JPH04275203A - 歯科用金属の粉体、その製造方法、歯の補綴物の土台の製造方法および歯の補綴物の製造方法 - Google Patents

歯科用金属の粉体、その製造方法、歯の補綴物の土台の製造方法および歯の補綴物の製造方法

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JPH04275203A
JPH04275203A JP3037567A JP3756791A JPH04275203A JP H04275203 A JPH04275203 A JP H04275203A JP 3037567 A JP3037567 A JP 3037567A JP 3756791 A JP3756791 A JP 3756791A JP H04275203 A JPH04275203 A JP H04275203A
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dental
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powder
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palladium
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Der Zel Joseph M Van
ヨーゼフ マリア ファンデルツェール
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Elephant Edelmetaal BV
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的に歯科用金属か
ら成る粉体であり、クラウンすなわち歯冠およびブリッ
ジすなわち歯橋などの歯の補綴物の製造に適する粉体に
関するものであり、歯科用金属から成る土台と、陶材焼
成被覆層に関する。また本発明は、そのような歯科用金
属粉の製造方法に関する。さらに本発明は、歯冠または
歯橋などの歯の補綴物の製造方法にも関し、歯科用金属
の土台および歯科用陶材焼成被覆層を含み、実質的に歯
科用金属から成る粉体をペースト状のスラリにまぜ、復
元されるべき形の最終的なペーストを埋没材型の上に置
き、そのようにして得られた組成物を歯科用金属粉体が
金属塊に焼結されるに充分な温度にまで加熱し、さらに
そのようにして得られた土台に歯科用陶材の被覆層を焼
付け、任意に表面を仕上げる方法を含む。
【0002】さらに本発明は、歯冠または歯橋などの歯
の補綴物の土台を製造する方法に関し、歯科用金属およ
び歯科用陶材焼成被覆層を含み、実質的に歯科用金属か
ら成る粉体をペースト状のスラリに混ぜ、復元されるべ
き形状にしたペーストを埋没材型の上に置き、このよう
にして得られた組成物を歯科用の粉体が金属材質の塊に
焼結されるほど充分な温度にまで加熱し、このようにし
て得られた土台の表面を任意に仕上げる方法を含む。
【0003】
【従来の技術】歯科用陶材焼成被覆層を伴う金属から成
る歯の補綴物は、実際いわゆるロストワックス方法によ
る特定の歯科用合金を鋳造することによって製造される
。この既知の方法によれば歯科用合金は、溶解されて焼
却したワックス型の埋没材鋳型に流し込まれる。
【0004】この関連のある製造方法は、以下の段階を
踏む。
【0005】1、先ず最初に歯科医は、実質的にシリコ
ンを含む印象材塊で処置歯のための型を取る。
【0006】2、それから、石膏による凸型印象の鋳物
を印象模型からつくる。
【0007】3、歯科技工士は、その石膏の型の上にワ
ックス型をつくる。
【0008】4、ワックス型は、ワックスの供給口を施
され埋没材塊に組み込まれる。
【0009】5、埋没材型は、600℃から1000℃
の温度にまで熱せられる。
【0010】6、それから、液状化した金属が最終的に
形成されたくぼみの中に流込まれる。冷却後、ワックス
型が加熱されているときに、鋳物は収縮するが埋没材が
膨張するので補われる。
