JPH04278080A - 神経回路の作製方法 - Google Patents

神経回路の作製方法

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JPH04278080A
JPH04278080A JP3035847A JP3584791A JPH04278080A JP H04278080 A JPH04278080 A JP H04278080A JP 3035847 A JP3035847 A JP 3035847A JP 3584791 A JP3584791 A JP 3584791A JP H04278080 A JPH04278080 A JP H04278080A
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JP
Japan
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cells
culture substrate
cell
array element
cell array
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Application number
JP3035847A
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English (en)
Inventor
Hideo Kawaguchi
英夫 川口
Takejiro Nochida
後田 竹次郎
Norio Shimizu
清水 範夫
Shunei Morikawa
守川 俊英
Yasuhisa Odakawa
泰久 小田川
Takayuki Senda
孝之 千田
Jun Fukuda
潤 福田
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Hitachi Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回路を形成することで
機能を発現する神経細胞を、神経細胞に接する部分に多
数の微細起伏を刻設した表面を有するプラスチック製培
養基板面上の特定の領域に人工的に配置し、これを培養
して、生体内における特定の組み合せの神経細胞間の結
合を再構成した神経回路、もしくはあらかじめデザイン
した人工的な神経回路の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞培養技術の発達により、神経
系の細胞を分散した状態で培養できるようになった。し
かるに、神経細胞は生体組織内で特定の組み合せで互い
に連絡し合い回路を形成することで、情報処理という機
能を発現する。したがって、生体外において、神経細胞
を配列させ培養し、特定の組み合せの結合を作ることが
できれば、種々の機能を有する人工的な生物学的装置を
製作することが可能となる。
【0003】ところが、組織中の神経細胞を培養するた
めに分散状態にすると、組織内で有していた神経細胞間
の特定の組み合せの結合が破壊される。その結果、培養
は可能であるが機能は失われてしまう、という問題があ
った。
【0004】一方、神経細胞を分散せずに生体から摘出
した神経組織のまま培養することが可能である。しかし
、今度は該組織内の個々の神経細胞を特定することがで
きず、結局、利用したい機能を取り出すことが困難であ
った。例えば、該組織内の特定の神経回路の入出力信号
を利用しようとする場合、この神経回路を構成する神経
細胞を特定することができず、上記所望の入出力信号を
利用することはできなかった。
【0005】このような問題点を解消し、一旦分散した
特定の神経細胞を同一培養基板面上に配置し、生体内に
おける特定の組み合せの神経細胞間の結合を再構成する
一つの方法として、表面に浅い溝を有するプラスチック
製培養皿の上に、複数の区画された、培養基板面に連通
するチャンバ−を有する部材を設置し、該チャンバ−を
介して神経細胞の分散液を導入保持し、該培養皿上の特
定の位置に該細胞を沈降付着させ、上記部材を設置した
まま培養する方法がある(Proc. Natl. A
cad.Sci. USA, Vol.74, No.
10, pp.4516−4519, 1977. S
cience, Vol.244, pp.585−5
87, 1989.)。しかしながら、この方法は、上
記部材が神経線維の伸長および機能の発現を物理的、生
物的に阻害する恐れがあり、さらに、培養時に細胞の相
互関係を観察できないため、神経細胞同士の連絡関係が
特定できない欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みてなされたものであり、その課題は、一旦分散した特
定の神経細胞を簡便かつ迅速に培養基板面上に配置し、
さらに、神経線維の伸長方向制御を行いながらこれを培
養して特定の組み合せの結合を再構成する実用的な方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、神経細胞に接
する部分に多数の微細起伏を刻設した表面を有すること
で神経線維の伸長方向を制御するプラスチック製培養基
板を用い、該培養基板面上の特定領域を区画する細胞配
列素子を該培養基板面上に装着し、該細胞配列素子に神
経細胞分散液を導入し、該細胞分散液中の神経細胞を該
培養基板面上に沈降着床させた後、該細胞配列素子を該
培養基板面上より撤去し、該培養基板面上に配置された
神経細胞を培養することすることにより、培養基板面上
の特定領域に神経細胞を配列し、特定の組み合せの神経
細胞間に結合を作らせることを可能とするものである。 本発明の方法は、あらかじめデザインした人工的な神経
回路を培養基板面上に構築することを可能とする。
【0008】本発明における、多数の微細起伏を刻設し
た表面を有するプラスチック製の培養基板の材質は、ポ
リエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、エポキシアクリ
レ−ト、ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ビ
スフェノ−ルAエチレンオキシド不加物ジメタクリレ−
トおよびトリシクロデカニルジメチロ−ルジアクリレ−
トから成る群から選ばれる1種または2種以上の光硬化
性アクリレ−トおよび/または光硬化性メタクリレ−ト
樹脂である。該プラスチック製培養基板は、上記材質を
選択してその表面の性質を変えることで、神経線維の伸
長方向制御能力をコントロ−ルすることが可能である。 また、該プラスチック製培養基板は、細胞と接する部分
に多数の微細起伏を刻設した表面を有する。該微細起伏
の構造は、例えば、幅0.1〜1000μm、深さ0.
