JPH0427986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は、操作機構および駆動機構のコンパ
クト化を図るとともにその簡便化を図ることがで
きるスライド式金庫室扉に関する。

《考案の背景》 通常、大型の金庫室等においてはスペース的に
余裕があるため、開き戸式の金庫室扉を備えたも
のが多いが、開き戸式の金庫室扉に替えてこれを
引き戸式にすれば、その金庫室扉の開閉に伴う金
庫室出入口部分のスペースが不要となる。

このため、引き戸式のものは特にフロア面積を
広くとれない場所には有効であり、一般的な金庫
室として用いる場合に好適である。

しかしながら、防盗上スライド式の扉自体にロ
ツク機構を設けることは好ましくなく、しかも引
き戸式に開閉をしようとする場合には扉本体側に
その手がかりを設けることはできないという事情
がある。

これは、扉が開いた状態では戸袋内に扉が隠れ
てしまうためであり、したがつてその扉本体には
扉本体が接合する側部を設けるとともに、その側
部に施錠・解錠用ハンドルおよびスライド操作用
ハンドルを併設する必要がある。

また、これら操作用のハンドルを人手により簡
単に操作させ得るためには、比較的ハンドル径を
大きくするとともに、人手により最も操作し易い
高さ位置に設定する必要がある。

このため、上記した各操作用のハンドルを互い
に上下に配置した場合には、何れか一方の操作用
のハンドルが操作者にとつて操作しにくい位置に
なり、また横に並べて設置した場合には開閉部分
に対し全体が大型化してしまう等の問題点があつ
た。

また、各操作用のハンドルを互いに別々に配置
した場合には、それらに連繁される駆動機構も複
雑化せざるを得ないという問題点を有している。

《考案の目的》 この考案は、上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、施錠・解錠用ハンドルおよびスラ
イド操作用ハンドルとが同心状に一体的に組合わ
せた構成として配置するとともに、各々独立して
回転し得るように構成し、操作機構および駆動機
構のコンパクト化を図るとともに簡便化を図るこ
とができる引き戸式金庫室扉の提供を目的とす
る。

《考案の構成と効果》 上記のような目的を達成するために、この考案
は、金庫室の壁面に形成された出入口用の開口に
枠部が嵌め付けられるとともに、この枠部に条設
されたガイドレールに沿つて左右にスライドし、
且つ上記出入口の開口を引き戸式に開閉する金庫
室扉において、 上記枠部の一側部に設けられた操作用パネルの
適宜位置に回転可能に中空状操作軸が挿通され、
この中空状操作軸の操作用パネル表面の突出端外
周に張出し形成される施錠・解錠用ハンドルと、 上記施錠・解錠用ハンドルの中空状操作軸内に
回転可能に操作軸が挿通され、この操作軸の操作
用パネル表面の突出端外周に上記施錠・解錠用ハ
ンドルと同心状に張出されて対向配置され、かつ
操作レバーを有する小形のスライド操作用ハンド
ルと、 上記施錠・解錠用ハンドルの中空状操作軸に連
繁して上下降するリンクロツドと、このリンクロ
ツドに連動して回転することにより扉本体の背部
に設けられた閂を前後進させ扉本体の背面に形成
された凹部に対して出没させる平リンクとを有す
る施錠・解錠機構と、 上記枠部の上部側に設け
られるとともにベルトが懸架された一対のプーリ
と、上記スライド操作用ハンドルの操作軸に連繁
されて上記プーリを回転させる中間ロツドと、上
記ベルトの回転に伴つて扉本体をスライドするよ
うにベルトおよび扉本体に取付けられるブロツク
とよりなる扉スライド機構と、 を備えることを特徴とする。

上記構成によれば、扉本体が接合する一側部の
操作用パネルに扉本体のスライド操作用ハンドル
および施錠・解錠用ハンドルとを同心状に一体的
組合わせた構成として配置するとともに、これら
を独立して回転させるように構成したので、操作
者が最も操作し易い位置に操作用のハンドルを設
定することができ、かつ場所もとらないことから
コンパクトになり、しかも意匠的外観をも向上さ
せることができる。