【0011】7、その鋳造物は、セラミックにより被覆
される石または硬質の金属カッタで仕上げられて、そし
て好ましくは歯科用陶材によって被覆される(この言葉
は、歯科用に使用されるのに適切なものとしての意味の
広いセラミック物質として使われる)。
【0012】文献によれば、歯の補綴物を製造するため
のより労力の少ない方法として、これまで提案がすでに
なされている(すなわち、たとえば歯橋や橋冠およびプ
レートなどの歯の補綴物である)。上記記載の2から6
までは、以下の3段階によって代用ができる。すなわち
、 a、印象は、石膏の代わりに埋没材に鋳造され、その型
は1000℃から1200℃の温度で焼かれ、埋没材は
石英砂にある種の分散粉末を混ぜたもの、および酸化マ
グネシウムとバインダとして用いる亜燐酸アンモニウム
の混合物から成る。粉体は、コロイド状の珪土に混ぜら
れてスラリ状にされる。そのスラリ状の物質は、印象に
流込まれて5分から10分の間に硬質の材質になる。
【0013】b、スラリ状の金属は、適当な位置に置か
れた埋没材型の上に置かれる。適切に製造された金属粉
体は、たとえばプロピレングリコールやエチレングリコ
ールまたはポリエチレングリコールとまぜられ、ペース
ト状の分離可能な材質を得ることができる。上述のグリ
コールの代わりに他の様々な物質が利用できる。たとえ
ば、ポリビニルアルコール、高温の融解したワックスと
メチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどの
セルロース類などである。
【0014】c、利用される粉体は、1000℃から1
300℃の温度で金属の塊に焼結される。
【0015】酸化を防ぐためにこの最後の段階は真空状
態で行われ、米国特許4,702,696に開示されて
いるような、適切に改良の加えられた炉を使用すること
が必要である。そのような特殊な炉を使うことによって
生じる経済的な不利益を解消するために、貴金属の粉体
のみを使用するといった方法が提唱されてきた。しかし
ながら、この方法もまた莫大な費用がかかり、その上陶
材で固定するに必要な安定的な酸化物の層を貴金属のみ
から成る合金の上に形成することは困難である。
【0016】米国特許3,502,466では、歯科製
品特に、金属粉体その中でも金属の粉体を利用した歯冠
の製造方法が開示されている。この金属粉体は、先ず最
初にペーストまたはパテとなるバインダと混ぜられる。 出来上がったペーストが所望の形に形成されたものを加
熱されてバインダが取られ、金属粉体は小さな塊に焼結
する。この公報において、開示されている金属粉体とし
ては、純金の粉末、金・プラチナ・パラジウム・銀の合
金から成る粉体また金、プラチナ、パラジウム、銀およ
びシリコン(またはアルミニウム)の混合粉体およびチ
タンおよびニッケルの混合粉体である。
【0017】さらに、米国特許4,661,071にお
いて、さらに進んだ方法が開示されている。これによる
と、ニッケルクロムの合金およびニッケル・クロム・シ
リコンの合金を混ぜたもの、またはニッケル・ホウ素・
シリコンの合金から成る金属粉体を使用する。この粉体
は10〜1000μmHgの減縮された圧力のもとで焼
結されねばならなく、好ましくは10〜100μmHg
の圧力が好ましく、高価な高真空炉を必要とする。
【0018】ドイツ特許出願35  32  331に
よると、そのような方法として、粉体の大きさが好まし
くは30〜100μmの大きさの荒い粒と、50μm以
下の粒子の大きさの微細な粒の混合物を用いる方法が呈
示されている。その粉末状の混合物は、貴金属がコアと
なっているが、またコアとなる金属を含んだ合金、たと
えば金・錫・インジウムの合金と、金とプラチナの粉体
を混合したようなものも使用可能である。焼結時に、錫
およびインジウムの酸化を避けるためには、焼結が従来
の陶材を焼く炉の中ではグラファイトの容器の中で行わ
なければならない。
【0019】この既知の方法は、さらに以下のような不
利な点を有する。すなわち、粉体の粒子の大きさの異な
ることや、構成物質の違いから遊離が簡単に起こりやす
く、最終生産物の予期しない不均一性が起こる(しかし