1〜1000μmの細条溝で、互いに平行に構成された
ものを挙げることができる。該細条溝の幅、深さ等を変
えることで、神経線維の伸長方向制御能力をコントロ−
ルすることも可能である。
【0009】本発明における、上記培養基板面上の特定
領域を区画する細胞配列素子の材質は、細胞の成育およ
び機能の発現を阻害しないものであればいずれのもので
も良く、例えば、シリコン、プラスチック、ガラス等を
挙げることができる。該細胞配列素子の該培養基板面上
を区画する特定領域の形状は任意に設計できる。
【0010】また、本発明の細胞配列素子は、細胞の配
列処理の後、培養基板上から分離され撤去される。これ
は、細胞配列素子が細胞の成育および機能の発現を物理
的、生物的に阻害することを避け、さらに、培養時に細
胞の相互関係を観察可能とし、細胞同士の連絡関係を特
定可能とするためである。
【0011】該細胞配列素子を撤去した後、細胞が特定
領域に配列された培養基板は、培養工程に付される。こ
の培養工程において、例えば、複数種の神経細胞を培養
基板面上に配列させた場合、該神経細胞から神経線維が
伸長し、シナプスを形成して互いに連結することにより
神経回路網が構築される。
【0012】さらに、上記細胞配列素子を用いる時、導
入する細胞分散液の量および/または濃度を変えること
により、上記特定領域における培養基板面上の細胞密度
を制御することが可能である。適切な細胞分散液の量お
よび/または濃度を選択すると、該特定領域に細胞を単
層に配列することもできる。
【0013】以下、本発明にかかるプラスチック製培養
基板および細胞配列素子について図面を参照しながら説
明する。
【0014】図1(a)、(b)は、本発明にかかるプ
ラスチック製培養基板および細胞配列素子を組み合わせ
た一例を示す概略図、および該プラスチック製培養基板
のA−A´断面図である。
【0015】本例は、プラスチック製培養基板101、
該プラスチック製培養基板101上に設置された細胞配
列素子102より構成される。該プラスチック製培養基
板101面上には、互いに平行に構成された多数の細条
溝103が刻設されている。また、該細胞配列素子10
2は2本の平行なスリット104を有する。
【0016】培養すべき神経細胞を含む細胞分散液は該
スリット104に導入される。該細胞分散液中の細胞は
、遠心処理により、該プラスチック製培養基板101面
上に沈降着床する。該細胞配列素子102を撤去すると
、該プラスチック製培養基板101面上に神経細胞が2
本の帯状に配列される。該神経細胞を培養すると、神経
線維の伸長する方向が該細条溝103により制御される
【0017】該細条溝103の深さは、0.1〜100
0μmの範囲内であれば特に限定されないが、直径数1
0μm程度の細胞が配列操作時に培養基板面の他の領域
に実質的に漏出しないよう、0.1〜10μm程度が望
ましい。
【0018】該スリット104には、1種類の神経細胞
を含む細胞分散液を導入しても良く、左右のスリットに
それぞれ別々の種類の神経細胞を含む細胞分散液を導入
しても良い。
【0019】次に、図2(a)、(b)、(c)は、本
発明にかかる、プラスチック製培養基板上に設置される
細胞配列素子の別の一例を示す平面図、背面図およびB
−B´断面図である。
【0020】本例においては、細胞配列素子102は、
板状体の上面に刻設された細胞分散液プ−ル201、該
板状体の下面に刻設され、かつ、該細胞分散液プ−ル2
01に連通するように延設された区画部202(この区
画部202は培養基板上への細胞配列のための開口部で
ある)、該板状体の下面に刻設され、かつ、該区画部2
02に対し連通する細胞分散液回収プ−ル203、この
細胞分散液回収プ−ル203の該板状体の上面への連通
孔204、より構成されている。
【0021】本例の細胞配列素子102は、図の左側に
ある細胞分散液プ−ル201に連通するように延設され
た区画部202と、図の右側にある細胞分散液プ−ル2
01に連通するように延設された区画部202とが交互
に配列されている。したがって、図の左側にある細胞分
散液プ−ル201に連通するように延設された区画部2
