JP2023172193A - 加熱調理器 - Google Patents

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賢治 森田
Kenji Morita
康之 上甲
Yasuyuki Joko
裕希 菅野
Yuki Sugano
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Abstract

【課題】従来と同等以上の電磁波減衰性能及び空間率が得られるとともに安価な加熱調理器を提供する。【解決手段】被加熱物を収容する加熱室2と、被加熱物をマイクロ波加熱する加熱源と、加熱室2に対して開閉可能なドア20Aと、を備え、ドア10Aは、加熱室2と対向して配置される外側ドアガラス25、庫外側ガラス42、庫内側ガラス41、導電性部材43を備える。導電性部材43は、最外観に配置されている外側ドアガラス25と離間して設置されている。導電性部材43は金属メッシュであって、金属メッシュは、線径が0.250mm以下0.030mm以上で、メッシュ数が73メッシュ以下22メッシュ以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、加熱調理器に関する。
加熱調理器は、加熱室に被調理物を載置して加熱調理するものであり、被加熱物を本体に格納するために、本体筐体の前部に開閉可能なドアを備えている。このドアには、加熱室内の被調理物の状態を確認するのぞき窓が設けられており、のぞき窓は、マイクロ波加熱の際にマイクロ波が本体外に漏洩することを防止するために、複数のパンチング孔が形成された金属板(パンチングメタル)によって構成されている。
特許文献1には、内外のドアガラスの間に、透明耐熱性樹脂シートに導電膜を設けて、調理の状況を見ながら調理を進められるようにした構造が記載されている。特許文献2には、パンチングメタルの一部またはすべてを取り除いて透明導電体を用いて庫内の視認性を向上する構造が記載されている。
特開2008-60015号公報 特開2005-26092号公報
しかしながら、特許文献1に記載の加熱調理器では、導電膜を電気的に接続する具体的な構造について検討されていない。また、特許文献2に記載の加熱調理器では、透明導電体をパンチングメタルに電気的に接続する具体的な構造について検討されていない。
本発明は、被加熱物を収容する加熱室と、前記被加熱物をマイクロ波加熱する加熱源と、前記加熱室に対して開閉可能なドアと、を備え、前記ドアは、前記加熱室と対向して配置される複数の透明性部材と、導電性部材と、を備え、前記導電性部材は、前記複数の透明性部材のうち最外観に配置されている透明性部材と離間して設置され、前記導電性部材は金属メッシュであって、前記金属メッシュは、線径が0.250mm以下0.030mm以上で、メッシュ数が73メッシュ以下22メッシュ以上であることを特徴とする。
第1実施形態の加熱調理器の外観斜視図である。 第1実施形態の加熱調理器のドアを開けた状態を示す斜視図である。 第1実施形態の加熱調理器の縦断面斜視図である。 図3のX方向矢視図である。 第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す断面斜視図である。 第1実施形態の加熱調理器のドア内部のチョーク構造部を備えたドアベース単体を示す斜視図である。 第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図である。 第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。 メッシュ数と線径との関係を示す近似式である。 第2実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図である。 第2実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。 第3実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図である。 第3実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図1に示す方向を基準として説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の加熱調理器の外観斜視図である。
図1に示すように、加熱調理器1Aは、外周を覆うキャビネット11で覆われる本体10と、本体10の前面に回動可能なドア20Aと、を備えて構成されている。ドア20Aは、ドアベース21(図3参照)と、ドア枠22と、ハンドル23と、操作パネル24と、外側ドアガラス25と、を備えている。この外側ドアガラス25は、最外観に配置されている透明性部材である。
ドア枠22は、ドア20の外周を構成する樹脂成型部品であり、ドア20Aの上下左右の全周を囲むように構成されている。ハンドル23は、ドア20Aを開閉する際の持ち手であり、樹脂成型部品によってドア枠22と一体に形成されている。操作パネル24は、操作部および表示部を備えている。外側ドアガラス25は、透明なガラス板によって構成され、ドア枠22に嵌め込まれている。
図2は、第1実施形態の加熱調理器のドアを開けた状態を示す斜視図である。