、物理的な特性については言及されていない)。
【0020】一般的な温度状況や焼結時間のもとにおい
ては、構成物質の混合物を焼結して歯の補綴物を生産す
ることが化学的に相入れない質の物質を生み出すことに
なる。構造的な欠陥は、物質の微細な構造におけるその
ような不均一性から起こるのである。さらに、粉体状の
混合物を使用することは焼結時に膨張することを意味し
、そのことにより、最終生産物にひびが入るということ
になりかねない。拡散率が等しくないとしたならば、製
品に穴があくことになり、焼結された製品が脆いものに
なりかねない。種類の違う金属および粒子の大きさの違
う金属を用いるいかなる方法によっても、延性の低い脆
い物質ができることになる。合金の破断点からの金属の
延びは、延性を決定すると考えられている。酸化されや
すい合金を使用する際において、延性が低いということ
は酸化物の膜が粉体の粒子の上に形成され、均一性を有
する焼結物が全く形成されないことによるのである。
【0021】米国特許4,742,861においては、
歯の補綴物の生産過程について開示されており、その方
法においてはプラチナやパラジウムなどの高融点構成要
素を大きな量、また金などの低温の融点を持つ構成要素
を小さな量として混合した金属粉体を用いることとして
いる。バインダを用いることにより、混合物はペースト
状の物質に混ぜられる。このペースト状の物質が所望の
形に形成された後、高融点構成要素の融点以下の温度に
まで加熱されるが、前記温度ではしかし低温の融点を持
つ構成要素が溶けてしまい、高融点を持つ物質とともに
細孔のあいた構造を形成することになる。この孔のあい
た構造に低融点を持つフィラ物質、たとえば金などの物
質を加えて、金属塊を得る。
【0022】低融点物質によって飽和すると、この構成
要素は歯の補綴物のまわりから染みでる恐れがある点で
問題があり、したがって歯の補綴物は外側に突出し、も
はや適合しなくなる。第2の問題点は、その金属を焼付
されるべき陶材に適切に密着するに必要な安定した酸化
層を形成しないということである。混合物の1〜15体
積%を占める成分は、たとえば金の細かい粉体から成る
第2成分よりもさらに好ましくは5〜10倍大きい大き
さのプラチナまたはパラジウムの粉体から成る。焼結時
において、その混合物は、金属の塊となる。
【0023】低融点貴金属を85から99体積%という
多量に用いることにより、この方法によって従来の陶材
を生成するに必要な加熱温度で安定性の低い半合金が出
来上がることになる。第2の問題点としては、金属の構
造において、使用される金属が金属と陶材の化学結合を
得るに必要な安定した酸化層を形成しないという点であ
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的としては
、このような既知の方法における欠点を除去し、歯科用
金属から実質的になる粉体を使用することにより、前記
発明の目的を実現しようとし、前記粉体は歯冠や歯橋な
どの歯の補綴物を形成するのに適しており、歯科用金属
から成る土台と歯科用陶材焼成被覆層を含み、前記粉体
は以下の点で特徴を有する。すなわち、粉体においては
、歯科用金属から実質的に成るコアを有し、前記コアは
焼結時において酸化から前記コアの歯科用金属を守り、
または粉体が焼結されるときの温度を低減させる実質的
に金属からなる1ないしそれ以上の層によって覆われる
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明はまた、歯冠また
は歯橋などの歯の補綴物の形成方法に関するものであり
、歯科用金属から成る土台と歯科用陶材焼成被覆層を含
み、ペースト状のスラリに実質的に歯科用金属から成る
粉体をまぜ、形成されるべき歯の補綴物の形にした最終
的なペーストを埋没材型の上に置き、金属の塊になるよ
うに歯科用金属粉体を焼結するに充分な、またこのよう
にして得られた土台に歯科用陶材焼成被覆層を焼付ける
に充分な温度にまで加熱し、もし必要ならば表面を処理
し、また本発明は歯冠や歯橋などの歯の補綴物の土台の
製造方法に関し、歯科用金属の土台および歯科用陶材焼
