JPH04278122A

JPH04278122A - 電波遮蔽装置

Info

Publication number: JPH04278122A
Application number: JP3039985A
Authority: JP
Inventors: Takahito Ishii; 隆仁石井; Mamoru Isoya; 守礒谷
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1991-03-06
Filing date: 1991-03-06
Publication date: 1992-10-02
Anticipated expiration: 2014-09-27
Also published as: JP2953078B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電波強度の強い電子レ
ンジなどのドアに用いられる電波遮蔽装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電波遮蔽装置としては、電子レン
ジの庫内壁およびドアがある。電子レンジの庫内壁はス
テンレス等の金属板で構成された箱であり、金属面では
電波が反射される特性を利用して電波を遮蔽している。

【０００３】一方、電子レンジの前面部にあるドアの内
部を透視する部分は、図６に示したように、電波（マイ
クロ波）空間に相当する庫内Ａ側より耐熱透視硝子１０
、直径１ｍｍ程度の孔が無数規則正しくあけられ、これ
らの３つの孔の中心を結ぶと正３角形を形成しかつ５０
％程度の開口率（単位面積当たりの透視可能な部分の面
積の割合）を有するパンチングメタル部１１、化粧透視
硝子１２を設けて構成されていた。なお、ドア本体は鉄
板のプレス成型品であり、その中央部にパンチングメタ
ル部１１が本体と一体となって設けられていた。また、
ドア本体の端部には電波漏洩防止機構が設けられている
が、本発明とは直接関係ないので省略している。

【０００４】前述した電子レンジの前面部にあるドアの
内部を透視する部分において、パンチングメタル部１１
が電波遮蔽装置であり、孔があけてあるのは庫内が見え
るようにするためである。この部分では、孔があいてい
るもののその孔径は電波から見ると無視できるものであ
り、庫内壁と同様、電波は遮蔽され庫外Ｂに伝搬しない
ようになっている。このように、従来の電波遮蔽装置で
は１種類の電磁遮蔽材例えば、パンチングメタル部で電
波を遮蔽するものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、パンチングメタル部１１の孔径が小さ
くかつ開口率が低いため電子レンジ庫内がよく見えず、
もっと庫内を見やすくしてほしいという要望があった。これを満足するために、パンチングメタル部１１の開口
率を高くすることが考えられるが、開口率を高くすると
電波が漏洩するという課題が生ずる。

【０００６】また、錫をドープした酸化インジウム（以
下ＩＴＯと記す）等の薄膜（導体層）を透明な基板の上
に蒸着により設けた透明導電体をパンチングメタル部の
代わりに用いる試みがあるが、透明性を確保した場合の
透明導電体の抵抗値は高く、これを電波強度の強い電子
レンジの電波遮蔽装置として用いると、電波照射時、表
面のＩＴＯ導体層に電位差の大きい部分が生じ、この部
分間でスパーク（火花放電）が発生し、その熱により導
体層が破損し実用に耐えないものになってしまうという
課題があった。

【０００７】本発明は、かかる従来の課題を解決し、電
子レンジのドアの内部を透視する部分などに用いられ電
波空間がよく見える電波遮蔽装置を提供することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電波遮蔽装置は、可視光透過性および導電
性を有する材料で構成された少なくとも２種類の電波遮
蔽材の組合せよりなり、少なくとも５５％以上の可視光
透過率を有し、かつ電波が第１の前記電波遮蔽材を減衰
通過したのち第２の電波遮蔽材に至る構成とした。より
具体的には、第１の電波遮蔽材を、多数の開口部を有し
、その１個の開口部の面積が０．１〜４ｃｍ２　でかつ
開口率が６０〜９５％の金属遮蔽体、第２の電波遮蔽材
を表面抵抗が０．０２〜５０ｏｈｍ　の透明導電体とし
たものである。