図2に示すように、加熱調理器1Aは、本体10の内側に被加熱物である被調理物(不図示)を収納する加熱室2を備えている。この加熱室2は、底板2a、奥板2b、上板2c、右側板2d、左側板2eを有し、前面に矩形状の開口が形成されている。なお、図2では、加熱室2の底板2a上にトレーが収納されている状態を示している。
ドア20Aの裏側(ドア20Aを閉じたときの本体10側)には、四角枠状の外周面20aが形成されている。この外周面20aと対向する加熱室2の入口周囲には、加熱室前板3が設けられている。この加熱室前板3は、左側と右側において鉛直方向(上下方向)に延びる縦面部3aと、縦面部3aの間における上端および下端から水平方向(左右方向)に延びる横面部3bとを有し、四角枠状に形成されている。縦面部3aおよび横面部3bは、平らな面で形成され、ドア20Aを閉じたときに、ドア20Aの外周面20aと面で接するようになっている。
図3は、第1実施形態の加熱調理器の縦断面斜視図である。なお、図3は、キャビネット11(図1参照)、底板2aより下側に設けられる部品の図示を一部省略している。
図3に示すように、ドア20Aの外周の内部(ドア枠22の内側)には、マイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造部26を備えたドアベース21が設けられている。ドアベース21は、ドア20Aの骨格を成すものであり、鉄などの金属製の板材を切削や抜き、曲げ、絞りなどの加工をすることによって構成されている。
チョーク構造部26は、ドア20Aの外周全体に渡って形成されている。なお、図3では、ドア20Aの上部と下部において水平方向に延びるチョーク構造部26の一部が図示され、ドア20Aの左右において上下方向に向けて延びるチョーク構造部の図示を省略している。
また、ドア20Aには、チョーク構造部26に追加して、別のチョーク構造部27が設けられている。このチョーク構造部27は、チョーク構造部26と同様に、加熱室2から漏れ出るマイクロ波を減衰させるものであり、ドアベース21と一体に形成されている。また、チョーク構造部27は、ドア20Aの外周に設けられるチョーク構造部26の内側(内周側)に設けられる。換言すると、チョーク構造部27は、外側ドアガラス25とマイクロ波遮蔽ガラス40Aの外周縁部との間に位置している。また、チョーク構造部27は、チョーク構造部26に沿って、周方向全体に渡って形成されている。
底板2aの下方には、被調理物をレンジ加熱する際に作動するレンジ加熱手段30が設けられている。このレンジ加熱手段30は、マイクロ波を発生させるマグネトロン、マイクロ波を加熱室2に送る導波管などによって構成されている。なお、本実施形態の加熱調理器1Aは、ヒータ(不図示)によるオーブン加熱手段などを備えていてもよい。また、第1実施形態の加熱調理器1Aは、レンジ加熱手段30のみを備えた単機能タイプに適用してもよく、レンジ加熱手段30やオーブン加熱手段などを備えたオーブンレンジタイプのものに適用してもよい。
また、ドア20Aには、外側ドアガラス25より庫内側に、透明なマイクロ波遮蔽ガラス40Aが設けられている。このマイクロ波遮蔽ガラス40Aは、マイクロ波を遮断させて加熱室2の外部にマイクロ波が漏洩するのを防止する機能を有する。つまり、第1実施形態の加熱調理器1Aでは、従来からある庫内の視認性とマイクロ波漏洩防止の両立を図るものとして使用されていたパンチングメタルを搭載しないものである。
図4は、図3のX方向矢視図である。なお、図4は、ドア20Aが完全に閉じた状態であり、ドア20Aの外周面20aが、加熱室2の前部開口の周囲に設けられた加熱室前板3に面で接して閉じた状態である。
図4に示すように、マイクロ波遮蔽ガラス40Aは、加熱室2側に位置する庫内側ガラス41(透明性部材)、加熱室2とは反対側(庫外側)に位置する庫外側ガラス42(透明性部材)と、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42との間に設けられる導電性部材43と、を備えて構成されている。また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42は、可視光線を透過する性質を有し、庫外から加熱室2内の被調理物を視認できるようにしたものである。また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42とは、間に導電性部材43を挟んで、接着剤を介して互いに固定されている。導電性部材43は、最外観の外側ドアガラス25と離間して配置されている。換言すると、導電性部材43は、外側ドアガラス25と接しないように設置されている。このように、マイクロ波遮蔽ガラス40Aは、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42とが接着、固定された複層ガラスである。このように庫内側ガラス41と庫外側ガラス42とが接着固定されていることで、衝撃などで破損したときのガラスの飛散を抑制できる。さらに、導電性部材43が最外観の外側ドアガラス25と離間して配置されていることによって、熱が外部に伝わりにくく、さらに電磁波も遮断されやすい構造となっている。