成被覆層を含み、実質的に歯科用金属から成る粉体をペ
ースト状のスラリにまぜて形成されるべき歯の補綴物の
形にした最終的なペーストを埋没材型の上に乗せ、歯科
用金属から成る粉体が金属の塊になるに充分な温度にま
で最終的な組成物を加熱し、もし必要ならば最終的に得
られる土台の表面を処理し、本発明による粉体を金属の
粉体として用いる点を特徴とする。
【0026】
【作用】前記発明による粉体は、歯科用金属から成るコ
アを用い、前記コアには1層または複数層から成る被覆
層に覆われ、歯科用金属から成るコアを覆う1または複
数層の被覆層は、(a)コアの歯科用金属よりもより低
い融点を持つ金属または(b)コアの歯科用金属に反応
することができる金属、またはコアの歯科用金属よりも
より低い融点を持つ材料を構成する隣接した被覆層から
の金属に反応することができる金属のいずれかの少なく
とも1層を含む。
【0027】特に、好ましい本発明における粉体は、以
下の特徴を、すなわちコアを1ないし複数被覆する金属
が歯科用金属から成り、貴金属または酸化されない貴金
属の合金の少なくとも1層を含むこと。
【0028】特に、歯科用金属から成るコアの1層また
は複数の金属で覆った被覆層が少なくとも1層の金、パ
ラジウム、プラチナ、イリジウム、ロジウム、ルテニウ
ムから成る層を含むことが好ましい。
【0029】本発明の好ましい実施例として、以下の点
、すなわち歯科用金属から成るコアを1層または複数の
金属で被覆する被覆層が内側の少なくとも1層が銅、ニ
ッケル、インジウム、錫、ガリウムまたは亜鉛そして外
側の少なくとも1層が金、パラジウム、プラチナ、イリ
ジウム、ロジウムまたはルテニウムの層を含むという特
徴を有する。
【0030】特に好ましい本発明の実施例として、以下
の点すなわち歯科用金属からコアの被覆層が1ないし多
層の金属層に覆われており、内側の少なくとも1層がパ
ラジウム、外側の少なくとも1層が金から成る層が含ま
れていることを特徴とする。
【0031】これまでに開発されてきた陶材金属技術に
おける歯科用合金属は、粉末のコアとして用いられてき
た。陶材を焼付けするのに用いられる歯科用合金属は、
以下の4グループに細分化される。
【0032】1、プラチナ金の合金、すなわちAu85
%、Pt8%、Pd5%、In2%。
【0033】2、パラジウム金の合金、すなわちAu5
2%、Pd38%、In8%、Ga2%。
【0034】3、高パラジウムの合金、すなわちPd7
9%、Au2%、Cu10%、Ga9%。
【0035】4、銀パラジウムの合金、すなわちPd5
4%、Ag38%、Sn8%。
【0036】これらの合金は、臨床に使用されるにおい
て充分なものであり、またそれらの構成のため生物化学
的に好ましい特性を有する。さらに、進んだ開発が何年
間かなされ、これらの合金は非常に高いレベルに達し、
陶材金属結合、陶材のひび割れから口内での研磨および
口内での振舞いに関して殆どの問題が起こっていないと
いう事実にそのことが表れる。
【0037】さらに、本発明によって新しい可能性、す
なわち孔があくことはあっても殆ど細孔のあかない合金
、または孔があくことはあっても殆ど孔のあかない、た
とえば純チタニウムのような金属を利用するという可能
性をも生み出す。チタニウムは、生化学的に非常に好ま
しい金属であるということが判っており、特に身体に移
植する場合には特に好ましい物質である。たとえば、ア
レルギ反応を患者に生じさせないことが知られている。 チタニウムは、酸素との高親和力を有する反応の高い金
属であるので、既知のロストワックス方法によって鋳造
され得ない。非常に真空度の高い状況(0.01mba
r以下の圧力)においてのみ、所望の品質を持ったチタ
ニウムの鋳造物が製造され得るに過ぎない。非常に高い
融点を持ち、非常に高い反応性を持つために歯科用金属
が反応に鋳造されるといったような要求を埋没材がすべ
て満たすと考えられない。今までの所、酸素を含まず、
そして細孔を持たない完全な均一性を有するチタニウム
を製造しようとする試みは成功するにいたっていない。 本発明における被覆された歯科用金属粉体という考え方