【０００９】

【作用】本発明は、上記した構成により、電波を少なく
とも２種類の電波遮蔽材で分割して遮蔽できる。すなわ
ち、庫内の強い電界強度を有する電波は第１の電波遮蔽
材により大部分が反射され、残りの部分が吸収および透
過する。このとき、第１の電波遮蔽材は導電性を有する
ので部分間に大きな電位差ができないためスパークを発
生することはない。第１の電波遮蔽材を透過した電波は
その強度が弱められているため第２の電波遮蔽材により
完全に電波の透過を阻止することができる。

【００１０】また、第２の電波遮蔽材においても第１の
電波遮蔽材により電波が弱められているので表面に大き
な電位差が発生しないためスパークが発生することはな
い。

【００１１】さらに、電波遮蔽材はいずれも可視光透過
性を有し全体として５５％以上の可視光透過率を有する
ので電波空間がよく見えるようになる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の電波遮蔽装置の一実施例を添
付図面にもとずいて説明する。

【００１３】本発明において可視光透過率を５５％以上
とした。これは従来のこの種の可視光透過率が５０％程
度であるので、それよりも電波空間がよくみえるように
定めた。

【００１４】図１は電子レンジのドアの内部を透視する
部分に用いた電波遮蔽装置の断面図である。１は金属遮
蔽体であり、多数の開口部を有し、その開口部の面積が
１．０ｃｍ２　、開口率が８３％の、具体的には格子幅
が１ｍｍで、格子孔（開口部）が一辺１０ｍｍ角を有す
る鉄製の金属遮蔽板であり、ドア本体の中央部にプレス
打ち抜きにより作製した。２は、透明なポリエステルフ
ィルムの表面にＩＴＯ薄膜を蒸着で形成した透明導電体
で表面抵抗□２０オームである。そして、電波空間Ａに
近い側より金属遮蔽板１、透明導電体２を設けた。これ
らの端部はここでは導電性塗料を塗布して電気的に接続
されている。なお、図６の従来のものと同じものには同
一符号を付している。また、ドア周囲での電波漏洩防止
装置は省略している。

【００１５】上記構成において、電波（マイクロ波）は
先ず第１の電波遮蔽材である金属遮蔽板１に到達してそ
こで一部が反射または吸収して残りは通過する。このこ
とは、マイクロ波漏洩量測定より、金属遮蔽板１だけで
は約３０ｍＷ（ワット）／ｃｍ２　であり、これは金属
遮蔽板１が無い全くの開放状態では１００ｍＷ（ワット
）／ｃｍ２　以上であることより明らかである。そして
、金属遮蔽板１を通過して減衰したマイクロ波は第２の
電波遮蔽材である透明導電体２に至りそこで電波は完全
に遮蔽された（マイクロ波漏洩量０．１ｍＷ（ワット）
／ｃｍ２　以下）。一般にマイクロ波漏洩量は人体及び
計測器等への影響を考慮して１ｍＷ（ワット）／ｃｍ２
　以下に規制されており、上記実施例での値はこれを十
分満足するものである。

【００１６】本発明の主眼とするところは、それぞれの
電波遮蔽材が実用に耐える（電界が集中してスパークし
異常に温度上昇を起こしたり、破損したりしないことを
指す）レベルまでマイクロ波の電界強度を調節または分
割してそれぞれの電波遮蔽材に導きそこでマイクロ波を
遮蔽することにある。上記実施例においては、先ず電気
抵抗が低く、高い電位差が生じスパークを行さない金属
遮蔽板１で電波を透明導電体２が破損しない電波強度以
下に減衰させ、減衰透過した電波を透明導電体２に導き
そこで電波を完全に遮蔽することができる。そして、金
属遮蔽板１の開口率と電波減衰率とは負の相関があると
ともに、金属遮蔽板１による電波減衰率が高いと透明導
電体２の抵抗値を高くできる。これは、ＩＴＯ薄膜の厚
みを薄くして透明性をあげることができるということで
ある。本実施例のものにマイクロ波照射を１０００時間
以上行っても透明導電体２に何等の変化も生じなかった
。こうして、可視光透過率７０％を有するドアにするこ
とができた。また、従来の画一的な丸孔の開口部を有す
る電子レンジドアの形を変えることができた。図２は、
図１の実施例を応用した電子レンジの斜視図、図３は、
図１の実施例の構成を示す斜視図である。