また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42は、耐熱性および耐衝撃性などに優れたガラス板によって構成されている。また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42は、いずれも同じ形状のものであり、上下左右の4辺が互いに一致するように構成されている。
導電性部材43は、金属製の縦糸と金属製の横糸とを格子状に編んだ金属メッシュを適用することができる。また、導電性部材43は、例えば平織によって構成されている。また、金属メッシュの開口率(空間率)は、一般的に使用されているパンチングメタルの開口率(例えば、50%)よりも大きく(例えば、70%又は78%以上)設定されている。これにより、庫外(加熱調理器1Aの外側)から加熱室2内を覗いたときの視認性をパンチングメタル(鉄板に複数の丸孔が形成されたもの)を用いた場合よりも高めることができる。また、導電性部材43は、加熱室2内の視認性を損なわなければ、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電体に限定されるものではなく、有色の導電体を適用してもよい。
なお、導電性部材43に金属メッシュを採用することは、導電性部材43の一部破損や剥離を検出する点でも好ましい。金属メッシュを採用すると、加熱室2内の視認性を損なわない範囲で、導電性部材43を薄く目視できる状態になる。導電性部材43は、一部が破損や剥離した場合に、それを導通検査では検出することは難しいので、目視での検出が必要になるが、従来技術でも挙げた導電膜のような目視できない透明な部材を採用すると、一部に生じた破損や剥離を検出するのは難しくなる。そのため、この導電性部材43を、加熱室2内の視認性を損なわない範囲で目視できる金属メッシュのような部材とすることが、導電性部材43の一部破損や剥離を検出する点で好ましい。
また、導電性部材43としては、金属メッシュに限定されるものではなく、金属を格子状(メッシュ状)に印刷したものであってもよい。例えば、庫内側ガラス41の面上または庫外側ガラス42の面上にペースト状にした導電性部材をスクリーン印刷によって形成することができる。
図5は、第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す断面斜視図である。
図5に示すように、チョーク構造部26,27は、例えば鉄製の金属板を複数回曲げるとともに周方向に沿って櫛歯状に構成されたものである。なお、図5では、チョーク構造部26,27がドア20Aの上部の一部しか図示していないが、ドア20Aの上部、下部、左側部および右側部の全周に渡って連続して形成されているものである。ちなみに、ドアベース21の一部は、加熱室前板3に接触する構造であり、ドアベース21と加熱室前板3とが隙間なく接触していればドア20Aの周囲からマイクロ波は漏洩しない。しかし、オーブン加熱などでドアベース21や加熱室前板3が高温に加熱された場合、金属の膨張により表面の平面度が変わることがある。この場合、ドアベース21と加熱室前板3の間にわずかな隙間が生じ、隙間からマイクロ波が漏洩する可能性がある。そこで、ドアベース21の周囲には、前記したチョーク構造部26,27が備えられている。
ドアベース21は、チョーク構造部26の前端において下方に延びる板部21aと、この板部21aの下端において後方(加熱室前板3側)に向けて延びる板部21bと、を有している。また、ドアベース21は、板部21bの後端から下方(マイクロ波遮蔽ガラス40Aの上端側)に向けて延びる板部21cと、この板部21cの下端から前方に延びた後に下方に延びるL字状の板部21dと、を有している。板部21cは、ドア閉時に加熱室前板3に接触するようになっている。板部21dは、庫外側ガラス42の外周縁部の庫外側の面と対向する位置に配置される。なお、図5では、ドアベース21がドア20Aの上部の一部しか図示していないが、チョーク構造部26と同様に、ドア20Aの上部、下部、左側部および右側部の全周に渡って連続して形成されている。
チョーク構造部27は、チョーク構造部26と同様に、鉄製の金属板を複数回曲げるとともに周方向に沿って櫛歯状に構成されたものである。また、チョーク構造部27は、ドアベース21の板部21dの下端に連続して形成されている。すなわち、板部21dの下端から前方に延びる板部27aと、この板部27aの前端から鉛直方向下方に延びる板部27bと、この板部27bの下端から後方に延びる板部27cと、この板部27cの後端から鉛直方向上方に板部27bよりも短く延びる板部27dと、を有している。板部27a,27bの部分が左右方向に沿って一つの面によって形成され、板部27c,27dの部分が左右方向に沿って櫛歯状に形成されている。また、板部27dの先端に、さらに曲げ部を設け、板部27a、27b、27c、27dで構成されるチョーク構造部27の内側方向に伸ばす板部を設けてもよい。
図6は、第1実施形態の加熱調理器のドア内部のチョーク構造部を備えたドアベース単体を示す斜視図である。なお、図6は、後側(庫内側)から見た状態を示している。
図6に示すように、チョーク構造部26の内周側には、ドアベース21の板部21cが位置している。この板部21cは、加熱室前板3(図2参照)に沿って四角枠状の面をなすように形成されている(図6では一部のみ図示)。さらに、板部21cの内周側には、チョーク構造部27が設けられている(図6では一部のみ図示)。