によれば、今やチタニウムから歯の補綴物を構成するこ
とが可能となる。このように本発明によれば、約600
°の温度において、チタニウムの内部酸化がプラチナま
たはパラジウムから成る層をバリアとして形成して酸素
の貫入の侵入を防ぐことにより防止される。
【0038】本発明によれば、コアの歯科用金属は、プ
ラチナ金の歯科用合金、パラジウム金の歯科用合金、高
パラジウム歯科用合金、銀パラジウム歯科用合金やまた
はチタニウムそれ自身から形成されることが好ましい。
【0039】特に本発明によって好ましい例としては、
以下の点、すなわちコアがプラチナ金の歯科用合金、パ
ラジウム金の歯科用合金、高パラジウム歯科用合金また
は銀パラジウム歯科用合金によって形成され、前記コア
はさらにパラジウムやまたは金の層によって覆われてい
ることを特徴とする粉体を用いることにある。
【0040】さらに、別の好ましい本発明の実施例とし
て以下の点、すなわちコアがチタニウムで構成され、さ
らにコアが銅またはニッケルの層、パラジウム、もし必
要ならば金の層で覆われていることを特徴とする。
【0041】本発明による粉体は、一般に100μmの
粉体の大きさ(外径)、好ましくは70μm以下の粉体
の大きさ(外径)が好ましい。本発明に従う粉体におい
ては、コアを1層または複数層に覆う被覆層が1から7
5μm、好ましくは5から65μmの厚さを有すること
が好ましい。コアを1層または多数の層に覆う被覆層は
、一般に粉体を1から50体積%、好ましくは5から2
5の体積%で構成される。
【0042】それを粉体全体に配置しても、付加された
被覆層は粉体の均一性に影響を与えず、好ましくない酸
化物を形成するというリスクを減らし、高速の焼結が、
低融点金属が粉体の粒子の表面に存在し、または形成さ
れるという事実に基づき可能となる。応用化された1層
のまたは多層構造の厚い被覆層により高真空のもとで焼
結させる必要がなくなり、焼結は一般の陶材を焼く炉に
よって行うことができ、そのことにより特別な装置を使
う方法に比べて優位な地位に立つ。
【0043】本発明による粉体の生成方法は、それ自体
重要ではない。純粋な金属または金属合金から成る層は
、たとえばガルバニック(電解質)法、そして、高真空
スパッタリング(陰極スパッタリング)法によって利用
される。
【0044】好ましくは、1ないし多層構造のコアを包
む粉体が電解方法により利用されることが好ましい。適
切であり、好ましい実施例に従えば、被覆される粉体は
陽極としてつながれている撹拌器により常時掻きまぜら
れ、粉体は粉体の上に置かれるべき金属化合物を含んだ
電解質に接触している。撹拌器に過剰な金属が付着しな
い最善の方法は、撹拌器に電解質が通過する部分に絶縁
体のジャケット、または被覆層を設置されることが好ま
しい。陽極は、粉体と陽極が接触するのを妨げる働きを
する膜によって覆われることが好ましい。
【0045】「実質的に歯科用金属からなる粉体」とい
う言葉は、時々請求項中に使われるが、この言葉は、粉
体が混合物を含み、すなわち粉末状の混合物から成る実
施例を含む。たとえば焼結状態に影響を与えるために、
そういった混合物は金属の、酸化、もしくはセラミック
状物質たとえばホウ素、シリコン、粉体歯科用陶材、酸
化イットリウム、酸化ホウ素、珪土などにより構成され
る。ホウ素およびシリコンの粉体は、たとえば、焼結時
において付加的な脱酸剤として作用し、外側の層が金属
粉から成る低融点共晶物を形成する。歯科用陶材粉体は
開口している孔を埋め、分肢埋没材を湿らせることを促
進するのに役立つ。この目的のため、たとえば酸化イッ
トリウムと酸化ホウ素が用いられる。
【0046】そのような利用を可能な混合物の量に関し
ては制限がないが、一般的にいって約10重量%まで、
好ましくは5重量%以下の混合物が用いられる。
【0047】本発明は、さらに幾つかの実用例で示され
るが、これは単なる実用例であって発明の範囲がこれに
よって制限されることを意図するものではない。
【0048】
【実施例】実施例1 一般によく用いられる歯科用合金は、以下の組成を持つ
。81%のパラジウム、10%の銅、そして9%のガリ