【００１７】なお、上記実施例においては、金属遮蔽体
を四角形の開口部を有する格子状の金属遮蔽板１とした
が、これに限定されるものでなく金網等を用いてもよい
し開口部の形状も種々のものを用いてもよい。図４に、
丸孔形状の開口部を有する導電性構成の実施例を示した
。従来のドアと比べて内部が良く透視できる観点から、
実用的には開口部面積が０．１〜４ｃｍ２　でかつ開口
率が６０〜９５の金属遮蔽板と、表面抵抗が０．０２〜
５０ｏｈｍ　の透明導電体の組合せであれば良い。これ
は開口率６０〜９５％に限定したのは、６０％以下では
全体の可視光透過率５５％を達成しにくいからであり、
９５％以上は理想的には好ましいが現実には得にくいか
らである。また表面抵抗を０．０２〜５０ｏｈｍ　に限
定０．０２ｏｈｍ　以下では塗膜が厚くなりすぎ可視光
透過率が低下するからであり、５０ｏｈｍ　以上になる
と電波遮蔽能力が低下し、実用に供しなくなるからであ
る。開口部面積４ｃｍ２　で開口率９０％の金属遮蔽板
と表面抵抗５ｏｈｍ　の透明導電体との組合せにより５
５％の可視光透過率を有するものにできる。さらに、金
属遮蔽板のごとく材質が金属ではなく、合成樹脂または
セラミックのシート上に導電性材料を全体にあるいはそ
の一部に一定のパターンで被覆したものでも良い。さら
に、前記実施例では透明導電体を新たに設けたが、化粧
透視硝子１２の表面に直接設けても良い。

【００１８】図５は、本発明の第２の実施例を示すもの
で、９０％の開口率を有する２枚の金属遮蔽板を１／２
ピッチずらせて設けたもので、正面での可視光透過率は
実施例で示した金属遮蔽板１と同じにして、これと透明
導電体２を組み合わせたもので、第１の実施例と同様に
電波を遮蔽できる。このように２種類以上の電波遮蔽材
の組合せによっても目的を達成できる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明の電波遮蔽装置に
よれば、次の効果が得られる。（１）可視光透過性を有する材料よりなる電波遮蔽材よ
り構成され、５５％以上の可視光透過率を有しているの
で電波空間をよく見ることができる。（２）少なくとも２種類の電波遮蔽材の組合せよりなり
、電波が第１の電波遮蔽材を減衰通過したのち第２の電
波遮蔽材に至る構成としているので、それぞれの電波遮
蔽材がもつ耐電界強度以下に電波の電界強度を調節およ
び分割できる。こうして、高い可視光透過率を維持した
ままで電波を遮蔽できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子レンジのドアに適用した電波遮蔽
装置の断面図

【図２】本発明の電波遮蔽装置を用いた電子レンジの斜
視図

【図３】本発明の電子レンジのドアに適用した電波遮蔽
装置の斜視図

【図４】本発明の金属遮蔽体の他の実施例

【図５】本発
明の電子レンジのドアに適用した他の実施例の電波遮蔽
装置の断面図

【図６】従来の電子レンジドアの断面図

【符号の説明】

１　　金属遮蔽体２　　透明導電体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】可視光透過性および導電性を有する材料で
構成された少なくとも２種類の電波遮蔽材の組合せより
なり、少なくとも５５％以上の可視光透過率を有し、か
つ電波が第１の前記電波遮蔽材を減衰通過したのち第２
の前記電波遮蔽材に至る構成とした電波遮蔽装置。
【請求項２】第１の電波遮蔽材を、多数の開口部を有し
、その１個の開口部の面積が０．１〜４ｃｍ２　でかつ
開口率が６０〜９５％の金属遮蔽体、第２の電波遮蔽材
を表面抵抗が０．０２〜５０ｏｈｍ　の透明導電体とし
た請求項１記載の電波遮蔽装置。