上側に位置するチョーク構造部27の先端の板部27dは、上下方向上向きに起立するように構成されている。右側に位置するチョーク構造部27の先端の板部27dは、左右方向右側に起立するように構成されている。なお、図示していないが、下側に位置するチョーク構造部27の先端の板部は、上下方向下向きに起立するように構成され、左側に位置するチョーク構造部27の先端の板部は、左右方向左側に起立するように構成されている。
図7は、第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図、図8は、第1実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。
図7および図8に示すように、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42は、前記したように同じ形状(同じ仕様)のガラスである。また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42との間に設けられる導電性部材43は、庫内側ガラス41と庫外側ガラス42の外周縁部と一致する形状であり、導電性部材43の縁部が庫内側ガラス41および庫外側ガラス42の端部から飛び出さないように構成されている。
図7に示すように、庫外側ガラス42の外周縁部42sは、板部21dの後面21d1に対して庫内側(加熱室2側)から押し付けられた状態でドアベース21に固定される。すなわち、シリコーンシール剤50(シール剤)を、庫内側ガラス41および庫外側ガラス42とドアベース21(板部21c,21d)とに跨るように塗布する。なお、シリコーンシール剤50は、耐熱性、接着性などを有するものである。このようにシリコーンシール剤50を用いることで、マイクロ波遮蔽ガラス40Aとドアベース21との隙間からドア20A内に異物が入り込むのを防止できる。
なお、図示省略しているが、シリコーンシール剤50は、マイクロ波遮蔽ガラス40Aの上端縁部、下端縁部、左端縁部および右端縁部の全体(全周)に連続的に塗布されている。そして、ドアベース21は、本体10(筐体)を介してアースに接地される。なお、図8では、シリコーンシール剤50の図示を省略している。なお、マイクロ波遮蔽ガラス40Aに設けられた導電性部材43は、ドアベース21(チョーク構造部26,27)と電気的には接続されていないが、電磁波(マイクロ波)を減衰させる機能は有している。
また、シリコーンシール剤50に替えてシリコーンに導電性を付与した導電性のシリコーンシール剤を用いてもよい。これにより、ドアベース21と導電性部材43とを電気的に接続することができる。
また、チョーク構造部27の板部27dは、マイクロ波遮蔽ガラス40Aの庫外側ガラス42との間に隙間S1が形成されている。これにより、庫外側ガラス42にチョーク構造部27が接触して、庫外側ガラス42が傷付くのを防止できる。
また、チョーク構造部27がマイクロ波遮蔽ガラス40Aの外周部に位置しているので、庫外から加熱室2内を見たときの視認性が損なわれるのを抑制できる。
図9は、メッシュ数と線径との関係を示す近似式であり、マイクロ波遮蔽ガラス40Aの空間率と減衰性能がともに例えば50%、50dB以上となるような線径(x)とメッシュ数(y)の領域をxy平面上に図示したときの境界線を表している(順に第1の境界線と第2の境界線とする)線径(x)とメッシュ数(y)は、線径(x)が0.250mm以下0.030mm以上であり、メッシュ数(y)が73メッシュ以下22メッシュ以上である場合に、第1の境界線と第2の境界線に囲まれた領域を満たす。
例えば、図9に示すように、導電性部材43の金属メッシュは、線径(x)が0.250mm以下0.030mm以上であって、メッシュ数(y)が73メッシュ以下22メッシュ以上である場合、以下の式1を満たすように構成されている。
12.04x-0.54≦y≦6.46x-1.04・・・(式1)
なお、黒丸(●)でプロットした曲線は、y=6.46x-1.04で示す空間率(%)の境界を示す近似式であり、白丸(〇)でプロットした曲線は、y=12.04x-0.54で示す減衰性能(dB)の境界を示す近似式である。例えば、線径が0.03mmの場合、空間率基準のメッシュ数は245であり、減衰性能基準のメッシュ数は75である。また、線径が0.25mmの場合、空間率基準のメッシュ数は25であり、減衰性能基準のメッシュ数は25である。なお、メッシュ数とは、25.4mm(1インチ)間の網目の数(線の本数)を表す。また、線径は、1本の線の直径を表す。
y=6.46x-1.04は、メッシュ数と線径との関係から空間率(%)を示したマップ(例えば、線径0.030~0.250mm、メッシュ数20~300)に基づくものである。空間率の境界として、例えば、線径とメッシュ数のどちらか一方を固定し、もう一方を変数とした場合に得られる空間率が約50%以上のところを、図9のようなx軸が線径、y軸がメッシュ数(横軸)とする平面座標上のマップで複数プロットして導き出した領域の境界線を近似式としてあらわしたものである。このようなマップでは、例えば、線径を固定(一定に)した場合、メッシュ数が多くなるにつれて空間率は低くなる。また、メッシュ数を固定(一定に)した場合、線径が大きくなるにつれて空間率は低くなる。