ウムを非常に微細な粉体に、いわゆる不括性ガス粉砕機
の中で粉砕した。金属粉体は、荒い粒子を除去するのに
45μmでふるいにかけた。
【0049】粉体は、電気分解によって金属被覆層を付
着させるために200mml容量のビーカの底に厚さ約
2cmの層をなしておかれた。陰極は、L字形に曲げら
れ、そして直径4mmのステンレス鋼の棒から出来てい
る。L字形の縦の部分は、絶縁体フィルムによって覆わ
れている。L字形の横の部分は完全に粉体の層によって
覆われている。粉体が陽極とぶつかり合うことによって
生じる粉体の負荷を失うことを防ぐために、陽極を粉体
の粒子を止めるグラスウールの膜で覆った。しかし、イ
オンの直流電流の流れは保証されている。
【0050】溶液は、以下のものを含む。
【0051】 Pd(塩化パラジウム)              
50g/1塩酸                  
          60ml/1塩化アンモニウム 
               30g/1電流密度(
陽極)                1.0A/d
m2温度                     
       40℃ガルバ電池の電位差は、0.5V
から1.0Vであった。少しの時間経過後、高パラジウ
ム層が粉末体の上に形成され、前記層が非常に厚みが厚
い場合においてもひび割れは生じなかった。
【0052】粉体は、蒸留水によって洗浄された。そし
て再びビーカに戻された。前記粉体に100mlのシア
ン化金の液体、すなわち シアン化金                    
  30g/1シアン化カリウム          
      100g/1約1Vの電位差が電池にかけ
られ、陰極は粉体の中を注意深く、しかし継続的に往復
運動をさせた。30分経過して、前記粉体を濾過により
分離し、その後洗浄し乾燥した。10μmの金の層を粉
体の上に配置した。このことは、全ての合金中において
金が8重量%含むことを意味する。
【0053】この粉体から成る12×3×1mmのスト
リップを埋没材型の中へ焼結した。支持長さ9mmの3
点曲げテスト装置で曲げ強度をテストした。100〜2
00Nの範囲で、この未処理の粉体は引張り破断値を有
し、被覆された粉体は800Nの値を有した。
【0054】上記方法によって形成されたストリップは
、10分間950°で酸化した。ダークグレーの安定し
た酸化層が形成された。ストリップは、直径10mmの
金属軸に巻付けられ、殆どの歯科用陶材が合金から分離
した。破断した部分を調べて見るとその半分は陶材の残
滓によって覆われ、このことは取りも直さず破断が主に
歯科用陶材の中で起こり、したがって密着性は満足のい
くものであったということが判った。
【0055】実施例2 45μm以下の大きさの粒子が90%以上の純チタニウ
ムの粉体を第1の材料として用いた。チタニウムを最初
に塩化第2錫の溶液で洗浄した後、薄い銅の層で覆うた
めに、硫酸銅の溶液で洗浄した。
【0056】電気分解法によってパラジウムの層は、以
下の組成を有する溶液で分離された。
【0057】 Pd(塩化パラジウム)          50g/
1塩酸                      
      60ml/1塩化アンモニウム     
           30g/1電流密度(陽極) 
               1.0A/dm2温度
                         
   40℃ガルバ電池の電位差は0.5から1.0V
であった。少したってから高パラジウムの層が粉体の上
に形成され、その厚さにも拘わらず、ひびがはいらなか
った。
【0058】約50μmの層が金属粉体に配置された後
、粉体は濾過によって溶液から分離された。蒸留水で念
入りに洗浄した後粉体を乾かした。粉体をペースト状に
するために、ポリエチレングリコールを混ぜ、埋没材型
の上に置いた。粉体は1100℃で一般の陶材炉で焼結
させ、塊にした。
【0059】顕微鏡によって観察してみると、金属中の
目に見える細孔は観察できなかった。パラジウムの直流
電流による被覆層はチタニウム全体に拡散した。前記合