また、スライド操作用ハンドルの操作軸は施
錠・解錠用ハンドルの中空状操作軸内に回転可能
に挿通され、このスライド操作用ハンドルの操作
軸には扉スライド機構が連繁されるとともに、施
錠・解錠用ハンドルの操作軸には施錠・解錠機構
が連繁されているので、駆動機構のコンパクト化
および簡便化を図ることができる。

《実施例の説明》 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図はこの考案を適用した金庫室扉を示すも
ので、金庫室の壁部１に形成された開口には金庫
室アツセンブリである枠部２が額縁状に嵌め付け
られている。

そして、この金庫室アツセンブリである枠部２
は、上かまち４ａおよび図示しない下かまちと一
対の縦かまち４ｂで囲われる枠体の一方側に戸袋
５が、また他方側に後述する操作用の駆動部品を
内装した操作用パネル６が配置され、これらによ
つて囲われる開口部分にスライド式の扉本体７が
配置されている。

この扉本体７は、上かまち４ａ側に設けた図示
しないガイドレールにローラ８，８を介して懸架
され、かつその両側に配置された一対のプーリ
９，９間に懸架されたベルト１０に連結してスラ
イド可能な構成となつている。

一方、上記操作パネル６には、一対のダイアル
錠Ｄ，Ｄと、その下部に扉本体のスライド操作用
ハンドル１１と、このスライド操作用ハンドル１
１の外周に同心状に対向配置された施錠・解錠用
ハンドル１２が具備されている。

なお、図中１３は上記スライド操作用ハンドル
１１の操作用レバーである。

第２図および第３図は各ハンドル１１，１２に
連繁する扉スライド機構４０および施錠・解錠機
構５０の駆動機構を示す。

まず、スライド操作用ハンドル１１の操作軸１
４は、施錠・解錠用ハンドル１２の中空状操作軸
１５の中心を貫通し、操作用パネル６の背面に設
けられた軸受部１６に軸受されている。

そして、この操作軸１４の先端にはベベルギヤ
１７，１８を介して中間ロツド１９が直交して上
下方向に配置されている。

この中間ロツド１９の上端には、ウオーム２０
が設けられ、上記プーリ９の回転軸９ａの先端に
設けられたウオームホイール２１に噛合してい
る。

したがつて、上記操作用レバー１３を矢印の如
く回転操作すれば、プーリ９，９は回転し、ベル
ト１０を矢印方向に移動させることとなる。

他方、扉本体７の上部には接合用のブロツク２
２が一体に固着されており、またこのブロツク２
２は上記ベルト１０の一端に結合されているの
で、ベルト１０の移動に伴い扉本体７はスライド
して金庫室開口を開閉する。

また、上記施錠・解錠用ハンドル１２の操作軸
１５の先端にはギア２３が一体化され、このギア
には中間ギア２４が噛合し、かつ中間ギア２４は
中間ロツド２５の一端に結合されている。

中間ロツド２５の他端側にはＬ字形のリンクレ
バー２６が設けられており、このリンクレバー２
６の旋回端は上下方向に延在するリンクロツド２
７に結合されているとともに、リンクロツド２７
の上端にはラツク２８が切つてあり、また下端側
にはターンバツクル２９を介して伸縮調整自在な
ラツク３０が設けられている。

この各ラツク２８，３０にはピニオン３１，３
１を介して回転軸３２，３２が連繁しており、か
つ各回転軸３２の他端軸には偏心ピン３５が一体
に設けられている。

そして、偏心ピン３５は閂３３の上下端に設け
た平リンク３４，３４に結合している。

閂３３は扉本体の７の一側部背面に形成された
凹部７ａに対して出没を行なうもので、各図にお
いてはその閂３３が溝７ａ内に突出し、この結果
扉本体７を施錠した状態にある。

この状態より施錠・解錠用ハンドル１２で操作
軸１５を矢印方向に回転させると、その回転に連
繁してリンクロツド２７が下降し、また、このリ
ンクロツド２７に連動して平リンク３４が回転軸
３２とともに矢印方向に回転する。