また、y=12.04x-0.54は、メッシュ数と線径との関係から減衰性能(dB)を示したマップ(例えば、線径0.030~0.250mm、メッシュ数20~300)に基づくものであり、減衰性能の境界として、例えば約50dB以上のところをプロットしたものである。このようなマップでは、例えば、線径を固定(一定に)した場合、メッシュ数が多くなるにつれて減衰性能は高くなる。また、メッシュ数を固定(一定に)した場合、線径が大きくなるにつれて減衰性能は高くなる。
このように線径(x)が0.250mm以下0.030mm以上であって、メッシュ数(y)が73メッシュ以下22メッシュ以上である場合、式1[12.04x-0.54≦y≦6.46x-1.04]を満たす金属メッシュを適用して導電性部材43を構成する。これにより、従来と同等以上の電磁波減衰性能及び空間率が得られ、しかもメッシュ数を少なくすることで安価にした加熱調理器1Aを得ることができる。
例えば、金属メッシュは、メッシュ数が22以上28以下の場合、線径が0.250mm以下0.220mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数27以上33以下の場合、線径が0.240mm以下0.170mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数32以上38以下の場合、線径が0.210mm以下0.130mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数37以上43以下の場合、線径が0.180mm以下0.110mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数42以上48以下の場合、線径が0.160mm以下0.090mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数47以上53以下の場合、線径が0.140mm以下0.070mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数52以上58以下の場合、線径が0.130mm以下0.060mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数57以上63以下の場合、線径が0.120mm以下0.050mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数62以上68以下の場合、線径が0.110mm以下0.050mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
また、金属メッシュは、メッシュ数67以上73以下の場合、線径が0.100mm以下0.040mm以上とすることが好ましい。これは、前記した式1を満たす範囲をさらに限定したものである。これにより、さらに高い電磁波減衰性能及び空間率またはより安価に必要性能を得られる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図、図11は、第2実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図10および図11に示すように、第2実施形態の加熱調理器1Bは、第1実施形態のマイクロ波遮蔽ガラス40Aに替えてマイクロ波遮蔽ガラス40Bとしたドア20Bを備えている。このマイクロ波遮蔽ガラス40Bは、庫内側ガラス41(透明性部材)と、導電性部材43と、を備えている。なお、導電性部材43は、第1実施形態と同様に構成されている。
図10に示すように、導電性部材43の外周縁部43uは、ドアベース21の板部21dの後面に押し付けられた状態で、シリコーンシール剤50を介して固定される。なお、図示省略しているが、外周縁部43uは、庫内側ガラス41の上部、下部、左側部、右側部の4辺に露出して形成され、ドアベース21の全周と接して電気的に接続されている。
また、チョーク構造部27の板部27dは、マイクロ波遮蔽ガラス40Bの庫内側ガラス44に積層された導電性部材43との間に隙間S2が形成されている。これにより、導電性部材43にチョーク構造部27が接触して、導電性部材43が傷付くのを防止できる。
このように構成された第2実施形態の加熱調理器1Bでは、第1実施形態と同様に、従来と同等以上の電磁波減衰性能及び空間率が得られ、しかもメッシュ数を少なくすることで安価に構成することができる。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す縦断面図、図13は、第3実施形態の加熱調理器のドア内部構造を示す横断面図である。
図12および図13に示すように、第3実施形態の加熱調理器1Cは、第1実施形態のマイクロ波遮蔽ガラス40Aに替えてマイクロ波遮蔽ガラス40Cとしたドア20Cを備えている。このマイクロ波遮蔽ガラス40Cは、庫内側ガラス41(透明性部材)と、庫外側ガラス45(透明性部材)と、導電性部材43と、を備えている。なお、導電性部材43は、第1実施形態と同様に構成されている。
図12に示すように、庫外側ガラス45は、庫内側ガラス41よりも厚みが薄く形成されている。また、庫内側ガラス41と庫外側ガラス45は、上下左右の4辺が互いに一致するように構成されている。また、導電性部材43の縁部は、庫内側ガラス41および庫外側ガラス45の端部から飛び出さないように構成されている。