金は、純チタニウムの金属構造を有していたが、鋳造チ
タニウムによく起こるような不均一性は見られなかった
【0060】3点曲げテストによる被覆されていないチ
タニウムの被覆層を焼結した後、50Nではなくして、
420Nの値が得られた。上記の方法によって得られた
チタニウムのストリップをチタニウム用に市販されてい
る陶材で2層、すなわち0.2mmの厚さの不透明層と
、0.8mmの厚さの象牙の2層に焼付けされた。スト
リップはその後、直径10mmの金属軸に巻いた。ほと
んどの歯科用陶材は、合金から分離した。破断した部分
を調べて見ると、その半分は陶材の残滓によって覆われ
ており、そのことは破断が主に陶材中で起こり、密着性
が満足のいくものであったということを示している。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、均一な構成で安価な炉
を用いて製造することができる歯科用金属粉体、その製
造方法、歯の補綴物の土台の製造方法および歯の補綴物
の製造方法を提供することができる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  歯科用金属の粉体であって、その粉体
    は歯冠または歯橋などの歯の補綴物の製造に適しており
    、歯の補綴物は歯科用金属の土台と歯科用陶材焼成被覆
    層とを含み、この粉体は実質的に歯科用金属のコアを含
    み、このコアは、焼結時にコアの歯科用金属の酸化を防
    ぎ、および/または粉体の焼結温度を下げる実質的に金
    属の1またはそれ以上の層によって被覆されていること
    を特徴とする粉体。
  2. 【請求項2】  歯科用金属から成るコアを1層または
    多層に覆う被覆層が少なくとも(a)コアの歯科用金属
    より低い融点を持つ金属、または(b)コアの歯科用金
    属またはコアの歯科用金属より低い融点を持つ金属を形
    成するための隣接する被覆層からの金属と反応すること
    ができる金属を含むことを特徴とする請求項1記載の粉
    体。
  3. 【請求項3】  歯科用金属から成るコアを1層または
    多層に覆う被覆層が貴金属、または非酸化貴金属の合金
    の層を少なくとも1層含むことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の粉体。
  4. 【請求項4】  歯科用金属から成るコアを1または多
    層で覆う被覆層が少なくとも金、パラジウム、プラチナ
    、イリジウム、ロジウム、ルテニウムの少なくとも1層
    を含むことを特徴とする請求項3記載の粉体。
  5. 【請求項5】  歯科用金属から成るコアを1層または
    多層で覆う被覆層が銅、ニッケル、インジウム、錫、ガ
    リウムまたは亜鉛の内側の少なくとも1層を含み、金、
    パラジウム、プラチナ、イリジウム、ロジウムまたはル
    テニウムから成る外側の少なくとも1層を含むことを特
    徴とする請求項4記載の粉体。
  6. 【請求項6】  歯科用金属から成るコアの1層または
    多層で覆う被覆層がパラジウムから成る内側の少なくと
    も1層と、金から成る外側の少なくとも1層を含むこと
    を特徴とする請求項4記載の被覆層。
  7. 【請求項7】  コアの歯科用金属がプラチナ金の歯科
    用合金、パラジウム金の歯科用合金、高パラジウム歯科
    用合金、銀パラジウム歯科用合金またはチタニウムから
    成ることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちの1つ
    に記載の粉体。
  8. 【請求項8】  コアがプラチナ金歯科用合金、パラジ
    ウム金歯科用合金、高パラジウム歯科用合金または銀パ
    ラジウム歯科用合金で構成され、前記コアがさらにパラ
    ジウムの層と金の層に覆われることを特徴とする請求項
    7記載の粉体。
  9. 【請求項9】  コアがチタニウムから成り、引続き銅
    またはニッケルの層、パラジウムの層およびもし必要な