02は図の右側の細胞分散液回収プ−ル203で連通し
、かつ、右側にある該板状体の上面への連通孔204に
連通している。一方、図の右側にある細胞分散液プ−ル
201に連通するように延設された区画部202は図の
左側の細胞分散液回収プ−ル203で連通し、かつ、左
側にある該板状体の上面への連通孔204に連通してい
る。
【0022】該細胞配列素子102を培養基板上に密着
させた後、細胞分散液プ−ル201に該細胞配列素子1
02上面から導入された細胞分散液は、該細胞配列素子
102下面の区画部202に入り、次いで該細胞配列素
子102下面の細胞分散液回収プ−ル203に入った後
、連通孔204を経て該素子上面に至る。即ち、細胞分
散液の通る流路は、該細胞配列素子102上面から見て
閉じていない。したがって、該配列素子上面から細胞分
散液を細胞分散液プ−ル201に滴下しつつ、連通孔2
04の該細胞配列素子102上面部より細胞分散液を吸
引する操作を行うことが可能であり、この操作を数回繰
り返すことで、区画部202内の細胞分散液の細胞濃度
を均一にすることができる。さらに、区画部202内の
細胞を基板面上に沈降着床させた後、上記操作を静かに
行って、再び区画部202内の細胞を基板面上に沈降着
床させ、配列される細胞数を増やすことも可能である。
【0023】本例の細胞配列素子102では、該細胞配
列素子102の左右の細胞分散液プ−ル201に連通し
た区画部202は互いに独立している。したがって、左
右の細胞分散液プ−ル201の各々に異種の細胞が分散
した液を導入すると、複数組の交互に隣合った異種細胞
の帯状配列を行うことができる。しかも、本素子は何回
でも繰り返して使用できるため、異なる基板上に異なる
細胞の組合せで全く同じ形状の配列を行うことが可能で
ある。
【0024】本例の細胞配列素子102によって配列さ
れる細胞は、重力による自然沈降、または遠心力による
沈降で基板面上へ沈降着床する。自然沈降の場合は、該
細胞の損傷が極めて少ない上に、該基板面上の特定領域
以外へ細胞が漏出する確率も極めて小さい利点がある。 さらに、配列操作の工程が少ないため、系の無菌性の維
持も容易である。この方法は、特に、同一基板面上の異
なる領域に複数の異なる細胞を互いに独立に配列する際
に有効である。また、遠心力による沈降を用いる場合は
、該細胞を極めて迅速に基板面上へ沈降着床させること
ができる利点がある。この方法は、特に、細胞配列素子
の区画部の高さが高い場合、即ち、区画部内に浮遊した
細胞の沈降距離が長い場合、有効である。
【0025】上記自然沈降で上記細胞を基板面上へ沈降
着床させる場合は、該細胞配列素子内に保持された実質
的にすべての細胞が基板面上へ沈降着床するまで、該細
胞配列素子が基板面上に装着されている必要がある。し
かしながら、上記細胞が該細胞配列素子内に保持されて
いる時間は、上記細胞の活性を損なわない範囲であるこ
とが要求される。細胞の活性を損なわない時間の限界は
、細胞の種類によって異なるため一概に特定できないが
、例えば、ニワトリ胚の網膜または視蓋の神経細胞では
数時間である。ここで、該細胞配列素子内に保持された
実質的にすべての細胞が沈降着床するまでの時間は、該
細胞配列素子の形状と材質、細胞の性質および該細胞が
浮遊する培地の性質によって決まる。したがって、該細
胞配列素子の形状は、上記材質および性質が考慮された
ものでなければならない。
【0026】一方、上記遠心力による沈降で上記細胞を
基板面上へ沈降着床させる場合は、遠心条件について、
該細胞に損傷を与えないような緩和な条件を選択する必
要がある。例えば、ニワトリ胚の網膜または視蓋の神経
細胞では、500〜1200rpm、3分間の条件であ
る。
【0027】本例の細胞配列素子102は、半導体製造
技術を応用して、厚さ800μmのシリコンウエハ−に
、幅200μm、深さ400μmの区画部202を刻設
したものである。かように複雑な形状の素子でも、数枚
のレジストパタ−ンを用意し、該レジストパタ−ンの該
シリコンウエハ−上における位置を正確に合わせながら
エッチング工程を数回実施することで容易に作ることが