チョーク構造部27の板部27dは、マイクロ波遮蔽ガラス40Cの庫外側ガラス45との間に隙間S3が形成されている。これにより、庫外側ガラス45にチョーク構造部27が接触して、庫外側ガラス45が傷付くのを防止できる。
1A,1B,1C 加熱調理器
2 加熱室
3 加熱室前板
20A,20B,20C ドア
21 ドアベース
21a,21b,21c,21d 板部
25 外側ドアガラス(最外観に配置されている透明性部材)
30 レンジ加熱手段(加熱源)
40A,40B,40C マイクロ波遮蔽ガラス
41 庫内側ガラス(透明性部材)
42,45 庫外側ガラス(透明性部材)
43 導電性部材

Claims (13)

  1. 被加熱物を収容する加熱室と、
    前記被加熱物をマイクロ波加熱する加熱源と、
    前記加熱室に対して開閉可能なドアと、を備え、
    前記ドアは、前記加熱室と対向して配置される複数の透明性部材と、導電性部材と、を備え、
    前記導電性部材は、前記複数の透明性部材のうち最外観に配置されている透明性部材と離間して設置され、
    前記導電性部材は金属メッシュであって、
    前記金属メッシュは、線径が0.250mm以下0.030mm以上で、メッシュ数が73メッシュ以下22メッシュ以上であることを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュが、線径が0.250mm以下0.030mm以上であって、メッシュ数が73メッシュ以下22メッシュ以下である場合、
    線径とメッシュ数は、該線径と該メッシュ数とを対比させた平面座標上に図示され前記導電性部材の空間率が50%以上となるような第1の境界線と、該平面座標上に図示され前記導電性部材の減衰性能が50dB以上となるような第2の境界線に囲まれた領域を満たすことを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、線径(x)が0.250mm以下0.030mm以上であって、メッシュ数(y)が73メッシュ以下22メッシュ以上である場合に、
    式1[12.04x-0.54≦y≦6.46x-1.04]を満たすことを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数22以上28以下の場合であって、線径が0.250mm以下0.220mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数27以上33以下の場合であって、線径が0.240mm以下0.170mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数32以上38以下の場合であって、線径が0.210mm以下0.130mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  7. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数37以上43以下の場合であって、線径が0.180mm以下0.110mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  8. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数42以上48以下の場合であって、線径が0.160mm以下0.090mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  9. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数47以上53以下の場合であって、線径が0.140mm以下0.070mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  10. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数52以上58以下の場合であって、線径が0.130mm以下0.060mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  11. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数57以上63以下の場合であって、線径が0.120mm以下0.050mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  12. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数62以上68以下の場合であって、線径が0.110mm以下0.050mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
  13. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記金属メッシュは、メッシュ数67以上73以下の場合であって、線径が0.100mm以下0.040mm以上であることを特徴とする加熱調理器。
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