    らば金の層に覆われることを特徴とする請求項7記載の
    粉体。
  10. 【請求項10】  粉体が100μm以下、好ましくは
    75μm以下の大きさを有することを特徴とする請求項
    1〜請求項9のうちの1つに記載の粉体。
  11. 【請求項11】  コアを1層または多層で覆う被覆層
    が1〜75μm、好ましくは5〜65μmの厚さを有す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項10のうちの1つ
    に記載の粉体。
  12. 【請求項12】  コアを1層または多層で覆う被覆層
    が、粉体の1〜50体積%、好ましくは5〜25体積%
    を構成することを特徴とする請求項1〜請求項11のう
    ちの1つに記載の粉体。
  13. 【請求項13】  実質的に歯科用金属から成る粉体を
    ペースト状スラリにまぜ合わせ、形成されるべき歯の補
    綴物の形にした最終的に得られるペーストを埋没材型の
    上に置き、得られた組成物を歯科用金属の粉体が1つの
    金属塊にまで焼結するに充分な温度にまで加熱して、こ
    のようにして得られた土台に歯科用陶材から成る被覆層
    を焼付けし、任意に表面を処理することを含み、請求項
    1〜請求項12のうちの1つに記載の粉体を歯科用金属
    の粉体を歯科用金属から成る粉体として用いることを特
    徴とする歯科用金属から成る土台と、歯科用陶材焼成被
    覆層を含む歯冠または歯橋などの歯の補綴物の製造方法
  14. 【請求項14】  歯科用金属から実質的に成る粉体を
    ペースト状のスラリに混合し、形成されるべき補綴物の
    形に最終的に得られるペーストを形成したものを埋没材
    型の上に置き、このようにして得られた組成物を1つの
    金属塊になるまで、歯科用金属から成る粉体を焼結する
    に充分な温度にまで加熱し、任意にこのようにして得ら
    れた土台をその表面を処理することを含み、請求項1〜
    請求項12のうちの1つに記載の粉体を歯科用金属の粉
    体として用いることを特徴とする歯科用金属から成る土
    台と、歯科用陶材焼成被覆層を含む歯冠および歯橋など
    の歯の補綴物の製造方法。
  15. 【請求項15】  コアが1層または多層によって覆わ
    れる被覆層が電解法によって適用される請求項1〜請求
    項12のうちの1つに記載の歯科用金属粉体の製造方法
  16. 【請求項16】  被覆される粉体が陰極として接続さ
    れる撹拌器によって、常時撹拌され、粉体上に配置され
    るべき金属の物質を含む電解質と接触することを特徴と
    する請求項15記載の製造方法。
  17. 【請求項17】  前記撹拌器に、電解層が通過する部
    分に絶縁ジャケットまたは被覆層が設置されることを特
    徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】  陽極が粉体と陽極の接触を防ぐメン
    ブレンによって覆われることを特徴とする請求項15〜
    請求項17のうちの1つに記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR960030908A (ko) * 1995-02-25 1996-09-17 볼프강 메르크 · 브렌나이스 성형가능한 치과 기술용 정밀 부착장치
RU2469697C1 (ru) * 2011-05-23 2012-12-20 Открытое акционерное общество "Научно-производственный комплекс "Суперметалл" имени Е.И. Рытвина" Способ нанесения гальванического покрытия на съемные зубные протезы

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