できる。もちろん、本細胞配列素子の材質はシリコンに
限定されるものではなく、細胞の成育および機能の発現
を阻害せず加工性の良いもの、例えば、プラスチック、
ガラス等でも良い。
【0028】以上に例示した本発明における細胞配列素
子102を使用するに際しては、例えば、一定の深さを
有するプラスチック等からなる培養皿内に本発明におけ
るプラスチック製培養基板101を収納し、該培養基板
に該細胞配列素子を装着し、次いで細胞分散液を該細胞
配列素子に導入して細胞を沈降着床させた後、該細胞配
列素子を該培養基板より撤去し、その面上に細胞が配列
された該培養基板を該培養皿内で培養することが適当で
ある。
【0029】本発明の方法により構築した神経回路の機
能を調べる方法には、通常の微小電極を用いた方法の他
に、図3に示すような培養基板面上に設けた電極を用い
る方法がある。
【0030】図3は、本発明にかかる、プラスチック製
培養基板の別の一例を示す平面図である。
【0031】本例のプラスチック製培養基板は、プラス
チック製培養基板101面上に配列培養された神経回路
の機能を外部にとりだすために、該培養基板101面上
に微小な電極を配置したものである。該培養基板は、細
条溝103間にあるパタ−ニングされた入力電極301
および出力電極303、入力電極301または出力電極
303の各々とそれぞれ独立に電気的に接続され、かつ
、該培養基板101面上に存在する入力電極ポ−ト30
2または出力電極ポ−ト304より構成される。入力信
号を入力電極301から受ける神経細胞を該培養基板1
01面上の領域305に配列し、領域305の細胞から
の信号を受ける神経細胞を領域306に配列し、さらに
領域306の細胞からの信号を受ける神経細胞を領域3
07に配列し、領域307の細胞からの信号を受け、か
つ、処理された信号を出力電極303を経て外部に出力
する神経細胞を領域308に配列する。本例のプラスチ
ック製培養基板を用いると、培養により該培養基板10
1面上に構築した神経回路をプロセッサとして用いるこ
とが可能となる。
【0032】入力電極301、入力電極ポ−ト302、
出力電極303、および出力電極ポ−ト304の材質は
、細胞の成育および機能の発現を阻害しないものであれ
ばいずれのものでも良いが、例えば、白金、金、シリコ
ン、導電性プラスチック、または前記四者の表面に細胞
接着性ポリペプチドまたは蛋白質を塗布したもの等を挙
げることができる。これら入力電極301、入力電極ポ
−ト302、出力電極303、および出力電極ポ−ト3
04を該培養基板面上にパタ−ンニングする方法には、
レジスト材を用いたスパッタリングや蒸着等がある。な
お、金属等の表面に細胞接着性ポリペプチドまたは蛋白
質を厚く塗布した電極では、ポリペプチドや蛋白質がコ
ンデンサの役割を果たすため、細胞の電気信号の変化分
を取り出すことができる。
【0033】
【作用】本発明により、多数の微細起伏を刻設した表面
を有するプラスチック製培養基板上に、一旦分散した神
経細胞を人工的に配置し、生体内における特定の組み合
せの神経細胞間の結合を、神経細胞同士の連絡関係を光
学顕微鏡観察により特定しながら再構成することが可能
となるとともに、神経細胞の有する有用な機能を容易に
利用することが可能となる。さらに、あらかじめデザイ
ンした人工的な神経回路を該培養基板面上に構築するこ
とが可能となる。
【0034】
【実施例1】図1のプラスチック製培養基板および細胞
配列素子を使用し、2種の神経細胞を配列培養した。
【0035】直径35mm、深さ10mmのプラスチッ
ク製培養皿内に敷いた、20mm×20mmのプラスチ
ック製培養基板101上にアルコ−ル滅菌した細胞配列
素子102を密着固定した。該プラスチック製培養基板
101面上に刻設された細条溝の構造は幅10μm、深
さ1μm、間隔10μmである。培養皿にPIT培地(
無血清細胞培養マニュアルp197:講談社サイエンテ
ィフィク)を2ml加え、さらに、細胞濃度約1×10
6cells/mlのニワトリ胚網膜または視蓋神経細
胞分散液それぞれ0.1mlを、各々別のスリット10
