP7550を実験用に改造した装置に入れ、通常の
複写プロセスにより転写紙上に画像を作製した。但し、
この時、帯電器に6kVの電圧で印加し帯電を行なった
【0049】画像欠陥:  黒原稿を原稿台に置きコピ
ーした時に得られた画像サンプルの同一面積内にある白
点の数により評価を行なった。また1回の堆積膜作製で
得られる6本のドラムについて同様の評価を行ない、そ
の中で1番悪いものについて次の判断をした。
【0050】◎…良好。
【0051】○…一部小さな白点有り。
【0052】△…全面に白点が有るが文字の認識には支
障ない。
【0053】×…文字が読みにくい程白点が多い。
【0054】帯電能むら:複写装置に堆積膜が形成され
たアルミシリンダーを搭載し、ドラムを回転させながら
一定帯電量のもとのドラムの表面電位を現像器位置で測
定する。ドラムの上から下にかけて3cmおきに表面電
位を測定しその平均を帯電能とした。そして1本のドラ
ムにおいて平均値から一番離れている値を求めてそれを
帯電能むらとした。1回の堆積膜形成において得られた
6本のドラムについて同じ評価を行ない、帯電能むらの
一番大きいものについて以下の判定をした。
【0055】◎…10V以下であり非常に優れた均一性
である。
【0056】○…20V以下であり優れた均一性である
【0057】△…30V以下であり実用上問題なし。
【0058】×…30V以上であり非常に高画質で高速
の複写装置に用いる場合には、不十分である。
【0059】感度むら:  上記と同様の方法で帯電さ
せ、一定露光量のもとに、1本のドラムの上から下まで
3cmおきに表面電位の測定を行ない、その平均値を感
度とした。また同様にそれらの値のうち平均値より一番
離れている値を感度むらとした。そして一回の堆積膜作
製で得られる6本のドラムについて同じ評価を行ない、
一番感度むらの大きいものについて以下のように判断し
た。
【0060】◎…3V以下であり非常に優れた均一性で
ある。
【0061】○…6V以下であり優れた均一性である。
【0062】△…10V以下であり実用上全く問題ない
【0063】×…10V以上であり、高温高湿や低温低
湿等の厳しい条件下で品質が低下する危険性がある。
【0064】細線再現性:白地に全面文字よりなる通常
の原稿を原稿台に置きコピーした時に得られた画像サン
プルを観察し、画像上の細線がとぎれずに繋っているか
評価した。但し、この時画像上でむらがある時は、全画
像領域で評価し一番悪い部分の結果を示した。また1回
の堆積膜作製で得られる6本のドラムについて同様の評
価を行ない、その中で1番悪いものについて次の判断を
した。
【0065】◎…良好。
【0066】○…一部とぎれ有り。
【0067】△…とぎれは多いが文字として認識できる
【0068】×…文字として認識できないものもある。
【0069】白地かぶり:白地に全面文字よりなる通常
の画像サンプルを原稿台に置き、複写した時に得られた
画像サンプルを観察して白地の部分のかぶりを評価した
。また1回の堆積膜作製で得られる6本のドラムについ
て同様の評価を行ない、その中で1番悪いものについて
次の判断をした。
【0070】◎…良好。
【0071】○…一部僅かにかぶり有り。
【0072】△…全面にわたりかぶりあるが文字の認識
には支障無し。
【0073】×…文字が読みにくい程かぶりがある。
【0074】画像むら:  全面ハーフトーンの原稿を
原稿台に置きコピーした時に得られた画像サンプルを観
察し、濃淡のむらを評価した。また1回の堆積膜作製で
得られる6本のドラムについて同様の評価を行ない、そ
の中で1番悪いものについて次の判断をした。
【0075】◎…良好。
【0076】○…一部に僅かな濃淡の差有り。
【0077】△…全面にわたり濃淡の差があるが文字の
認識には支障無し。 ×…文字が読みにくい程むらがある。結果を表9に示す
。 [実施例2]実施例1で用いた本発明に係る導入窓(ア
ルミナ/ジルコニア=90/10)を図1(A),(B
)に示す堆積膜形成装置に設置し、表8の条件により、
アモルファスシリコン感光ドラムを作製した。このよう
にして作製したアモルファスシリコン感光ドラムの電子
写真特性を実施例1と同様の評価を行なった。
【0078】その結果を実施例1の結果と併せて表9に
示す。 [比較例1]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Aを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表7の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価した。
【0079】その結果を実施例1,2の結果と併せて表
9に示す。 [比較例2]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Bを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表7の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価を行なった。
【0080】その結果を実施例1,2及び比較例1の結
果と併せて表9に示す。 [比較例3]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Cを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表7の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価を行なった。
【0081】その結果を実施例1,2及び比較例1,2
の結果と併せて表9に示す。 [比較例4]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Aを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表8の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価を行なった。
【0082】その結果を実施例1,2及び比較例1,2
,3の結果と併せて表9に示す。 [比較例5]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Bを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表8の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価を行なった。
【0083】その結果を実施例1,2及び比較例1,2
,3,4の結果と併せて表9に示す。 [比較例6]表10に示す組成で作製した本発明外の従
来の導入窓Cを図1(A),(B)に示す堆積膜形成装
置に設置し、表8の条件により、アモルファスシリコン