このようにして、平リンク３４が回転すると、
閂３３が扉本体７の凹部７ａから外側へと後退
し、扉本体７が解錠されることになる。

なお、上記リンクレバー２６の他端側は上記ダ
イアル錠Ｄの図示しない施錠機構に連繁し、各ダ
イアル錠Ｄのロツクがかかつている状態では固定
され、閂３３は扉本体７側に突出し施錠されたま
まとなる。

また、上記実施例によれば、スライド操作用ハ
ンドル１１に連繁する回転伝達機構の中にウオー
ム２０およびウオームホイール２１を用いてい
る。

したがつて、これによれば、ハンドル１１の回
転操作でのみ扉本体７のスライド操作を行なうこ
とができ、他の外力により扉本体７が開閉するこ
とはないので、事故等を未然に防止できる。

このように、この実施例のような構成によれ
ば、扉本体７接合する一側部の操作用パネル６に
扉本体７のスライド操作用ハンドル１１および施
錠・解錠用ハンドル１２とを同心状に一体的に組
合わせた構成として配置するとともに、これらを
独立して回転させるように構成したので、操作者
が最も操作し易い位置に操作用のハンドル１１，
１２を一体的に設定することができ、かつ場所も
とらないことからコンパクトになり、しかも意匠
的外観をも向上させることができる。

また、スライド操作用ハンドル１１の操作軸１
４は施錠・解錠用ハンドル１２の中空状操作軸１
５内に回転可能に挿通され、このスライド操作用
ハンドル１１の操作軸１４には扉スライド機構４
０が連繁されるとともに、施錠・解錠用ハンドル
１２の操作軸１５には施錠・解錠機構５０が連繁
されているので、駆動機構のコンパクト化および
簡便化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用したスライド式金庫扉
の正面図、第２図は要部拡大断面図、第３図は要
部を示す斜視図である。 １……壁面、４ａ，４ｂ……枠部、６……操作
用パネル、７……扉本体、７ａ……凹部、９……
プーリ、１０……ベルト、１１……スライド操作
用ハンドル、１２……施錠・解錠用ハンドル、１
４，１５……操作軸、２２……接合用のブロツ
ク、２６……リンクレバー、２７……リンクロツ
ド、３２……回転軸、３３……閂、３４……平リ
ンク、３５……偏心ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 金庫室の側面に形成された出入口用の開口に枠
   部が嵌めつけられるとともに、この枠部に条設さ
   れたガイドレールに沿つて左右にスライドし、且
   つ上記出入口の開口を引き戸式に開閉する金庫室
   扉において、 上記枠部の一側部に設けられた操作用パネルの
   適宜位置に回転可能に中空状操作軸が貫通され、
   この中空状操作軸の操作用パネル表面の突出端外
   周に張出し形成される施錠・解錠用ハンドルと、 上記施錠・解錠用ハンドルの中空状操作軸内に
   回転可能に操作軸が貫通され、この操作軸の操作
   用パネル表面の突出端外周に上記施錠・解錠用ハ
   ンドルと同心状に張出されて対向配置され、かつ
   操作レバーを有する小形のスライド操作用ハンド
   ルと、 上記施錠・解錠用ハンドルの中空状操作軸に連
   繁して上下降するリンクロツドと、このリンクロ
   ツドに連動して回転することにより扉本体の背部
   に設けられた閂を前後進させ扉本体の背面に形成
   された凹部に対して出没させる平リンクとを有す
   る施錠・解錠機構と、 上記枠部の上部側に設け
   られるとともにベルトが懸架された一対のプーリ
   と、上記スライド操作用ハンドルの操作軸に連繁
   されて上記プーリを回転させる中間ロツドと、上
   記ベルトの回転に伴つて扉本体をスライドするよ
   うにベルトおよび扉本体に取付けられるブロツク
   とよりなる扉スライド機構と、 を備えることを特徴とするスライド式金庫室扉。