4に導入した。これを、1000rpm、3分間の遠心
処理をした後、CO2インキュベ−タ内で静置し、細胞
を培養基板面上に着床させた。2時間後、細胞配列素子
102を培養基板面上から撤去した。さらに、88時間
CO2インキュベ−タ内で培養し、培養基板面上の細胞
の状況を観察した。
【0036】培養結果より、細胞配列素子102を用い
ると、2種類の神経細胞をほぼ均一な密度の2本の帯状
に配列できることが分かった。また、あらかじめロ−ダ
ミン6Gで蛍光標識しておいた網膜細胞の分布を、細胞
配列素子102をガラス面上から撤去した直後に蛍光観
察したところ、網膜細胞の視蓋細胞領域への迷入は殆ど
なかった。これは、細胞配列素子102の下面の平面性
が極めて良く、基板面と良く密着しているためである。 さらに、培養90時間後培養基板面上の細胞の状況を観
察したところ、網膜および視蓋の神経細胞が神経線維を
細条溝103に沿って伸ばしていた。これより、プラス
チック製培養基板101を用いて細胞を配列培養すると
、神経線維の方向制御が可能なことが確かめられた。ま
た、網膜および視蓋の神経細胞間の線維結合が形成され
ていた。
【0037】以上より、プラスチック製培養基板101
上に、一旦分散した複数種の神経細胞を、細胞配列素子
102を用いて人工的に配列し、生体内における特定の
組み合せの神経細胞間の結合を、神経細胞同士の連絡関
係を光学顕微鏡観察により特定しながら再構成すること
が可能であることが明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法により、神経細胞に接する
部分に多数の微細起伏を刻設した表面を有するプラスチ
ック製培養基板上に、一旦分散した神経細胞を、細胞配
列素子を用いて人工的に配置し、生体内における特定の
組み合せの神経細胞間の結合を、神経細胞同士の連絡関
係を光学顕微鏡観察により特定しながら再構成すること
が可能となる。さらに、本発明の方法により、あらかじ
めデザインした人工的な神経回路を該培養基板面上に構
築することが可能となる。この神経回路は、それ自身で
プロセッサあるいはニュ−ロコンピュ−タとなる他、タ
ンパク質を配列して作ったバイオ素子の入出力インタ−
フェイスとして用いることができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明にかかるプラス
チック製培養基板と細胞配列素子を組み合わせた一例を
示す概略図および該プラスチック製培養基板のA−A´
断面図
【図2】(a)、(b)および(c)は、該プラスチッ
ク製培養基板上に設置される細胞配列素子の別の一例を
示す平面図、背面図およびB−B´断面図
【図3】該プラスチック製培養基板の別の一例を示す平
面図
【符号の説明】
101…プラスチック製培養基板、102…細胞配列素
子、103…細条溝、104…スリット、201…細胞
分散液プ−ル、202…区画部、203…細胞分散液回
収プ−ル、204…連通孔、301…入力電極、302
…入力電極ポ−ト、303…出力電極、304…出力電
極ポ−ト、305…入力神経細胞配列領域、306…神
経細胞配列領域、307…神経細胞配列領域、308…
出力神経細胞配列領域。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の手順よりなる、生きた神経回路の作
    製方法。細胞培養基板として、神経細胞に接する部分に
    多数の微細起伏を刻設した表面を有する、神経線維の伸
    長方向を制御するプラスチック製培養基板を用いること
    、  該培養基板上に、該培養基板面に関して細胞を存
    在させるべき領域と細胞を存在させるべきでない領域と
    に区分する部材を設置すること、該部材に、培養すべき
    神経細胞を含む細胞分散液を導入すること、該培養基板
    面上に該細胞を沈降着床させること、該部材を撤去する
    こと、該培養基板上に配置された神経細胞を培養するこ
    と。
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