感光ドラムを作製した。このようにして作製したアモル
ファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施例1と
同様にして評価を行なった。
【0084】その結果を実施例1,2及び比較例1,2
,3,4,5の結果と併せて表9に示す。
【0085】表9に示すように、堆積膜形成速度が遅い
条件においては表10に示す従来の導入窓B及びCでも
本発明の導入窓でも同様に製品の規格を満足する良質の
アモルファスシリコンドラムの作製が可能である。しか
し、堆積膜形成速度が速い条件においては、従来の導入
窓は、窓からの膜剥れが多くなり、画像欠陥の原因とな
る。これに対して本発明に係る導入窓は堆積速度の速い
条件においても導入窓からの膜剥れが抑制され、堆積速
度の遅い条件と同様に良い膜質のドラムが得られた。こ
のように本発明の堆積膜形成装置により作製した、感光
ドラムの画像性について特に堆積速度の速い条件で作製
したドラムの特性の均一性と画像欠陥において非常に良
好な結果が得られることがわかる。 [実施例3]本発明に係る実施例1の導入窓と表10に
示す組成で作製した本発明外の従来の導入窓A,B,C
を図1(A),(B)に示す堆積膜形成装置に設置し、
表11の条件により、4層構成よりなるアモルファスシ
リコン感光ドラムを作製した。このようにして作製した
アモルファスシリコン感光ドラムの電子写真特性を実施
例1と同様にして評価を行なったところ、実施例2及び
比較例4,5,6と全く同じ結果が得られた。 [実施例4]実施例1及び2の実験においては前述した
ようにマイクロ波導入窓を厚さ方向に分割した2枚重ね
構造にしたが、図3に示すように導波管側の導入窓を従
来の材質にして、プラズマにさらされる反応容器側の窓
(斜線部分)のみを本発明の材質にして実施例1及び2
と同様の実験を行なったところ実施例1及び2と同様に
良好な結果が得られた。
【0086】図3において、300はマイクロ波の伝搬
方向、301は本発明に係るアルミナ−ジルコニア(組
成は実施例1と同じ)の導入窓(厚さ0.64cm)、
302は従来の導入窓(厚さ1.27cm)、303は
窓押さえ、304はOリング、305は導波管(外管)
、306は導波管(内管)である。 [実施例5]本発明の導入窓においてSiO2 ,Mg
O,CaO等の不純物の影響を調べたところ不純物の含
有量が10%以内で有ればアルミナ/ジルコニアの組成
比が90/10〜70/30の範囲内において実施例2
と同様に良好な結果を得た。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6−1】
【0093】
【表6−2】
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】
【表9】
【0097】注:  比較例4は成膜中に導入窓が破壊
した。
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波導入窓材料
にアルミナ−ジルコニアセラミックスを使用することに
より特に堆積速度の速い領域で大面積の比較的厚い堆積
膜の作製において均一膜質で光学的及び電気的諸特性の
要求を満足し、かつ欠陥の非常に少ない堆積膜を定常的
に安定して高収率(高歩留まり)でしかも非常に低コス
トで作製することが可能になった。
【0101】さらに本発明によれば、高温高湿のような
帯電条件の悪い場合、あるいは低温低湿のような現像条
件の悪い場合にも優れた電子写真特性を維持した堆積膜
の作製が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例を示す概略側面断面
図、(B)は(A)図中のX−X線に沿った切断断面図
である。
【図2】本発明の一実施例のマイクロ波導波管及び導入
窓を示す拡大斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例のマイクロ波導入窓を示す
拡大断面図である。
【図4】(A)は従来のプラズマCVD装置を示す概略
側面断面図、(B)は(A)図中X−X線に沿った切断
断面図である。
【図5】マイクロ波導入窓の組成と同窓を用いて製造し
たシリコン堆積膜の球状突起数の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
101,401    反応容器 102,203,402    マイクロ波導入窓10
3,403    導波管 104,404    排気管 105,405    円筒状基体 106,406    放電空間 107,407    基体加熱用ヒーター108,1
09,408,409    原料ガス導入管110,
410    回転軸 111,411    モーター 200,300    マイクロ波 201    矩形導波管 202    円形導波管 301    反応容器側導入窓 302    導波管側導入窓 303    窓押さえ 304    Oリング 305    導波管(外管) 306    導波管(内管)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  気密に形成した反応容器と、前記反応
    容器の壁に形成したマイクロ波導入部と、反応容器内部
    に複数の円筒状基体を配設して形成した放電空間と、前
    記放電空間にマイクロ波導入部を介してマイクロ波を導
    入してマイクロ波放電プラズマを生成させる手段と、プ
    ラズマの原料ガスを供給する手段と、反応容器内を排気
    する手段とを有する堆積膜形成用マイクロ波プラズマC
    VD装置であって、前記マイクロ波導入部がマイクロ波
    の導波管と、前記反応容器の壁の一部を気密に構成して
    なるマイクロ波透過性材料とを有してなると共に、前記
    マイクロ波透過性材料が未安定ジルコニア(ZrO2 
    )を1〜40重量%(但し、Al2 O3 +ZrO2
     を100重量%とする)含有し、他の成分が実質的に
    α−アルミナ(Al2 O3)であるアルミナ−ジルコ
    ニア系複合セラミックスであることを特徴とするマイク
    ロ波プラズマCVD装置。
JP6366691A 1991-03-06 1991-03-06 改良されたマイクロ波導入窓を有するマイクロ波プラズマcvd装置 Pending JPH04280976A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010141341A (ja) * 1998-07-29 2010-06-24 Applied Materials Inc 基板を処理する方法及び装置及びそれらのためのセラミック組成物

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