JPH0427770Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はゴム栓蓋を嵌着し、内部の薬液を密
封包装する管瓶に関する。

従来の技術 従来、薄いガラス管から製造される管瓶は、口
部の孔径が同一径の平行面に形成され、これにゴ
ム栓蓋を密嵌するようにしていた。

考案が解決しようとする課題 従来の管瓶の構成では口部が薄いため、ゴム栓
蓋を密嵌すると破損することがあった。またそれ
故に管瓶の口部を破損しないようにゴム栓蓋を嵌
合すると、ゴム栓蓋が緩むことがあり、薬液の密
封収容に不適であった。

課題を解決するための手段 薄いガラス生地管から製造される管瓶におい
て、口部は、その外径および内径をその生地管よ
り縮径されており、その口部の先端側には、縮径
加工を受けない胴部の肉厚より厚くなるように帯
状に外周を隆起して隆起厚肉口部が設けられてお
ると共に、この隆起厚肉口部の内径面に環状溝が
設けられており、この環状溝にゴム栓蓋の挿入部
の外周に設けた突条縁を係合させ、ゴム栓蓋を嵌
着して内部に薬液を密封することを特徴とする薬
液用管瓶にある。

作 用 この考案管瓶は、構成から薄い肉厚のガラス管
より形成されるものであるが、口部が、生地管よ
り縮径されておるとともに、その口部の先端側が
帯状の厚肉に設けられているので、丈夫となり、
ゴム栓蓋をきつく密嵌することができる。また、
口部の内径面に環状溝を設けることができ、その
環状溝にゴム栓蓋の突条縁を係合させ、ゴム栓蓋
を密嵌状態に保持し、緩まなくするものである。

実施例 以下、この考案を実施の一例である図面にした
がつて説明すると、１はゴム栓蓋で、鍔部１ａと
挿入部１ｂとから構成されると共に、その挿入部
の外周所要個所に横断方向に突出する突条縁１ｂ
１が形成され、その突条縁１ｂ１より先端部１ｂ
２を円錐状に形成され、挿入しやすい形状に設け
られ、また挿入部１ｂは内芯を先端より肉抜き空
胴１ｂ３に形成され、弾力性に富む管状に形成さ
れる。

２は管瓶本体で、肉厚の薄いガラス生地管４か
ら設けられ、その生地管の両端を縮径し、外周を
帯状に隆起して胴部２ｃの肉厚（生地管の肉厚と
略同一）に対して二倍程度の厚みに形成し、隆起
厚肉口部２ａを設け、その口部２ａの内径面に前
記ゴム栓蓋の挿入部１ｂの突条縁１ｂ１と係合す
る環状溝２ｂを形成する。

管瓶本体の隆起厚肉口部２ａおよび口部内径面
の係止用環状溝２ｂは、次の製造工程により形成
される。第４図に示す如く、管瓶本体は長尺の素
材管（図示しない）から所要長さの肉厚の薄いガ
ラス生地管４を裁断し、その両端を一端ずつ加熱
溶解して隆起厚肉口部２ａに形成し、それから中
間を裁断し、夫々の中間切断端に底付けをなして
完成するが、口部を成形するとき、ガス火炎をあ
てて落下しない程度に灼熱溶解し、その部分にセ
ンターピン３を嵌挿した後、両側から成形ローラ
５，５を押付け、管瓶本体２の回転で口部を短尺
管４の外径より縮径し、かつ外周を隆起させ、厚
肉の隆起厚肉口部２ａを形成し、またその口部２
ａの内径側をセンターピン３を軸に、その外径に
したがつて円径孔に形成すると共に、センターピ
ン３の基部外周に隆設される突条刃３ａにしたが
つて内径面の一部を凹陥し、環状溝２ｂを形成
し、その口部２ａが固化しない半溶解時に、セン
ターピン３を軸方向に移動し口部２ａから引き抜
き、また成形ローラ５，５を両外側方へ隔離す
る。そこで、管瓶本体２の隆起厚肉口部２ａの内
径面に突条刃３ａにより螺施状凹部がわずか残る
が、センターピン３のその突条刃３ａより前端側
が引き抜かれるときに摺擦し、その隆起する部分
と凹陥する部分とを元に戻して同一の円径孔２ｄ
に修正する。そして環状溝２ｂのみが隆起厚肉口
部２ａの内径面に形成される。

効 果 この考案は、肉厚の薄いガラス生地管の両端を
口部に、中間を裁断した後、その中間切断端の
夫々に底付をなして設ける管瓶本体と、その口部
に嵌挿するゴム栓蓋からなる薬液用管瓶に関する
ものであり、その管瓶本体の構成は前述の如く、
口部は、その肉厚の薄いガラス生地管より縮径さ
れており、その口部の先端側には、縮径加工を受
けない胴部より厚くなるように帯状に外周を隆起
して隆起厚肉口部に設けられており、この内径面
に環状溝が設けられており、この環状溝にゴム栓
蓋の挿入部の外周に設けた突条縁が係合されるも
のであるから、口部は丈夫となり、ゴム栓蓋を強
く押し込んでも、口部が破損することがなく、医
薬生産ラインなど大量生産現場においても簡単な
装置で連続的に封緘することができ、一旦嵌装さ
れると、ゴム栓蓋は密嵌状態に保持され、緩むこ
とがなく、内部の収容液を密封することができる
ものである。しかも、使用にあたってはゴム栓蓋
を指先で摘めば容易に脱嵌し、解栓することがで
きるものである。

よつて、薬液を密封する薬液用管瓶として、極
めて実用的効果の多いものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであつて、
第１図はこの考案管瓶の縦断面図、第２図はゴム
栓蓋単体の縦断面図、第３図は管瓶本体の縦断面
図、第４図〜第５図は管瓶本体の隆起厚肉口部の
孔面に係止用環状溝を成形する製造工程を示す説
明図、第６図はセンターピンの要部の斜視図であ
る。 １……ゴム栓蓋、１ａ……鍔部、１ｂ……挿入
部、１ｂ１……突条縁、２……管瓶本体、２ａ…
…隆起厚肉口部、２ｂ……環状溝、２ｃ……胴
部、３……センターピン、３ａ……突条刃、３ｂ
……円径外周、３ｃ……面取面、４……生地管、
５，５……成形ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄いガラス生地管４から製造される管瓶におい
   て、口部は、その外径および内径をその生地管４
   より縮径されており、その口部の先端側には、縮
   径加工を受けない胴部の肉厚より厚くなるように
   帯状に外周を隆起して隆起厚肉口部２ａが設けら
   れておると共に、この隆起厚肉口部２ａの内径面
   に環状溝２ｂが設けられており、この環状溝にゴ
   ム栓蓋１の挿入部の外周に設けた突条縁１ｂ１を
   係合させ、ゴム栓蓋１を嵌着して内部に薬液を密
   封することを特徴とする薬液用管瓶。