JPH0427365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、プラスチツクで成型するそれ自体
の公知のスキー靴に固着するスキー靴の前方曲げ
剛さ調整具に関するものである。

（従来の技術） 近年普及しているプラスチツク製スキー靴は、
シエルと前カフ、後カフとを側方下部で回動自在
に軸着し、前後カフを開いて足を挿脱し、前後カ
フをバツクルで締緩するものである。

しかし、この構成では、前後カフは前後方向に
動きスキーヤーの足を不安定にするので、特に前
カフの前方への動きを規制する曲げ剛さの調整具
を備えたスキー靴が提案されている。

例えば、○イ特公昭59−225001号公報には、屈伸
性のあるバンドをスキー靴に設けること、該バン
ドに力の伝達装置を設けること等が開示されてお
り、○ロ実開昭60−97003号公報には、前当て（前
カフ）の前縁下端側に接当して所定の前傾角で受
止める段部を表皮（シエル）に形成すること等が
開示されている。

また、○ハ特開昭61−288801号公報には、スリー
ブ（前カフ）の下縁部が、１の撓み部材を介して
靴本体低部（シエル）の上面と共働するスキー靴
において、撓み部材と靴の長手方向軸線とが交差
する点で撓み部材がスリーブの下縁部に対して不
断に保持されること、撓み部材は調節可能な保持
用摺動子と共働すること等が開示されており、○ニ
特開昭62−120801号公報は、スキー靴用カーソル
の構造について開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記○イに開示のスキー靴は、屈伸性のあるバン
ドをスキー靴に設けなければ、力の伝達装置が効
果を発揮しないものである。

前記○ロに開示の合成樹脂製スキー用靴は、前当
ての前縁下端側に接当して前傾角で受止める段部
を表皮に形成するものであるから、前当て前縁下
端側と前傾角で受止める段部とは水平状に接当す
ることになる。したがつて、スキー靴を履用中に
前当てや表皮に過度の前傾衝撃が加わると、接当
した何れかが段部を乗り越えて危険領域まで前傾
し、足の骨折事故に至る危険性がある。

前記○ハのアルペンスキー靴は、撓み部材を不可
欠とし、該撓み部材がスリーブの下縁部に対して
不断に保持されるものであり、調節可能な保持用
摺動子は撓み部材と共働するものであるから、撓
み部材を使用しなければスキー靴の前傾を抑止で
きないものである。

前記○ニに開示のスキー靴用カーソルは、明細書
記載の構造を備え、スキー靴に一連の凹部、一連
の傾斜切込部を設けて該部に押圧して靴胴部が所
定の位置に鎖錠するものであるから、カーソルの
複雑な機構による故障が生じやすい問題点があ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記各公知例における各問題点に鑑みて、この
考案はスキー靴に固着してレバー操作によつて移
動可能であり、単純な構造がために使用者が容易
に自己に適合するように、スキー靴の前方曲げ剛
さを調整できる調整具にしたもので、その構成を
図面に基づいて説明する。

すなわち、スキー靴に固着する基板１に凸部２
と長さ方向に平行するスリツト３を設け、該基板
１の下面に該スリツト内を移動する連結板４を配
設し、上記基板の凸部２に嵌合する凹部５と欠除
部６を設けて突辺７を有する前カフ押え８と、頭
部に欠除部９を設けて二股のカム部１０，１０′
を有するレバー１１とをピン１２で固着したスキ
ー靴の前方曲げ剛さ調整具である。

（作用効果） この考案は、上記のように基板１、連結板４、
前カフ押え８、二股のカム部１０，１０′を有す
るレバー１１を組み付けるものであるが、レバー
を除く部品はプレス加工によつて形成できるから
薄く軽量化が可能になる。そして、この調整具の
基板１をスキー靴のシエルと前カフとの境界に固
着してレバー１１を閉じた状態では、レバーの二
股のカム部１０，１０′が前カフ押え８を基板１
に押しつける。基板１には凸部２を設けてあるか
ら、該凸部が前カフ押え８の凹部５に嵌合し、同
時に前カフ押え８の欠除部６と基板１の凸部２が
嵌合する。かくして、前カフ押え８の基板１に対
する位置きめが可能である。

レバー１０を開放した状態では、前カフ押え８
と基板１との間に隙間ができ、前カフ押え８は上
下に動く。連結板４は基板１のスリツト３内のみ
移動可能であるから、上下せしめて所望部位にお
いてレバー１１を閉じると、レバー１１の頭部は
欠除部９を設けて二股のカム部１０，１０′にし
てあるから、該カム部は基板１に対して２点接触
になり、レバーの開閉にかちかちと発音するの
で、故障の有無を音で確認しながら所望位置に固
定できる。この固定位置において、前カフ押え８
の突辺７はスキー靴を形成するシエルと前カフと
の境界において、前カフの縁部を被つて押圧する
結果、確実に止着できる。

そこで、この考案調整具をスキー靴のシエルと
前カフとの境界に装置し、レバー１１を開いて基
板１のスリツト３内を上下せしめ、スキー靴の上
方でレバー１１を閉じて固定すると、前カフの前
方への曲げ剛さは強くなり、反対にスキー靴の下
方に固定すると、前カフの前方への曲げ剛さは弱
くなる。したがつて、この調整具をスキー靴の側
方に設けるか、内側と外側の両方に設けて前カフ
の前方曲げ剛さを内外別異にすれば、スキーヤー
の意図する方向にスキー靴を運動せしめることが
でき、スキー操作においてスキー板の左右エツジ
を効かせやすくなつてスキーの操縦がしやすいス
キー靴になる。

また、この調整具は小形で軽量化が可能にな
り、簡単な機構とあいまつて安価に供給でき、故
障率も減少するので有益である。

【図面の簡単な説明】

この考案の実施例を示し、第１図は平面図、第
２図はレバーを閉じた状態の説明断面図、第３図
はレバーを開放した状態の説明断面図、第４図は
レバーの平面図、第５図は同断面図、第６図は同
正面図、第７図はスキー靴に装置した状態の側面
図である。 １……基板、２……凸部、３……スリツト、４
……連結板、５……凹部、６……欠除部、７……
突辺、８……前カフ押え、９……欠除部、１０，
１０′……カム部、１１……レバー、１２……ピ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スキー靴に固着する基板に凸部と長さ方向に平
   行するスリツトを設け、該基板の下面に該スリツ
   ト内を移動する連結板を配設し、上記基板の凸部
   に嵌合する凹部を設けた前カフ押えと、基部に欠
   除部を設けて二股のカム部を有するレバーとをビ
   ンで固着したことを特徴とするスキー靴の前方曲
   げ剛さ調整具。